JPH018851Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料供給路に介設される電磁安全弁の
開弁を保持する強制保持回路によりパイロツトバ
ーナの燃焼量を調節できるようにした燃焼制御装
置に関する。

従来の燃焼制御装置として、燃料供給路に介設
されパイロツトバーナの手動点火操作に連動して
開弁する電磁安全弁を、その手動点火操作時に一
定時間駆動する強制保持回路と、パイロツトバー
ナの着火により火移り点火する常火バーナの着火
で起電力を発生する熱電素子とにより開弁保持す
るようにしたものが知られるが、このものにおい
て常火バーナは種火バーナとしての役目と熱電素
子を加熱する役目とを果すだけのものであるか
ら、そのノズルの噴出口は極めて小径にされるを
一般とするもので、燃料供給路内のゴミ等により
ノズル詰まりを生じ易い。したがつて、ノズル詰
まりを生じたときは、常火バーナは失火され、熱
電素子から起電力が発生されなくなつて、常火バ
ーナのノズル詰まりの外は燃焼器の異常がない場
合にも電磁安全弁は閉弁され、燃焼器は使用不能
となる不都合を生ずる。

さらに、このものはパイロツトバーナの外に上
記不都合を有する常火バーナをも備えているの
で、その分構成が複雑で且つ高価である不都合が
ある。

本考案はパイロツトバーナに常火バーナの役目
も兼用させるようにすると共に、パイロツトバー
ナのノズル詰まりを防止するようにして上記不都
合を無くした燃焼制御装置を提供することをその
目的とするもので、第１図及び第２図に例示する
ように燃料供給路１に介設されパイロツトバーナ
２の手動点火操作に連動して開弁する電磁安全弁
３を、その手動点火操作時に一定時間駆動する強
制保持回路４と、該パイロツトバーナ２の着火に
より起電力を発生する熱電素子５とにより開弁保
持するようにしたものにおいて、常時はパイロツ
トバーナ２のノズル６の噴出口６ａ内に臨んで該
噴出口６ａを絞り、該強制保持回路４の駆動時は
該噴出口６ａから退去して該噴出口６ａを全開す
る針７を設けたことを特徴とする。

図示のものは本考案をガス湯沸器に適用した場
合の実施例で、図中８は熱交換器を示し、９は熱
交換器８の上流側に設けられた公知の水ガバナを
示し、１０は通水による水ガバナのダイヤフラム
９ａの変位で作動杆１１を介して開弁する水圧応
動弁を示し、１２は前記パイロツトバーナ２の点
火器を示し、１３はメインバーナを示す。該パイ
ロツトバーナ２は例えば円筒形状をなし、下端部
にガス導入口２ａが設けられ、中間部にノズル６
が設けられ、上端部にガス導出口２ｂが設けられ
るものである。

本考案のパイロツトバーナ２は、上記構成に加
えて、前記針７を、常時はノズル６の噴出口６ａ
内に臨ませ、前記強制保持回路４の駆動時は該噴
出口６ａから退去させる進退調節機構１４を備え
るもので、該進退調節機構１４は該針７を支持す
る磁性体から成る作動杆１５と、該作動杆１５を
若干の間隙を存して囲繞する筒筐１６と、該針７
が常時は該噴出口６ａ内に臨むように該作動杆１
５を弾発するばね１７と、後に詳述する強制保持
回路４により励磁され、該針７が該噴出口６ａか
ら退去するように該作動杆１５を該ばね１７の弾
発力に抗して移動させるソレノイド１８とから構
成される。

該パイロツトバーナ２の手動点火操作は手動操
作部材１９で行なうもので、この手動操作部材１
９は、ガス湯沸器の前面の操作パネル１９ａに挿
設した押釦１９ｂと、これと同軸上に後方にのび
て燃料供給路１内に挿入される操作杆１９ｃと、
その後端に遊びを存して１端で係合するレバ１９
ｄとで構成される。

該レバ１９ｄの他端には前記電磁安全弁３が設
けられ、該操作杆１９ｃ上には固定の遮断弁２０
が設けられる。

かくて該押釦１９ｂの始端位置からの戻ばね１
９ｅに抗した押圧操作によれば、中間位置で該操
作杆１９ｃを介して該遮断弁２０の開弁と、次い
で終端位置で該レバ１９ｄを介して該電磁安全弁
３の開弁とが与えられるようにし、該押釦１９ｂ
が終端位置にあるときは該電磁安全弁３と該遮断
弁２０とを介してパイロツトバーナ２にガスが供
給されるようにした。

該押釦１９ｂは終端位置への押圧操作で前記点
火器１２の電源スイツチ２１を閉成し、終端位置
で押圧を解除すればこれに形成した突起２２に係
合する爪片２３により中間位置でその復帰動作が
停止され、別に設けた消火釦２４の押圧操作によ
る該爪片２３の係合の解除で始端位置に復帰され
るようにした。

前記強制保持回路４は、該押釦１９ｂの中間位
置を越える押圧操作で電源電池２５側から前記電
磁安全弁３のソレノイド３ａ側に切換わる切換ス
イツチ２６と、該切換スイツチ２６が該ソレノイ
ド３ａ側に切換わつたときに該電源電池２５によ
り充電された電荷を該ソレノイド３ａを介して放
電するコンデンサ２７とで構成され、該コンデン
サ２７の放電時に該ソレノイド３ａを励磁して、
前記一定時間の間、該電磁安全弁３を開弁状態に
吸着保持するを一般とする。

本考案の強制保持回路４は、上記構成に加え
て、前記調節機構１４のソレノイド１８を、第２
図のように電磁安全弁３のソレノイド３ａに直列
に、或いは第３図のように電磁安全弁３のソレノ
イド３ａに並列に備えるもので、該コンデンサ２
７の放電時に該ソレノイド３ａが励磁されるよう
にした。次いでその作動を説明するに、パイロツ
トバーナ２の手動点火操作を行なう手動操作部材
１９の押釦１９ｂを、その始端位置から終端位置
へ向けて押圧操作すれば、中間位置で遮断弁２０
が開弁され、次いで終端位置で電磁安全弁３が開
弁されると共に、点火器１２が駆動されパイロツ
トバーナ２が点火される。

パイロツトバーナ２の着火後、押釦１９ｂの押
圧を解除するが、このとき押釦１９ｂは中間位置
に拘束され、強制保持回路４が一定時間駆動され
て、電磁安全弁３の開弁状態が保持されると共
に、針７がパイロツトバーナ２のノズル６の噴出
口６ａ内から退去され、噴出口６ａが全開され
て、かくてパイロツトバーナ２の燃焼量は、一定
時間、大に保持され、これにより例えば熱電対か
ら成る熱電素子５の加熱が開始される。

さらに、一定時間経過後は、強制保持回路４の
駆動が停止されて、針７がパイロツトバーナ２の
ノズル６の噴出口６ａ内に臨み、噴出口６ａが絞
られると共に、熱電素子５の所定起電力により電
磁安全弁３の開弁状態が保持されて、かくてパイ
ロツトバーナ２の燃焼量は小に保持され、パイロ
ツトバーナ２は種火バーナとしての役割を果す。

その後通水すれば、水ガバナ９のダイヤフラム
９ａが変位して水圧応動弁１０が開弁され、パイ
ロツトバーナ２からのメインバーナ１３の火移り
点火が与えられる。

上記第２図及び第３図のものでは、手動点火操
作時の一定時間内にパイロツトバーナ２が着火さ
れず、しかも通水が行なわれる最悪の場合を考え
ると、強制保持回路４は駆動しているので、電磁
安全弁３と水圧応動弁１０の開弁が保持されて、
パイロツトバーナ２及びメインバーナ１３から生
ガスが放出される虞れがある。

この虞れを無くしたのが、第４図に示す回路で
ある。

第４図の回路は、第２図の回路に更に電磁安全
弁３のソレノイド３ａと並列の常開型のスイツチ
２８を組込むもので、該スイツチ２８は、第１図
の仮想線で示すように、作動杆１１の中間部に設
けたレバ２９により、通水時に押圧されて閉成さ
れるようにした。

この回路によれば、一定時間内に通水が行なわ
れるとスイツチ２８が閉成され、コンデンサ２７
がシヨートされて、強制保持回路４の駆動が停止
されるので、電磁安全弁３は直ちに閉弁されて上
記虞れを生じない。

このように本考案によるときは、パイロツトバ
ーナ２のノズルの噴出口６ａの開度を、針７の進
退により調節してパイロツトバーナ２の燃焼量を
手動点火操作時の一定時間大に保持し、一定時間
後に小に保持するようにしたので、パイロツトバ
ーナ２に前記従来装置の常火バーナの役目も兼ね
させることができ、常火バーナを省略した分従来
装置よりも構成が簡単で廉価に供給できる効果を
有する。

さらに本考案によるときは、手動点火操作時の
一定時間内は、パイロツトバーナ２の燃焼量は大
に保持され、これにより熱電素子５を加熱するよ
うにしたので、燃焼量が小の常火バーナにより熱
電素子を加熱する前記従来装置に比して、熱電素
子５から電磁安全弁３の開弁を保持するに足る起
電力が発生されるまでの時間を可及的に短かくす
ることができ、かくて強制保持回路４の駆動時間
を可及的に短かくできて、エネルギーの省力化を
促進できる効果を有する。

さらに本考案によるときは、パイロツトバーナ
２のノズル６の噴出口６ａ内に針７を臨ませ、こ
れをパイロツトバーナ２の手動点火操作時に一定
時間駆動する強制保持回路４で退去させるように
したので、針７によりノズル６内の掃除ができ、
したがつて前記従来装置のようにノズル詰まりを
生じることがなく、燃焼器は常に正常に保たれる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置をガス湯沸器に適用した場
合の実施の１例を示す説明線図、第２図はその回
路図、第３図は第２図の変形例を示す回路図、第
４図は第２図の更に外の変形例を示す回路図であ
る。 １……燃料供給路、２……パイロツトバーナ、
３……電磁安全弁、４……強制保持回路、５……
熱電素子、６……ノズル、６ａ……噴出口、７…
…針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料供給路１に介設されパイロツトバーナ２の
   手動点火操作に連動して開弁する電磁安全弁３
   を、その手動点火操作時に一定時間駆動する強制
   保持回路４と、該パイロツトバーナ２の着火によ
   り起電力を発生する熱電素子５とにより開弁保持
   するようにしたものにおいて、常時は該パイロツ
   トバーナ２のノズル６の噴出口６ａ内に臨んで該
   噴出口６ａを絞り、該強制保持回路４の駆動時は
   該噴出口６ａから退去して該噴出口６ａを全開す
   る針７を設けたことを特徴とする燃焼制御装置。