JPH0144094B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、湿潤状態の材料に粉砕、混合、造粒
等の加工を施すチヨツパーに関し、更に詳しく
は、上記材料を送供するフイードスクリユーの支
持構造に関するものである。

従来の技術 チヨツパーは、食肉、水産等の食品業界で挽
肉、練り製品等の製造の他、化学、製薬、肥料、
資料等の各種業界で、種々の練り製品、粒状製
品、顆粒状製品を製造するのに用いられている。

上記チヨツパーの一例を第３図に示し、以下説
明する。

図面において、１は中空筒状の胴体、２は胴体
１内に収納されたフイードスクリユー、３は図示
しない駆動装置に連結され、上記のフイードスク
リユー２に駆動力を伝達するギアボツクス、４は
上記胴体１の先端内部に収納された切断機構、５
は切断機構４を装設するための締付リングを示
す。

上記胴体１の基端部側上方には原料投入用のホ
ツパー部１ａが開口しており、先端部分の外周に
はおねじ部１ｂが形成されている。

上記フイードスクリユー２の基端部には上記ギ
アボツクス３の出力軸（図示せず）に連結される
後方支持軸７が螺着固定され、先端側には上記切
断機構４に連結される前方支持軸８が螺着固定さ
れている。

上記切断機構４は、上記例においては２枚の多
孔プレート９，１０とこの多孔プレート９，１０
間に配設されたカツター１１とで構成される。上
記多孔プレート９，１０は、中心部の軸孔９ａ，
１０ａによつて前方支持軸８を回動自在に支承さ
せた状態で、キー（図示せず）によつて回り止め
されて胴体１内に収容される。上記カツター１１
は、両刃のカツターで、前方支持軸８に適宜の手
段で回り止めされた状態で嵌着され、上記フイー
ドスクリユー２と一体的に回転する。

上記締付リング５は、外周に締付用のハンドル
５ａ，５ａ…を形成してあり、このハンドル５
ａ，５ａを利用して上記胴体１の外周のおねじ部
１ｂに螺着し、締付リング５の内周縁で上記多孔
プレート１０の外周を押圧することによつて切断
機構４を胴体１内の定位置に収容している。

以下に、上記チヨツパーの運転要領を説明す
る。

先ず駆動装置（図示せず）を作動させると、こ
の駆動力は、ギアボツクス３、後方支持軸７を介
してフイードスクリユー２に伝達されて、上記フ
イードスクリユー２並びにカツター１１が同一方
向に一体的に回転する。

ここでホツパー部１ａから胴体１内に原料を投
入すると、この原料はフイードスクリユー２によ
つて切断機構４に向けて圧送される。切断機構４
に向けて圧送された原料は、先ず多孔プレート１
０の貫通孔１０ｂ，１０ｂ…から押出された時点
で上記カツター１１によつて練られながら次の多
孔プレート９に向けて圧送され、カツター１１に
よつて切断されながらこの多孔プレート９の貫通
孔９ｂ，９ｂ…に押し込まれ、この貫通孔９ｂ，
９ｂ…から押出された時点で所定の製品とされ
る。

発明が解決しようとする問題点 上記従来のチヨツパーには、フイードスクリユ
ーの支持構造に次のような問題があつた。

上記フイードスクリユーは、前述のように基端
側に固着した後方支持軸と先端側に固着した前方
支持軸を介して回転自在に支持されている。

上記後方支持軸は、ギアボツクスの出力軸に連
結され、この出力軸でもつてスラスト荷重並びに
ラジアル荷重が支持されている。

上記前方支持軸は、胴体先端に収納配置した多
孔プレートの中心部の軸孔に挿入することによつ
て支持されている。

ところで、上記多孔プレートの中心部に穿設さ
れる支持軸挿通用の軸孔は、多孔プレートの胴体
に対する着脱の便宜を図るため、上記前方支持軸
に対して余裕を持たせて形成してあり、上記前方
支持軸は、フイードスクリユーを支持するのみな
らず、カツターを支持しており、特に大型のチヨ
ツパーにおいてはこれらのフイードスクリユー並
びにカツターの重量により常に下方に押し下げら
れている。そのため、上記前方支持軸は、多孔プ
レートの軸孔と摺接した状態で回転することにな
り、このことはチヨツパーの駆動力の損失の要因
となつている。

そのためチヨツパーの駆動に際して駆動力の損
欠の少ないフイードスクリユーの支持構造の要求
が高まつている。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、胴体内に、原料を送給するフイードスクリユ
ーと、このフイードスクリユーの先端に一体的に
連結された支持軸と、この支持軸に係止されて一
体的に回転するカツターと、少なくとも上記カツ
ターより前方側に配置固定され、中心部に上記支
持軸を挿通し得る軸孔を有する多孔プレートとを
収容してなるチヨツパーにおいて、そのフイード
スクリユー支持構造を上記支持軸の先端面にセン
ター穴を形成すると共に上記多孔プレートの中心
部に中空のボスを形成し、上記多孔プレートのボ
スに上記支持軸のセンター穴と嵌合し得る回転セ
ンターをブラケツトを介して突出退入自在に設け
たチヨツパーである。

作 用 本発明に係るチヨツパーによれば、多孔プレー
トにブラケツトを介して装着した回転センタによ
つて、フイードスクリユー並びにこの支持軸を胴
体の軸線と一致させた状態で支持でき、そのため
上記支持軸は上記多孔プレートの軸孔と摺接する
ことなく回転することができる。

実施例 第１図及び第２図は、本発明に係るチヨツパー
のフイードスクリユー支持構造の一実施例を示す
もので、第３図のチヨツパーと対応する構成部材
には同一参照番号を附して説明を省略する。

図面において、２０はフイードスクリユー２の
先端に一体的に連結した前方支持軸、３０は前方
側の多孔プレート、４０は回転センターを示す。

上記前方支持軸２０の先端面中心部には適宜の
寸法のセンター穴２１が穿設されている。

上記多孔プレート３０は、表面側中心部にボス
３１を一体的に突出形成してある。このボス３１
の中心には上記前方支持軸２０を挿入し得る寸法
の貫通孔３２が形成され、ボス３１の外周面はね
じ部３１ａが形成されている。

上記回転センター４０は、センター軸４１と、
このセンタ軸４１を回転自在に収容するホルダー
４２とからなり、ブラケツト５０を介して上記多
孔プレート３０に取付けられる。上記センター軸
４１は、先端を、上記前方軸２０のセンター穴２
１に嵌まり込み得る寸法のテーパー部４１ａに形
成してある。

上記ホルダー４２は、ねじ部４２ａを螺設した
中空円筒状の部材で内部にスラストベアリング４
３、ラジアルベアリング４４，４４を介して上記
センター軸４１に作用するスラスト荷重並びにラ
ジアル荷重を支持するように構成されている。上
記ホルダー４２の２つの開口部のうち、センター
軸４１のテーパー部４１ａを突出させる側の開口
部４２ｂには、テーパー部４１ａに連なる円筒部
４１ｂと摺接するオイルシール４５を嵌入した
後、ドーナツツ板状のカバープレート４６を固着
してあり、対する側の開口部４２ｃには、オイル
シール４７を介在させた状態で円板状のカバープ
レート４８を固着して密封してある。そしてホル
ダー４２内には所定の潤滑剤を封入して上記スラ
ストベアリング４３、ラジアルベアリング４４の
潤滑を行つている。尚、上記カバープレート４８
の外周は、例えば六角形状に形成してスパナ等の
工具によつてホルダー４２を回転させ得るように
てしある。

上記ブラケツト５０は、前記多孔プレート３０
のボス３１のねじ部３１ａと螺合するねじ部５０
ａを一方の開口部内周に螺設してあり、他方の開
口部にはボス５１を形成してこの外周にねじ部５
１ａを螺設し、内周に上記ホルダー４２を螺設し
得るねじ部５１ｂを螺設してある。

尚、図中参照番号６０は、ブラケツト５０のボ
ス５１から突出するホルダー４２の後方に螺設さ
れるロツクナツト、６１は、上記ブラケツトのボ
ス５１外周に螺装され、上記ホルダー４２の後部
並びにロツクナツト６０を覆うカバーを示す。

さて、以下に上記構成によるチヨツパーのフイ
ードスクリユーの支持要領を説明する。尚、上記
フイードスクリユー２の基端側は、前述のよう
に、後方支持軸７をギアボツクス３の出力軸６に
連結することにより、フイードスクリユー２に作
用するスラスト荷重並びにラジアル荷重をギアボ
ツクス３の内部で支持させてある。また初期状態
において、上記ブラケツト５０は多孔プレート３
０に装着されていないものとし、回転センター４
０並びにロツクナツト６０はブラケツト５０に装
着されているものとする。

上記多孔プレート３０が胴体１内に装着された
状態において、ボス３１の貫通孔３２からは、上
記前方支持軸２０の先端面が露呈している。この
状態で上記の回転センター４０並びにロツクナツ
ト６０を組付けたブラケツト５０を、上記多孔プ
レート３０のボス３１に形成したねじ部３１ａと
ブラケツト５０のねじ部５１ａとの螺合により、
多孔プレート３０に取付ける。尚、このときの回
転センター４０は、ブラケツト５０のボス５１か
らホルダー４２の後端を十分露出させた状態に装
着してある。

次に上記回転センター４０のホルダー４２を適
宜の工具を用いて回転させ、ホルダー４２のねじ
部４２ａとブラケツト５０のねじ部５０ｂとの螺
合により回転センタ４２を前方支持軸２０に向け
て移動させる。

するとセンター軸４１のテーパー部４１ａは、
前方支持軸２０のセンター穴２１に嵌まり込み、
更に上記回転センター４０を移動させると、上記
テーパー部４１ａはセンター穴２１の開口周縁の
全周に密接して上記センター軸４１と前方支持軸
２０の軸芯とが一致すると共に多孔プレート３０
並びに１０と前方支持軸２０の軸芯とが一致す
る。

このとき、フイードスクリユー２の前方支持軸
２０は、上記の回転センター４０、ブラケツト５
０、並びに多孔プレート３０を介してチヨツパー
の胴体１に支持されることになり、フイードスク
リユー２、前方支持軸２０、後方支持軸７並びに
前方支持軸２０に係止したカツター１１の重量
は、回転センター４１内のラジアルベアリング４
４，４４並びにギアボツクス３の出力軸６によつ
て支持される。ところでチヨツパーの運転中、フ
イードスクリユー２は、原料を送給することによ
つて後方支持軸７へ向けての軸線方向の反力を受
ける。そのため、センター軸４１のテーパー部４
１ａと前方支持軸２０のセンター穴２１との圧接
が不十分となり、前方支持軸２０とセンター軸４
１の軸芯の一致状態が不安定になる恐れがある。
そのため、上記ホルダー４２を更に回転させて回
転センター４０を前方支持軸２０に向けて所定量
移動させてセンター軸４１のテーパー部４１ａと
前方支持軸２０のセンター穴２１とを所定のスラ
スト力で圧接させ、この状態でロツクナツト６０
をホルダー４２の外周に螺着してブラケツト５０
に対する回転センター４１の位置を固定する。こ
の後、前述のカバー６１をブラケツト５０のボス
５１の外周に螺着し、チヨツパーの運転を開始す
ればよい。

上記チヨツパーの運転中において、上記フイー
ドスクリユー２の前方支持軸２０は、上記の回転
センター４１によつて多孔プレート３０，１０の
軸芯と一致した状態で支持された状態でフイード
スクリユー２と共に回転駆動される。そのため、
上記前方支持軸２０は、上記多孔プレート１０の
軸孔１０ａ並びに多孔プレート３０の貫通孔３２
と同心状をなし、この軸孔１０ａ並びに貫通孔３
２と摺接することなく回転する。従つて、従来の
チヨツパーにおいて多孔プレート９，１０の軸孔
９ａ，１０ａと前方支持軸８との摺接によつて生
じていた動力損失がなくなり、上記本発明を適用
したチヨツパーにおいては、フイードスクリユー
２、前方支持軸２０、並びに前方支持軸２０に係
止したカツター１１の回転に要する駆動力は在来
のチヨツパーに比べて大幅に少なくすることがで
きる。

ところで、チヨツパーの運転につれて、上記多
孔プレート１０，３０並びにカツター１１が徐々
に摩耗するため定期的あるいは随時に締付リング
５を増締めすることにより多孔プレート３０を締
め付けて上記多孔プレート１０，３０とカツター
１１との当接力を所定値に調整する必要がある。
この場合多孔プレート３０は、上記締付リング５
の増締めにより胴体１の奥側に移動するため、回
転センタ４０の位置がブラケツト５０に対してそ
のままであると、必要以上に回転センター４０内
のスラストベアリング４３並びにギアボツクス３
内のスラストベアリングに荷重が加わる。そのた
め、上記締付リング５による増締め作業時には、
ロツクナツト６１を緩めてブラケツト５０に対し
て回転センター４０のホルダー４２後部を突出さ
せておくか、−、または、ブラケツト５０ごと上
記回転センター４０を取り外しておき、上記増締
め作業終了後、ブラケツト５０を多孔プレート３
０に取付前述の要領でホルダー４２を回転させて
センター軸４１のテーパー部４１ａを前方支持軸
２０のセンター穴２１に所定圧力で当接させれば
よい。

発明の効果 以上説明したように、本発明に係るチヨツパー
のフイードスクリユー支持構造によれば、フイー
ドスクリユー並びにフイードスクリユーの支持軸
をチヨツパーの胴体の軸線と一致させた状態で、
回転センター、ブラケツト、多孔プレートを介し
て胴体により確実に支持できるので、従来のチヨ
ツパーのように多孔プレートの軸孔と支持軸との
摺接による摩擦損失が皆無となり、従来のチヨツ
パーに比べて所要動力を大幅に削減することが可
能となる。

また、本発明に係るチヨツパーのフイードスク
リユー支持構造は、従来のチヨツパーに、前述の
回転センター、ブラケツト並びにボス付き多孔プ
レートを配設し、支持軸にセンター穴を形成すれ
ば容易に、しかも定コストで適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るチヨツパーのフイードス
クリユー支持構造を適用した一実施例を示す縦断
側面図、第２図は第１図の要部拡大断側面図であ
る。第３図は在来のチヨツパーの一例を示す縦断
側面図である。 １…胴体、２…フイードスクリユー、１０…多
孔プレート、１０ａ…軸孔、１１…カツター、２
０…前方支持軸（支持軸）、２１…センター穴、
３０…（前方側の）多孔プレート、３１…ボス、
４０…回転センター、５０…ブラケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 胴体内に原料を送給するフイードスクリユー
   と、このフイードスクリユーの先端に一体的に連
   結された支持軸と、この支持軸に係止されて、一
   体的に回転するカツターと、少なくとも上記カツ
   ターより前方側に配置固定され、中心部に上記支
   持軸を挿通し得る軸孔を有する多孔プレートとを
   収容してなるチヨツパーにおいて、 そのフイードスクリユーの支持構造を、上記支
   持軸の先端面にセンター穴を形成すると共に、上
   記多孔プレートの中心部に中空のボスを形成し、
   上記多孔プレートのボスに上記支持軸のセンター
   穴と嵌合し得る回転センターをブラケツトを介し
   て突出退入自在に設けたことを特徴とするチヨツ
   パー。