JPH0158407B2

JPH0158407B2 -

Info

Publication number: JPH0158407B2
Application number: JP4667084A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Hozumi; Yoshinobu Takaoku
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date: 1984-03-12
Filing date: 1984-03-12
Publication date: 1989-12-12
Also published as: JPS60191119A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、サイクロン浮遊燃焼方式の放射性
廃棄物の焼却方法および焼却炉に関し、特に燃焼
効率の向上を図ることの出来る放射性廃棄物の焼
却方法および焼却炉に関する。

近年の原子力産業の発達に伴い、例えば原子力
発電所からの放射汚染廃棄物の捨て場所の確保が
大きな社会問題となつてきており、既に低レベル
放射性汚染廃棄物の量は、恒久的な捨て場所を飽
和させ始めている。

このような低レベル放射性汚染物質の廃棄に伴
う問題点を解決するために、従来、焼却によつて
廃棄物の体積を減少させる方法が実施されてお
り、その焼却の為の様々な方式の焼却炉が案出さ
れている。

第１図に示すものは、このような従来の低レベ
ル放射性汚染物質の焼却炉の一例を示すものであ
つて、サイクロン浮遊燃焼方式によつて廃棄物の
焼却を行うものであり、角型焼却炉本体１の第１
燃焼室２において、一次空気入口３からの燃焼空
気の噴出、補助燃料取入口４からの燃料の噴出お
よび二次空気入口５からの燃焼室気の噴出によつ
てサイクロン流を形成し、バーナー火災によつて
廃棄物案内管６から導入された被焼却物の昇温−
乾燥−（蒸発）−着火を行い、第２燃焼室７以降を
通過する際において燃焼が完了するようになつて
いる。そして被焼却物の燃焼効率を上げ、完全な
燃焼が行われるようにするために、炉内に隔壁８
を設けて、燃焼ガスの通路距離を延長し、実質的
な炉内滞留時間を増やすとともに、燃焼混合物が
第１燃焼室２から隔壁８に沿つて下降し、火格子
９上において方向が急に転換される際、燃焼混合
物中の未燃焼の固体廃棄物が火格子９上に降ろさ
れ、ここで完全燃焼され、その後再びサイクロン
流に噴き上げられて、第３燃焼室１０を通過して
炉内から排出するようになつていた。

しかし上記のような従来の焼却炉においては、
長い燃焼ガス通路を形成しなければならず、炉体
の大型化を必要とするとともに、サイクロン流の
制御が難しく、一旦火格子９上に落下した未燃焼
の固体廃棄物が、燃焼された後も旨く噴き上げら
れて排出されないという欠点を有していた。

この発明は上記従来のサイクロン浮遊燃焼方式
の放射性廃棄物焼却炉における問題点を解決する
ために為されたものであつて、耐圧強度を増強さ
せるため炉の設計仕様を角型から丸型に変更する
とともに、短い燃焼ガス通路において被焼却物の
実質的な滞留時間を増大させるとともに、サイク
ロン流の制御を行つて低レベル放射性汚染廃棄物
の焼却における高い燃焼効率を得ることの出来る
放射性廃棄物の焼却方法および焼却炉を提供する
ことを目的とするものである。

以下この発明を、図面に示す実施例に基づいて
説明を行う。

第２図において、水平断面が円形の炉体１１内
には、上部に第１次燃焼室１２、下部に第２次燃
焼室１３が形成され、さらに炉体１１の下部から
斜め上方外側に向つて延び、第２次燃焼室１３と
連通される第３次燃焼室１４が形成されている。
従つて第１次燃焼室１２から第２次燃焼室１３に
至る通路は鉛直下向きであるのに対し、第２次燃
焼室１３から第３次燃焼室１４に至る経路は鉛直
方向に対して斜め上方向きとなる。また炉体１１
の第２次燃焼室１３下部には、火格子１５が設置
されている。

炉体１１の上端には、鉛直下向きに被焼却物投
入口１６が設置され、第１次燃焼室１２内に被焼
却物を投入することが出来るようになつている。
この被焼却物投入口１６のうち１６ａは固体被焼
却物投入用、１６ｂはスラリー又は液体状被焼却
物投入用の投入口である。さらに第１次燃焼室１
２の側壁部には、同一水平面内において第１次燃
焼室１２内に開口する２個の第１次燃焼空気入口
１７と補助燃料バーナ１８とが配設されている。
これら第１次燃焼空気入口１７および補助燃料バ
ーナ１８は、それぞれ鉛直方向に対して45゜の角
度で下向きに傾斜されているとともに、第３図で
示すように、炉体１１の第１次燃焼室の上部壁の
水平断面の円周接線方向に設置されている。

第１次燃焼室１２の下端側壁部には、４個の第
２次燃焼空気入口１９が水平向きに等間隔で配設
され、同一水平面内において第１次燃焼室１２内
に開口されており、さらに空気の噴出方向が、第
４図に示すように、炉体１１の水平断面の接線方
向と平行となるように、かつ第１次燃焼空気入口
１７から噴出される空気の接線方向成分と同一向
きとなるように形成されている。

さらに第２次燃焼室１２の上端側壁部には、４
個の第３次燃焼空気入口２０が、水平向きに等間
隔で配設され、同一水平面内において第２次燃焼
室１３内に開口されており、さらに空気の噴出方
向が、第５図に示すように、第２次燃焼空気入口
１９からの空気の噴出方向と逆方向となるように
形成されている。

上記各第１次、第２次、第３次燃焼空気入口１
７，１９，２０は、それぞれ図示しない押込フア
ンに接続されて、所定量の空気が噴出されるよう
になつている。

次に上記放射性廃棄物焼却炉内における廃棄物
の燃焼方法を、第３ないし６図のフローパターン
を参照しつつ各燃焼空気入口からの噴出空気の作
用とともに説明してゆく。

被焼却物投入口１６からは、スラリー状又は砕
断機によつて砕断された固体廃棄物が空送空気と
ともに鉛直下向きに第１次燃焼室１２内に噴出さ
れて、それぞれ水平方向に対して下向きに傾斜し
て噴出される補助燃料バーナ１８からのバーナ空
気および第１次燃焼空気入口１７からの第１次燃
焼空気によつて形成され、水平方向に対して鋭く
傾斜するサイクロン流に乗つて、第１次燃焼室１
２下部に移送される。

第１次燃焼室１２上部で形成されたサイクロン
流は、第１次燃焼室１２下部において、第２次燃
焼空気入口１９からサイクロン流の接線方向成分
と同一方向に、かつ水平方向に噴出される第２次
燃焼空気によつて、水平方向に対してほぼ45゜の
傾斜角度を有するサイクロン流となり、第２次燃
焼室１３内に移動する。

第２次燃焼室１２上部において、サイクロン流
は、サイクロン流の接線方向成分と反対方向に、
かつ水平方向に噴出される第３次燃焼空気入口２
０からの第３次燃焼空気（リバースジエツト）に
よつて、第６図に示すように、水平方向に対する
傾斜角度が急激に変えられて、水平方向に対して
約60゜〜70゜の傾斜角度を有するサイクロン流Ａと
なる。

上記のようなサイクロン流を形成する各燃焼空
気入口からの空気量の投入比率は、全燃焼空気量
に対して、第１次燃焼空気量が30〜70％（平均50
％）、第２次燃焼空気量が15〜35％（平均25％）、
第３次燃焼空気量が15〜35％（平均25％）であ
り、炉の形状、容量等により決定される。例えば
実施例としては、被焼却物投入口１６において３
〔Ｎm³／min〕、補助燃料バーナ１８において８
〔Ｎm³／min〕、第１次燃焼空気入口１７において
４〔Ｎm³／min〕、第２次および第３次燃焼空気入
口１９，２０においてそれぞれ２〔Ｎm³／min〕
とすることが掲げられる。

第２次燃焼室１３内におけるサイクロン流Ａ
（第６図）は、この第２次燃焼室１３下部におい
て、その全流量の約70％が火格子１５とぶつか
り、残りがサイクロン流Ｂとなつて第３次燃焼室
１４内に吸い込まれる。従つて、火格子１５上に
落された被焼却物は、完全燃焼し重量が軽くなる
と、火格子１５にぶつかつて上昇するサイクロン
流Ａによつて巻き上げられ、第３次燃焼室１４へ
吸い込まれるサイクロン流Ｂに乗つて排出され
る。

ここで上記焼却炉における燃焼状態を、第３次
燃焼空気入口２０からの第３次燃焼空気（リバー
スジエツト）が無い状態での燃焼状態と比較する
と、リバースジエツトが作動しない場合には、第
１次燃焼室１２の出口において水平方向と約45゜
の傾斜角度を有するサイクロン流は、そのまま第
２次燃焼室１３内に入り、下部にゆくに従つてそ
の角度は次第に緩やかとなる。そして第２次燃焼
室１３の下部においてサイクロン流は、火格子１
５上で旋回する流れと第３次燃焼室１４に入る流
れとに分かれる。このそれぞれの流れの流量割合
は、ほぼ１対１の割合である。ここで火格子１５
上で旋回する流れは、旋回流速が減速され、ほと
んどその上昇流速を失つているため、一旦火格子
１５上に落下した被焼却物は、そのまま火格子１
５上に堆積されてしまう度合が大きい。さらにサ
イクロン流の全流量のうち約半分が直接第３次燃
焼室１４内に入り排出されてしまうので、このサ
イクロン流に乗つて被焼却物が不完全燃焼のまま
直接第３次燃焼室１４に入り、排出されてしまう
度合が大きくなる。

従つて、この発明に係る燃焼炉は、上記リバー
スジエツトを有しない燃焼炉と比較した場合、第
３次燃焼空気（リバースジエツト）の作用によつ
て、水平方向に対して鋭い傾斜角度を有すること
となつたサイクロン流Ａ（第６図）により、被焼
却物が第２次燃焼室１３内において比較的長時間
滞留することとなり、被焼却物の完全燃焼が増進
され、また第２次燃焼室１３の下部において、火
格子１５とぶつかる流量が第３次燃焼室１４に直
接入る流量よりも多いために、被焼却物のうち直
接第３次燃焼室１４に流出する割合が比較的少な
く、大部分が火格子１５上に落下されて、ここで
完全燃焼され、その後サイクロン流Ａの上昇流に
よつて巻き上げられて排出されることとなるの
で、非常に高い燃焼効率を得ることが出来る。

第８および９図は、この発明の他の実施例を示
すものであつて、前記実施例において第３次燃焼
空気入口２０を設ける代りに、第２次燃焼室１３
内にバツフル板２１を設置することによつて、前
記第３次燃焼空気（リバースジエツト）が作用し
た場合と同様の燃焼効率の向上を図らんとするも
のである。

バツフル板２１は、第２次燃焼室１３の第３次
燃焼室１４との接続部よりも上方位置において、
その板面が第２次燃焼室１３および第３次燃焼室
１４の中心軸線を含む平面と同一平面となるよう
に、炉内壁に固定して取り付けられている。

第１次燃焼室から入つてきた水平方向と約45゜
をなすサイクロン流Ｃの主流は、バツフル板２１
で２分された第２次燃焼室１３の片側だけしか通
らず、ここを急激な角度で螺旋を描いて通過し
て、第８図で示すように、第２次燃焼室１３の下
部において、水平方向に対して大きな傾斜角度を
有するサイクロン流Ｄとなる。

このように上記実施例においても、第２次燃焼
室１３下部において形成されるサイクロン流Ｄに
よつて、前記実施例の場合と同様に、高い燃焼効
率を得ることが出来るものである。

以上にように、この発明によれば、焼却炉の第
２次燃焼室の下部において、被焼却物を巻き込ん
だサイクロン流が、水平面に対して鋭い傾斜角を
有することとなるので、被焼却物の焼却炉内にお
ける滞留時間が従来のものと比較して長くなり、
完全燃焼が増進されるとともに、火格子上への未
燃焼の被焼却物の堆積および完全燃焼した後のサ
イクロン流の上昇流による巻き上げが促進され、
高い燃焼効率を得ることが出来るという優れた効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の放射性廃棄物焼却炉を示す概略
側断面図、第２図はこの発明による焼却炉の一実
施例を示す側断面図、第３図は第２図の−線
における横断面図、第４図は第２図の−線に
おける横断面図、第５図は第２図の−線にお
ける横断面図、第６図は同実施例の第２次燃焼室
および第３次燃焼室におけるサイクロン流のフロ
ーパターンを示す説明図、第７図はこの発明の他
の実施例を示す説明図、第８図は第７図の−
線における断面図である。１１……炉体、１２……第１次燃焼室、１３…
…第２次燃焼室、１４……第３次燃焼室、１５…
…火格子、１６……被焼却物投入口、１７……第
１次燃焼空気入口、１８……補助燃料バーナ、１
９……第２次燃焼空気入口、２０……第３次燃焼
空気入口、２１……バツフル板、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ
……サイクロン流。

Claims

【特許請求の範囲】１円筒状第１次燃焼室と、該第１次燃焼室の下
方に直列に配置され、かつ、底部に火格子を具え
ている円筒状第２次燃焼室と、この第２次燃焼室
の下部から斜め外方上側に向つて延びるように配
置された円筒状第３次燃焼室とを有する低レベル
放射性廃棄物焼却炉において、前記第１次燃焼室
内で、この第１次燃焼室の頂部から下向に被焼却
物を投棄して、第１次燃焼室の上部壁に設けられ
た燃料バーナにより燃焼空気とともに被焼却物を
燃焼するとともに、前記燃焼空気は第１次燃焼室
内では、その上部壁に設けられた第１次燃焼空気
入口から燃焼空気を吹込み水平面に対して傾斜し
たサイクロン流を形成し、第１次燃焼室の下部壁
に設けられた第２次燃焼空気入口から、燃焼空気
を吹込み前記サイクロン流の傾きを所定の傾斜角
度に調整してから第２次燃焼室内へ導き、第２次
燃焼室内では、第２次燃焼室の上部に設けられた
サイクロン流変更手段によりサイクロン流の傾斜
を増大させて下方へ導くことを特徴とする低レベ
ル放射性廃棄物の焼却方法。２円筒状第１次燃焼室と、該第１次燃焼室の下
方に直列に配置され、かつ、底部に火格子を具え
ている円筒状第２次燃焼室と、この第２次燃焼室
の下部から斜め外方上側に向つて延びるように配
置された円筒状第３次燃焼室とを有する低レベル
放射性廃棄物焼却炉において、前記第１次燃焼室
の上部側壁に、水平面に対して傾斜して旋回する
サイクロン流を形成するような方向に、それぞれ
空気を噴出するように設けられた燃料バーナおよ
び第１次燃焼空気入口と、第１次燃焼室の下部側
壁に、前記サイクロン流の水平方向の旋回成分と
同一方向に空気を噴出するように設けられた第２
次燃焼空気入口と、第２次燃焼室の上部側壁に、
前記サイクロン流の水平方向の旋回成分と逆向き
に、かつ該サイクロン流の水平面に対する傾斜角
度を増大させる方向に空気を噴出するように設け
られた第３次燃焼空気入口とを具えていることを
特徴とする放射性廃棄物焼却炉。３円筒状第１次燃焼室と、該第１次燃焼室の下
方に直列に配置され、かつ、底部に火格子を具え
ている円筒状第２次燃焼室と、この第２次燃焼室
の下部から斜め外方上側に向つて延びるように配
置された円筒状第３次燃焼室とを有する低レベル
放射性廃棄物焼却炉において、前記第１次燃焼室
の上部側壁に、水平面に対して傾斜して旋回する
サイクロン流を形成するような方向に、それぞれ
空気を噴出するように設けられた燃料バーナおよ
び第１次燃焼空気入口と、第１次燃焼室の下部側
壁に、前記サイクロン流の水平方向の旋回成分と
同一方向に空気を噴出するように設けられた第２
次燃焼空気入口と、第２次燃焼室の第３次燃焼室
との接続位置よりも上方の内壁に、板面の延長が
第２次燃焼室および第３次燃焼室を二分するよう
な方向に、両側部を固定された縦向きのバツフル
板とを具えていることを特徴とする放射性廃棄物
焼却炉。