JPH0141367B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は脱カフエインに関するものである。さ
らに詳細には改良された固体油出物と接触させる
ことによつてカフエイン水溶液を脱カフエインす
る改良法に関するものである。 先行技術は水溶液、特に茶、コーヒーなどから
の植物抽出物からカフエインを有効にしかも破壊
せずに除去することが出来る方法を長い間探究し
て来た。公知の方法のすべては少なくとも二つの
共通の問題を有している。第一に脱カフエインは
最終生成物の価格を増加するのでその価格をでき
る限り低下させることが望ましい。第二に脱カフ
エイン方法が天然成分の化学的プロフイールを変
えるかあるいは少量の残渣が残留することによつ
て最終生成物の香味および品質にすべて影響する
ことである。それ故、そのようなまたは改良され
た香味および品質を有する生成物を製造するため
に公知技術よりさらに経済的な代替方法を提供す
ることが望まれている。 商業技術による脱カフエインはしばしば塩素化
炭化水素を使用するバテル等により記載された米
国特許第3671263号およびコーヒー可溶分のカフ
エイン不足溶液を使するベリー等によつて記載さ
れた米国特許第2309092号のような完全な生の豆
からの溶媒抽出を包含する。またアドラー等によ
つて記載された米国特許第2933395号におけるよ
うな水混和性溶液で水溶液からカフエインを抽出
することが商業上重要である。しかしながらこれ
らの方法は各々飲食物の品質に影響しそして代替
溶媒の使用を可能にさせるかまたは溶媒／生成物
接触の必要性を除去される努力がある。例えばベ
ルギー特許第835556号においてカフエイン溶液に
対し液状抽出物の比を約20：１でカフエイン水溶
液を水不混和性脂肪液状油出物に接触させる方法
を開示している。高容量の抽出物は高増加価格の
ためかゝる方法の商業上の効果を著しく減ずる。 高カフエイン特異性溶媒の使用に代わりカツツ
エは米国特許第413886号において選択性膜が分離
を行うために使用することができることを示唆し
ている。溶媒は抽出したカフエインを収集するた
めにカフエインを原料溶液から水相に移行させる
ためだけに作用する。 液体油出物にすべて代わるものとして多くの特
許が固体吸着剤を教示している。例えば英国特許
第1488340号は非イオン性吸着高分子樹脂によつ
てカフエインを水溶液から除去することが記載さ
れている。特定のこれら樹脂が有効であり、高品
質の生成物を製造する一方、それらは依然希望さ
れたよりも高価格である。クレマースによる米国
特許第2391981号および同第2416484号のような他
の特許は吸着剤としてクレーを論じているが、し
かしクレーはそれだけでは商業用途に十分選択的
でない。同様に米国特許第2375550号においてグ
ロスマンにより開示されたような水和ケイ酸塩は
カフエイン以外の貴重なコーヒー固形分を除去し
てしまう。ベンダーによる米国特許第2472881号、
シユーマンによる米国特許第2508545号およびロ
ーゼリウス等の米国特許第4168324号のような他
の特許は活性炭によるカフエイン親和性を開示し
ている。しかしながらこれらの特許はいずれも活
性炭がカフエインに特異的でなく、多くの他の固
形分を取出すために活性炭との直接接触による水
性抽出物の脱カフエインを示唆している。 このように先行技術は液状抽出物で必要な改良
を試みているが、固体吸着剤を使用する有効な系
はあまりに高価であり適当な選択性もない。従つ
て脱カフエインの代替法による改良が目下必要な
のである。 本発明は(a)カフエイン含有水溶液を水非混和性
カフエイン特異性液体溶媒の薄層で被覆したカフ
エイン固体吸着剤と接触させ、(a)カフエインの少
なくとも一部が水溶液から抽出され、そしてカフ
エイン固体吸着剤によつて吸着されるのに十分な
時間カフエイン固体吸着剤と接触させてカフエイ
ン含有水溶液を維持し、(c)カフエイン固体吸着剤
からカフエイン含有水溶液を分離する工程からな
るカフエイン含有水溶液の脱カフエイン改良法を
提供するものである。 かゝる方法はあらゆるカフエイン含有水溶液か
らカフエインを除去するのに有用であるが、コー
ヒーおよび茶のような植物性抽出物の脱カフエイ
ンに主たる効用が見出される。カフエインに対す
る高い特異性のために、コーヒー抽出物は生のま
たはばい炒したコーヒー豆から抽出することがで
きる。抽出物がばい炒コーヒーからである場合カ
フエインを除去するために抽出物を吸着剤と接触
させる以前に水性抽出物から揮発性香味分および
芳香分を除去および収集することが好ましい。次
いで脱カフエインされた抽出物を収集した揮発分
と混和しアドラー等による米国特許第2933395号
に記載されたように乾燥して可溶性粉末形態とす
ることができる。しかしながらそれが必要としな
い生成物および揮発分を吸着剤から除去すること
ができる代替方法がある。 カフエイン固体吸着剤に被覆された水非混和性
カフエイン特異性液体溶媒は原料溶液中に存在す
る他の価値ある物質を選別し、その間吸着剤にカ
フエインを通過させ、カフエインを吸着すること
ができる。本発明の長所は溶媒および固体吸着剤
の選択性が付加されそして個別にした場合より混
和した場合にさらに選択的である傾向があるとい
うことである。 溶媒、固体吸着剤の適当な組合せの選択および
接触条件は最も効果的推進力および脱カフエイン
速度を維持するために重要である。さらにできる
だけ薄く液体溶媒層を適用することが重要であ
る。これを達成するために、カフエイン特異性液
体溶媒を固体吸着剤に適用する以前にヘキサンの
ような担体溶媒に溶解することが好ましい。固体
吸着剤に適用あれるカフエイン特異性溶媒の割合
は担体溶媒の揮発後の吸着剤の実質的に完全な被
覆を出来る限り低く一致しているべきである。典
型的にはカフエイン特異性溶媒は被覆溶液の0.5
〜50％からなり、カフエイン特異性水準は約１〜
10％の範囲内が好ましく、５％以下の水準が最も
好ましい。これらの割合は適用された溶液の重量
をベースにした重量による。担体溶媒は吸着剤ま
たはカフエイン特異性溶媒を破壊しない温度で加
熱することによつて十分に除去できるものから選
択されるべきである。 カフエイン特異性溶媒は提案された条件下で液
体でなければならない。そしてカフエイン含有原
料水溶液中で非混和性でなければならない。カフ
エインが薄層を横切り速かに移行することのでき
るような液体であることが溶媒として重要であ
る。非混和性の特質は溶媒が最終生成物の香味ま
たは品質に重大な影響を与えるいかなる量におい
てもカフエイン含有水溶液に溶解しないので重要
である。カフエイン特異性溶媒はそのあらゆる測
定可能の量がカフエイン含有水溶液中に溶解され
るのを防止するに十分非混和であることが好まし
い。 本発明によりカフエイン特異性溶媒層を形成す
るために使用できる物質は石油類、トリグリセリ
ド、脂肪族アルコールおよび処理条件下で液状で
あるカフエイン選択性水非混和性物質である。ト
リグリセリドは植物または動物源から誘導するこ
とができる。適当なグリセリドは大豆油、とうも
ろこし油、やし油、綿実油、落花生油、ベニバナ
油、パーム核油、ヒマワリ油、パーム油、菜種
油、コーヒー油およびこれらの混合物のような典
型的に食品加工において出合う通常の植物脂肪で
ある。カフエイン特異性溶媒は少なくとも0.05さ
らに好適には0.1以上の分配係数を有することが
好ましい。 獣脂鶏脂肪、ラードおよびバター脂肪のような
動物脂肪を恐らく使用することができるが、それ
らは除去するために費用のかゝる多量の不純物を
含有する。従つてそれらは好ましくない。適当な
石油は軽鉱油として技術上知られる鉱油である。
これらの油は良好な安定性を有するために望まし
い。脂肪族はオレイン酸、ステアリン酸カプリル
酸などである。一般に長鎖酸が、この群の中で好
適である。同様にステアリルアルコールのような
長鎖脂肪アルコールがこの群の中で好適である。 本発明のスラリーに使用されるカフエイン固体
吸着剤はカフエインを吸着するために知られるあ
らゆるものから選択され処理条件下で物理的に安
定である。公知のカフエイン吸着剤はクレマース
による米国特許第2391981号および同第2416418号
に論じられているようなクレー、ターケン等によ
る米国特許第3108786号に教示されるようなゼオ
ライトまたはイオン交換樹脂、グロスマンによる
米国特許第2375550号に教示されるような水和ケ
イ酸塩、米国特許第3531463号にグスタフソンに
よつて開示された型の非イオン性吸着高分子樹
脂、特にスチレンビニルベンゼン高分子網状樹
脂、活性炭特にココナツまたは石炭から誘導され
た微細に分別した活性炭である。これらの中で価
格と有効性との望ましい均衡のため好適である。 固体吸着剤は処理条件下で必要な物理強度およ
び所望時間接触した後カフエイン含有水溶液から
分離することができる容易性と一致した最高表面
積を持つべきである。活性炭特に石炭から誘導さ
れた活性炭の場合には40−12メツシユU.Sの粒度
が有効なことを見出した。これらの材料の天然の
多孔性がさらにそれらの表面積を増大しそしてカ
フエインを溶媒から除去する効率を増大する。 本発明によつてカフエイン特異性液体溶媒の層
で被覆したカフエイン固体溶媒は回分方式でまた
は連続的に混和することによつてまたは固定床と
して使用し、その上にカフエイン含有水溶液を通
過させることによつてカフエイン含有水溶液と接
触させることができる。代表的な適当な接触装置
は充填カラムである。接触の特定条件はカフエイ
ン固体吸着剤、カフエイン特異性液体溶媒、カフ
エイン抽出の所望割合および同様に技術上知られ
ている考慮に依存して変化する。 また本発明によつて良好な抽出を得るためにス
ラリーおよびカフエイン水溶液の接触中に維持す
る温度が重要である。温度は抽出速度、溶媒の選
択性および抽出したカフエインを保持するカフエ
イン固体吸着剤の容量に影響する。温度または水
溶液中に存在するあらゆる所望されたコーヒーま
たは茶香味分の香味に影響する。従つて最適条件
を普遍的に定義するような単一温度または温度範
囲を同定することはできない。しかしながら、約
25〜100℃の範囲の温度が良好な結果を提供する
と思われる。抽出温度の選択は使用される材料お
よび処理装置および条件に依存してその範囲内ま
たは範囲外であることができる。 全接触時間または抽出器内の帯留時間は上記で
論じた要因並びに所望のカフエイン抽出割合に依
存する。経済性が制御する要因である一方過度の
長い接触時間は逆にコーヒーおよび茶の香味に影
響する。当業者は必要に応じて実施例において説
明された模範的状況を示したこれら要因を均衡さ
せることができる。 次の実施例は本発明を実施するために現在最良
の方法とみなされるものを具体的に説明するもの
である。データは一般の当業者に手引きのための
例示の目的のものでいずれの点でも限定として取
るべきではない。特に断わらぬ限り部および％は
すべて重量による。 実施例 １ 生のコーヒー抽出物を調製しそれぞれの部分を
鉱油１−20重量％の層を有するダルコ12×20グレ
ードの活性炭の個々の量と接触させ脱カフエイン
した。鉱油層をｎ−ヘキサン中鉱油５、10、25お
よび50％溶液を調製し、ｎ−ヘキサンを揮発する
ため30分間70℃に加熱することによりまたは単独
に鉱油を適用することにより適用した。 生のコーヒー抽出物は全固形分含量25％および
カフエインに対する全固形分の比率31を有した。
個々の活性炭の各10ｇを75℃においてバツチ方式
で抽出物100mlと接触させた。抽出結果を次に要
約した。

【表】 実施例 ２ 鉱油10％ｎ−ヘキサン90％の溶液をダルコ12×
20グレード活性炭と接触させ、流出させ、ヘキサ
ンを混合物から蒸発させた。被覆した活性炭
（240ｇ）を内径3.2cmの90cmカラムに装填した。
このカラム12％カフエイン溶液を供給した分別通
過曲線を次に示した。 99％脱カフエインに対して10ｇカフエイン供給 97％脱カフエインに対して13ｇカフエイン供給 95％脱カフエインに対して15ｇカフエイン供給 実施例 ３ ダルコ12×40活性炭を50％ラウリン酸および50
％メタノールの混合液中に浸漬し過剰の被覆溶液
を徐々に流化させ、温水で洗滌して残存するメタ
ノールを除去することにより被覆した。被覆した
活性炭20部を1.2％カフエインを含有するカフエ
イン水溶液100部に添加した。43℃で１時間後溶
液のカフエイン含量は51.5％に低下した。被覆せ
ずにカフエインはほぼ全部除去されるが炭素はコ
ーヒーまたは茶生成物の調製に使用するための必
要な選択性を有しない。 上記の説明は通常の当業者に本発明を実施出来
るように記載する目的のためである、書見中明白
となる本発明の明白な修正および変形のすべてを
詳述するものではない。しかしながらこれらの修
正および変形は特許請求範囲で定義した本発明の
範囲に包含されるものとする。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) カフエイン含有水溶液を水非混和性カフ
   エイン特異性液体溶媒の薄層で被覆したカフエ
   イン固体吸着剤と接触させ； (a) カフエインの少なくとも一部が水溶液から押
   出されカフエイン固体吸着剤によつて吸着され
   るのに十分な時間カフエイン含有水溶液をカフ
   エイン固体吸着剤と接触状態で維持し； (c) カフエイン固体吸着剤からカフエイン含有水
   溶液を分離する； 各工程からなることを特徴とするカフエイン含
   有水溶液の脱カフエイン改良方法。 ２ カフエイン含有水溶液がコーヒーまたは茶抽
   出物である特許請求範囲第１項記載の方法。 ３ カフエイン含有水溶液が生コーヒー抽出物で
   ある特許請求範囲第２項記載の方法。 ４ カフエイン含有水溶液がばい炒コーヒー抽出
   物である特許請求範囲第２項記載の方法。 ５ ばい炒コーヒーが揮発分をストリツプしてい
   る特許請求の範囲第４項記載の方法。 ６ 固体吸着剤を固定床に保持しそしてカフエイ
   ン含有水溶液を該固定床に通過させる特許請求範
   囲第１項記載の方法。 ７ 接触中の温度を25〜100℃の範囲内に維持す
   る特許請求範囲第６項記載の方法。 ８ カフエイン固体吸着剤が活性炭、クレー、水
   和ケイ酸塩、ゼオライト、イオン交換樹脂、非イ
   オン性吸着樹脂およびこれらの組合せからなる群
   から選択される特許請求範囲第１項記載の方法。 ９ カフエイン固体吸着剤が活性炭からなる特許
   請求範囲第８項記載の方法。 １０ 水非混和性カフエイン特異性液体溶媒が石
   油、脂肪酸、脂肪族アルコールおよびトリグリセ
   リドからなる群から選択された一種からなる特許
   請求範囲第１項記載の方法。