JPH0158153B2 - - Google Patents

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JPH0158153B2
JPH0158153B2 JP56029945A JP2994581A JPH0158153B2 JP H0158153 B2 JPH0158153 B2 JP H0158153B2 JP 56029945 A JP56029945 A JP 56029945A JP 2994581 A JP2994581 A JP 2994581A JP H0158153 B2 JPH0158153 B2 JP H0158153B2
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silicon carbide
sintered body
sieve
fine powder
producing
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Akira Enomoto
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Ibiden Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炭化珪素焼結体の製造方法に係り、
特に本発明は、室温における平均曲げ強度が55
Kg/mm2以上で、かつワイブル係数が10以上の高強
度炭化珪素焼結体の製造方法に関するものであ
る。
炭化珪素は、極めて優れた化学的および物理的
性質を有しているので、特にガスタービン部品、
高温熱交換器のような苛酷な条件下で使用される
高温構造物の如き用途に対して好適な材料であ
る。
従来、炭化珪素の焼結方法としては加圧焼結法
および反応焼結法が広く知られている。しかしな
がら前者の加圧焼結法には複雑な形状の焼結体を
製造し難く、生産性もあがらない欠点が、また後
者の反応焼結法には高強度の焼結体が得難く、か
つ有害な遊離珪素を多量に含有するため高温或に
おける使用が困難である欠点があつた。
ところで、炭化珪素は難焼結性の材料であり、
酸化物セラミツクスを製造するのに一般的に行な
われている無加圧焼結法すなわち常温で成形した
生成形体を無加圧下で焼結する方法を炭化珪素の
焼結に用いることはこれまで困難であるとされて
いたが、最近になつて炭化珪素、ホウ素含有添加
剤および炭素質添加剤から成る混合粉末を成形
し、不活性雰囲気中で焼結する無加圧焼結方法が
報告されている。
例えば、1973年10月24日に米国に出願された特
許出願第409073号に基づいて、優先権主張された
特開昭550−78609号公報記載の発明によれば炭化
珪素をホウ素含有添加剤(0.3〜3.0重量%B)お
よび炭素含有添加剤(0.1〜1.0重量%C)と混合
成形し、次にこの成形体を不活性雰囲気中で1900
〜2100℃の温度において無加圧焼結し、少なくと
も理論密度の85%を有する炭化珪素焼結体を得る
方法が開示されている。
前述の如く、炭化珪素の無加圧焼結法において
は、原料中に主な焼結助剤としてホウ素含有添加
剤および炭素質添加剤とが添加されており、さら
にその他にベリリウム、アルミニウム等を含有す
る添加剤が使用された例もある。前記ホウ素含有
添加剤を出発原料中に主な添加剤として添加する
理由は、焼結に際して、炭化珪素粒子の各接触点
にホウ素を共存させることによつて炭化珪素粒子
表面に粘着層を形成し、ネツクの形成時に各粒子
を粘着し、収縮を均一に進行させる効果を有する
からであり、一方炭素質添加剤を添加する理由
は、炭化珪素粒子は常温で常にシリカ膜で被覆さ
れており、このシリカ膜のために炭化珪素の自己
焼結が阻害されるので前記シリカ膜を環元除去し
て炭化珪素粒子間の焼結性を高める効果及び焼結
時における結晶粒の粗大化を抑制する効果を有す
るからである。したがつて、前記焼結助剤は炭化
珪素微粉中に一様に分散していることが有効であ
る。
ところで、炭化珪素無加圧焼結体は、その炭化
珪素を有する特性から高強度でかつ信頼性の高い
ものが期待されている。しかしながら、従来知ら
れている炭化珪素無加圧焼結体のうち特に高強度
の焼結体としては有機珪素高分子化合物を熱分解
して得られる極めて高価なβ型炭化珪素や極めて
特殊な製造法によつて合成される炭化珪素を出発
原料とするものであり、シリカと炭素とを使用し
て通常の方法により合成される炭化珪素を出発原
料として高強度でしかも信頼性の高い炭化珪素無
加圧焼結体を製造することは極めて困難であつ
た。
本発明者は、シリカと炭素とを使用して通常の
方法により合成される炭化珪素を出発原料として
製造される炭化珪素無加圧焼結体の強度劣化要因
について種々研究した結果、前述の如き炭化珪素
無加圧焼結体を製造するための出発原料として使
用される炭化珪素微粉には、その製造工程や取扱
い時において比較的粗大な異物が混入する場合が
あり、このような粗大な異物の混入した炭化珪素
微粉を出発原料として焼結体を製造すると、前記
粗大な異物は焼結体中に気孔や介在物等の比較的
大きな欠陥を内在させ焼結体の物性、特に曲げ強
度を著しく劣化させる原因となつていることを知
見した。したがつて、特に高強度で信頼性の高い
焼結体を得ようとする場合には焼結用原料は粗大
な異物を含有しないものであることが重要であ
る。
従来、前記の如き焼結体の強度を劣化させる粗
大な異物を含有しない炭化珪素微粉を得る方法と
しては、(1)炭化珪素微粉の製造工程のうち分級工
程以降の工程を粗大なゴミやホコリ等の存在しな
い隔離室で行なう方法。(2)異物が高温加熱される
ことによつて揮発分解して消滅するかあるいは炭
化して形状が著しく小さくなるような物質の場合
には焼結用原料として使用するに際して、あらか
じめ非酸化性雰囲気で熱処理することによつて異
物を揮発分解あるいは炭化せしめる方法、あるい
は(3)異物のうち焼結体の強度を劣化させる粗大な
ものを篩によつて分離除去する方法が考えられ
る。しかしながら、(1)の隔離室内で行なう方法は
少量の炭化珪素微粉を実験室的な規模で取扱う場
合には極めて有効な方法であるが、工業的な規模
で大量に炭化珪素微粉を取扱うような場合には極
めて多大な設備を要するため適用することが困難
な方法である。(2)の焼結用原料として使用するに
際してあらかじめ非酸化性雰囲気で熱処理する方
法は熱伝導性の悪い超微粉を加熱するという困難
さがあるばかりでなく、炭化珪素微粉は極めて反
応性が強く雰囲気中に極く少量でも酸化成分が存
在すると炭化珪素微粉の表面が容易に酸化される
ため焼結性を著しく劣化させる欠点を有してお
り、さらに前記異物が揮発分解したり炭化したり
する物質でない場合には全く効果のない方法であ
る。(3)の篩によつて異物を分離除去する方法は極
めて一般的な方法で種々の分野で実用化されてお
り、乾式篩分け法と湿式篩分け法との二種類の方
法が用いられている。このうち前者の乾式篩分け
法は凝集性の強い微粉末を扱うような場合には分
散が困難で実用的でない。これに対して後者の湿
式篩分け法は微細な粉末の篩分けに比較的適して
おり、例えば超音波浴による湿式篩分け法が知ら
れており、実験室的な規模における微細な粉末の
粒度分布測定法として使用されている。しかしな
がら、前記の如き超音波振動を利用する篩分け法
を炭化珪素微粉の如き極めて凝集性の強い粉末中
に含有される異物の除去方法として適用しようと
すると、超音波振動だけでは炭化珪素微粉の凝集
を短時間で充分にほぐすことが困難で、篩を通過
させるに要する時間が著しく長く、工業的な規模
で大量に粉末を篩分けすることは極めて困難であ
つた。
本発明は、炭化珪素微粉中に混入している粗大
な異物を極めて効率的に分離除去し、従来得るこ
との困難であつた極めて高強度でかつ信頼性の高
い炭化珪素焼結体の製造方法を提供することを目
的とするものである。
本発明によれば、炭化珪素微粉と必要により焼
結助剤とを均一混合した混合物を成形して任意の
形状の生成形体とした後、無加圧焼結する炭化珪
素焼結体の製造方法において、 前記炭化珪素微粉、必要により混合される焼結
助剤のうち少なくとも炭化珪素微粉は、有機媒質
に懸濁分散させ、かくして得られた懸濁液に超音
波振動を与えながら44μm以下の篩目を有する篩
を通過せしめ、次に有機媒質から固液分離された
ものであることを特徴とする高強度炭化珪素焼結
体の製造方法 によつて前記目的を達成することができる。
次に本発明を詳細に説明する。
従来炭化珪素焼結体を製造するための出発原料
である炭化珪素微粉あるいは焼結助剤には、その
製造工程や取扱い時において粗大な異物が混入す
る場合がある。前記粗大な異物は焼結体中に気孔
や介在物等の比較的大きな欠陥を内在させる原因
となり、焼結体の物性、特に曲げ強度等を著しく
劣化させるため、前記の如き粗大な異物を含有す
る炭化珪素微粉あるいは焼結助剤を焼結用原料と
して使用する場合には前記粗大な異物をあらかじ
め除去することが重要であるが、前述のように従
来かかる異物を除去する適切な方法は知られてい
なかつた。
本発明者は上記異物を除去する研究を種々行
い、前記炭化珪素微粉および又は焼結助剤を有機
媒質に懸濁分散させ、かくして得られた懸濁液に
超音波振動を与えながら44μm以下の篩目を有す
る篩を通過せしめ、次に有機媒質から固液分離す
る方法に想到して、本発明を完成した。
炭化珪素微粉あるいは焼結助剤は極めて凝集性
の強い粉末であるため乾燥状態で44μm以下の篩
目を有する篩を通過せしめて粗大な異物だけを効
率的に分離除去することは全く不可能であるが、
本発明者は炭化珪素微粉あるいは焼結助剤が有機
媒質中では比較的分散し易く本発明の目的とする
44μm以下の篩目を有する篩を通過させる程度に
まで有機媒質中に容易に分散させることができる
ということを知見した。さらにまた篩を通過せし
めた炭化珪素微粉あるいは篩を通過せしめた焼結
助剤はいずれも懸濁液を静置するだけで比較的速
やかに凝集沈降させることができ、有機媒質から
容易に固液分離することができ、固液分離後の完
全乾操も極めて容易であることを知見した。
本発明によれば、篩に注入される懸濁液中に含
有される粉末の濃度は1〜50重量%の範囲内とす
ることが好ましい。前記濃度が50重量%よりも濃
いと炭化珪素微粉を均一に分散させることが困難
で、しかも懸濁液の粘性も高くなるため効率的に
篩を通過せしめることが困難であり、一方1重量
%よりも薄いと大量の懸濁液を篩処理しなければ
ならず単位設備当りの実質的な処理量が著しく少
なく経済的でないからであり、なかでも10〜40重
量%の範囲内で好適な結果が得られる。
本発明によれば、比較的濃い懸濁液を使用し
て、篩に注入する際あるいは注入後に有機媒質を
あらたに添加して濃度を調整することもできる。
本発明によれば、篩に注入される前記懸濁液は
炭化珪素微粉あるいは焼結助剤があらかじめ均一
分散処理されたものであることが好ましく、また
前記均一分散処理は振動ミル、アトライター、ボ
ールミル、コロイドミルあるいは高速ミキサーの
いずれか少なくとも1種の分散装置によつて均一
分散処理されることが好ましい。その理由は、本
発明で使用する炭化珪素微粉あるいは焼結助剤は
極めて凝集性の強い超微粉末で強固な凝集状態に
あり、一般的な撹拌方法、例えばインペラーある
いはスクリユー等による方法では凝集を充分にほ
ぐすことが困難で、分散力の極めて強い分散装置
例えば振動ミル、アトライター、ボールミル、コ
ロイドミルあるいは高速ミキサー等を使用するこ
とによつて、本発明の目的とする均一な分散状態
を容易にかつ短時間に得ることができるからであ
る。
本発明によれば、前記有機媒質は乾燥すること
によつて完全に除去することが望ましく、沸点が
20〜250℃の範囲内と比較的低く揮発し易いもの
が好ましい。前記有機媒質としては例えばアセト
ン、エタノール、メタノール、ヘキサン、ヘプタ
ン、ノナン、トルエン、キシレン、エチルメチル
ケトン、エチルベンゼン、シクロヘキサンあるい
はベンゼン等を使用することが好ましく、なかで
もアセトンが最も好適である。
なお、前記有機媒質は比較的高価であるが、前
記工程を閉回路で行うことにより、その大部分を
回収して再使用することができるため、経済的で
ある。
また、本発明によれば、前記懸濁液に超音波振
動を与えながら篩を通過せしめる。従来前記懸濁
液に懸濁されている炭化珪素微粉あるいは焼結助
剤は極めて凝集し易く、懸濁液を静置すると極め
て短時間のうちに凝集してしまうため篩を通過せ
しめることが殆ど不可能であつた欠点を懸濁液に
超音波振動を与えることにより、除去することが
できる。さらに、懸濁液に適当な強さの超音波振
動を与えることによつて炭化珪素微粉あるいは焼
結助剤を凝集と分散とを繰り返させながら徐々に
沈降させることができ、篩の網部にまで沈降し到
達した炭化珪素微粉あるいは焼結助剤を凝集と分
散とを繰り返させることにより、分散状態に移行
した際に速やかに篩を通過させることができ、し
かも、一旦網部を通過した後は網部の下方で再び
凝集と分散とを繰り返しながら徐々に沈降するた
め網部を逆に下方より上方へ通過することは殆ど
なく極めて効率よく篩を通過せしめることができ
る。
本発明によれば、前記篩の篩目は44μm以下で
あることが必要である。前記篩の篩目が44μmよ
り大きいと焼結体の物性に著しい影響を及ぼす粗
大な異物を除去することができず、本発明の目的
とする高強度でかつ信頼性の高い焼結体を得るこ
とが困難になるからであり、さらに高強度で信頼
性の高い焼結体を得るためには前記篩目を30μm
以下とすることが好ましい。また前記篩目は、異
物を除去するという目的からすると篩の篩目はな
るべく小さい方が有利であるが、10μmの篩目を
通過する程の小さな異物は焼結体の強度に殆ど影
響を及ぼさないし、また前記篩目が10μmより小
さな篩を使用すると篩を通過させるための要する
時間が著しく長くなるため実用的でなく、前記篩
目は10〜30μmの範囲内とすることが好ましい。
本発明によれば、有機媒質中に篩枠の上縁部が
浸漬されない程度にまで篩の網部を浸漬すること
が好ましい。すなわち、篩の網部を有機媒質中に
浸漬することによつて篩の網目における表面張力
の発生を防止することができ、懸濁液を速やかに
通過せしめ、かつ篩上の懸濁液に超音波振動を効
率よく与えることのできる効果を有する。
本発明者は、本発明に使用される有機媒質なら
びにこれと炭化珪素微粉あるいは焼結助剤との懸
濁液の特性について種々研究した結果、篩の網部
における懸濁液の通過速度を下記式で示される関
係を満足させることができる範囲内とする場合に
最も良い結果を得ることができることを新規に知
見した。
3×10-4C/η≦U≦7×10-2C/η なお、上記式中Uは篩の網部における懸濁液の
通過速度(g/cm2・sec)、Cは懸濁液の濃度(重
量%)、ηは有機媒質の粘度(g/cm・sec)であ
る。懸濁液の通過速度が前記式で示される範囲よ
り速いと有機媒質は粉末に比較して篩を通過し易
いため、篩の網部において固液分離現象が発生
し、篩上において懸濁液が濃縮され炭化珪素微粉
あるいは焼結助剤が凝集し易くなり篩上に残留し
てしまうため効率的に篩を通過させることが困難
となるし、一方前記関係式で示される範囲より遅
いと篩を通過させるに要する時間が著しく長く、
単位設備当りの処理量が少なくなる。
本発明によれば、前記篩を通過した懸濁液より
有機媒質を固液分離する。前記固液分離方法とし
ては、有機媒質の上澄みを排除することにより濃
縮した後、乾燥する方法が好ましい。ところで、
従来懸濁液中より固形分を回収する固液分離方法
としてはヌツチエあるいはフイルタープレス等の
ろ過による方法が一般的に知られているが、焼結
用原料としての炭化珪素微粉あるいは焼結助剤の
如き微細な粉末の固液分離を前記の如きろ過によ
る方法で行うと一部の特に微細な粉末はろ布の目
を通過し易くろ液とともに排出され回収効率が低
い欠点を有していた。これに対して本発明の方法
によれば媒質として有機媒質を使用しており、静
置するだけで炭化珪素微粉あるいは焼結助剤を容
易に沈降せしめて濃縮できるため、その後の乾燥
に要する熱量も少なくてすみ、さらに炭化珪素微
粉あるいは焼結助剤を損失することなく回収でき
る。
前記炭化珪素微粉は必要により焼結助剤を混合
して用いる場合には、焼結助剤を混合する以前に
炭化珪素微粉を有機媒質に懸濁分散させ、かくし
て得られた懸濁液に超音波振動を与えながら44μ
m以下の篩目を有する篩を通過せしめ、次に有機
媒質から固液分離されたものであることが好まし
い。その理由は、炭化珪素微粉に焼結剤を混合し
てから前記処理を行うと、炭化珪素微粉と焼結助
剤とは比重あるいは凝集性等の物性が異なるた
め、焼結助剤が偏析したりするばかりでなく炭化
珪素微粉と焼結助剤との配合比率が変化したりし
て焼結体の物性に悪影響を及ぼすからである。
本発明によれば、炭化珪素微粉に必要により焼
結助剤が添加混合されるが、前記焼結助剤は炭化
珪素微粉と同様にその製造工程や取扱い時におい
て比較的粗大な異物が混入し含有されている場合
がある。前記粗大な異物は炭化珪素微粉中に含有
される異物と同様に焼結体中に例えば気孔や介在
物等の比較的大きな欠陥を内在させる原因とな
り、焼結体の物性特に曲げ強度を著しく劣化させ
るため、前記焼結助剤は遅くとも炭化珪素微粉に
添加混合する以前に有機媒質に懸濁分散させ、前
記懸濁液に超音波振動を与えながら44μm以下の
篩目を有する篩を通過せしめ、次に有機媒質から
固液分離されたものであることが好ましい。
前記焼結助剤は、主としてホウ素含有添加剤で
あり、その他従来知られているベリリウム、アル
ミニウム等を含有する添加剤も焼結剤として使用
することができる。前記ホウ素含有添加剤として
は例えばホウ素あるいは炭化ホウ素を使用するこ
とが有利である。
また、通常炭化珪素の無加圧焼結法によれば、
出発原料中には前記焼結助剤の他に炭素質添加剤
を添加する。前記炭素質添加剤としては、焼結開
始時に炭素の状態で存在するものであれば使用す
ることができるが、前記炭化珪素微粉や焼結助剤
と同様に粗大な異物を含有しないものを使用する
ことが有利である。
本発明によれば、前記炭化珪素微粉あるいは焼
結助剤より粗大な異物を除去する処理から生成形
体を成形する迄の工程は、前記処理によつて除去
される如き粗大な異物の混入を防止することので
きる隔離室内で行うことが有利である。なお、生
成形体を成形した後は生成形体中への異物の混入
は全くないため、以後の工程を隔離室内で行う必
要はない。
炭化珪素無加圧焼結体は、本来その炭化珪素の
有する特性から極めて高強度でかつ信頼性の高い
ものが期待されている。従来知られている炭化珪
素無加圧焼結体のうち特に高強度の焼結体として
は特開昭54−67598号公報に記載されている如く
有機珪素高分子化合物を熱分解して得られる極め
て高価なβ型炭化珪素を出発原料として65Kg/mm2
の3点曲げ強度を有する焼結体が、また特開昭54
−122312号公報に記載されている如く極めて特殊
な製造法によつて合成される炭化珪素を出発原料
として約10-5mmHg、1700℃の条件下で82Kg/mm2
と比較的高い3点曲げ強度を有する焼結体が得ら
れることが開示されている。しかしながら、シリ
カと炭素とを使用して通常の方法により合成され
る炭化珪素を出発原料として、室温における平均
曲げ強度が55Kg/mm2以上で、かつワイブル係数が
10以上と高強度でしかも極めて信頼性の高い炭化
珪素無加圧焼結体を得ることは極めて困難であつ
た。なお、前記ワイブル係数とはセラミツクス強
度の統計表示法として用いられるワイブル統計に
おいて破壊応力と残存確率との関係より求められ
る数値であり、強度の信頼性を表わす尺度として
用いられている。
本発明によれば、炭化珪素微粉、必要により混
合される焼結助剤のうち少なくとも炭化珪素微粉
を有機媒質に懸濁分散させ、かくして得られた懸
濁液に超音波振動を与えながら44μm以下の篩目
を有する篩を通過せしめ、次に有機媒質から固液
分離して得た炭化珪素微粉と必要により添加され
る焼結助剤と炭素質添加剤とを均一混合して任意
の形状の生成形体に成形した後、焼結炉内へ装入
し、不活性ガス気流中で1900〜2300℃の温度範囲
内で焼結することにより、室温における平均曲げ
強度が55Kg/mm2以上で、かつワイブル係数が10以
上と高強度でしかも極めて信頼性の高い炭化珪素
無加圧焼結体を得ることができる。
次に本発明を実施例および比較例について説明
する。
実施例 1 炭化珪素としては特公昭55−40527号公報に記
載の主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方
法により製造し、さらに精製、粒度分級した炭化
珪素微粉を使用した。
前記炭化珪素微粉は96.2重量%がβ型結晶より
なり、0.38重量%の遊離炭素、0.18重量%の酸素
を含有し、14.2m2/gの比表面積を有していた。
前記炭化珪素微粉100gとアセトン400mlとをテ
フロン製のボールミルに装入し10分間分散処理を
行つた。ついで前記ボールミルより懸濁液を排出
し、超音波振動を与えるることのできる容器内で
篩の枠の上縁部が篩下粉末を懸濁する媒質中に浸
漬されない程度にまで篩の網部を媒質中に浸漬さ
せた篩中へ注入し、26KHz、600wの超音波振動
を与えながら篩を通過させた。前記篩は目開きが
25μm、篩枠径が200mmφ、篩枠の高さが45mmの
標準篩を使用した。前記篩の網部における懸濁液
の通過速度は50g/cm2・secに設定した。前記篩
を通過させた篩下懸濁液は回収容器中へ排出し、
前記回収容器内で約10分間静置して篩下炭化珪素
微粉を沈降させた。次に前記回収容器よりアセト
ンの上澄みを排除して濃縮した後、前記濃縮スラ
リーを防爆型の乾燥機中で完全乾燥し篩下炭化珪
素微粉を得た。
ホウ素含有添加剤は市販の200メツシユ炭化ホ
ウ素粒を粉砕、粒度分級して比表面積を21.4m2
gに調製した炭化ホウ素粉末を使用した。
前記炭化ホウ素粉末を前記炭化珪素微粉に施し
たと同様の処理を行い篩下炭化ホウ素粉末を得
た。
前記篩下炭化珪素微粉100gと前記篩下炭化ホ
ウ素粉末1.3gと固定炭素含有率51.6重量%のノ
ボラツク型フエノール樹脂3.9gとの混合物に対
し、ベンゼン50mlとポリエチレングリコール1.0
gとを添加し6時間振動ミル処理を行つた。前記
振動ミル処理を行つた混合物スラリーを冷却され
た雰囲気中へ噴霧して凍結させた後、凍結乾燥し
て顆粒を得た。
この顆粒から適量を採取し、金属製押し型を用
いて0.15t/cm2の圧力で仮成形し、次にアイソス
タテイツクプレス機を用いて3.0t/cm2の圧力で成
形した。前記生成形体の密度は1.93g/cm3である
ことが認められた。
なお、前記炭化珪素微粉および炭化ホウ素粉末
の篩を通過させる処理から生成形体を成形する迄
の工程は10μm以上の塵の存在しない隔離室内で
行なわれた。
前記生成形体をアルゴンガス気流中で2100℃の
温度で焼結した。
得られた焼結体は3.16g/cm3の密度を有してい
た。この焼結体を3×3×30mmの棒状に加工し、
最終的に1μmのダイヤモンド砥粒で研磨仕上げ
し、スパン20mm、クロスヘツドスピード0.5mm/
minの条件で3点曲げ強度を測定したところ常温
で66.2Kg/mm2の平均強度を有しており、さらにワ
イブル係数は第1図に示す如く13と極めて高強度
でしかも信頼性の高い焼結体であることが確認さ
れた。なお前記3点曲げ強度の測定は30個の試験
片について実施した。ワイブル係数はワイブル確
率紙を用いて求めた。
比較例 1 実施例1と同じ出発原料であるが篩分け処理の
施してない出発原料を使用し、実施例1と同様の
操作で焼結体を得た。
得られた焼結体は3.15g/cm3の密度を有してい
た。前記焼結体の3点曲げ強度を実施例1と同様
にして測定したところ常温における平均強度は
53.8Kg/mm2、ワイブル係数は第1図に示す如く6
であり、実施例1で得られた焼結体に比較して平
均強度が低く、しかも信頼性の低いものであつ
た。
実施例 2 炭化珪素としては市販のα型炭化珪素微粉
(GC#6000)を粉砕し、さらに精製、粒度分級し
た炭化珪素微粉を使用した。前記炭化珪素微粉は
0.42重量%の遊離炭素、0.14重量%の酸素を含有
し、15.4m2/gの比表面積を有していた。
前記炭化珪素微粉100gとベンゼン220mlとをコ
ロイドミルを使用して分散処理を行い、次いで実
施例1に記載の篩中で注入し、実施例1と同様に
して篩を通過させた。前記篩の網部における懸濁
液の通過速度は15g/cm2・secに設定した。篩下
懸濁液を実施例1と同様に固液分離し篩下炭化珪
素微粉を得た。
前記篩下炭化珪素微粉を使用して実施例1と同
様の方法であるが焼結温度を2150℃に変更して焼
結体を得た。
得られた焼結体は3.14g/cm3の密度を有してい
た。また実施例1と同様にして測定した3点曲げ
強度は常温で56.1Kg/mm2の平均強度を有してお
り、ワイブル係数は第2図に示す如く11と比較的
高強度でしかも信頼性の高い焼結体であることが
確認された。
実施例 3 実施例1と同様の篩分け操作を次に示す媒質を
使用して行なつた。
エタノール、メタノール、ヘキサン、ヘプタ
ン、ノナン、トルエン、キシレン、エチルメチル
ケトン、エチルベンゼン、シクロヘキサン。
上記の媒質を使用した場合にはいずれも比較的
容易に良好な分散状態を得ることができ、しかも
篩下懸濁液を静置した場合の沈降性も極めて良好
であることが確認された。
比較例 2 実施例1に記載した炭化珪素微粉100gアセト
ン600mlとをガラスビーカー中に装入し、スクリ
ユー式撹拌機で12時間撹拌した。前記の如くして
作成した懸濁液を実施例1と同様にして篩を通過
させようとしたが、炭化珪素微粉の分散が不充分
でアセトンだけが速やかに篩を通過してしまい、
炭化珪素微粉は大部分が篩上に残留してしまつ
た。
比較例 3 実施例と同様であるが、アセトンの配合量を
100mlと減少させて作成した懸濁液を実施例1と
同様にして篩を通過させようとしたところ、懸濁
液の粘性が高く篩を通過させることが極めて困難
であつた。
比較例 4 実施例1と同様であるが、篩の網部における媒
質の通過速度を120g/cm2・secと速めて篩を通過
させた。前記処理後、篩目の網部を観察したとこ
ろ炭化珪素微粉の一部が篩上に残留していること
が認められた。
以上述べた如く、本発明方法によれば、従来除
去することの困難であつた炭化珪素微粉中に含有
される粗大な異物を容易に除去することができ、
この炭化珪素微粉を使用して極めて欠陥が少なく
高強度でかつ作業性の高い焼結体を安価に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1および比較例1に記載の焼
結体の3点曲げ破壊強度と破壊確率との関係を示
す図、第2図は、実施例2に記載の焼結体の3点
曲げ破壊強度と破壊確率との関係を示す図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭化珪素微粉と焼結助剤とを均一混合した混
    合物を成形して生成形体とした後、無加圧焼結す
    る炭化珪素焼結体の製造方法において、 前記炭化珪素微粉および焼結助剤を有機媒質に
    懸濁分散させ、かくして得られる懸濁液を超音波
    振動を与えながら44μm以下の篩目を有する篩を
    通過せしめ、その後有機媒質から該炭化珪素微粉
    および焼結助剤を固液分離し、乾燥したのち成形
    することを特徴とする高強度炭化珪素焼結体の製
    造方法。 2 前記懸濁液に含有される炭化珪素微粉および
    焼結助剤の濃度は1〜50重量%の範囲内である特
    許請求の範囲第1項に記載の高強度炭化珪素焼結
    体の製造方法。 3 前記懸濁液は、均一分散処理されたものであ
    る特許請求の範囲第1〜2項のいずれかに記載の
    高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 4 前記均一分散処理は振動ミル、アトライタ
    ー、ボールミル、コロイドミルあるいは高速ミキ
    サーのいずれか少なくとも1種の分散装置によつ
    て行う特許請求の範囲第3項記載の高強度炭化珪
    素焼結体の製造方法。 5 前記有機媒質は沸点が40〜250℃の範囲内の
    有機媒質である特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の高強度炭化珪素焼結体の製造方法。 6 前記有機媒質は、アセトン、エタノール、メ
    タノール、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、トルエ
    ン、キシレン、エチルメチルケトン、エチルベン
    ゼン、シクロヘキサンあるいはベンゼンより選択
    される何れか少なくとも1種である特許請求の範
    囲第1〜5項のいずれかに記載の高強度炭化珪素
    焼結体の製造方法。 7 前記篩の篩目は、10〜30μmの範囲内である
    特許請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の高
    強度炭化珪素焼結体の製造方法。 8 前記篩の通過処理は、有機媒質中に篩枠の上
    縁部が浸漬されない程度にまで篩の網部を浸漬す
    ることにより行う特許請求の範囲第1〜7項のい
    ずれかに記載の高強度炭化珪素焼結体の製造方
    法。 9 有機媒質からの炭化珪素微粉および焼結助剤
    の固液分離は、有機媒質の上澄みを排除して濃縮
    した後乾燥することにより行う特許請求の範囲第
    1〜8項のいずれかに記載の高強度炭化珪素焼結
    体の製造方法。 10 製造される上記炭化珪素焼結体は、室温に
    おける平均曲げ強度が55Kg/mm2以上で、かつワイ
    ブル係数が10以上のものである特許請求の範囲第
    1〜9項のいずれかに記載の高強度炭化珪素焼結
    体の製造方法。
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