JPH018259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は丸ブローチ再研削盤へ丸ブローチカツ
ターを取り付けるためのブローチカツター取付装
置に関するものである。

（従来技術） 丸ブローチカツターの取付部には、第１図イ，
ロで示すような、刃部１から同軸的に突き出した
円柱部２に平面部分３を設けたものと、第２図
イ，ロで示すような、刃部４の一部を切り欠いた
部分５にキー溝６を設けたものとの２種がある。

上記２種の型式をブローチの研削時に研削盤へ
取り付ける場合、第１図に示す型式のものに対し
ては、第３図イ，ロで示すように、ケレー７を円
柱部２に嵌合し、ケレー７に設けたねじ孔８に止
めねじ９をねじ込んで、円柱部２の平面部分３に
当接させ位置固定させ、センター１０，１１をセ
ンタ穴２ａに入れて両端を支持する。第２図に示
す型式のものに対しては、第４図イ，ロで示すよ
うに、一方のセンター１２にはドライブキー１３
をボルト１４で取り付けた型式のものを用い、ブ
ローチカツターに設けられたキー溝６にドライブ
キー１３を嵌合するようにセンター１２をセンタ
穴４ａに入れ、他方には第３図と同じセンター１
１をセンター穴４ａに入れて両端を支持する。

従つて、このような２種類のブローチカツター
が混在して加工ラインに流れている時には、段取
替え作業においてケレー７やセンター１２を取外
し、交替してからブローチカツターを取り付ける
という作業が増えることになる。また、このケレ
ー７やセンター１２の使用にはブローチカツター
を回転させて平面部分３あるいはキー溝６の位置
を合わせる回転方向の位置合わせも加わえられ、
このための工具を使用しなければならず、きわめ
て作業性が悪くなり生産性が落ちるという欠点が
あつた。

（考案の目的） 本考案は上記欠点を解消させるためのもので、
通常の取付部を有する丸ブローチカツターと特殊
キー溝付丸ブローチカツターの両方に共用可能な
センターと回転工具不要なケレーとを組み合せる
ことにより、上記２種類の丸ブローチカツター再
研削の段取替えを効率的に行なえるようにしたブ
ローチカツター取付装置を提供するものである。

（考案の構成） 本考案の特徴は、キーをセンター軸と平行で軸
方向へ摺動可能に配置し、前記キーを先端側に付
勢する弾性部材を前記キー後端部に配設した駆動
装置側センターと、ブローチカツター嵌合用孔部
に対して一部相貫させ径方向に軸線を向けたスト
ツパ挿入穴を設け、該ストツパ挿入穴へストツパ
摺動可能に挿入し、該ストツパを先端側に付勢す
る弾性部材を前記ストツパの後端部に配設したブ
ローチカツタ取付用ケレーとからなることであ
る。

（作用） 本考案は上記構成により、通常の取付部を有す
るブローチカツターと特殊キー構付ブローチカツ
ターの両方にセンターが共用できるように、通常
の取付部を有するブローチカツターに取り付ける
時には取付部先端に押圧されてキーが弾性部材の
付勢力に抗して先端側から後退し、キーがブロー
チカツターの取り付けに邪魔にならず、特殊キー
溝付ブローチカツターに取り付ける時にはキーが
キー溝に嵌め込まれて駆動力の伝達ができるよう
になる。それに加えて通常の取付部を有するブロ
ーチカツターの駆動力を伝達するケレーは、取付
部をブローチカツター嵌合用孔部に嵌め込む時、
ブローチカツター嵌合用孔部と略直角に設けたス
トツパ挿入穴に挿入されているストツパが、取付
部の円柱部が位置した時に弾性部材の付勢力に抗
して後退し、平面部分が位置した時に前進して回
り止めとして機能し、ケレーの取り付け、取り外
しにワンタツチ操作性を持たせることができるよ
うになる。

このため、センターの交替不要とケレーのワン
タツチ操作性により段取替の作業性が向上するよ
うになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図により説明する。

第５図イ，ロで示すように、研削盤の駆動装置
側センター２０は軸と平行な軸方向に長い溝２１
を設け、その長い溝２１に軸方向に長孔２２をあ
けたキー２３を、長孔２２にボルトを入れ、摺動
可能になるように締め込む。キー２３の後端部に
はキー２３を先端側にバネ付勢するスプリング２
５を配設する。スプリング２５によりキー２３を
バネ付勢した時、キー２３の先端がセンター２０
の先端よりも突き出て、反対にキー２３の先端を
押圧してバネ付勢力に抗してキー２３を押戻すと
き、センター２０の先端よりもキー２３の先端が
後退するように、長孔２２とスプリング２５の長
さを定める。

第６図イ，ロで示すように、ケレー２６はブロ
ーチカツター嵌合用孔部２７に対して直角なピン
穴２８をあける。そのピン穴２８にブローチカツ
ターのストツパとなるピン２９を摺動可能に嵌合
し、そのピン２９を奥の方へバネ付勢するスプリ
ング３０を挿入し、止めねじ３１をねじ込んでピ
ン穴２８に蓋をする。

このように構成したキー付きのセンター２０と
ストツパ１０付きのケレー２６を用いると、通常
の取付部を有するブローチカツターと特殊キー溝
付ブローチカツターとの段取替えが以下のように
簡単な作業になる。

まず通常の取付部を有するブローチカツターを
取り付ける場合、第７図イ，ロで示すように、ブ
ローチカツターの円柱部２をケレー２６のブロー
チカツター嵌合用孔部２７に挿入する。孔部２７
の途中で円柱部２の先端がピン２９に当たり、円
柱部２の先端の面取り部２ｂとピン２９の丸みの
ためにピン２９が後端側へ押されスプリング３０
のバネ付勢力に抗してピン２９を移動させる。ピ
ン２９を後退させて円柱部２がさらに奥に挿入さ
れると、平面部分３がピン穴２８の位置に来ると
バネ付勢力によりピン２９が先端側へ押されて行
き、ピン穴２８の最奥部まで移動する。ブローチ
カツターの円柱部２の挿入をこの位置で止めると
自動的にケレー２６と円柱部２との回り止めとし
てピン２９が設置されたことになる。このように
ケレー２６を取り付けたブローチカツターの円柱
部２を、第８図で示すように、キー２３の先端を
円柱部２の先端部で押圧しながら、ケレー２６の
爪２６ａをワークヘツド側の爪３２に噛み合わ
せ、センター２０の先端をブローチカツターの円
柱部先端に設けてあるセンター穴２ａに入れて支
持させる。従つて、通常の取付部を有するブロー
チカツターの取り付けが、ケレー２６をブローチ
カツターの円柱部２に押し込む作業と、ケレー２
６を付けた円柱部２をワークヘツド側の爪３２に
ケレー２６の爪２６ａを噛み合わせながらセンタ
ー２０をセンター孔２ａに入れる作業とに簡略化
される。

次に、特殊キー溝付ブローチカツターを取り付
ける場合、第９図で示すように、直接に特殊キー
溝付ブローチカツターのキー溝６をキー２３に嵌
め合わせるようにしてセンター２０の先端をセン
ター穴４ａに入れる。従つて、特殊キー溝ブロー
チカツターを取り付ける場合には、特に前作業を
必要としない。

本実施例ではこのように作業が簡略化されたた
め、センター交換に要していた時間１日当り0.25
時間が不用になり、工具を別に用いて作業してい
たケレー脱着時間がワンタツチ操作可能になつた
ために１日当り0.17時間が時間短縮されるように
なつた。

（考案の効果） 以上のように本考案は、通常の取付部を有する
丸ブローチカツターと特殊キー溝付丸ブローチカ
ツターの両方に共用できる研削盤の駆動装置側セ
ンターと回転工具不要なケレーとを組み合わせた
ことにより、上記２種類の丸ブローチカツター再
研削時に行なう段取替作業が容易にできるように
なり、段取替作業が時間短縮されたことにより生
産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図イは通常の取付部を有する丸ブローチカ
ツターの円柱部近傍の側面図、ロは第１図イの
−線に沿う横断面図、第２図イは特殊キー溝付
丸ブローチカツターの駆動装置側端部の側面図、
ロは第２図イに対する正面図、第３図イはケレー
の止めねじ螺合側を示す部分平面図、ロは通常の
取付部を有する丸ブローチカツターの取付状態を
示す部分断面側面図、第４図イは特殊キー溝へキ
ーを挿入した状態を示す部分平面図、ロは特殊キ
ー溝付丸ブローチカツターの取付状態を示す部分
断面側面図、第５図イは本考案の駆動装置側セン
ターの取付部を示す平面図、ロは第５図イの−
線に沿う縦断面図、第６図イは本考案のストツ
パー付ケレーの横断面図、ロは第６図イの−
線に沿う縦断面図、第７図イはストツパー付ケレ
ーを取り付けた状態を示す横断面図、ロは第７図
イの−線に沿う縦断面図、第８図は通常の取
付部を有する丸ブローチカツターの取付状態を示
す縦断面図、第９図は特殊キー溝付丸ブローチカ
ツターの取付状態を示す縦断面図である。 ２…円柱部、２ａ…センター穴、２ｂ…面取り
部、３…平面部分、２０…駆動装置側センター、
２１…溝、２２…長孔、２３…キー、２４…ボル
ト、２５…スプリング、２６…ケレー、２７…ブ
ローチカツター嵌合用孔、２８…ピン穴、２９…
ピン、３０…スプリング、３１…止めねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 キーをセンター軸と平行で軸方向へ摺動可能に
   配置し、前記キーを先端側に付勢する弾性部材を
   前記キーの後端部に配設した駆動装置側センター
   と、 ブローチカツター嵌合孔部に対して一部相貫さ
   せ、径方向に軸線を向けたストツパ挿入穴を設
   け、該ストツパ挿入穴へストツパを摺動可能に挿
   入し、該ストツパを先端側に付勢する弾性部材を
   前記ストツパの後端部に配設したブローチカツタ
   ーと、 からなることを特徴とするブローチカツター取付
   装置。