JPH0156125B2 - - Google Patents

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JPH0156125B2
JPH0156125B2 JP60002814A JP281485A JPH0156125B2 JP H0156125 B2 JPH0156125 B2 JP H0156125B2 JP 60002814 A JP60002814 A JP 60002814A JP 281485 A JP281485 A JP 281485A JP H0156125 B2 JPH0156125 B2 JP H0156125B2
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wall thickness
steel
less
corrosion cracking
stress corrosion
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Kuniaki Motoda
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Kawasaki Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明はサワーガス井、サワー油井などのガ
ス井管、油井管あるいはラインパイプ、さらには
硫化物応力腐食割れ発生の危険がある化学装置用
配管などに使用される継目無鋼管(シームレス鋼
管)の製造方法に関し、特に耐サワー性すなわち
耐硫化物応力腐食割れ性の優れた、降伏強さもし
くは0.5%耐力が65〜85Kg/mm2の高強度を有する
極厚肉高強度継目無鋼管を製造する方法に関する
ものである。 従来の技術 近年に至り、原油価格の高騰が近い将来に予想
される石油資源の枯渇化を目前にして、従来は顧
みられなかつたような深層油田や、開発が一旦は
放棄されていたサワーガス田などに対する開発意
欲が高まりつつある。特にサワーな環境にある油
井、すなわち硫化水素等の硫化物に多量に含む環
境下にある油井の開発にあたつては、耐硫化物応
力腐食割れ性の優れた油井管が不可欠であり、ま
た深層油田の場合必然的に高強度かつ厚肉の油井
管が要求される。 ところで、従来一般に油井管に使用されている
低合金鋼においては、耐硫化物応力腐食割れ性は
強度の上昇とともに劣化するのが通常であり、そ
のため両者の兼合いから、Cr−Mo系鋼を降伏強
さ64〜74Kgf/mm2紙に焼入れ焼戻ししたものが実
用化されている油井管のうちで最も優れたものと
されている。このような油井管として最近API
(米国石油協会)においてC−90が規格化された
が、このAPI規格C−90においても管の肉厚は最
大22.352mmまでしか規格化されていない。しかる
に最近の油井の深井戸化に伴なつて油井管に対す
る厚肉化の要請はますます高まつており、特にカ
ツプリング(継手)用素管としては肉厚45mm以上
の板厚のものが要求されることすらある。 発明が解決すべき問題点 一般に焼入れ焼戻し材の耐硫化物応力腐食割れ
性は、完全に焼入れし、充分に焼戻したものが良
いことが知られている。このように完全焼入れ
し、充分に焼戻すことによつて耐硫化物応力食割
れ性の優れた鋼管を得ることは、薄肉の管では比
較的容易であるが、肉厚が12mm以上の厚肉管、特
に肉厚20mm程度以上の板厚鋼管においては、肉厚
中心部まで完全に焼入れし、充分に焼もどすこと
が困難であるため、耐硫化物応力腐食割れ性が優
れた管を製造することが困難であつた。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、肉厚12mm程度以上、さらには肉厚20mm以上
の極厚肉の継目無鋼管においても厚さ中央部まで
充分に焼きが入るようになし、しかも充分かつ均
一焼戻しが行なわれるようにして、上述のような
極厚肉の場合も優れた耐応力腐食割れ性を示すと
同時に高強度を示す継目無鋼管を製造する方法を
提供することを目的とするものである。 問題点を解決するための手段 本発明者等は極厚肉の高強度鋼管において耐硫
化物応力腐食割れ性を向上させるべくその肉厚中
心部まで完全焼入れしかつ充分に焼戻ための方策
について検討を加えた結果、極厚肉鋼管の焼入れ
性を向上させるためには肉厚に応じて成分元素含
有量を適切に調整する必要があること、また耐硫
化物応力腐食割れ性を向上させるべく充分かつ均
一に焼戻すためには、焼戻し温度を650℃以上と
する必要があり、しかも肉厚に応じた適切な保持
時間の焼戻しを行なう必要があることが判明し、
この発明をなすに至つたのである。 すなわちこの発明の極厚肉高強度継目無鋼管の
製造方法は、C0.20〜0.50%、Mn0.5〜1.5%、
Si0.20〜0.35%、P0.015%以下、S0.005%以下、
Cr0.8〜2.0%、Cu0.2%以下、Ni1.0%以下、
Mo0.5〜1.5%、Nb0.01〜0.1%、Al0.005〜0.1%
を含有し、しかも下記(1)式で定義されるDI値が
製品鋼管の肉厚t(mm)に応じて下記(2)式を満足
するように成分元素含有量を調整した鋼を素材と
し、その鋼素材に熱間加工を施して継目無鋼管と
した後、管内外面同時焼入れ法によつて焼入れ
し、次いで650℃以上Ac1変態点未満の温度域に
おいて製品鋼管の肉厚t(mm)に応じて保持時間
T(分)が下記(3)式を満足するように保持して焼
戻すことを特徴とするものである。 DI=7.95√(%)×{1+4.1×Mn(%)}
×{1+0.64×Si(%)} ×{1+2.83×P(%)}×{1−0.62×S
(%)}×{1+2.33×Cr(%)} ×{1+0.52×Ni(%)}×{1+3.14×Mo
(%)}×{1+0.27×Cu(%)}………(1) DI≧6×t ………(2) T≧2.5×t ………(3) 発明の具体的な説明 先ずこの発明の基礎となつた本発明者等の知見
について説明する。 鋼の耐硫化物応力腐食割れ性は、高強度材ほど
劣化するが、同一強度の鋼で比較すれば、完全焼
入れしかつ充分に焼戻した鋼の方が優れることが
知られており、そのためAPI規格のC−90におい
ては焼もどし温度を621℃以上を規定している。
しかしながら本発明者等の研究によれば、肉厚が
20mm以上でかつ降伏強さもしくは0.5%耐力が65
Kgf/mm2以上の高強度極厚継目無鋼管の場合、優
れた耐硫化物応力腐食割れ性を得るためには、単
に焼もどし温度を621℃とするだけでは充分では
なく、焼入れ後の鋼製織中におけるマルテンサイ
ト比率を肉厚中心部においても99%以上とし、か
つ650℃以上の温度で焼きもどすことが必要であ
り、しかも厚肉管ほど長時間、所定の焼もどし温
度に保持することが優れた耐硫化物応溶腐食割れ
性を得るために必要であることが判明した。 上述のように焼入れした鋼組織中のマルテンサ
イト比率が肉厚中心部においても99%以上となる
ようにするためには、管肉厚中心部まで充分に焼
入れる必要があるが、そのためには鋼成分元素の
含有量によつて定まる前記(1)式のDI値と、管肉
厚t(mm)との間、前記(2)式を満足する関係が必
要である。このような事実は、本発明者等の次の
ような実験によつて見出されたのである。すなわ
ち本発明者等は、種々のDI値の0.4%C鋼を用い
て厚さ50mmの継目無鋼管を製管し、管内外面同時
焼入れ法によつて焼入れし、厚さ方向の硬度分布
を調べた。その結果を第1図に示す。0.4%C鋼
においてはロツクウエル硬さCスケール(HRC
で55以上の硬さが99%以上のマルテンンサイト比
率に相当するが、第1図から、0.4%C鋼ではマ
ルテンサイト比率が99%以上となる領域すなわち
HRCが55以上となる領域は、内外両表面からDI
12(mm)の深さまでの領域に限られることが判る。
このことから、厚さtmmの管を内外面より焼入れ
て厚さ中心部(すなわちt/2の位置)までにマ
ルテンサイト比率99%以上の組織とするために
は、DI≧6tとする必要があることが判明したので
ある。 このように焼入れした後には焼もどし処理を施
すのであるが、本発明者等が焼もどし条件と強度
および耐硫化物応力腐食割れ性の向上との関係を
詳細に検討した結果、降伏強度または0.5%耐力
が65Kgf/mm2以上の厚肉鋼管で優れた耐硫化物応
力腐食割れ性を得るためには、管の肉厚中心部ま
で充分かつ均一に焼もどして、微細な粒状炭化物
を均一に分散させた組織とする必要があること、
そしてそのためには、650℃以上の焼もどし温度
とし、かつ管の肉厚t(mm)に応じて2.5×t
(min)以上の保持時間が必要であることを見出
した。すなわち、650℃未満の焼もどし温度では
炭化物が充分に粒状化せず、また650℃以上の焼
もどし温度でも、保持時間が2.5×t分未満では
肉厚中心部まで微細な粒状炭化物が均一に分解し
た組織とすることができず、したがつて耐硫化物
応力腐食割れ性が劣るのである。 次にこの発明の方法に用いられる鋼素材の成分
限定理由について説明する。 C:Cは強度を焼入れ性向上のために必要な元
素であるが、この発明で主な対象とする厚さ12mm
以上の厚肉鋼管においては、Cが0.20%未満では
焼入れ性が損なわれ、一方0.5%を越えれば焼割
れ発生のおそれがあるから、0.20〜0.50%の範囲
内とした。 Si:Siは通常の製鋼過程において脱酸のために
必要な元素であり、また強度向上に有効であり、
そのために0.20%以上必要であるが、0.35%を越
えれば靭性を損なうから0.20〜0.35%の範囲内と
した。 Mn:Mnは、前記(1)式で明らかなようにCを
除けばDI値増加に最も寄与して焼入れ性を向上
させ、99%以上の焼入れマルテンサイトを得るの
に最も有効な元素であり、この発明において主な
対象とする厚さ12mm以上の厚肉鋼管においては
0.5%以上添加することが必要である。一方Mnが
1.5%を越えれば偏析部が生じ易くなり、その偏
析部の存在が均一な焼もどし組織の生成を妨げ、
耐硫化物応力腐食割れ性を劣化させるから、Mn
は0.5〜1.5%の範囲内に限定した。 P:Pも前記(1)式から明らかなようにDI値を
増加させて焼入れ性の向上に寄与する元素である
が、0.015%を越えれば靭性を劣化させ、かつ偏
析部を生じて耐硫化物応力腐食割れ性を劣化させ
るから、0.015%以下に限定した。 S:Sは前記(1)式から明かなようにDI値を低
下させて焼入れ性を低下させ、かつMnを結合し
てMnの続入れを向上させる作用を妨げ、鋼の耐
硫化物応力腐食割れ性を劣化させるから、可及的
にS量を少なくすることが望ましく、特にこの発
明の如く厚さ12mm程度以上の厚肉鋼管を対象とす
る場合、許容できる0.005%であり、したがつて
Sは0.005%以下とした。 Cr:Crは前記(1)式に示されるように、C、
Mn、Mo、Pに次いでDI値増加に寄与し、厚肉
管において99%以上の焼入れマルテンサイトを得
るために重要な元素であり、かつ鋼の強度と耐食
性を高めるために0.8%以上の添加が必要である
が、2.0%を越えれば靭性を劣化させるから、0.8
〜2.0%の範囲内とした。 Mo:Moは前記(1)式に示されるようにC、Mn
に次いでDI値増加に寄与し、強度、耐食性を向
上させるとともに、焼もどし抵抗性を高める重要
な元素であり、特に650℃以上の高温で焼もどし
ても65Kg/mm2以上の降伏強度あるいは0.5%耐力
を得るためには0.5%以上の添加が必要であるが、
1.5%を越えれば鋼の靭性を劣化させる。したが
つてMoは0.5〜1.5%の範囲内とした。 Nb:NbはCr−Mo鋼に添加すれば焼もどし後
の鋼の組織において炭化物を微細とし、かつ均一
に分散させて、耐硫化物応力腐食割れ性を向上さ
せるに有効な元素であり、そのためには0.01%以
上の添加が必要であるが、0.1%を越えれば靭性
を劣化させ、かつ鋼素材製造時の割を招き易くな
るから、0.01〜0.1%の範囲に限定した。 Cu、Ni:これらは前記(1)式に示されるように
DI値を高めるためにある程度は寄与するが、Ni
は1.0%を越えれば油井環境中のH2Sとの特殊な
反応により耐硫化物応力腐食割れ性を著しく劣化
させ、またCuは0.2%を越えれば鋼の熱間加工性
を著しく阻害し、継目無鋼管の造管のための熱間
圧延に支障をきたす。したがつてNiは1.0%以下、
Cuは0.2%以下に限定した。 Al:Alは通常の製鋼過程において脱酸のため
に必要であり、また鋼組織の細粒化のために有効
であるが、0.005%以下ではその効果がなく、一
方0.1%を越えれば靭性の劣化と焼入れ性の低下
を招く。したがつてAlは0.005〜0.1%の範囲内と
した。 以上のような成分のほか、この発明の製造方法
における素材鋼成分としては、V0.005〜0.1%、
Ti0.005〜0.1%、Zr0.005〜0.1%、B0.0001〜
0.005%の1種または2種以上が含有されても良
い。すなわちVは鋼の強度、焼入れ性を高めるた
めに添加することができ、特に管の大きい場合に
はVの添加によつてこの発明の効果をより一層顕
著にすることができる。但しVが0.005%未満で
はその効果が得られず、一方Vが0.1%を越えれ
ば靭性を劣化させ、かつ素材製造時における割れ
の発生原因となるから、Vを添加する場合のV量
は0.005〜0.1%の範囲内とすることが好ましい。
またBも焼入れ性を向上させる元素であるから、
特に管の肉厚が大きい場合にはBの添加よつてこ
の発明の効果を助長することができる。但しBが
0.0001%未満ではその効果が小さく、一方Bが
0.005%を越えればその効果が飽和し、しかも靭
性を劣化させるから、Bを添加する場合の添加量
は0.0001〜0.005%の範囲内とすることが好まし
い。さらにTi、Zrは、いずれもNを固定してB
の作用を助け、かつ鋼組織を細粒化することによ
つて耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる元素で
あるが、いずれも0.005%未満ではこれらの効果
が得られず、一方0.1%を越えれば靭性を劣化さ
せるから、Ti、Zrを添加する場合の各添加量は
それぞれ0.005〜0.1%の範囲内が好ましい。 この発明の製造方法においては、以上のような
成分を組合せ、前記(1)式で算出さるDI値が最終
製品の鋼管の厚さt(mm)に対して前記(2)式を満
足するように各成分を調整した鋼を素材とし、常
法に従つて継目無鋼管に熱間加工し、次いで調質
処理としての焼入れ焼もどし処理を施すのである
が、この際の焼入れ方法としては、管肉厚中心部
まで完全に焼入れるためには、管内外面を同時に
水冷または油冷する内外面同時焼入れ法を適用す
る必要がある。なおこの場合熱間加工直後の鋼管
を室温まで徐冷した後、再加熱して焼入れる方法
を適用しても良いが、熱間加工後に直ちにその温
度から焼入れる所謂直接焼入れ法を適用すること
が好ましい。 焼入れ後には、650℃以上、Ac1変態点未満の
温度で焼もどし処理を行なうが、この焼もどしに
おいては、耐硫化物応力腐食割れ性を良好にする
ために、管肉厚中心部まで充分に焼もどし、微細
な粒状炭化物を均一に分散させた組織とする必要
があり、そのためには前記(3)式で示されるように
管の肉厚t(mm)に応じて前記範囲内の焼もどし
温度に2.5×t分以上保持することが重要である。
焼もどし温度が650℃未満では炭化物が充分に細
粒化しないために優れた耐硫化物応力腐食割れ性
を得ることができず、一方Ac1変態点以上の温度
ではオーステナイトが生じ、常温まで冷却した時
にこれが焼もどしを受けないマルテンサイトとな
つて耐硫化物応力腐食割れ性を著しく劣化させ
る。また焼もどし温度における保持時間が2.5×
t分未満では、管肉厚中心部まで均一に焼もどす
ことができず、耐硫化物応力腐食割れ性を劣化さ
せる。 なおこの発明の製造方法は、管肉厚が12mm以上
の厚肉の継目無鋼管の製造に対して特に有効であ
る。すなわち、12mmより薄肉の鋼管の製造に当つ
ては、この発明で規定する如く成分を肉厚に応じ
て厳密に調整しなくても、通常使用されるAPI−
C90の如きCr−Mo系鋼管であれば肉厚中心まで
充分に焼入れ可能であり、また焼もどし保持時間
も30分程度の通常の時間で充分である。 またこの発明の製造方法は、降伏強さもしくは
0.5耐力が65〜85Kgf/mm2の範囲内にある鋼管を
製造する場合に最も効果的である。すなわち、65
Kgf/mm2よりも低強度の鋼管を製造する場合に
は、この発明を規定する成分範囲外、あるいは
650℃未満の焼もどし温度、肉厚t(mm)に対し
2.5t分以下の短時間の焼もどしでも、優れた耐硫
化物応力腐食割れ性を有する鋼管を製造すること
ができ、一方85Kgf/mm2を越える高強度とした場
合には、この発明で規定する範囲内でも耐硫化物
応力腐食割れ性が著しく低下することがあるから
である。 実施例 以下にこの発明の実施例を比較例とともに記
す。 第1表の試料記号1〜16に示す成分の鋼を溶製
して丸ビレツトに連続鋳造し、常法に従つて熱間
加工して種々の厚みの継目無鋼管に造管した。続
いて各鋼管に対して900℃から焼入れし、さらに
焼もどした。第1表中に前記(1)式に従つて算出し
た各鋼のDI値と、鋼管の肉厚、焼入れ法、焼も
どし温度、焼もどし温度の保持時間を示す。また
焼もどし後の各鋼管について降伏強度と耐硫化物
応力腐食割れ性を調べた結果を、第1表中に併せ
て示す。なお耐硫化物応力腐食割れ性は、丸棒引
張型の試験片を用いてNACE液(0.5%酢酸、5
%食塩添加飽和硫化水素水)中で降伏強度の90%
の応力を負荷して試験した。耐硫化物応力腐食割
れ性の評価についての第1表中の〇印は、上記の
試験で30日間破断しなかつたものを示し、また×
印は30日の期間内で破断したものを示す。
【表】
【表】 第1表の試料記号1、7、14、15、16はこの発
明の方法による鋼管であり、いずれも良好な耐硫
化物応力腐食割れ性を示している。一方、試料記
号2〜5のものはいずれも試料記号7の鋼管と同
一成分の鋼素材を用いて製造した鋼管であるが、
記号2のものは焼入れ法が、記号3のものは焼も
どし温度での保持時間が、記号4のものは焼もど
し温度が、記号5のものはDI値と肉厚tとの関
係が、それぞれこの発明の条件から外れているた
め、いずも耐硫化物応力腐食割れ性が劣つてい
る。また記号6のものはNb量が、記号8のもの
はMn量が、記号9のものはMo量が、記号10の
ものはC量が、記号11のものはCr量が、記号12
のものはP量が、記号13のものはS量が、それぞ
れこの発明の成分範囲から外れ、そのためいずれ
もDI値と肉厚との関係、焼入れ法、焼もどし温
度および保持時間はこの発明の条件を満たしてい
るものの、耐硫化物応力腐食割れ性が劣つてい
る。したがつて以上の各例から、優れた耐硫化物
応力腐食割れ性を得るためには、この発明で規定
する全ての条件が満足されいなければならないこ
とが判る。 発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明の方法
によれば、降伏強さもしくは0.5%耐力で65〜85
Kgf/mm2の強度を有しかつ肉厚が12mm以上、さら
に20mm以上という極厚肉の継目無鋼管を製造する
にあたつて、管肉厚の中心部においても鋼組織中
のマルテンサイト比率が99%以上となるように充
分に焼入れしかつ充分に焼もどしを行なつて、耐
硫化物応力腐食割れ性が著しく優れた鋼管を得る
ことができる。したがつてこの発明の方法は、サ
ワーでしかも深い油井、ガス井に使用される油井
管、ガス井管やラインパイプ、あるいは硫化物雰
囲気に曝される化学装置用配管などの製造に最適
なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は0.4%Cを含みかつDI値が異なる種々
の成分系の肉厚50mmの継目無鋼管を内外面同時焼
入れした場合の厚さ方向のロツクウエルCスケー
ル硬度(HRC)の分布を、各DI値に対応して示す
相関図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C0.20〜0.50%(重量%、以下同じ)、Mn0.5
    〜1.5%、Si0.20〜0.35%、P0.015%以下、S0.005
    %以下、Cr0.8〜2.0%、Cu0.2%以下、Ni1.0%以
    下、Mo0.5〜1.5%、Nb0.01〜0.1%、Al0.005〜
    0.1%を含有し、かつ下記(1)式で定義されるDI
    が製品鋼管の肉厚t(mm)に応じて下記(2)式を満
    足するように成分元素含有量を調整した鋼を素材
    とし、その鋼素材に熱間加工を施して継目無鋼管
    とした後、管内外面同時焼入れ法によつて焼入れ
    し、次いで650℃以上、Ac1変態点未満の温度範
    囲内において製品鋼管の肉厚t(mm)に応じて保
    持時間T(min)が下記(3)式を満足するように保
    持して焼戻すことを特徴とする耐サワー性の優れ
    た極厚肉高強度継目無鋼管の製造方法。 DI=7.95√(%)×{1+4.1×Mn(%)}
    {1+0.64×Si(%)} ×{1+2.83×P(%)}×{1−0.62×S
    (%)}×{1+2.33×Cr(%)} ×{1+0.52×Ni(%)}×{1+3.14×Mo
    (%)}×{1+0.27×Cu(%)}………(1) DI≧6×t ………(2) T≧2.5×t ………(3)
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