JPH0152186B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は回転印刷機のシリンダ上にブランケツ
トのような可撓性シートの一端を取り付けるため
の装置に関し、このシリンダにはシートの折曲げ
端を取り付けるためのシリンダ軸線に平行な半径
方向挿入溝が備えられている。

背景技術 この種の装置は西ドイツ国特許DE2252949に記
述されている。挿入溝の壁にはシートの一端を取
り付けるための装置が備えられている。この取付
け装置にはシリンダ本体内に挿入された傾斜縁が
備えられている。シートの端に固定された縁部固
定用細片はこの傾斜縁内に挿入される。この細片
が外側に脱落するのを防止するためには、この細
片は安全装置によつて保護されていなければなら
ない。それ故、シートの端の固定がより複雑にな
る。

発明の目的 本発明の目的は、簡単な方法でシリンダ本体上
に可撓性を有する耐折曲げ性のシートの端を固定
留めすることができる装置を提供することによ
り、上述した欠点を解消することにある。

発明の開示 本発明による取付け装置は、半径方向挿入溝の
内側がシリンダの軸線に向かつて断面が拡大する
凹所を構成しており、該凹所の内側底部は前記シ
ートの端の折曲げ部分の長さよりも大きな幅を周
方向に有しており、前記半径方向挿入溝の一方の
壁にはシリンダの軸線に平行な長手方向受容溝が
備えられており、該受容溝は外方に延びる前記壁
に対して鋭角をなしており、前記受容溝を越えて
延びる前記半径方向挿入溝の外側部分の最大幅は
前記シートの端の折曲げ部分の幅よりも小さくな
つていることを特徴とするものである。

この本発明装置によつて得られる利点は主とし
て簡単な構造に由来している。この簡単な構造に
よれば、シリンダに取付けられたシートの端部が
例えば重力や遠心力の作用などによつて外れるこ
とを防止するための付加的な装置を必要とするこ
となく、可撓性を有し且つ耐折曲げ性を有するシ
ート、例えばブランケツトをシリンダ本体上に取
り付けることができる。取付けられるべきシート
端部は折り曲げられ、そして、好ましくはこの端
部を堅固にするための堅い帯板により補強され
る。この端部は折曲げ縁部から挿入溝内に押し込
まれる。そして、折曲げ部分は受容溝を備えた壁
に対して押される。シートの折曲げ抵抗の結果と
して、この折曲げ端はその自由端が受容溝とそろ
つたときに拡がるばねのように作用する。その
後、シートはそれ以上押されないで挿入溝の外側
に僅かだけ引つ張られる。その結果、折曲げ部分
全体が挿入溝に嵌合する。挿入溝内に取付けられ
たシートの端部を外すときは、シートの折曲げ部
分が挿入溝から抜き取られて拡張凹所内に位置す
るまでシートが押される。拡張凹所内では溝係合
部が取り外され得るようにシートの端部が完全に
展開される。

挿入溝の壁は挿入溝の中間平面、即ち、シリン
ダの半径方向平面に平行であつてもよい。それ
故、そして長手方向支持キーによるシリンダ本体
の僅かな強度低下のために印刷機におけるシリン
ダ、例えば、シリンダが特に高い線荷重を受ける
回転直版印刷機にも使用することができる。これ
らの印刷機の印刷シリンダを覆うブランケツトは
ゴムの外層と一致する布若しくはリンネル織物か
らなる。この種のブランケツトの総合厚さは0.4
mmから0.7mm程度である。

以下、本発明の一実施例を示す図面を参照して
本発明の実施例を詳細に説明する。

発明の実施例 印刷機のシリンダ２のジヤケツト１に取り付け
られるシート３は約0.5mmの厚さを有するブラン
ケツトである。シリンダ２には半径方向挿入溝６
が備えられており、この挿入溝６は、ブランケツ
ト３の端部７，８の一方若しくは両方が取付け装
置９，１１に持つて来られ得るようにシリンダ２
上に開口している。

挿入溝６は好ましくは互いに平行な２つの壁を
有する。これら２つの壁は線ｒで表示されている
挿入溝６の中間平面、即ち、シリンダ２の半径方
向平面に対しても平行である。この挿入溝６の幅
ｄは約４mmである。挿入溝６の幅は、ブランケツ
ト３の折り曲げられ且つ補強された端部７をシリ
ンダ２内にするすると押し込むことができるよう
な幅である。ブランケツト３の折曲げ端部７の補
強は、ブランケツト３の折曲げ端部７に接着され
た例えば厚さが0.2mmで幅が５mmのばね帯鋼板に
よりなされる。折曲げ端部７とブランケツト３と
の間の角度γは、折曲げ端部７を挿入溝６内に挿
入するときには小さい角度（5゜から15゜）である
巾である（第３図）。半径方向挿入溝６の下部即
ち内方部にはシリンダ２の軸線に平行な凹所１６
が備えられている。この凹所１６は内方に向けて
拡がる断面を有している。凹所１６は壁１２の傾
斜部１７と挿入溝６の第２壁１３とによつて規定
されている。壁１２の延長線と傾斜部１７との間
の鋭角αは20゜の程度である。

拡張形の凹所１６は例えば引張り旋回軸１９の
ための円筒穴１８内に開口する。この円筒穴１８
はシリンダ２と同軸である。この円筒穴１８に引
張り旋回軸１９が取り付けられる。引張り旋回軸
１９にはシリンダ２の軸線に平行な溝２１が設け
られており、この溝２１はブランケツト３の第２
補強端部（折曲げ端部）８を保持するようになつ
ている。

凹所１６の始端部において傾斜部１７内にはブ
ランケツト３の端部７を受容するための溝２２が
シリンダ２の軸線と平行に形成されている。この
受容溝２２はシリンダ２の全長に渡つて伸びてお
り、また、この受容溝２２は矩形の輪郭を有して
いる。受容溝２２の中間平面２３は壁１２に対し
5゜から45゜の範囲内、好ましくは30゜の角度βをな
す。受容溝２２の幅ｃはブランケツト３の補強端
部（折曲げ端部）７を収容するに丁度十分な室を
確保するような幅に選定される。受容溝２２の深
さｇはブランケツト３の第１補強端部７の幅ｌよ
りも僅かに大きい。

ブランケツト３の端部７の取付け順序を以下に
説明する。

受容溝２２が形成された挿入溝６の側部に係合
するように、ブランケツト３はばね帯鋼板１４の
直後の第１端部７の個所で折られている。それ
故、ブランケツト３は、その外側２６がシリンダ
２のジヤケツト１に係合するように置かれる。そ
の後、薄い金属板若しくはへらを用いてブランケ
ツト３の第１端部７を折つた状態のままジヤケツ
ト１から挿入溝６内に挿入する。曲がつた端部７
を挿入溝６に沿つて何度も押すことが適切な挿入
の助けとなる。ブランケツト３の端部７を折り曲
げるときに折曲げ端部７の幅ｌは挿入溝６の幅ｄ
よりも僅かに大きくなるように選定されるので、
この折曲げ端部７は挿入溝６内に滑り込むときに
ほんの僅かだけ開く。しかし、ブランケツト３の
端部７、更に正確に言うと端部７の前部分２７が
受容溝２２の開口部の位置にあるときに折曲げ端
部７の開き角γはブランケツト３から受ける作用
によつて増加する。そして、端部７の前部分２７
は受容溝２２内に滑り込むであろう。このような
状態のときに、ブランケツト３を掴んでシリンダ
２の外周側に引つ張ると、ブランケツト３の折り
曲げ角部の位置まで端部７の前部分２７が長手方
向溝（受容溝）２２内に浸入する。その後、ブラ
ンケツト３は折り返されてその第２端部８が挿入
溝６内を通つて引張り旋回軸１９の溝２１内に導
入される。引張り旋回軸１９を回転させることに
より、ブランケツト３は公知のやり方で引つ張ら
れる。

ブランケツト３を取り除くときは、先ず第２端
部８が公知のやり方で引張り旋回軸１９から引き
抜かれ、その後、挿入溝６から引き抜かれる。そ
の後、未だ保持されている端部７の側において、
シリンダ２のジヤケツト１上のブランケツト３は
ブランケツト３を挿入溝６内に押し込むことがで
きる程度まで緩められる。ブランケツト３の押し
込みを行なうことにより、端部７は受容溝２２か
ら完全に解放される。その後、弾力性を有するブ
ランケツト３の内方戻し力によつて端部７が開
く。この現象は、凹所１６の底部の大きさｂがブ
ランケツト３の第１端部７の折り曲げ部の幅ｌよ
りも大きい場合に起こり得る。それ故、ブランケ
ツト３の端部７は受容溝２２から完全に引き抜か
れる。

もちろん、ブランケツト３はライニング４上に
置いてもよい。

このブランケツトの端部の取付け手順の大きな
利点は、挿入溝を小さくする必要があるシリンダ
やかなり大きな力を受けるシリンダに適用できる
ことである。このような条件は、例えば直接型印
刷若しくは鋼版印刷用のウエブ供給回転機械の印
刷シリンダにおいて生じる。

もちろん、本発明による取付け装置は他のブラ
ンケツトにも使用できる。例えば、ブランケツト
がそれ程厚くなり折り曲げることができるように
なつているオフセツト印刷機のブランケツトシリ
ンダ上にブランケツトを固定するために使用でき
る。一般に、0.4mmから0.7mmの厚さのブランケツ
トは上述した装置によつてシリンダに取り付ける
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は取り付けられるシートの端部を示す取
付け装置の部分断面図、第２図は第１図の要部の
拡大断面図、第３図はシートの端部が未だ取り付
けられていない状態を示す第１図と同様の取付け
装置の要部断面図である。 ２……シリンダ、３……ブランケツト、６……
半径方向挿入溝、７……折曲げ端部、１６……凹
所、１７……傾斜部分、２２……受容溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転印刷機のシリンダ上にブランケツトのよ
   うな可撓性シートの一端を取り付けるための装置
   であつて、シリンダ内に設けられ且つシリンダの
   軸線に平行に延び且つシートの折曲げ端を導入す
   るために形成されている半径方向挿入溝を備えて
   おり、前記半径方向挿入溝の下部はシリンダの軸
   線に向かつて断面が拡大する凹所を有しており、
   該凹所の内側底部は前記シートの端の折曲げ部分
   の長さよりも大きな幅を周方向に有しており、前
   記半径方向挿入溝の一方の壁にはシリンダの軸線
   に平行な長手方向受容溝が備えられており、該受
   容溝は外方に延びる前記壁に対して鋭角をなして
   おり、前記受容溝を越えて延びる前記半径方向挿
   入溝の外側部分の最大幅は前記シートの端の折曲
   げ部分の幅よりも小さくなつていることを特徴と
   する、回転印刷機のシリンダ上に可撓性シートの
   一端を取り付けるための装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載した取付け装置
   において、前記シートの折曲げ端にはばね鋼帯板
   が備えられていることを特徴とする、回転印刷機
   のシリンダ上に可撓性シートの一端を取り付ける
   ための装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載した取付け装置
   において、前記半径方向挿入溝の少なくとも一方
   の壁が前記シリンダの１つの半径に平行であるこ
   とを特徴とする、回転印刷機のシリンダ上に可撓
   性シートの一端を取り付けるための装置。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載した取付け装置
   において、前記長手方向受容溝と前記半径方向挿
   入溝の壁との間に形成されている鋭角は5゜から
   45゜の範囲内にあり、好ましくは30゜であることを
   特徴とする、回転印刷機のシリンダ上に可撓性シ
   ートの一端を取り付けるための装置。 ５ 特許請求の範囲第１項に記載した取付け装置
   において、前記半径方向挿入溝の内側部分に形成
   された前記凹所は一方で前記受容溝を備えた前記
   壁の傾斜部分により規定され、他方で前記半径方
   向挿入溝の他方の壁の外側部分により規定されて
   おり、前記他方の壁の内側部分は該他方の壁の外
   側部分と同一平面内にあることを特徴とする、回
   転印刷機のシリンダ上に可撓性シートの一端を取
   り付けるための装置。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載した取付け装置
   において、前記受容溝を備えた前記壁の外側部分
   の平面と前記傾斜部分の平面とにより形成される
   鋭角は約20゜であることを特徴とする、回転印刷
   機のシリンダ上に可撓性シートの一端を取り付け
   るための装置。