JPH0144823B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、少なくとも１つの昇降する針板に設
けられた多数の針が、台板とそれに対して平行な
かき取り板との間に導かれるウエブへ少なくとも
片側から突き刺さり、突き刺し範囲に逆かぎを持
つている、鉱物繊維ウエブ用ニードルパンチ装置
に関する。

〔従来の技術〕

セラミツク繊維又は他の鉱物繊維から成るウエ
ブのニードルパンチの際、これらの繊維が合成繊
維より著しくもろく、このもろさのため比較的小
さい負荷でも破損するので、困難が生ずる。従つ
てニードルパンチの際針の逆かぎによつて捕えら
れる鉱物繊維は、破損なしに比較的小さい区間に
わたつてしか送られず、破損の危険は針の突き刺
し速度と共に増大する。ウエブを固めるのに充分
な程度に繊維ループを形成することは、下の針運
動反転範囲においてしか可能でない。なぜならば
この運動反転範囲では針の速度が低いからであ
る。鉱物繊維ウエブのニードルパンチの際この特
別な事情を考慮するために、針の長さをウエブの
通過方向に段階的に大きくしたニードルパンチ装
置が公知あり、針長さの段階づけに応じて段階づ
けられる動作範囲がこれらの針に対して生じ、逆
かぎは、針の先端の範囲においてのみ、針の長さ
の段階づけに相当する部分に設けられている。従
つて段階づけられる針により、鉱物繊維ウエブは
層状にニードルパンチされるが、針の段階づけに
従つてかき取り板を台板に対して傾斜させて、針
の逆かぎを備えた先端のみが鉱物繊維ウエブへ突
き刺させるようにすることが必要である。そうし
ないと、逆かぎを持たない針部分により鉱物繊維
ウエブが台なしになる。しかしこの公知の装置の
欠点は、台板に対するかき取り板の傾斜により、
鉱物繊維ウエブが必然的に望ましくないように圧
縮され、針の段階づけによりウエブの厚さにわた
つて異なる段階づけニードルパンチが行なわれる
ことである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従つて本発明の基礎になつている課題は、これ
らの欠点を回避し、ウエブの望ましくない圧縮を
甘受する必要なしに、鉱物繊維ウエブをその厚さ
にわたつて均一に簡単にニードルパンチできるニ
ードルパンチ装置を提供するである。

〔問題点を解決するための手段〕

最初に述べた種類の装置から出発して、この課
題を解決するため本発明によれば、逆かぎが、片
側ニードルパンチの場合台板とかき取り板との間
隔にまた両側ニードルパンチの場合この間隔の半
分にほぼ等しい針の突き刺し長さ全体にわたつて
分布して設けられている。

〔発明の効果〕

台板とかき取り板が平行に設けられるため、鉱
物繊維ウエブの望ましくない圧縮の危険が回避さ
れる。台板とかき取り板の平行配置にもかかわら
ず、逆かぎがウエブの厚さに相当する針の突き刺
し長さ全体にわたつて分布されているので、充分
なニードルパンチが保証され、従つて針運動の反
転に、突き刺し長さにわたつて分布されている逆
かぎにより、ウエブの望ましいからみ合いを保証
する繊維ループを形成することができる。ウエブ
の厚さ全体にわたつて逆かぎが均一に分布してい
るため、ウエブの厚さ全体にわたつて均一なニー
ドルパンチも行なわれる。

普通の針の突き刺し長さを越える厚さの鉱物繊
維ウエブをニードルパンチする場合、針が両側か
らウエブのほぼ中央まで突き刺される。この場合
針の突き刺し長さは台板とかき取り板との間隔の
半分であるが、もちろん逆かぎをこの突き刺し長
さにわたつて分布して設けて、両側からのニード
ルパンチのためウエブの厚さ全体にわたつて均一
に分布される繊維ループを針の反転範囲に形成せ
ねばならない。

ニードルパンチの良さは、針の単位長さ当りの
逆かぎ数に当然左右される。普通の使用状態にと
つて有利な条件を確保するため、１本の針当り少
なくとも15個の逆かぎを設ける。針の40〜45mmの
突き刺し長さを必要とする普通のウエブ厚さで
は、１本の針当り15〜20個の逆かぎで充分なこと
がわかつた。

特に繊維長の異なる繊維例えばセラミツクかき
取り板や岩綿から成る鉱物繊維ウエブをニードル
パンチする場合、大きい繊維長の繊維がループを
形成しながら短い繊維の層へ引込まれねばならな
いが、繊維がもろいため鉱物繊維の特別なニード
ルパンチ事情では、針の逆かぎの最大間隔を可能
なループ長より小さくすることが必要である。針
の反転範囲に３又は４mm未満のループ長を考慮す
ることができるので、それぞれ２つのすぐに続く
逆かぎの間において針の長さ方向に測つた間隔が
２mmを越えず、従つて反転範囲における針の位置
に関係なく、両ウエブ層の間の境界範囲で適当な
ループ形成が保証されると有利である。

〔実施例〕

図面には本発明の実施例が示されている。

図示した装置は、大体において、例えば偏心輪
軸を介して昇降駆動されかつ多数の針２を備えた
針板１と、台板３と、この台板３の上方に間隔を
おいて台板３に対し平行に設けられたかき取り板
４とから成り、かき取り板４と台板３との間をニ
ードルパンチすべき鉱物繊維ウエブが矢印５の方
向に送られる。針板１の針２は台板３とかき取り
板４との間に導かれるウエブに突き刺さり、針２
の下部反転範囲でその逆かぎ６により繊維ループ
が形成されて、繊維ウエブの所望のからみ合いを
保証する。逆かぎ６は針２の突き刺し長さ全体に
わたつて分布して設けられているので、繊維ウエ
ブの厚さ全体にわたつてこのような繊維ループが
形成される。なぜならば、針２の突き刺し長さは
台板３とかき取り板４との間隔又はウエブの厚さ
に等しいからである。従つて多数の逆かぎを針の
突き刺し長さ全体にわたつて分布させることによ
り、驚くべきことに鉱物繊維ウエブの均一なニー
ドルパンチも行なうことができる。ウエブの40〜
50mmの普通の厚さでは、１本の針当り15〜21個の
逆かぎが所望の効果を保証することができる。異
なる鉱物繊維の２つの層から構成されるウエブで
は、逆かぎの数を著しく増大することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による鉱物繊維ウエブ用ニードルパ
ンチ装置の概略垂直断面図である。 １……針板、２……針、３……台板、４……か
き取り板、６……逆かぎ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの昇降する針板に設けられた
   多数の針が、台板とそれに対して平行なかき取り
   板との間に導かれるウエブへ少なくとも片側から
   突き刺さり、突き刺し範囲に逆かぎを持つている
   ものにおいて、逆かぎ６が、片側ニードルパンチ
   の場合台板３とかき取り板４との間隔にまた両側
   ニードルパンチの場合この間隔の半分にほぼ等し
   い針２の突き刺し長さ全体にわたつて分布して設
   けられていることを特徴とする、鉱物繊維ウエブ
   用ニードルパンチ装置。 ２ １本の針２当り少なくとも15個の逆かぎ６が
   設けられていることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項に記載の装置。 ３ それぞれ２つのすぐに続く逆かぎ６の間にお
   いて針２の長さ方向に測つた間隔が最高２mmであ
   ることを特徴とする、特許請求の範囲第１項又は
   第２項に記載の装置。