JPH0141991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、水道等の配管に使用される伸縮及
び揺動が可能な継手に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の継手としては従来より種々のものが知
られているが、その一般的構造は、例えば実開昭
57−175888号公報に記載されている様なものであ
る。すなわち、継手本体とユニオンソケツトとの
間にスリーブを介在させ、スリーブの外側面を略
凸球面状に形成すると共に対応する本体の内側面
をスリーブが嵌合可能な略凹球面状に形成するこ
とにより、スリーブが本体の内側面に沿つて摺動
可能とする。そして、ユニオンソケツトをスリー
ブの内側面に沿つて前後に摺動可能とすると共
に、スリーブと本体、スリーブとユニオンソケツ
トの摺動部にそれぞれ密封用のＯリングを嵌装す
るという構造である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記従来の継手は、配管に負荷が作用
してユニオンソケツトが伸長または短縮すると、
負荷が除去されてもスリーブ及びＯリングとの摩
擦力のためユニオンソケツトは容易には復帰しな
かつた。このため配管の一部に無理がかかり、破
損や漏水の虞れが生ずるという問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記従来継手の問題点を解決すべ
くなされたものであり、講じた技術的手段は次の
通りである。

本体１の内部にスリーブ４を揺動可能に設ける
と共に、このスリーブ４にユニオンソケツト３を
前後動可能に取り付けてなる伸縮可撓継手におい
て、この考案は、スリーブ４の内部において、ユ
ニオンソケツト３に形成した鍔部３ａの前後にほ
ぼ同じ弾性力を有する圧縮バネ７，８を配設し、
両圧縮バネ７，８の弾性力を鍔部３ａを介してユ
ニオンソケツト３に作用させたものである。

〔作用〕

ユニオンソケツト３は、鍔部３ａの前後に配設
した圧縮バネ７，８によつて前後より押圧されて
いるので、負荷の作用によりユニオンソケツト３
が本体１に対して前方または後方に移動すると、
圧縮バネ７または圧縮バネ８が圧縮される。従つ
て、負荷が除去されると、圧縮された圧縮バネ７
または８の弾性力により、ユニオンソケツト３は
スリーブ４及びＯリング１２との摩擦力に打勝つ
てもとの位置に復帰することができる。

〔実施例〕

以下、添付図面に基いてこの考案の実施例を説
明する。

１は継手の本体、２は本体１の後端に取り付け
られた袋ナツト、３は本体１の前部に伸縮及び揺
動可能に接続されたユニオンソケツトである。

本体１とユニオンソケツト３の間には、前部に
円筒状の案内部４ａを設けた略球状のスリーブ４
が介在されており、球面状に形成された本体１の
内側面に沿つて摺動可能となつている。５は本体
１の前端に螺着されたアダプターで、本体１の内
側面と共に球面状の摺動面を形成し、かつスリー
ブ４を保持するものである。また６はゴム製のカ
バーである。

ユニオンソケツト３は、スリーブ４の案内部４
ａによつて前後に摺動可能に支持されている。

ユニオンソケツト３の後端には鍔部３ａが形成
されており、この鍔部３ａと案内部４ａの後端内
側の支持面４ｂとの間には圧縮バネ７が嵌装され
ている。また、鍔部３ａの後方にも圧縮バネ７と
ほぼ同じ弾性力を有する圧縮バネ８が設けられて
いる。この圧縮バネ８の後端は、スリーブ４の後
端内側に形成したリング状の溝９に嵌入保持され
た板バネ等よりなる支持部材１０によつて支持さ
れている。支持部材１０の中央には流体通過用の
穴１０ａが形成されている。

尚、１１は本体１とスリーブ４との摺動部を、
１２はスリーブ４の案内部４ａとユニオンソケツ
ト３との摺動部をそれぞれ密封するためのＯリン
グである。

上記構成とした伸縮可撓継手を使用して配管し
た場合、本体１の内部の水圧あるいは地中に埋設
した管路に作用する土圧によつて、この継手にユ
ニオンソケツト３を本体１に対して前方に移動さ
せる負荷が作用すると、圧縮バネ７が圧縮されて
ユニオンソケツト３は前方に移動することができ
る。そして、上記負荷が除去されると、圧縮バネ
７の弾性力によつてユニオンソケツト３はもとの
位置、すなわち鍔部３ａがスリーブ４の支持面４
ｂと支持部材１０との略中央にあるような位置に
復帰することができる。

ユニオンソケツト３を本体１に対して後方に移
動させる負荷が作用する場合も、上記と同様にし
て、圧縮バネ８が圧縮されて後方に移動したユニ
オンソケツト３は、その弾性力によつてもとの位
置に復帰することができる。

尚、ユニオンソケツト３の揺動が、スリーブ４
と本体１との摺動により容易に行われることは、
従来の継手と同様である。

また、圧縮バネ７，８の弾性力の強さは、ユニ
オンソケツト３の摺動の際に案内部４ａ及びＯリ
ング１２との間に生ずる摩擦力よりも大きくする
必要がある。

〔考案の効果〕

この考案は上述の構成を有するものであり、継
手に負荷が作用してユニオンソケツト３が伸長ま
たは短縮した場合に、負荷が除去されると圧縮ス
プリング７または８の弾性力によつてユニオンソ
ケツト３は容易にもとの位置に復帰することがで
き、配管の破損や漏水の虞れがない等、実用的効
果に優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る伸縮可撓継手の一実
施例の縦断側面図、第２図は要部拡大断面図であ
る。 １……本体、３……ユニオンソケツト、３ａ…
…鍔部、４……スリーブ、７，８……圧縮バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１の内部にスリーブ４を揺動可能に設ける
   と共にこのスリーブ４にユニオンソケツト３を前
   後動可能に取り付けてなる伸縮可撓継手におい
   て、スリーブ４の内部において、ユニオンソケツ
   ト３に形成した鍔部３ａの前後にほぼ同じ弾性力
   を有する圧縮バネ７，８を配設し、両圧縮バネ
   ７，８の弾性力を鍔部３ａを介してユニオンソケ
   ツト３に作用させたことを特徴とする継手。