JPH018828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はインプツトされるガスの圧力が低圧
から高圧まで変化してもその全域に亘つて良好な
燃焼を行えるようにしたターンダウン比の大きな
ガスバーナに関するものである。

従来の技術 近時、ガスバーナを用いた機器の汎用化に伴な
いそれぞれの用途に応じた能力を有するガスバー
ナが要求されつつある。例えば乾燥機に使用され
るガスバーナでは、乾燥機内の雰囲気温度を低温
から高温まで任意の温度に調整する必要があるた
め、燃焼能力を大きく可変できるものが要求され
る。そのためガスバーナにインプツトされるガス
の圧力を低圧から高圧まで変化させ乍ら、これに
比例して燃焼用空気を供給し得るようにして良好
燃焼させ得るガスバーナ、即ちターンダウン比を
大きくとれるガスバーナが必要となる。

一方従来から多く使用されているガスバーナ
は、例えば第３図に示す様に、混合管１及びバー
ナヘツド２、ノズル３とを有し、混合管１とバー
ナヘツド２とを一連に形成し、混合管１の基部に
ノズル３を同心上に配置させ、且つノズル３の周
囲に一次空気取入口４を形成し、前記バーナヘツ
ド２に適宜の炎孔５を形成した構造を有してい
る。そして前記炎孔５は大きな炎孔面積を得るた
めに例えばユンケル型と称される炎孔５が形成さ
れる。

考案が解決しようとする問題点 前記の如きガスバーナは炎が横向きに伸び、二
次空気との接触が良好であり、炎孔面積が大きい
ことと相俟つて燃焼能力が高いものである。しか
し、従来のガスバーナではバーナヘツド２内の混
合ガスの層流化が困難であり、またインプツトさ
れるガスの圧力が低下すると、混合ガスの流速が
遅くなり逆火を生じ易くなるためにインプツトさ
れるガスの圧力をあまり低下させることができな
いのでターンダウン比を大きくすることができ
ず、燃焼能力を大幅に可変調整することができな
かつた。

またターンダウン比を大きくできるようにした
ガスバーナとして例えば実公昭54−22190号公報
や実公昭54−26908号公報にて開示されたものが
ある。前者のものはリフテイングを防止するため
に燃焼用二次空気を炎孔部へ積極的に供給できる
ようにしたものであり、後者のものは主炎孔の下
部に補助炎孔を設けて両者の補完作用によりリフ
テイング及びバツクフアイヤを防止するようにし
たものである。しかし、これらガスバーナは構造
が複雑でコスト高になる問題がある。またバーナ
ヘツド内での混合ガスの層流化が促進されず乱流
を生じる恐れがあり、燃焼効率も悪かつた。

問題点を解決するための手段 この考案は、円盤状で、中央部を上方へ椀形に
膨らませ、且つ外周縁近傍を全周に亘つて上方へ
僅かに膨らませたバーナトツプと、円盤状で、中
央部を下方に膨らませ、且つ、外周縁近傍を全周
に亘つて下方へ僅かに膨らませ、前記バーナトツ
プと組合わされてバーナヘツドを構成し、且つそ
の周縁部において狭隘な増速帯とこれより僅かに
広い減速帯とを同心上に構成するバーナボトム
と、前記バーナトツプとバーナボトムの周縁部間
に配され、全周に亘つて適当間隔毎に多数の第１
炎孔を形成するリング状の炎孔板と、前記炎孔板
の内面で且つバーナトツプとバーナボトムとの間
の空間を仕切るように装着され、全周に亘つて微
細な第２炎孔を無数に形成する円筒状のパンチン
グスクリーンと、バーナボトムの中心部に接続さ
れるベンチユリー状の混合管とでガスバーナを構
成したものである。

作 用 この考案は混合管へ供給された混合気をバーナ
ヘツド内に導入し、ここで層流化させ、続いて増
速帯で混合気を絞り乍ら増速させ、次に減速帯で
減速させた後第２炎孔及び第１炎孔を通し、しか
も第１炎孔で混合気を上下から衝突させ乍ら噴出
させて燃焼させるようにしたものである。

実施例 第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す図
面で、同図において、１０はバーナトツプでステ
ンレス薄板を素材として円盤状で、中央部を上方
へ椀形に膨出１１させ、且つ外周縁近傍を全周に
亘つて僅かに上方へ膨出１２させた形状を有して
いる。１３はバーナボトムで、ステンレス薄板を
素材として前記バーナトツプ１０と同一面積の円
盤状で、椀形膨出部１１と対応する中央部を下方
へ膨出１４させ、且つ外周縁近傍の前記膨出部１
２と対応する周囲を下方へ僅かに膨出１５させた
形状を有し、前記膨出部１４の中心部に混合気を
導入させる導入口１４ａを形成してある。このバ
ーナボトム１３は前記バーナトツプ１０と適当な
間隔をもつて対向配置させてバーナヘツド１６を
構成すると共に周縁部において、内側から狭隘な
増速帯１７と増速帯１７より広い減速帯１８を同
心上に形成し、さらに周縁を開放させてある。１
９はバーナトツプ１０とバーナボトム１３との間
に設けた炎孔板で、リング状に形成され、且つ外
周縁全周に亘つて適当間隔毎にＵ字形の切欠溝２
０，２０…を放射状に形成してあり、各切欠溝２
０，２０…とバーナトツプ１０及びバーナボトム
１３との間で第１炎孔２１，２１…を構成する。
この炎孔板１９はバーナヘツド１６の外周炎から
減速帯１８の略内側まで配設され、第１炎孔２
１，２１…が減速帯１８略中間部から始まるよう
にしてある。２２は炎孔板１９の内周縁に装着し
た円筒形のパンチングスクリーンで、バーナヘツ
ド１６の減速帯１８を仕切つており、微細な第２
炎孔２３，２３…を無数に形成し、各第２炎孔２
３，２３…を通つた混合気を炎孔板１９の上下か
ら第１炎孔２１，２１…へ供給し、第１炎孔２
１，２１…内で衝突させて外部へ噴出させてい
る。２４はバーナボトム１３へ接続した混合管
で、一部を絞つたベンチユリ状に形成し、その基
部に燃焼用一次空気を取り入れるための取入口２
５，２５を形成してある。また混合管２４は上端
より少し下方を外方へ膨出させて係止フランジ２
６を形成し、上端をバーナボトム１３の導入口１
４ａへ嵌入させて係止フランジ２６をバーナボト
ム１３に接触させ、この状態で上端２４ａをカシ
メて気密に一体結合してある。２４ｂは補強用リ
ブで、ベンチユリ形成時に同時に成形される。２
７は混合管２４の基部に回転可能に装着した回転
ダンパーで、一部に開口部２８，２８を形成して
あり、当該開口部２８，２８と混合管２４の取入
口２５との重り具合で取入口２５の開口面積を調
整する。２９は混合管２４の基部内に同心上に配
置されたノズルで、混合管２４の基部に取付けら
れたノズルブラケツト３０に支持されている。

上記構造のガスバーナは、ノズル２９から燃焼
ガスが混合管２４内に供給されると、その圧力に
応じて空気取入口２５から燃焼用一次空気を取り
入れ、混合管２４内で混合し乍らバーナヘツド１
６内に導入する。そしてバーナヘツド１６内に導
入さた混合気をバーナトツプ１０の椀形膨出部１
１にて層流化して周囲へ分散させ、増速帯１７を
経て減速帯１８へ流通させ、当該減速帯１８内で
第２炎孔２３，２３…を通し、さらに炎孔板１９
の上下から第１炎孔２１，２１…内へ供給し、こ
こで上下から衝突させて外部へ噴出させ燃焼させ
る。

尚、上記実施例では第１炎孔２１，２１…を炎
孔板１９に形成したＵ字形の切欠溝２０，２０…
で構成するようにしたが、これに限定されるもの
ではなく、他にリング状薄板を周方向に沿つて波
形に曲げたものを平板を介して数枚組合せて第１
炎孔を構成しても同様の効果を得ることができ
る。

考案の効果 この考案はバーナヘツドに導入された混合気を
バーナトツプに形成された椀形膨出部にて周囲へ
すみやかに分配すると共にその層流化を促進させ
るので内部で乱流を生じず、混合気の流れがスム
ーズになり、さらにバーナヘツドの周縁部におい
て混合気を増速帯で絞つているので、混合気の圧
力が下がつても混合気を確実に噴出させることが
でき、混合管へ供給される燃焼ガスの圧力が低圧
となつても十分に噴出させることができ、ターン
ダウン比を大きくすることができる。つまり燃焼
ガス量に比例して適量の空気を供給し得る。また
混合気を微細な第２炎孔を通した後大形の第１炎
孔を通して噴出させているので内圧が下がつても
バツクフアイヤーを生じず、さらに第１炎孔内で
混合気を上下から衝突させた後噴出させているの
で混合気は水平方向に噴出し、良好な火炎を生ず
るターンダウン比の大きなバーナとなるので燃焼
効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガスバーナの半断面図、
第２図はガスバーナの分解斜視図、第３図は従来
のガスバーナの正面図である。 １０……バーナトツプ、１１……椀形膨出部、
１３……バーナボトム、１６……バーナヘツド、
１７……増速帯、１８……減速帯、１９……炎孔
板、２１……第１炎孔、２２……パンチングスク
リーン、２３……第２炎孔、２４……混合管、２
７……回転ダンパー、２９……ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状で、中央部を上方へ椀形に膨らませ、且
   つ外周縁近傍を全周に亘つて上方へ僅かに膨らま
   せたバーナトツプと、円盤状で、中央部を下方に
   膨らませ、且つ、外周縁近傍を全周に亘つて下方
   へ僅かに膨らませ、前記バーナトツプとの間でバ
   ーナヘツドを構成し、且つ周縁部において狭隘な
   増速帯と僅かに広い減速帯とを同心上に構成する
   バーナボトムと、前記バーナトツプとバーナボト
   ムの周縁部間に配され、全周に亘つて適当間隔毎
   に多数の第１炎孔を形成するためのＵ字形の切欠
   溝を放射状に形成したリング状の炎孔板と、前記
   炎孔板の内周面で且つバーナトツプとバーナボト
   ムとの間の空間を仕切るように装着され、全周に
   亘つて微細な第２炎孔を多数形成する円筒状のパ
   ンチングスクリーンと、バーナボトムの中心部に
   接続されるベンチユリー状の混合管とで構成した
   ことを特徴とするガスバーナ。