JPH0147871B2 - - Google Patents
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- JPH0147871B2 JPH0147871B2 JP57201925A JP20192582A JPH0147871B2 JP H0147871 B2 JPH0147871 B2 JP H0147871B2 JP 57201925 A JP57201925 A JP 57201925A JP 20192582 A JP20192582 A JP 20192582A JP H0147871 B2 JPH0147871 B2 JP H0147871B2
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Landscapes
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
- Electronic Switches (AREA)
- Resistance Heating (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕
本発明は新規な発熱抵抗体に関する。詳しくは
Cr、Si、Si酸化物、Cr酸化物より成る四元合金
を必須成分とする発熱抵抗体に関する。
Cr、Si、Si酸化物、Cr酸化物より成る四元合金
を必須成分とする発熱抵抗体に関する。
従来発熱抵抗体としては、Cr―Si、Cr―O―
Si合金を材料とした薄膜発熱抵抗体が知られてい
る。しかしこの材料には、微細に形成すると熱に
よる抵抗値変化が大きいという問題がある。例え
ば幅90μm、長さ250μm、厚さ50〜200nmの微細
発熱抵抗体に形成すると、熱による抵抗体の劣化
に基づく抵抗値変化が比較的大きく、例えばパル
ス幅1.0ms、周期10msで0.6W/dotの電力パルス
を投入した場合、初期の1000万パルス付近で抵抗
体の抵抗値は10%近く増加する。この抵抗体を更
に微細にして幅45μm、長さ50μm、厚さ50〜
200nmに形成し、パルス幅0.5ms、周期5msで
0.24W/dotの電力パルスを投入すると抵抗体の
温度は300℃程度まで上がり、このため抵抗値は
1000万パルス印加後で10〜20%も上昇する。従つ
て、より微細な抵抗体として用いるのは困難であ
る。
Si合金を材料とした薄膜発熱抵抗体が知られてい
る。しかしこの材料には、微細に形成すると熱に
よる抵抗値変化が大きいという問題がある。例え
ば幅90μm、長さ250μm、厚さ50〜200nmの微細
発熱抵抗体に形成すると、熱による抵抗体の劣化
に基づく抵抗値変化が比較的大きく、例えばパル
ス幅1.0ms、周期10msで0.6W/dotの電力パルス
を投入した場合、初期の1000万パルス付近で抵抗
体の抵抗値は10%近く増加する。この抵抗体を更
に微細にして幅45μm、長さ50μm、厚さ50〜
200nmに形成し、パルス幅0.5ms、周期5msで
0.24W/dotの電力パルスを投入すると抵抗体の
温度は300℃程度まで上がり、このため抵抗値は
1000万パルス印加後で10〜20%も上昇する。従つ
て、より微細な抵抗体として用いるのは困難であ
る。
このような事情に鑑み、本発明者らは上記従来
技術の問題を解決した新規な発熱抵抗体を開発せ
んとして鋭意研究を重ね、先きにCr―Si―SiO合
金で形成される発熱抵抗体を提案した。この発熱
抵抗体は、上述の従来のものに比して優れた抵抗
体特性を呈し、数々の長所利点を有するものでは
あるが、それでもなお次のような難点を有してい
る。第1にこの合金材料は、微細な発熱抵抗体に
形成した場合の熱による抵抗値変化の問題を残し
ている。例えば幅45μm、長さ50μm、厚さ50〜
200nm程度の微細抵抗体にすると、この問題が生
じて来る。第2にこれは許容電力密度が20〜
40W/mm2程度なので、上記のような微細な発熱抵
抗体として用いる場合、余り電流を流せず、十分
な発熱量が得られないという問題がある。第3
に、加熱冷却サイクルにより劣化が生じる虞があ
るという問題を残している。更に第4に、微細な
抵抗体として形成する時、その形成のやりやすさ
の面で難点があるものである。
技術の問題を解決した新規な発熱抵抗体を開発せ
んとして鋭意研究を重ね、先きにCr―Si―SiO合
金で形成される発熱抵抗体を提案した。この発熱
抵抗体は、上述の従来のものに比して優れた抵抗
体特性を呈し、数々の長所利点を有するものでは
あるが、それでもなお次のような難点を有してい
る。第1にこの合金材料は、微細な発熱抵抗体に
形成した場合の熱による抵抗値変化の問題を残し
ている。例えば幅45μm、長さ50μm、厚さ50〜
200nm程度の微細抵抗体にすると、この問題が生
じて来る。第2にこれは許容電力密度が20〜
40W/mm2程度なので、上記のような微細な発熱抵
抗体として用いる場合、余り電流を流せず、十分
な発熱量が得られないという問題がある。第3
に、加熱冷却サイクルにより劣化が生じる虞があ
るという問題を残している。更に第4に、微細な
抵抗体として形成する時、その形成のやりやすさ
の面で難点があるものである。
本発明の目的は、上記概提案の抵抗発熱体の問
題点を一掃して、(i)熱に対して安定で高温に長時
間放置しても抵抗値変化がなく、(ii)電力密度が一
層大きくて十分な発熱量を確保でき、(iii)加熱冷却
サイクルに対しても安定で劣化が生じず、更に(iv)
微細な抵抗体に形成するのが容易である。有利な
発熱抵抗体を提供することにある。
題点を一掃して、(i)熱に対して安定で高温に長時
間放置しても抵抗値変化がなく、(ii)電力密度が一
層大きくて十分な発熱量を確保でき、(iii)加熱冷却
サイクルに対しても安定で劣化が生じず、更に(iv)
微細な抵抗体に形成するのが容易である。有利な
発熱抵抗体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の発熱抵抗体
は、Cr―CrO―Si―SiO合金を必須成分として構
成する。
は、Cr―CrO―Si―SiO合金を必須成分として構
成する。
このように構成した本発明の発熱抵抗体は、次
の如き利点を有している。(i)熱に安定で、高温で
も抵抗値変化は殆どない。例えば300℃で大気中
に900時間放置した後の抵抗値の変化が5%以下
のものが得られる。(既提案のCr―Si―SiO合金
のものの場合500時間ですでに抵抗値変化が8〜
9%になつた)。(ii)許容電力密度が約300W/mm2に
も及ぶものを形成でき、発熱抵抗体として非常に
優れる。(iii)加熱冷却サイクルに対して安定で劣化
が生じない。簡単な操作例えば350〜500℃の短時
間の熱処理により抵抗値が安定し、その後加熱冷
却サイクルを加えても劣化は殆ど生じない。(iv)微
細な抵抗体の形成が容易である。例えばフツ酸系
のエツチング液で容易にエツチングされ、微細な
抵抗体に形成し易い。
の如き利点を有している。(i)熱に安定で、高温で
も抵抗値変化は殆どない。例えば300℃で大気中
に900時間放置した後の抵抗値の変化が5%以下
のものが得られる。(既提案のCr―Si―SiO合金
のものの場合500時間ですでに抵抗値変化が8〜
9%になつた)。(ii)許容電力密度が約300W/mm2に
も及ぶものを形成でき、発熱抵抗体として非常に
優れる。(iii)加熱冷却サイクルに対して安定で劣化
が生じない。簡単な操作例えば350〜500℃の短時
間の熱処理により抵抗値が安定し、その後加熱冷
却サイクルを加えても劣化は殆ど生じない。(iv)微
細な抵抗体の形成が容易である。例えばフツ酸系
のエツチング液で容易にエツチングされ、微細な
抵抗体に形成し易い。
本発明の発熱抵抗体はこのように優れた性質を
有するものであり、特に4<Si<88mol%、10<
Cr<85mol%、1<SiO<60mol%、1<CrO<
20mol%の範囲のものが、高温における抵抗値の
安定性という面で優れている。また、比抵抗が2
×103〜5×104μΩ・cmの範囲が比較的設計容易
といえるものであるが、この範囲の比抵抗となる
15<Si<78mol%、20<Cr<73mol%、1<SiO
<55mol%、1<CrO<10mol%の範囲の合金は、
設計容易であるが故に発熱抵抗体として好ましい
ということができる。
有するものであり、特に4<Si<88mol%、10<
Cr<85mol%、1<SiO<60mol%、1<CrO<
20mol%の範囲のものが、高温における抵抗値の
安定性という面で優れている。また、比抵抗が2
×103〜5×104μΩ・cmの範囲が比較的設計容易
といえるものであるが、この範囲の比抵抗となる
15<Si<78mol%、20<Cr<73mol%、1<SiO
<55mol%、1<CrO<10mol%の範囲の合金は、
設計容易であるが故に発熱抵抗体として好ましい
ということができる。
以下、本発明の実施例の内いくつかを説明す
る。
る。
実施例 1
(本実施例の発熱抵抗体の製造方法)
まず、本実施例に係る発熱抵抗体につき、その
製造方法を述べる。
製造方法を述べる。
D.C.スパツタ装置又はR.F.スパツタ装置内に、
ターゲツトを基板に対向させて真空槽内に設置し
た。ターゲツトとしては、SiとCrを所定の面積
比(例えばSiとCrの面積比が80:20)に調節し
たものか、あるいはSiとCrを所定の組成に混合
した合金ターゲツトを用いた。次に真空槽を適宜
の排気手段にて7×10-5Pa以下に排気し、その
後所定の酸素量を含有するArガスを導入し、Ar
ガス分圧0.1〜7Pa〜7Pa、O2ガス分圧0.01〜
0.1Paの雰囲気を形成した。基板はターゲツトに
対して静止対向させるか、又は回転させて、連続
的又は間欠的にターゲツトに向くようにした。タ
ーゲツトと基板との間に200V〜10KVの電圧を印
加したグロー放電を起こさしめ、スパツタリング
により基板面上に所定の組成を有するCr―CrO―
Si―SiO合金薄膜を50nm〜1μm程度形成した。
ターゲツトを基板に対向させて真空槽内に設置し
た。ターゲツトとしては、SiとCrを所定の面積
比(例えばSiとCrの面積比が80:20)に調節し
たものか、あるいはSiとCrを所定の組成に混合
した合金ターゲツトを用いた。次に真空槽を適宜
の排気手段にて7×10-5Pa以下に排気し、その
後所定の酸素量を含有するArガスを導入し、Ar
ガス分圧0.1〜7Pa〜7Pa、O2ガス分圧0.01〜
0.1Paの雰囲気を形成した。基板はターゲツトに
対して静止対向させるか、又は回転させて、連続
的又は間欠的にターゲツトに向くようにした。タ
ーゲツトと基板との間に200V〜10KVの電圧を印
加したグロー放電を起こさしめ、スパツタリング
により基板面上に所定の組成を有するCr―CrO―
Si―SiO合金薄膜を50nm〜1μm程度形成した。
以上のようにして本実施例の発熱抵抗体を得た
ものである。
ものである。
次に上記方法で得られた発熱抵抗体の組成分析
を行い、これが本発明に係るものであることを確
認すると共に、その結合状態について調べた。こ
の結果について述べる。
を行い、これが本発明に係るものであることを確
認すると共に、その結合状態について調べた。こ
の結果について述べる。
まず上記により得られたCr―CrO―Si―SiO合
金の組成分析を、エネルギ分散型X線分析によつ
て行い、該合金中のCrとSiの原子数の比を求め
た。その結果、合金は使用したターゲツトの組成
比又は面積比に応じて、Cr45.0at%、Si55at%か
らCr25.0at%、Si75at%にわたる範囲でのCr、Si
原子数比を有することがわかつた。
金の組成分析を、エネルギ分散型X線分析によつ
て行い、該合金中のCrとSiの原子数の比を求め
た。その結果、合金は使用したターゲツトの組成
比又は面積比に応じて、Cr45.0at%、Si55at%か
らCr25.0at%、Si75at%にわたる範囲でのCr、Si
原子数比を有することがわかつた。
次にX線光電子分光分析により、発熱抵抗体の
原子の結合状態とその結合量を調べた。この分析
により以下の2点が明らかになつた。
原子の結合状態とその結合量を調べた。この分析
により以下の2点が明らかになつた。
まず第1点として、本実施例の発熱抵抗体は確
かにCrOを含有しており、かつそのCrOの含有比
は製造時のO2ガス分圧に依然することが明らか
になつた。即ち、Cr―Oの結合はCr―Crの結合
からの化学シフトにより判別できるものであり、
上記で得られた発熱抵抗体の分析結果では、第1
図aに示すように化学シフトを起こしたピーク
(CrOで示す)が見られ、CrOの存在を裏付けて
いる。このピークの強度は、O2ガス分圧に依存
するものである。即ち第1図bは上記と同方法で
O2ガス分圧を変えて製造したものの分析結果で
あり、これらデータから、CrとCrOの比はそれぞ
れのピーク強度の比から、98:2(第1図bの例
乃至65:35(第1図aの例)の範囲にあることが
わかつた。なおこのようなCrOの生成は、上記し
た本実施例の製造方法で示したO2ガス分圧の時
に見られ、一方、発熱抵抗体形成時にO2ガス分
圧が0.01Paより低い場合にはかかる化学シフトを
起こしたピークは見られず、従つてCrの酸化物
は存在しないものであつた。
かにCrOを含有しており、かつそのCrOの含有比
は製造時のO2ガス分圧に依然することが明らか
になつた。即ち、Cr―Oの結合はCr―Crの結合
からの化学シフトにより判別できるものであり、
上記で得られた発熱抵抗体の分析結果では、第1
図aに示すように化学シフトを起こしたピーク
(CrOで示す)が見られ、CrOの存在を裏付けて
いる。このピークの強度は、O2ガス分圧に依存
するものである。即ち第1図bは上記と同方法で
O2ガス分圧を変えて製造したものの分析結果で
あり、これらデータから、CrとCrOの比はそれぞ
れのピーク強度の比から、98:2(第1図bの例
乃至65:35(第1図aの例)の範囲にあることが
わかつた。なおこのようなCrOの生成は、上記し
た本実施例の製造方法で示したO2ガス分圧の時
に見られ、一方、発熱抵抗体形成時にO2ガス分
圧が0.01Paより低い場合にはかかる化学シフトを
起こしたピークは見られず、従つてCrの酸化物
は存在しないものであつた。
第2点として明らかになつたのは、SiOの存在
比もO2ガス分圧に依存するということである。
即ち、SiOの結合はSi―Siの結合からの化学シフ
トにより判別でき、それぞれのピーク強度の比か
らSiとSiOの存在比がわかる。第2図a,bにそ
のデータを示す。各図におけるそれぞれのピーク
強度から、SiとSiOの存在比は75:25(第2図a
の例)から50:50(第2図bの例)の範囲にある
ことがわかつた。またこのデータよりSiOの存在
比もO2ガス分圧に依存していることが明らかに
なつたものである。
比もO2ガス分圧に依存するということである。
即ち、SiOの結合はSi―Siの結合からの化学シフ
トにより判別でき、それぞれのピーク強度の比か
らSiとSiOの存在比がわかる。第2図a,bにそ
のデータを示す。各図におけるそれぞれのピーク
強度から、SiとSiOの存在比は75:25(第2図a
の例)から50:50(第2図bの例)の範囲にある
ことがわかつた。またこのデータよりSiOの存在
比もO2ガス分圧に依存していることが明らかに
なつたものである。
以上の事実から、本実施例においては、Cr:
CrO:Si:SiO=34:1:47:18から18:9:
40:33の組成範囲の発熱抵抗体が得られたことが
明らかになつた。
CrO:Si:SiO=34:1:47:18から18:9:
40:33の組成範囲の発熱抵抗体が得られたことが
明らかになつた。
次に、上記方法により得られた本実施例の発熱
抵抗体の特性について調べた結果を述べる。ここ
ではまず発熱抵抗体の製造時のO2ガス分圧比と、
得られた抵抗体の比抵抗との関係について述べ、
次いでこの発熱抵抗体の高温時の抵抗の経時変化
について述べる。
抵抗体の特性について調べた結果を述べる。ここ
ではまず発熱抵抗体の製造時のO2ガス分圧比と、
得られた抵抗体の比抵抗との関係について述べ、
次いでこの発熱抵抗体の高温時の抵抗の経時変化
について述べる。
第3図を参照する。これは上述の方法で得られ
た発熱抵抗体の形成中のO2ガス分圧比と、該発
熱抵抗体の比抵抗との関係を調べた結果を示した
ものである。第3図は横軸にO2ガス分圧比P02/
PAr+02を%でとり、たて軸に得られた抵抗体の比
抵抗(×103μΩ・cm)をとつてグラフにして表し
てある。この結果O2ガス分圧によつて製品たる
抵抗体の比抵抗が変わることがわかる。前述の組
成分析の結果からO2ガス分圧比を変えることで
SiO、CrOの存在比が変化することがわかつてい
るので、結局このような組成化の変化によつて比
抵抗が変わるものであることがわかつた。
た発熱抵抗体の形成中のO2ガス分圧比と、該発
熱抵抗体の比抵抗との関係を調べた結果を示した
ものである。第3図は横軸にO2ガス分圧比P02/
PAr+02を%でとり、たて軸に得られた抵抗体の比
抵抗(×103μΩ・cm)をとつてグラフにして表し
てある。この結果O2ガス分圧によつて製品たる
抵抗体の比抵抗が変わることがわかる。前述の組
成分析の結果からO2ガス分圧比を変えることで
SiO、CrOの存在比が変化することがわかつてい
るので、結局このような組成化の変化によつて比
抵抗が変わるものであることがわかつた。
次に第4図を参照する。これは上述の方法で得
られた発熱抵抗体を300℃で大気中に放置した時
の抵抗値の経時変化を示すものであり、横軸に放
置時間h、たて軸に抵抗変化率ΔR/R(%)を
とつてグラフで表してある。発熱抵抗体の試料3
種類について各々データをとつた。図中の符号
1,2,3で示すグラフは各々下記組成の抵抗体
の試験結果である。
られた発熱抵抗体を300℃で大気中に放置した時
の抵抗値の経時変化を示すものであり、横軸に放
置時間h、たて軸に抵抗変化率ΔR/R(%)を
とつてグラフで表してある。発熱抵抗体の試料3
種類について各々データをとつた。図中の符号
1,2,3で示すグラフは各々下記組成の抵抗体
の試験結果である。
1…Cr:CrO:Si:SiO=34:1:47:18
2… (同上)=30:3:43:24
3… (同上)=18:9:40:33
第4図から明瞭なように、抵抗の安定性は3、
2、1の順で大きくなつている。この順で酸化物
つまりSiO、CrOの含有量が多くなつている所か
らSiO、CrOの含有量の多いものほど安定である
ことが明らかである。
2、1の順で大きくなつている。この順で酸化物
つまりSiO、CrOの含有量が多くなつている所か
らSiO、CrOの含有量の多いものほど安定である
ことが明らかである。
(加熱冷却サイクルによる抵抗値変化試験)
次に、加熱や冷却による温度変化に対する抵抗
の安定性試験の結果につき述べる。
の安定性試験の結果につき述べる。
第5図に上記方法で得られたCr―CrO―Si―
SiO四元合金の熱処理による過渡状態を示した。
横軸に温度(℃)、たて軸に温度変化率(%)を
とつて、検体を加熱(第5図中の4,5,6で示
す領域)、冷却(同6′で示す領域)、加熱(同7
で示す領域)、冷却(同7′で示す領域)と繰返し
てデータをとつたものである。加熱条件は昇温速
度5℃/分、冷却は放冷とした。第5図は試料と
して前記1の組成のもの、つまりCr―CrO―Si―
SiO=34:1:47:18のものを用いている。
SiO四元合金の熱処理による過渡状態を示した。
横軸に温度(℃)、たて軸に温度変化率(%)を
とつて、検体を加熱(第5図中の4,5,6で示
す領域)、冷却(同6′で示す領域)、加熱(同7
で示す領域)、冷却(同7′で示す領域)と繰返し
てデータをとつたものである。加熱条件は昇温速
度5℃/分、冷却は放冷とした。第5図は試料と
して前記1の組成のもの、つまりCr―CrO―Si―
SiO=34:1:47:18のものを用いている。
このように比較的CrO、SiOの少ないものは、
第5図のデータの如く、抵抗値が昇温に伴つて減
少する領域4から、最低値5を通り、不可逆的に
抵抗増加する領域6に至る。これを6′で示す如
く一旦冷却した後に加熱冷却サイクルを加える
と、抵抗値が可逆的に変化する領域7に至り、こ
れは最初に加熱した場合(4,5,6で示す領
域)に比して抵抗変化率は小さく、安定であるこ
とがわかる。但し抵抗値は少しずつ増加する傾向
が見られる。
第5図のデータの如く、抵抗値が昇温に伴つて減
少する領域4から、最低値5を通り、不可逆的に
抵抗増加する領域6に至る。これを6′で示す如
く一旦冷却した後に加熱冷却サイクルを加える
と、抵抗値が可逆的に変化する領域7に至り、こ
れは最初に加熱した場合(4,5,6で示す領
域)に比して抵抗変化率は小さく、安定であるこ
とがわかる。但し抵抗値は少しずつ増加する傾向
が見られる。
一方第6図に示すのは、同様な条件で上記3の
組成のものつまりCr:CrO:Si:SiO=18:9:
40:33の合金についてデータをとつたものであ
る。このようにCrO、SiOが多いものは、この試
験の温度範囲では抵抗値が最低値を示す極少点が
見られず、加熱冷域4において抵抗変化率は単調
減少している。またこれを冷却6′した後に加熱
7、冷却7′サイクルを加えても、殆んど抵抗値
がずれることなく、可逆的な抵抗変化を示した。
組成のものつまりCr:CrO:Si:SiO=18:9:
40:33の合金についてデータをとつたものであ
る。このようにCrO、SiOが多いものは、この試
験の温度範囲では抵抗値が最低値を示す極少点が
見られず、加熱冷域4において抵抗変化率は単調
減少している。またこれを冷却6′した後に加熱
7、冷却7′サイクルを加えても、殆んど抵抗値
がずれることなく、可逆的な抵抗変化を示した。
上記第5図、第6図の結果から、加熱冷却サイ
クルに対しては、一旦熱処理を加えたCr―CrO―
Si―SiO合金は、加熱冷却サイクルに対して安定
であり、特にこの内でもCrO、SiOの多いものほ
ど安定であることが明らかである。なお上記のよ
うな変化は、実験が真空中におけるものであるこ
とから、組織の変化によると考えられる。
クルに対しては、一旦熱処理を加えたCr―CrO―
Si―SiO合金は、加熱冷却サイクルに対して安定
であり、特にこの内でもCrO、SiOの多いものほ
ど安定であることが明らかである。なお上記のよ
うな変化は、実験が真空中におけるものであるこ
とから、組織の変化によると考えられる。
実施例 2
次に上記実施例1で得られたCr―CrO―Si―
SiO合金から成る発熱抵抗体を、基板上の微小抵
抗体として形成した場合の実施例について説明す
る。この微小抵抗体は、感熱型フアクシミリにお
ける感熱記録ヘツドに使用できるように形成した
例である。
SiO合金から成る発熱抵抗体を、基板上の微小抵
抗体として形成した場合の実施例について説明す
る。この微小抵抗体は、感熱型フアクシミリにお
ける感熱記録ヘツドに使用できるように形成した
例である。
本実施例の構造を第7図a,bに示す。これは
実施例1に述べた方法で得たCr―CrO―Si―SiO
合金薄膜を、第7図aの如く幅90μm、長さ250μ
mの微小パターンで形成して発熱抵抗体層10と
し、その上に第7図bの如く導電層としてC層
Al層で成る電極層9を形成し、更にこの上に保
護層8(SiOやTa2Osなど適宜)を形成して成
る。発熱抵抗体層10はアルミナ基板12上のグ
レーズガラス11上に形成する。第7図aのよう
なパターンは、フオトエツチングを利用して形成
した。これは例えばフツ酸系のエツチング液など
を用いて、容易に形成できる。
実施例1に述べた方法で得たCr―CrO―Si―SiO
合金薄膜を、第7図aの如く幅90μm、長さ250μ
mの微小パターンで形成して発熱抵抗体層10と
し、その上に第7図bの如く導電層としてC層
Al層で成る電極層9を形成し、更にこの上に保
護層8(SiOやTa2Osなど適宜)を形成して成
る。発熱抵抗体層10はアルミナ基板12上のグ
レーズガラス11上に形成する。第7図aのよう
なパターンは、フオトエツチングを利用して形成
した。これは例えばフツ酸系のエツチング液など
を用いて、容易に形成できる。
本実施例の抵抗体の性質は次の通りである。即
ち上記のように形成した微小抵抗体に1個あたり
0.6Wの電力を1ms与え、9ms止めるというサイク
ルを繰り返した場合、これに伴う抵抗値変化は第
8図に示すようになつた。
ち上記のように形成した微小抵抗体に1個あたり
0.6Wの電力を1ms与え、9ms止めるというサイク
ルを繰り返した場合、これに伴う抵抗値変化は第
8図に示すようになつた。
第8図は横軸に印加パルス数(×107)、たて軸
に抵抗変化率(φ)をとつて、6種の検体につい
てデータを調べたものである。図中符号12〜1
7の検体のそれぞれの組成は以下に記す通りであ
る。
に抵抗変化率(φ)をとつて、6種の検体につい
てデータを調べたものである。図中符号12〜1
7の検体のそれぞれの組成は以下に記す通りであ
る。
12…Cr:CrO:Si:SiO=34:1:47:18
13… (同上)=31:2:46:21
14… (同上)=30:3:43:24
15… (同上)=31:4:41:24
16… (同上)=24:6:42:28
17… (同上)=18:9:40:33
この第8図のデータによれば、15の組成の抵抗
体が最も安定であり、12、13、14の組成のもの
も、若干変化率の上昇はあるが安定していること
がわかる。また16の組成のものは、2×107パル
ス以上の印加で安定化し、17の組成のものも5×
107パルス程度の印加の後安定する。これは第5
図、第6図で説明したように、一度加熱処理で抵
抗値を減少させれば、爾後は抵抗値が安定すると
いう結果と対応しており、一定程度の抵抗値変化
の後は、きわめて抵抗値が安定するものであるこ
とを示している。よつてこの17の組成のものも、
事前に初期熱処理を十分に加えてやれば更に安定
したものとなると予想される。
体が最も安定であり、12、13、14の組成のもの
も、若干変化率の上昇はあるが安定していること
がわかる。また16の組成のものは、2×107パル
ス以上の印加で安定化し、17の組成のものも5×
107パルス程度の印加の後安定する。これは第5
図、第6図で説明したように、一度加熱処理で抵
抗値を減少させれば、爾後は抵抗値が安定すると
いう結果と対応しており、一定程度の抵抗値変化
の後は、きわめて抵抗値が安定するものであるこ
とを示している。よつてこの17の組成のものも、
事前に初期熱処理を十分に加えてやれば更に安定
したものとなると予想される。
なお、この実験に用いた12、14、17の検体は、
第4図のデータにおける試料1、2、3と同じ組
成である。
第4図のデータにおける試料1、2、3と同じ組
成である。
このように、本実施例の微小抵抗体は、その材
料に実施例1の高温状態や加熱冷却サイクルに対
して安定である抵抗体を用い、かつ上記のように
電圧パルスに対しても安定であり、従つて加熱冷
却サイクルが加わり、かつ微細に形成する必要の
ある発熱抵抗体として有効に使用できる。実際、
本実施例の微小抵抗体を感熱型フアクシミリに用
いた所、従来品では優秀なものでも解像度16d0+
mm、印加電力0.3W/do+での耐電圧パルス寿命
が2×107パルス以下であつたが、本発明により
1×108パルス以上のものを得ることができた。
また、電圧パルス幅、印加周期共に1/2にしても
5107パルス以上の寿命を実現できた。このように
フアクシミリに通用すれば、高精細化が達成で
き、かつ1dotの印画時間を従来の1/2にすること
も可能なものである。
料に実施例1の高温状態や加熱冷却サイクルに対
して安定である抵抗体を用い、かつ上記のように
電圧パルスに対しても安定であり、従つて加熱冷
却サイクルが加わり、かつ微細に形成する必要の
ある発熱抵抗体として有効に使用できる。実際、
本実施例の微小抵抗体を感熱型フアクシミリに用
いた所、従来品では優秀なものでも解像度16d0+
mm、印加電力0.3W/do+での耐電圧パルス寿命
が2×107パルス以下であつたが、本発明により
1×108パルス以上のものを得ることができた。
また、電圧パルス幅、印加周期共に1/2にしても
5107パルス以上の寿命を実現できた。このように
フアクシミリに通用すれば、高精細化が達成で
き、かつ1dotの印画時間を従来の1/2にすること
も可能なものである。
また、上記試験のように、第7図の如き微細パ
ターンにおいても0.6Wの電力を印加して、しか
も安定な抵抗性を得られたのであり、これは発熱
抵抗体として十分な許容電力密度を有することを
物語る(既提案のものでは、同様な場合0.4−
0.5Wに留まり、よつてこれを50〜20%もアツプ
することができたわけである)。更に許容電力密
度を300W/mm2にすることもできる。
ターンにおいても0.6Wの電力を印加して、しか
も安定な抵抗性を得られたのであり、これは発熱
抵抗体として十分な許容電力密度を有することを
物語る(既提案のものでは、同様な場合0.4−
0.5Wに留まり、よつてこれを50〜20%もアツプ
することができたわけである)。更に許容電力密
度を300W/mm2にすることもできる。
上述の如く、本発明の発熱抵抗体は、従来技術
に比して抵抗体特性が極めて優れているのは勿
論、更に(i)熱に対して安定で高温に長時間放置し
ても抵抗値変化がなく、(ii)電力密度を大しくとれ
て十分な発熱量を確保でき、(iii)加熱冷却サイクル
に対しても安定で劣化せず、抵抗値変化も少な
く、しかも(iv)微細な抵抗体に形成するのも容易で
あるという、数その効果利点を有するものであ
る。
に比して抵抗体特性が極めて優れているのは勿
論、更に(i)熱に対して安定で高温に長時間放置し
ても抵抗値変化がなく、(ii)電力密度を大しくとれ
て十分な発熱量を確保でき、(iii)加熱冷却サイクル
に対しても安定で劣化せず、抵抗値変化も少な
く、しかも(iv)微細な抵抗体に形成するのも容易で
あるという、数その効果利点を有するものであ
る。
なお、当然のこではあるが、本発明は上記例示
した実施例にのみ限定されるものではない。
した実施例にのみ限定されるものではない。
第1図は本発明の一実施例に係る発熱抵抗体の
組成確認のためのX線電光分析の結果を示す図で
CrおよびCrOのピークを示す図、第2図は同じく
SiおよびSiOのピークを示す図、第3図は該実施
例における形成時のO2ガス分圧比と製品の比抵
抗との関係を示すグラフ、第4図は同例の高温放
置による抵抗値の経時変化を示す図、第5図およ
び第6図は同例の熱処理による抵抗値変化の過渡
状態を示す図、第7図は該例の抵抗体を微小な発
熱抵抗体として構成した実施例の構造図、第8図
は第7図の例の電圧パルスに対する抵抗値変化を
示す図である。 10…発熱抵抗体。
組成確認のためのX線電光分析の結果を示す図で
CrおよびCrOのピークを示す図、第2図は同じく
SiおよびSiOのピークを示す図、第3図は該実施
例における形成時のO2ガス分圧比と製品の比抵
抗との関係を示すグラフ、第4図は同例の高温放
置による抵抗値の経時変化を示す図、第5図およ
び第6図は同例の熱処理による抵抗値変化の過渡
状態を示す図、第7図は該例の抵抗体を微小な発
熱抵抗体として構成した実施例の構造図、第8図
は第7図の例の電圧パルスに対する抵抗値変化を
示す図である。 10…発熱抵抗体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Cr―CrO―Si―SiO合金を必須成分とするこ
とを特徴とする発熱抵抗体。 2 前記Cr―CrO―Si―SiO合金が加熱処理され
たものであることを特徴とする特許請求の範囲第
1項に記載の発熱抵抗体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57201925A JPS5994393A (ja) | 1982-11-19 | 1982-11-19 | 発熱抵抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57201925A JPS5994393A (ja) | 1982-11-19 | 1982-11-19 | 発熱抵抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5994393A JPS5994393A (ja) | 1984-05-31 |
JPH0147871B2 true JPH0147871B2 (ja) | 1989-10-17 |
Family
ID=16449064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57201925A Granted JPS5994393A (ja) | 1982-11-19 | 1982-11-19 | 発熱抵抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5994393A (ja) |
-
1982
- 1982-11-19 JP JP57201925A patent/JPS5994393A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5994393A (ja) | 1984-05-31 |
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