JPH0141771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、積雪地における除雪後の有効路面幅
を、可能な限り広く得られるように形成した吹払
柵に関する。

(ロ) 従来技術 積雪地においては風雪によつて道路上の交通が
阻害されるため、第１図に示すように路側帯に沿
つて吹払柵ａを立設して風雪による直接影響を避
け、車などの走行に安全性を保たせるようにして
いる。この吹払柵は、道路に吹付ける外風を上
方、または下方に向きを変えさせるために、傾斜
した複数枚の吹払板ｂを備えさせてあり、これに
よつて外風Ｗの集束率を高めて雪を遠くへ吹払う
ように構成している。

しかしながら多量の降雪時における路上への積
雪は避けることができず、このため定期的に除雪
車を走行させて路面上の積雪を排除し、一定の通
行幅を確保するようにしている。この場合、除雪
車は、有効路面幅をできるだけ広く確保しようと
して吹払柵の起設ラインに近い位置をライン沿い
に走行するが、万一吹払柵に接触した場合にはこ
れを損壊する危惧がある。このため第２図に示す
ように吹払柵ａと除雪車の排土板ｃとの間に、一
定の安全距離Ｓを保つて除雪作業を行つている。

従つて第３図に示すように、当然のことながら
除雪後の有効路面幅は安全のための回避幅Ｓだけ
狭く形成されてしまう。しかも除雪後に、吹払柵
の脚部には除雪留りｄが残されてしまい、このた
め最下部の吹払板が埋没して外風の吹払機能が果
せなくなる。その結果、第４図にみるように除雪
留りｄの風下側に雪の滞積d′が生じ、これが成長
して路面の有効面積を一層狭いものにする不都合
があつた。

(ハ) 考案の目的 本考案の目的はこのような従来の吹払柵におけ
る欠点を排除することであり、除雪後における有
効路面幅を道路本来の幅と同程度に確保させるこ
とのできる吹払柵を提供することにある。

(ニ) 考案の構成 本考案の吹払柵は、吹払柵本体の構造よりもこ
れを路側帯へ据設取付けするための脚部の構成に
特徴がある。即ち、第５図の実施例に示すよう
に、吹払柵本体１の脚部を通常の垂直直線状とせ
ず、逆Ｌ形の主柱２１と主体とする逃げ型の脚部
に形成し、排土板の侵入を許すようにする。脚部
２の逃げ方向は路側方向であつて、吹払柵１の設
置基準ラインよりも１ｍ程度路外方向へ外れた位
置に脚部の接地部を固定する。

主柱２１は逆Ｌ形の先端突出部２１′に吹払柵
本体１を固定支持する構造であるので、吹払柵全
体の荷重が加わり、かつ吹雪時には多大の風圧も
加わることとなる。従つて機械的強度と力学的強
度を有することが必要である。このため主柱２１
の材料としては例えばフランジ幅150mm程度のＨ
形鋼を使用し、さらに接地側基部には、接地面を
広く形成した溶接金具による台座２２を一体に固
定し、この台座２２を複数の打込ピン２３によつ
て固定する。打込ピン２３は少くとも４本程度を
使用し、１ｍ以上の打込長さを確保して地中に打
込む。

このような据設形態であつても、主柱２１にか
かる荷重モーメントはかなり大きなものが予想さ
れるので、主柱先端２１′と台座２２との間に補
強用の受部材２４を溶着またはボルト締めによつ
て取付け、さらに主柱の背側となる折突部２１″
と吹払柵本体１の中間点とを連結部材２５で補強
しておく。

本考案の吹払柵においては、脚部の形態上、設
備全体の重心が道路方向に偏ることは避け難いも
のであるので、吹払柵本体１の上部域の一点と路
外方向の地面との間に、比較的長尺の補強支柱３
を差渡し、さらに補強支柱３の埋設部にはアンカ
３１を設けて。容易な抜出しを阻止するようにし
ておく。

(ホ) 実施例 本考案においては、除雪車の排土板を吹払柵の
直下へ侵入させることが主眼であるので、脚部２
の逃げ寸法は排土板の端部を不安なく受入れられ
るだけの寸法が必要である。第５図の実施例にお
いては逃げ幅Ｌを１ｍとし、逃げ高さＨを１ｍと
して形成し、第７図のように排土板ｃの端部を安
全に侵入させた状態で除雪させた。その結果、除
雪領域は吹払柵の直下にまで及び、通常の道路幅
全幅を有効路面として使用することができた。ま
た下部吹払板が雪に埋没することがないので吹払
機能が衰えず、雪の滞積も少くなり、多少の滞積
が生じたとしても、第８図のように殆んど逃げ領
域の範囲にとどまるため、実質的に有効路面幅を
少くすることがなかつた。

尚、本考案の実施例では逆Ｌ形について記述し
たが、除雪車のスクレーパーの端部が吹払柵の真
下まで入つて除雪できればその目的を達すること
になるので文字通りの逆Ｌ形でなく、なだらかな
曲線状を形成していてもよい。

(ヘ) 考案の効果 本考案の吹払柵によれば、積雪地における除雪
後の有効路面幅を無駄のない状態で確保すること
ができるので極めて便利であり、特に一車線だけ
の道路においては、その有効度合は極めて大であ
る。また吹払柵の機能の損われることがいので雪
の滞積を防止でき、除雪の頻度を大幅に減少させ
ることができる。このため道路の維持管理コスト
の節減にも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は吹払柵を設けた路面における通常作用
の説明図、第２図及び第３図は従来の吹払柵を備
えた道路での除雪作業時の説明図、第４図は従来
の吹払柵を備えた場合の除雪後の状態を示す説明
図、第５図は本考案に係る吹払柵の側面図、第６
図は本考案による吹払柵の部分的な正面図、第７
図は本考案の吹払柵を備えた道路の除雪作業時の
説明図、第８図は本考案の吹払柵を備えた道路の
除雪後の状態を示す説明図。 １：吹払柵本体、２：脚部、２１：主柱、２
２：台座、２３：打込ピン、３：補強支柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外風を回避流導させるような所定の傾斜角で取
   付けた複数枚の吹払板を備え、路側帯に沿つて立
   設される吹払柵において、路上を走行する除雪車
   の排土板の側端が所定幅だけ吹払柵の直下へ侵入
   できるように該吹払柵の接地脚部を路側方向へ逃
   がしたことを特徴とする吹払柵。