JPH0158254B2 - - Google Patents
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- JPH0158254B2 JPH0158254B2 JP17704582A JP17704582A JPH0158254B2 JP H0158254 B2 JPH0158254 B2 JP H0158254B2 JP 17704582 A JP17704582 A JP 17704582A JP 17704582 A JP17704582 A JP 17704582A JP H0158254 B2 JPH0158254 B2 JP H0158254B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
本発明は、プレス成形性に優れた冷延鋼板の製
造方法に関するものである。 従来、自動車の外板などのように優れたプレス
成形性と遅時効性が要求されるプレス成形用冷延
鋼板は、箱焼鈍法で製造されていた。近年、生産
性の向上、省力化等を目的として連続焼鈍法が一
般の冷延鋼板の製造に採用されている。しかしな
がら、この連続焼鈍法では、急速加熱、短時間均
熱および急速冷却が行なわれるものであるから、
プレス成形性および遅時効性に優れたプレス成形
用冷延鋼板を製造する場合に、連続焼鈍法を採用
するには種々の問題があつた。 したがつて、現在のところプレス成形性に優れ
た冷延鋼板を製造するためには、次の2種類の方
法によらざるを得ないのが現状である。先づ、第
1の方法は、鋼中のCの量を0.010%以下に低減
させるとともにTi、Nb等の炭化物形成元素を添
加し、Cを安定した析出物として固定し、これに
よつて急速加熱しても(111)再結晶集合組成が
十分に発達し、高r値が得られると同時に、遅時
効性を確保し得る方法である。第2の方法は、低
炭素アルミキルド鋼を650℃以上の高温で熱延巻
取りし、カーバイドを粗大化せしめ、急熱焼鈍で
も十分なr値が得られるようにし、均熱後、ひき
続き急速冷却して300〜500℃で過時効処理するこ
とにより延性および耐時効性を確保する方法であ
る。 しかしながら、上述した従来方法はいづれも問
題がある。すなわち、第1の方法では、Cの含有
量が0.010%以下の極低炭素鋼を溶製するために、
RH脱ガス処理工程を必要とし、転炉出鋼温度を
通常より高くする必要があり、したがつて耐火物
の損耗、歩留り低下を招き、また、Nb等高価な
元素を多量に添加する必要があるなどの理由から
素材コストが高くなる問題がある。また、第2の
方法では、巻取温度が高温であるために、スケー
ルが厚くなり、酸洗性が劣化し、コイルの外周部
と内周部では冷却速度が異なるために材質がコイ
ル長手方向で不均一になるなどの問題がある。 本発明の目的は、通常のC含有量の低炭素鋼
で、しかも、低温巻取材を素材とし、連続焼鈍法
によつて延性、深絞り性等のプレス成形性の優れ
たプレス成形用冷延鋼板を製造することを可能と
する方法を提供しようとするものである。 本発明によれば、種々の基礎実験を行なつた結
果、特定の組成範囲の低炭素鋼片を950〜1090℃
のように従来の通常の均熱温度より低温で加熱均
熱することと、300〜540℃の低温の巻取温度に制
御することによつて、連続焼鈍後に優れたプレス
成形性を示す冷延鋼板が得られることを確めたも
のである。 基礎実験において、特定の組成範囲の低炭素鋼
として第1表に示すものを用いた。
造方法に関するものである。 従来、自動車の外板などのように優れたプレス
成形性と遅時効性が要求されるプレス成形用冷延
鋼板は、箱焼鈍法で製造されていた。近年、生産
性の向上、省力化等を目的として連続焼鈍法が一
般の冷延鋼板の製造に採用されている。しかしな
がら、この連続焼鈍法では、急速加熱、短時間均
熱および急速冷却が行なわれるものであるから、
プレス成形性および遅時効性に優れたプレス成形
用冷延鋼板を製造する場合に、連続焼鈍法を採用
するには種々の問題があつた。 したがつて、現在のところプレス成形性に優れ
た冷延鋼板を製造するためには、次の2種類の方
法によらざるを得ないのが現状である。先づ、第
1の方法は、鋼中のCの量を0.010%以下に低減
させるとともにTi、Nb等の炭化物形成元素を添
加し、Cを安定した析出物として固定し、これに
よつて急速加熱しても(111)再結晶集合組成が
十分に発達し、高r値が得られると同時に、遅時
効性を確保し得る方法である。第2の方法は、低
炭素アルミキルド鋼を650℃以上の高温で熱延巻
取りし、カーバイドを粗大化せしめ、急熱焼鈍で
も十分なr値が得られるようにし、均熱後、ひき
続き急速冷却して300〜500℃で過時効処理するこ
とにより延性および耐時効性を確保する方法であ
る。 しかしながら、上述した従来方法はいづれも問
題がある。すなわち、第1の方法では、Cの含有
量が0.010%以下の極低炭素鋼を溶製するために、
RH脱ガス処理工程を必要とし、転炉出鋼温度を
通常より高くする必要があり、したがつて耐火物
の損耗、歩留り低下を招き、また、Nb等高価な
元素を多量に添加する必要があるなどの理由から
素材コストが高くなる問題がある。また、第2の
方法では、巻取温度が高温であるために、スケー
ルが厚くなり、酸洗性が劣化し、コイルの外周部
と内周部では冷却速度が異なるために材質がコイ
ル長手方向で不均一になるなどの問題がある。 本発明の目的は、通常のC含有量の低炭素鋼
で、しかも、低温巻取材を素材とし、連続焼鈍法
によつて延性、深絞り性等のプレス成形性の優れ
たプレス成形用冷延鋼板を製造することを可能と
する方法を提供しようとするものである。 本発明によれば、種々の基礎実験を行なつた結
果、特定の組成範囲の低炭素鋼片を950〜1090℃
のように従来の通常の均熱温度より低温で加熱均
熱することと、300〜540℃の低温の巻取温度に制
御することによつて、連続焼鈍後に優れたプレス
成形性を示す冷延鋼板が得られることを確めたも
のである。 基礎実験において、特定の組成範囲の低炭素鋼
として第1表に示すものを用いた。
【表】
この第1表に示す組成の供試鋼を連続鋳造機で
260mmの板厚の鋳片とし、多数の供試鋳片を通常
の均熱温度である1260℃とこれより低温の1060℃
との2種類で加熱均熱した。 これらの鋳片を仕上温度900〜850℃で熱延後、
種々の温度で巻取り、酸洗後、鋼帯(板厚3.2mm)
を冷間圧延し、0.8mm板厚の鋼帯とした。これら
の冷延鋼帯を連続焼鈍ラインで820℃で50秒加熱
し、均熱後650℃まで平均3℃/Sで冷却し、そ
の後430℃まで平均48℃/Sで冷却し、430℃〜
340℃の範囲を190秒で冷却して焼鈍し、1.0〜1.3
%の調質圧延した。 上述したようにして得られた冷延鋼板の伸び
(=(El0゜+2El45゜+El90゜)/4)およびラン
ク
フオード値すなわちr値(=(r0゜+2r45゜+
r90゜)/4)を測定し、その測定値を第1図にプ
ロツトして示す。 第1図から明らかなように、鋳片加熱温度が高
温の1260℃のものでは、巻取温度が600℃以下に
なると、値がともに急激に劣化する。これに
対し、鋳片加熱温度が低温の1060℃のものでは、
巻取温度がおよそ300〜540℃の比較的低温の巻取
温度範囲できわめて優れた特性を示している。 熱延板の組織を調査した結果、鋳片加熱温度が
1060℃の熱延板を300℃未満の低温で巻取つたも
のは、結晶粒径がきわめて小さく、かつカーバイ
ド等の析出物の粒径も微細であつた。一方540℃
以上の高温で巻取つたものは、結晶粒径がきわめ
て粗大なものと、微細なものが混在していた。 現在のところ、第1図に示す現象の理由は明確
でないが、上述した熱延板の組織の相違に由来す
ると考えられる。なお、本供試鋼には0.020〜
0.030%の微量Tiが含まれているが、Tiを含有し
ない鋼種では第1図に示す現象が明瞭に現われな
いことを確めた。 本発明者は、以上の基礎実験に基づいて、多数
の実験を行なつた結果から、本発明をなしたもの
で、本発明によれば、重量比でC0.015%〜0.050
%、Mn1.0%以下、Si1.5%以下、P0.10%以下、
N0.010%以下、酸可溶Al0.005〜0.100%、
Ti0.010〜0.050%および不可避不純物を含む鋼片
を950〜1090℃で加熱、均熱後、熱間圧延して巻
取温度300〜540℃で巻取り、この熱延鋼帯を酸洗
して冷間圧延した後、連続焼鈍することによつて
延性および深絞り性に優れたプレス成形用冷延鋼
板を製造することを特徴とする。 次に、本発明方法における鋼組成の限定理由に
つき説明する。 Cは低いほど絞り性、延性に有利であるが、C
を低することにより前述したように素材コストの
急上昇を招くので、下限を0.015%とした。好ま
しくは0.020%以上である。一方、上限は延性等
の材質確保のために0.050%以下にしなければな
らない。 Mn、Si、Pは、絞り性を劣化させずに高強度
化するに有用な元素であるが、それぞれ、1.0%、
1.5%、0.10%を越えると、延性への悪影響が顕
著となるのでそれ以下とする。 Nは0.010%を越えると十分な延性と耐時効性
を確保できないので、0.01%以下とする。 Alは鋼中酸素を低減するに有効であり、鋼板
に酸可溶状態で、0.005%以上は存在させる必要
があるが、0.10%を越えて含有させると介在物の
増加により表面性状が劣化するのでこれ以下とす
る。 Tiは前述したように、本発明において不可欠
の元素であり、0.010%以上含有しないとその効
果があらわれない。一方、0.050%を越えて含有
させると、その効果が飽和するのみならず、Ti
系介在物の増加により表面性状が著しく劣化する
ので0.050%以下とすることが必要である。 本発明方法においては、鋼片から熱延鋼帯とす
る工程がとくに重要である。 すなわち、鋼片の加熱温度を950〜1090℃の低
温としなければならない。この低温加熱は前述の
基礎実験で述べた効果を発揮させるに重要な要件
であり、加熱費用の低減、歩留り向上等の経済的
効果も大きい。ただし、鋼片の加熱温度が低くな
りすぎると圧延がしにくくなり、また、仕上温度
確保も難かしくなるので下限を950℃とする。加
熱・均熱された鋼片を熱間圧延するに際しては仕
上温度はそれほど重要でないが、800℃以上の高
温仕上が材質とくに高r値の確保に有利である。
ひき続く巻取工程において巻取温度がとくに重要
である。巻取温度を300℃〜540℃の範囲としない
と優れた材質は得られない。 酸洗および、冷間圧延には特に問題はなく、冷
間圧延した鋼帯を焼鈍する際に、本発明によれば
連続焼鈍法を用いることができる。均熱温度は
650℃〜900℃の範囲が好ましく、延性および耐時
効性改善の目的で過時効処理を施すことが好まし
い。過時効処理は連続焼鈍ライン内で行なつても
よいし、別工程でもよい。過時効温度は200〜500
℃が好ましい。 焼鈍を終了した鋼板は形状の矯正等を目的とし
て2.0%以下の圧下率で調質圧延を付加できる。 第2表に示す組成の鋼を転炉に溶製し連続鋳造
機により230mm板厚の鋳片とした。記号5は450℃
で加熱炉に装入、他は室温まで冷却後、960〜
1090℃の温度範囲で均熱処理をした。ひき続き4
列の粗圧延後、7列の仕上圧延機を具えるホツト
ストリツプミルにて熱間圧延し、380〜540℃の範
囲で巻取つた。熱延条件の詳細を第3表に示す。
3.2mm板厚の熱延板を酸洗後冷間圧延より0.8mm板
厚の鋼帯を得た。これを同じく第3表に示す連続
焼鈍条件で再結晶焼鈍した。鋼2は連続溶融めつ
きラインで亜鉛めつき処理を行ない箱焼鈍炉で過
時効処理をした。他は連続焼鈍ラインで、あるい
は箱焼鈍炉による低温過時効処理と組み合わせ
た。0.8〜1.5%調質圧延後の機械的性質を第4表
に示す。引張試験片はJIS5号であり、引張方向は
時効指数(AI:引張予歪み7.5%、人工時効100℃
−30分)のみ圧延方向であり、他は圧延方向に
0゜、45゜、90゜の3方向で行なつた。特性をX(たと
えばEl、TS)とするとき、平均値は次のよう
に定義した。 =(X0゜+2X45゜+X90゜)/4 鋼1,2,3は軟鋼板として、鋼4,5は引張
強さ36〜42Kg/mm2の高強度鋼板として、いずれも
優れた延性、深絞り性、ならびに耐時効性を有し
ている。
260mmの板厚の鋳片とし、多数の供試鋳片を通常
の均熱温度である1260℃とこれより低温の1060℃
との2種類で加熱均熱した。 これらの鋳片を仕上温度900〜850℃で熱延後、
種々の温度で巻取り、酸洗後、鋼帯(板厚3.2mm)
を冷間圧延し、0.8mm板厚の鋼帯とした。これら
の冷延鋼帯を連続焼鈍ラインで820℃で50秒加熱
し、均熱後650℃まで平均3℃/Sで冷却し、そ
の後430℃まで平均48℃/Sで冷却し、430℃〜
340℃の範囲を190秒で冷却して焼鈍し、1.0〜1.3
%の調質圧延した。 上述したようにして得られた冷延鋼板の伸び
(=(El0゜+2El45゜+El90゜)/4)およびラン
ク
フオード値すなわちr値(=(r0゜+2r45゜+
r90゜)/4)を測定し、その測定値を第1図にプ
ロツトして示す。 第1図から明らかなように、鋳片加熱温度が高
温の1260℃のものでは、巻取温度が600℃以下に
なると、値がともに急激に劣化する。これに
対し、鋳片加熱温度が低温の1060℃のものでは、
巻取温度がおよそ300〜540℃の比較的低温の巻取
温度範囲できわめて優れた特性を示している。 熱延板の組織を調査した結果、鋳片加熱温度が
1060℃の熱延板を300℃未満の低温で巻取つたも
のは、結晶粒径がきわめて小さく、かつカーバイ
ド等の析出物の粒径も微細であつた。一方540℃
以上の高温で巻取つたものは、結晶粒径がきわめ
て粗大なものと、微細なものが混在していた。 現在のところ、第1図に示す現象の理由は明確
でないが、上述した熱延板の組織の相違に由来す
ると考えられる。なお、本供試鋼には0.020〜
0.030%の微量Tiが含まれているが、Tiを含有し
ない鋼種では第1図に示す現象が明瞭に現われな
いことを確めた。 本発明者は、以上の基礎実験に基づいて、多数
の実験を行なつた結果から、本発明をなしたもの
で、本発明によれば、重量比でC0.015%〜0.050
%、Mn1.0%以下、Si1.5%以下、P0.10%以下、
N0.010%以下、酸可溶Al0.005〜0.100%、
Ti0.010〜0.050%および不可避不純物を含む鋼片
を950〜1090℃で加熱、均熱後、熱間圧延して巻
取温度300〜540℃で巻取り、この熱延鋼帯を酸洗
して冷間圧延した後、連続焼鈍することによつて
延性および深絞り性に優れたプレス成形用冷延鋼
板を製造することを特徴とする。 次に、本発明方法における鋼組成の限定理由に
つき説明する。 Cは低いほど絞り性、延性に有利であるが、C
を低することにより前述したように素材コストの
急上昇を招くので、下限を0.015%とした。好ま
しくは0.020%以上である。一方、上限は延性等
の材質確保のために0.050%以下にしなければな
らない。 Mn、Si、Pは、絞り性を劣化させずに高強度
化するに有用な元素であるが、それぞれ、1.0%、
1.5%、0.10%を越えると、延性への悪影響が顕
著となるのでそれ以下とする。 Nは0.010%を越えると十分な延性と耐時効性
を確保できないので、0.01%以下とする。 Alは鋼中酸素を低減するに有効であり、鋼板
に酸可溶状態で、0.005%以上は存在させる必要
があるが、0.10%を越えて含有させると介在物の
増加により表面性状が劣化するのでこれ以下とす
る。 Tiは前述したように、本発明において不可欠
の元素であり、0.010%以上含有しないとその効
果があらわれない。一方、0.050%を越えて含有
させると、その効果が飽和するのみならず、Ti
系介在物の増加により表面性状が著しく劣化する
ので0.050%以下とすることが必要である。 本発明方法においては、鋼片から熱延鋼帯とす
る工程がとくに重要である。 すなわち、鋼片の加熱温度を950〜1090℃の低
温としなければならない。この低温加熱は前述の
基礎実験で述べた効果を発揮させるに重要な要件
であり、加熱費用の低減、歩留り向上等の経済的
効果も大きい。ただし、鋼片の加熱温度が低くな
りすぎると圧延がしにくくなり、また、仕上温度
確保も難かしくなるので下限を950℃とする。加
熱・均熱された鋼片を熱間圧延するに際しては仕
上温度はそれほど重要でないが、800℃以上の高
温仕上が材質とくに高r値の確保に有利である。
ひき続く巻取工程において巻取温度がとくに重要
である。巻取温度を300℃〜540℃の範囲としない
と優れた材質は得られない。 酸洗および、冷間圧延には特に問題はなく、冷
間圧延した鋼帯を焼鈍する際に、本発明によれば
連続焼鈍法を用いることができる。均熱温度は
650℃〜900℃の範囲が好ましく、延性および耐時
効性改善の目的で過時効処理を施すことが好まし
い。過時効処理は連続焼鈍ライン内で行なつても
よいし、別工程でもよい。過時効温度は200〜500
℃が好ましい。 焼鈍を終了した鋼板は形状の矯正等を目的とし
て2.0%以下の圧下率で調質圧延を付加できる。 第2表に示す組成の鋼を転炉に溶製し連続鋳造
機により230mm板厚の鋳片とした。記号5は450℃
で加熱炉に装入、他は室温まで冷却後、960〜
1090℃の温度範囲で均熱処理をした。ひき続き4
列の粗圧延後、7列の仕上圧延機を具えるホツト
ストリツプミルにて熱間圧延し、380〜540℃の範
囲で巻取つた。熱延条件の詳細を第3表に示す。
3.2mm板厚の熱延板を酸洗後冷間圧延より0.8mm板
厚の鋼帯を得た。これを同じく第3表に示す連続
焼鈍条件で再結晶焼鈍した。鋼2は連続溶融めつ
きラインで亜鉛めつき処理を行ない箱焼鈍炉で過
時効処理をした。他は連続焼鈍ラインで、あるい
は箱焼鈍炉による低温過時効処理と組み合わせ
た。0.8〜1.5%調質圧延後の機械的性質を第4表
に示す。引張試験片はJIS5号であり、引張方向は
時効指数(AI:引張予歪み7.5%、人工時効100℃
−30分)のみ圧延方向であり、他は圧延方向に
0゜、45゜、90゜の3方向で行なつた。特性をX(たと
えばEl、TS)とするとき、平均値は次のよう
に定義した。 =(X0゜+2X45゜+X90゜)/4 鋼1,2,3は軟鋼板として、鋼4,5は引張
強さ36〜42Kg/mm2の高強度鋼板として、いずれも
優れた延性、深絞り性、ならびに耐時効性を有し
ている。
【表】
【表】
*印は亜鉛めつき処理までの平均冷却速度
を示す。
を示す。
第1図は冷延鋼板の伸びとr値におよぼす鋼片
の加熱温度と熱間圧延巻取温度との影響を示すグ
ラフである。
の加熱温度と熱間圧延巻取温度との影響を示すグ
ラフである。
Claims (1)
- 1 重量比でC0.015%〜0.050%、Mn1.0%以下、
Si1.5%以下、P0.10%以下、N0.01%以下、酸可
溶Al0.005〜0.100%およびTi0.010〜0.050%を含
む鋼片を950〜1090℃の鋼片加熱温度に加熱し、
均熱後、熱間圧延して巻取温度300〜540℃で巻取
り、この熱延鋼帯を酸洗して冷間圧延した後、連
続焼鈍することを特徴とするプレス成形用冷延鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17704582A JPS5967321A (ja) | 1982-10-08 | 1982-10-08 | プレス成形用冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17704582A JPS5967321A (ja) | 1982-10-08 | 1982-10-08 | プレス成形用冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5967321A JPS5967321A (ja) | 1984-04-17 |
JPH0158254B2 true JPH0158254B2 (ja) | 1989-12-11 |
Family
ID=16024169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17704582A Granted JPS5967321A (ja) | 1982-10-08 | 1982-10-08 | プレス成形用冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5967321A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3803064C2 (de) * | 1988-01-29 | 1995-04-20 | Preussag Stahl Ag | Kaltgewalztes Blech oder Band und Verfahren zu seiner Herstellung |
-
1982
- 1982-10-08 JP JP17704582A patent/JPS5967321A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5967321A (ja) | 1984-04-17 |
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