JPH0157774B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フイルム、感光紙等のロール状感光
材料を使用する複写カメラ、例えば写真製版用ロ
ールフイルムカメラにおけるフイルムの、露光光
軸に対する整合方法に関する。

従来、写真製版カメラには、感光材料としてシ
ートフイルムを使用するものが多かつたが、近
年、カメラワークの省力化のため、ロールフイル
ムを内蔵して、自動あるいは遠隔操作により、フ
イルムの切断、並びに露光位置への着脱等を行な
うようにしたロールフイルム式の複写カメラが普
及してきた。

かかるカメラにおいて、フイルムを露光位置に
保持する機構を、露光面が垂直になつた形式のカ
メラを例にとつて説明すると次の通りである。

フイルムを露光位置に保持するには、通常、真
空式のフイルム吸着板が使用され、該吸着板の上
方に設けたロールフイルムマガジンから、所望長
さのフイルムを、吸着板面にくり出して吸着保持
せしめた後、当該吸着板の上縁に沿つてフイルム
を切断する。

したがつて、このようなものでは、吸着保持さ
れたフイルムの中心位置は、フイルムがくり出さ
れた長さにより変化する。そして、撮影時には、
装着されたフイルムの中心を、カメラのレンズ光
軸と一致させる必要があるため、これまでのロー
ルフイルム式複写カメラでは、フイルムを吸着保
持した吸着板を垂直方向に移動させて、フイルム
の中心をレンズ光軸に合致させている。

しかしながら、かかる方法では、フイルム吸着
板を移動させるため、構造が複雑となり、またピ
ント面の位置精度を保持しにくいという欠点があ
る。

また、別法として、吸着孔を多数設けた固定式
真空吸着板面に近接して、多孔性のエンドレスベ
ルトを正逆回動可能に配置し、該エンドレスベル
ト上部のロールフイルムマガジンからくり出され
たフイルムを、当該ベルト上に吸着保持するとと
もに、当該ベルト上部に設けられたカツター装置
により、フイルムを所望の長さに切断し、フイル
ムを保持した状態で、当該ベルトを回動させるこ
とにより、フイルムを垂直方向に移動させて、フ
イルムの中心をレンズ光軸に合致せしめる方法も
ある。

しかしながら、かかる方法も、エンドレスベル
トを駆動しなければならないため、構造が複雑と
なる点は、避けることができない。

本発明に係る方法は、フイルム吸着板の上流に
配置したフイルムマガジンから、該フイルム吸着
板上に、ロールフイルムを送りだして吸着させ、
露光した後、露光済みのフイルムを、前記フイル
ム吸着板の下流に配置したカツター通して送りだ
し、被露光部の後方を、前記カツターにより切断
するようにした複写カメラにおいて、撮影に際
し、前記フイルムの先端を、前記カツターによる
切断位置から、１／２（Ｌ−ｌ）＋l₁だけ巻戻して、 前記フイルム吸着板に吸着させるとともに、常時
は、前記フイルム吸着板の上流側にその先端を位
置させてある遮光性マスクシートを、１／２（Ｌ− ｌ）＋αだけ、前記フイルム吸着板面にくりだし
て、前記フイルム面を覆わせるようにしたことを
特徴とする複写カメラにおけるフイルムの露光光
軸に対する整合方法に関するものである。

ただし Ｌ：フイルム吸着板の長さ ｌ：画像の長さ l₁：フイルム吸着板の下流側端縁か
ら、カツターまでの距離 α：フイルム吸着板の上流側端縁と、
くり出される前の遮光性マスクシ
ートの先端との距離 以下実施例を図面に基づき詳述する。

第１図は、写真製版用ロールフイルムカメラに
おける撮影架を示す概要図であり、１は撮影架、
２はロールフイルム３が収納されたフイルムマガ
ジン、４は電動機M₁により駆動されるロールフ
イルム３の送り出しローラ、５は押えローラー、
６は多数のフイルム吸着孔が設けられたフイルム
吸着板、７は真空ポンプ等の真空源、８は所望の
フイルムサイズに応じて、くり出される長さが制
御される遮光性のマスクシートで、電動機M₂の
正逆回転によりロールフイルム３に沿つて垂直方
向にくり出されたり、巻き戻されたりする。

また、９はフイルム吸着板６の下部に設けられ
たカツター装置、１０は電動機M₃により駆動さ
れる送りローラー、１１はカツター装置９で切断
された露光済みフイルムを収納するためのフイル
ムマガジン、１２はカメラの露光光軸である。

かかる構成のカメラにおいて、撮影するフイル
ムサイズを設定すると、まず電動機M₁が逆方向
に回転し、ロールフイルム３は、フイルム吸着板
６に軽く（例えば真空圧が水柱100〜150ｍ／ｍ程
度）吸着された状態で、設定されたフイルムサイ
ズに対応した長さだけ巻き戻される。

今、ロールフイルム３の先端がカツター装置９
の位置に合致しており、設定されたフイルムサイ
ズ、すなわちフイルムの垂直方向の長さがｌ、フ
イルム吸着板６の垂直方向の長さがＬ、フイルム
吸着板６の下縁からカツター装置までの距離がl₁
であるとすれば、第２図と示す如く、ロールフイ
ルム３の先端を、破線で示す位置から実線で示す
位置まで巻きもどし、マスクシート８の先端を、
実線で示す位置から破線で示す位置まで送り出す
ことにより、フイルム３の長さｌの部分中心を露
光光軸に合致させることができる。

すなわち、ロールフイルム３を電動機M₁の逆
回転によつて、長さ１／２（Ｌ−ｌ）＋l₁巻きもど し、該巻きもどしと同時もしくはその径、マスク
シート８を電動機M₂の正転によつて長さ１／２〔Ｌ −ｌ）＋α送り出すことにより、フイルム３の長
さｌの部分の中心を露光光軸１２に合致させるこ
とができる。

なおαは、フイルム吸着板６の上流側端縁と、
送り出される前のマスクシート８の先端との距離
である。

この様にして、所望のサイズのフイルムの中心
が露光光軸に整合させ、次にマスクシート８によ
つて限定された、ロールフイルム３の所望の部分
に原画像が露光されることになるが、この露光の
際には、図示を省略したがコンタクトスクリーン
を重畳して網かけ露光することも可能である。

露光が終了すると、ロールフイルム３の露光部
は、電動機M₁の正回転により、垂直に下方へ送
られ、その送り長さがＬ／２＋ｌ／２＋l₁になると、電 動機M₁は停止する。

この送り長さＬ／２＋ｌ／２＋l₁は、前記巻きもどし 長さ１／２（Ｌ−ｌ）＋l₁よりｌだけ長いから、ロー ルフイルム３の先端は、カツター装置９の位置よ
り長さｌ（露光部に相当）だけ下方に下がつた位
置にくる。

次いで、カツター装置９によりロールフイルム
３の露光部を切断し、露光済みフイルムは、送り
ローラー１０を介してフイルムマガジン１１内に
収納される一方、ロールフイルム３は、その先端
がカツター装置９の位置に一致したまま、次の露
光動作にそなえることになる。

上記した一連の操作は、マイクロコンピユータ
ー等の計算器によつて制御することができ、露光
量の制御、自動焦点合わせ等を含め、完全に自動
化された複写カメラを作製し得ることは容易に理
解できるところである。

また本発明に係る方法は、ロールフイルムを下
から上へ巻き出すタイプの複写カメラにも、単に
向きを逆にするだけで適用でき、露光面が水平な
場合、傾斜した場合でも、容易に適用し得ること
は当業者であれば明白である。

以上の様に、本発明に係る方法によれば、ロー
ルフイルムの巻きもどしとマスクシートのくり出
しのみで、露光すべきフイルム面の中心位置を露
光光軸に整合せしめることができるため、従来方
法の様にフイルム吸着板等の大型装置を駆動する
必要がなく、構造が簡単となり、かつ安価に作製
し得る等、実用上多大の利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る方法を実施するための
複写カメラの一例としての写真製版用ロールフイ
ルムカメラにおける撮影架の概要を示す縦断側面
図、第２図は、フイルム整合時におけるロールフ
イルムとマスクシートとの位置関係を示す側面図
である。 １…撮影架、２…フイルムマガジン、３…ロー
ルフイルム、６…フイルム吸着板、８…マスクシ
ート、９…カツター装置、１２…露光光軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フイルム吸着板の上流に配置したフイルムマ
   ガジンから、該フイルム吸着板上に、ロールフイ
   ルムを送りだして、吸着させ、露光した後、露光
   済みのフイルムを、前記フイルム吸着板の下流に
   配置したカツターを通して送りだし、被露光部の
   後方を、前記カツターにより切断するようにした
   複写カメラにおいて、撮影に際し、前記フイルム
   の先端を、前記カツターによる切断位置から、
   １／２（Ｌ−ｌ）＋l₁だけ巻戻して、前記フイルム吸 着板に吸着させるとともに、常時は、前記フイル
   ム吸着板の上流側にその先端を位置させてある遮
   光性マスクシートを、１／２（Ｌ−ｌ）＋αだけ、前 記フイルム吸着板面にくりだして、前記フイルム
   面を覆わせるようにしたことを特徴とする複写カ
   メラにおけるフイルムの露光光軸に対する整合方
   法。 ただし Ｌ：フイルム吸着板の長さ ｌ：画像の長さ l₁：フイルム吸着板の下流側端縁か
   ら、カツターまでの距離 α：フイルム吸着板の上流側端縁と、
   くり出される前の遮光性マスクシ
   ートの先端との距離