JPH0159657B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は応答用メツセージテープと用件録音用
テープのそれぞれのメカニズムを備えた留守番電
話自動応答装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来の留守番電話装置は使用者の名前や短いメ
ツセージが前もつて録音され、電話の着信信号に
従つて駆動される応答用メツセージテープと、発
呼者のメツセージを録音する用件録音用テープを
有している。

そして着信信号に従つて応答用メツセージテー
プに対応した第１の磁気ヘツドと第１のピンチロ
ーラが第１のソレノイドプランジヤーによつて応
答用メツセージテープと接触するように駆動さ
れ、応答用メツセージテープに録音されたメツセ
ージが終るまで第１のソレノイドプランジヤーに
よる駆動状態は維持される。

また、発呼者が応答用メツセージテープに録音
されているメツセージが終つた後、電話を切らず
に留守番電話装置の所有者に対するメツセージを
話す場合、用件録音用テープに対応した第２の磁
気ヘツドと第２のピンチローラが第２のソレノイ
ドプランジヤーによつて用件録音用テープに接触
するように駆動され、発呼者のメツセージが終る
まで第２のソレノイドプランジヤーによる駆動状
態は維持される。

ところで第１及び第２のピンチローラは各テー
プに対応するキヤプスタンに強く接触して各テー
プを一定の速度で駆動するものであり、このため
第１及び第２のソレノイドプランジヤーは第１及
び第２の磁気ヘツドを駆動し、第１及び第２のピ
ンチローラをそれぞれのキヤプスタンに強く接触
させるのに十分な駆動力が必要である。よつて第
１及び第２のソレノイドプランジヤーはかなり大
型のものが必要である。またそれぞれのソレノイ
ドプランジヤーの駆動状態を維持するためには多
くの電力を必要とする。

発明の目的 本発明は以上のような従来の欠点を解消したも
のであり、消費電力を減少させて電源設備を小さ
くするものである。

発明の構成 本発明は発呼信号が到来したときに電話回線に
応答メツセージを送り出す応答用メツセージテー
プおよび呼者の用件を録音するための用件録音用
テープの走行を駆動する単一の駆動モータの動力
を利用し、テープの走行を制御するピンチローラ
ー及び各磁気ヘツドを載置したヘツド基板を、カ
ム機構と、このカム機構を制御するソレノイドプ
ランジヤーの吸着離脱動作によつて応答メツセー
ジ状態、用件録音状態及び待受状態となすことを
特徴とし、電流消費を減少させて電源設備の縮少
を可能とするとともに、すべての機械的動作及び
この動作に関係するソレノイドプランジヤー動作
を電気信号によつて制御可能として、安価な留守
番電話自動応答装置を提供するものである。

実施例の説明 第１図は待受停止状態の本実施例の要部上面図
を示すものであり、１は基板、２は第１のキヤプ
スタン、３は第１のキヤプスタン２に取付けられ
たフライホイル、４は第２のキヤプスタン、５は
第２のキヤプスタン４に取付けられたフライホイ
ル、６はモータ、７はモータ６とフライホイル３
とフライホイル５の間に懸架されたベルト、９は
応答用メツセージテープ、１０は用件録音用テー
プである。さらに１１は前記基板１に植設された
ピン、１２はピン１１を中心に回動自在に取付け
られた基板アームであり、この基板アーム１２に
は、用件録音用テープのための第２の磁気ヘツド
１３、第２のピンチローラ１４の取り付けられた
第２のヘツド基板１２ｂ、および応答用メツセー
ジテープのための第１の磁気ヘツド１５、第１の
ピンチローラー１６が取付けられた第１のヘツド
基板１２ａが対応されている。１７，１８はヘツ
ド基板１２を中間位置を保持するばね１９は基板
１に植設されたピン、２０はピン１９を中心に回
転自在に取付けられたカム駆動用ギヤプーリー、
８はフライホイル５とカム駆動ギヤプーリー２０
との間に懸架されたベルトで、モータ６の駆動力
はカム駆動用ギヤプーリー２０にまで伝達されて
いる。

そして前記ベルト８とカム駆動用ギヤプーリー
２０によつて動力伝達部材が構成されている。

２１は基板１に植設されたピン、２２はピン２
１を中心に回転自在に取付られたカムで外周が間
欠ギヤとなつている。２８は基板１に植設された
ピン、２４はピン２８を中心に回動自在に取付け
られ、前記カム２２の回動を規制する動作規制部
材であり、以下アーム２４と称する。２６は基板
１に固着され前記アーム２４と連結されたソレノ
イドプランジヤーであり、アーム２４を構成する
アームピン２４ａはカム２２のカムピン２２ａの
先端に当接しておりばね２３により付勢された状
態で静止している。２２ｃ，２２ｄはカム２２の
上面に設けられたカム部であり、以下２２ｃを外
周方向案内みぞ、２２ｄを内周方向案内みぞと称
する。そして２つの無端状の溝２２ｃ，２２ｄの
一部は互いに共用した溝となつており、この共用
した溝が後述する待受停止状態に対応し、分岐し
た２つの溝の外側のみぞが後述する応答用メツセ
ージ送出状態に対応し、内側のみぞが後述する用
件録音状態に対応するように構成されている。ま
た３０ａ，３０ｂはそれぞれ第１及び第２のヘツ
ド基板１２ａ，１２ｂのリターンスプリングであ
る。

上記の待受停止状態において、電話回線から発
呼信号が到来すれば、これを検出した電気回路
（図示せず）からの信号によりモータ６が通電さ
れ回転を始める。さらにソレノイドプランジヤー
２６に通電されるとばね２７に抗してアーム２４
を反時計方向に回動しアームピン２４ａとカムピ
ン２２ａとの当接状態が解除され、カム２２はバ
ネ２３の弾発力により時計方向に回転しカム２２
の外周の間欠ギヤが駆動用ギヤプーリー２０と係
合し始め、モーター６の駆動力によつてカム２２
の時計方向への回転が継続し、第２図に示すよう
に、ヘツド基板１２に植設されたカムガイドピン
３０がカム案内みぞに従動して基板アーム１２を
回動させる。

ここでソレノイドプランジヤー２６の吸着力
は、ばね２５をして基板アーム１２を時計方向へ
付勢させ、その結果カムフオロワであるカムガイ
ドピン３０はカム２２の外周方向案内みぞ２２ｃ
を従動しカム２２の時計方向の回転により基板ア
ーム１２を時計方向へ回動させる。これによつて
第１のヘツド基板１２ａは応答用メツセージテー
プ９の方向へ移動する。

このときソレノイドプランジヤー２６の吸着を
解除すると、第３図に示すようにアームピン２４
ａはカムピン２２ｂと当接して、基板アーム１２
はばね１７，１８によつて中間位置に戻ろうとす
る力があるにもかかわらず停止する。この状態で
は磁気ヘツド１５が応答用メツセージテープの磁
気テープに対して係合し、かつピンチローラー１
６がこの磁気テープを挾んでキヤプスタン２に圧
接するため、モーター６の駆動に応じて磁気テー
プが走行され応答用メツセージが回線に送出され
る。

応答用メツセージの送出の終了時点で、前記第
３図の状態から、ソレノイドプランジヤー２６を
瞬時吸着動作させると第４図に示すようにアーム
ピン２４ａとカムピン２２ｂの係止が解除されば
ね１８、ばね１９によるヘツド基板１２の復元力
によつてカム２２は時計方向へ回転し、アームピ
ン２４ａとカムピン２２ａが当接した第１の停止
状態に戻る。

さらにこの状態から用件録音のためにソレノイ
ドプランジヤー２６に瞬時通電を行なう。このソ
レノイドプランジヤー２６の吸着動作によりアー
ムピン２４ａとカムピン２２ａとの当接状態が解
除され、カム２２はばね２３の弾発力により時計
方向に回転し、カム２２の外周の間欠ギヤがカム
駆動用ギヤプーリー２０と係合し時計方向への回
転が継続する。このとき、第５図に示すようにソ
レノイドプランジヤー２６の吸着は終了してお
り、基板アーム１２を反時計方向に付勢するよう
設けられたばね２９の働きによりカムガイドピン
３０はカム２２の時計方向の回転によりカムの内
周方向案内みぞ２２ｄを従動し基板アーム１２を
さらに反時計方向に回動させる。したがつて第６
図に示すようにアームピン２４ａはカムピン２２
ｂと当接して、ヘツド基板１２にはばね１７，１
８により中間位置に戻ろうとする力が加えられて
いるにもかかわらず停止する。この状態では磁気
ヘツド１３が用件録音用テープ１０の磁気テープ
に対して係合し、かつピンチローラー１４がこの
磁気テープを挾んでキヤプスタン４に圧接するた
め、モーター６の駆動に応じて磁気テープが走行
され回線から受けた発呼者の用件録音が行なわれ
る。

用件の終わりを検知すると、前記第６図の状態
からソレノイドプランジヤー２６を瞬時吸着動作
させると、同様にして、第１図の停止状態に戻り
待受停止状態となる。

上記の実施例の構成によれば、ヘツド１５とピ
ンチローラ１６またはヘツド１３とピンチローラ
１４を応答用メツセージテープまたは用件録音用
テープに係合させるにあたり、これらが載置され
た基板アーム１２をカム２２の回転によつて移動
させるもので、このカム２２の回転は、各テープ
に走行駆動力を与えているものと同一のモータ６
から得るものであり、構成が簡素で安価となる。
さらに応答メツセージ送出終了時（第３図）、ま
たは用件録音終了時（第６図）から停止状態（第
１図）へ移るときには、ソレノイドプランジヤー
２６を瞬時吸着動作させるのみで、アームピン２
４ａとカムピン２２ａとの係止を解除し、ばね１
７，１６の復元力によつて動作させるものである
から、ソレノイドプランジヤー２６にはトリガパ
ルスを印加するだけでよく、消費電力を減少させ
ることが可能である。また停止状態から用件録音
を開始させる場合にも、ソレノイドプランジヤー
２６を瞬時吸着動作させてアームピン２４ａとカ
ムピン２２ａとの係止を解除するのみで、ばね２
３によるカム２２の回転力、ばね２９による基板
アーム１２への付勢力を利用して用件録音状態へ
移つてゆくものであり、このときにも消費電力は
非常に少ないものである。

また上記では簡素な構成でありながら全ての動
作をソレノイドプランジヤー２６の動作により行
なうことができ、すなわち図示しない制御回路か
らはソレノイドプランジヤー２６へ所定の時点で
所定のパルスを印加するのみでよく、制御自体が
非常に簡単となるものである。

また、本実施例によれば次のような効果も奏せ
られる。

つまり、待受停止状態即ち第１図の状態に装置
がある状態ではソレノイドプランジヤー２６の吸
引時間を制御するだけで、ピン３０が外周方向案
内溝２２ｃ、内周方向案内溝２２ｄの何れへでも
案内されることが可能である。このため用件録音
用テープがテープエンドまで達して、以後の着信
に対しては発呼者の用件は録音出来ない状態とな
つたならば、着信が発生する毎に外周方向案内溝
２２ｃのみをピン３０がトレースするようにソレ
ノイドプランジヤー２６の動作制御を行えばよ
い。このようにすることにより用件録音用テープ
がテープエンドへ達した場合は、基板アーム１２
が第２のヘツド基板１２ｂを移動させることがな
くなり、従つて第２のピンチローラ１４が第２の
キヤプスタン４に圧接することもなく、テープエ
ンドに達した用件録音用テープに対して更に巻き
取り駆動力が伝達されることはなく、テープ切れ
等が防止できるという効果である。

発明の効果 本発明によれば、応答用メツセージテープおよ
び用件録音用テープのそれぞれに対応する磁気ヘ
ツドとピンチローラとを同一のヘツド基板上に載
置し、このヘツド基板をカム装置で駆動し、前記
カム装置の駆動位置をプランジヤーで制御する構
成となし、前記カム装置の駆動力によつてヘツド
基板を移動し、いずれの磁気ヘツド、ピンチロー
ラとも両テープに係合しない状態にヘツド基板を
位置させ、応答用メツセージテープまたは用件録
音用テープのいずれか一方を駆動可能にヘツド基
板を位置させるものであるから、プランジヤーを
連続駆動してヘツド基板の位置を保持させる必要
がなく、消費電力を大幅に減少でき、またプラン
ジヤーのみを所定の電気信号で駆動すればよく制
御が容易となるなど、装置の構成が簡単になり、
安価で確実な動作を行なう留守番電話自動応答装
置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は本発明の一実施例における各
動作状態を示す平面図である。 １……基板、２……第１のキヤプスタン、４…
…第２のキヤプスタン、６……モータ、９……応
答用メツセージテープ、１０……用件録音用テー
プ、１２……基板アーム、１２ａ……第１のヘツ
ド基板、１２ｂ……第２のヘツド基板、１３……
第２の磁気ヘツド、１４……第２のピンチローラ
ー、１５……第１の磁気ヘツド、１６……第１の
ピンチローラー、１７……ばね、１８……ばね、
２０……カム駆動ギヤプーリー、２２……カム、
２２ａ，２２ｂ……カムピン、２２ｃ……外周方
向案内みぞ、２２ｄ……内周方向案内みぞ、２３
……ばね、２４……アーム、２４ａ……アームピ
ン、２５……ばね、２６……ソレノイドプランジ
ヤー、２９……ばね、３０……ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 応答用メツセージテープに対応する第１の磁
   気ヘツド及び第１のピンチローラを載置した第１
   のヘツド基板と、用件録音用テープに対応する第
   ２の磁気ヘツド及び第２のピンチローラを載置し
   た第２のヘツド基板と、前記第１の磁気ヘツド並
   びに第１のピンチローラを応答用メツセージテー
   プから離間させる方向に付勢力を及ぼす第１の付
   勢部材と、前記第２の磁気ヘツド並びに第２のピ
   ンチローラを用件録音用テープから離間させる方
   向に付勢力を及ぼす第２の付勢部材と、前記第１
   及び第２のヘツド基板に係合し選択的に前記第１
   及び第２のヘツド基板を前記第１及び第２の付勢
   部材の付勢力に抗して変位させる基板アームと、
   この基板アームに作用してこの基板アームを変位
   させるカム装置と、前記２つのピンチローラと協
   働して録音テープの搬送を行なう２つのキヤプス
   タンと、この２つのキヤプスタンの少なくとも一
   方を回転駆動するモータの駆動力を前記カム装置
   へ伝達する動力伝達部材と、前記カム装置と係合
   しこのカム装置のカムフオロワが、自転可能に構
   成されたカム盤上のカム部をトレースする第１の
   状態と、トレースしない第２の状態をとるように
   作用ししかもソレノイドプランジヤーにより駆動
   されるカム動作規制部材とを備え、前記動力伝達
   部材と前記カム動作規制部材との相互作用により
   前記カム装置及び前記基板アームを介して前記第
   １及び第２のヘツド基板を選択的に変位させ、待
   受停止状態では、応答用メツセージテープから第
   １の磁気ヘツド及び第１のピンチローラを離脱
   し、用件録音用テープから第２の磁気ヘツド及び
   第２のピンチローラを離脱した状態に前記第１及
   び第２のヘツド基板を位置させ、応答用メツセー
   ジの送出状態では応答用メツセージテープに第１
   の磁気ヘツドを係合し第１のピンチローラをその
   テープを介して第１のキヤプスタンに圧接すると
   ともに用件録音用テープから第２の磁気ヘツド及
   び第２のピンチローラを離脱した状態に前記第１
   及び第２のヘツド基板を位置させ、用件録音状態
   では用件録音用テープに第２の磁気ヘツドを係合
   し第２のピンチローラをそのテープを介して第２
   のキヤプスタンに圧接するとともに応答用メツセ
   ージテープから第１の磁気ヘツド及び第１のピン
   チローラを離脱した状態に前記第１及び第２のヘ
   ツド基板を位置させるように構成すると共に、前
   記カム部は互いにその一部を共有しあう２つのカ
   ム部を含み、その共用した部分が前記待受停止状
   態に対応し、共有し合わない２つの部分の一方が
   応答用メツセージ送出状態に対応し、他方が用件
   録音状態に対応するように構成し、待受停止状態
   において前記ソレノイドプランジヤーの動作時間
   を制御することによつて前記カムフオロワが共有
   し合わない２つの部分の何れにでも案内されるよ
   うに構成したことを特徴とする何れかに選択的に
   案内されるように構成したことを特徴とする留守
   番電話自動応答装置。