JPH0141182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばリレーブロツク内のブスバー
（またはそのタブ端子）とリレー、ヒユーズ等の
電子部品の接続端子との接続のように、板状の雄
端子同士を接続する中継用端子の改良に関する。

〔従来の技術〕

自動車の電気系統に用いるブレード型ヒユーズ
は、第７図に示す如く、一対の刃型端子１の上端
部を溶断部２で結合したＨ字形状のヒユーズ本体
３の頭部を絶縁体４で被覆した構成を有する。

また、リレーブロツク、ジヤンクシヨンブロツ
ク等の電気接続箱は、第８図に示す如く、回路網
を構成するブスバー５を絶縁基板６上に配設した
配線板７を複数枚重ねてケース８に収容し、リレ
ーホルダ９やヒユーズホルダ１０を設けた絶縁カ
バー１１を被せて成り、ブスバー５の要所要所に
上記リレー、ヒユーズなどの電子部品との接続お
よび分岐接続のためのタブ端子１２が設けられて
いる。

上記刃型端子１とタブ端子１２は共に板状の雄
端子であるから、中継用の雌端子が必要であり、
従来第９図ａ，ｂに示す如き雌、雌端子１３，１
４が知られていた（実公昭60−13190号）。

しかしながら、上記雌−雌端子１３，１４のよ
うな構造では、１：１の接続、すなわち１個のタ
ブ端子と１個の刃型端子しか接続することができ
ない。

ところが、上記配線板７のブスバー５には、ヒ
ユーズやリレー接続用以外にワイヤハーネス用コ
ネクタ結合等の接続のためのタブ端子が必要であ
るから、配線板上には多数のブスバーやタブ端子
が密集し、同一電流のブスバーの占める割合が増
え、回路構成が複雑化したり、その緩和のために
配線板を多層化しなければならない等の問題があ
つた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記の問題点に鑑み、複数の板状の
雄端子を同時に接続できる中継用端子を提供し、
以つて配線板の回路構成の簡素化を図ることを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕 図面を参照して本考案を説明すると、第１図乃
至第４図において、２０は薄板金製の基板部であ
り、その背面下端から湾曲部２１ａを介して上端
にのびる弾性板部２１が形成され、その上端縁は
外側に折曲されて挿入ガイド２１ｂとなつてい
る。

２３は弾性湾曲板部であつて、基板部前面にお
ける左右両側の側壁板部２２の先端自由縁をＵ字
状に湾曲２３ａさせて基板部２０側へ延設して形
成される。弾性湾曲板部２３の先端または側壁板
部２２側に直角に折曲されて、基板部２０と相対
する第１の弾性挾持板２４として形成されてい
る。この第１の弾性挾持板２４は更に側壁板部２
２と相対する折返し片２５を有する。

２６は第２の弾性挾持板であつて、両側の弾性
湾曲板部２３の中央下端縁から湾曲部２６ａを介
して上端縁にのび、対向する一対の弾性挾持板２
６が組みとなつている。

また、上記基板部２０の中央上端縁には、弾性
板部２１（または挿入ガイド２１ｂ）から遠ざか
るように延設された挿入ガイド２１b′が設けられ
ている。

〔作用〕

本考案の中継用端子は、３個の板状の雄端子を
同時に接続することができる。

第５図に示す如く、中継用端子の上からの雄端
子２７は基板部２０と弾性板部２１間に進入し、
弾性板部２１のバネ力により基板部２０側に押し
つけ、挾持される。下からの雄端子２８は基板部
２０と左右両側の第１の弾性挾持板部２４間に進
入し、弾性湾曲板部２３に支持された弾性挾持板
部２４のバネ力により同様に挾持される。また、
別の雄端子２９は、対向する第２の弾性挾持板部
２６，２６間に進入し挾持される。

第２の弾性挾持板部２６のバネ力は、主として
その湾曲部２６ａおよび支持母体である弾性湾曲
板部２３の湾曲部２３ａによつて得られる。雄端
子２７，２９の挿入は、挿入ガイド２１ｂ，２１
b′および第２の弾性挾持板部２６の下端部におけ
る湾曲部２６ａによつて円滑に行なわれる。ま
た、雄端子２８の挿入を容易にするため、第１の
弾性挾持板部２４の下端隅部には第５図に示す如
く、テーパ２４ａを設けるのが、好ましい。第２
の弾性挾持板部２６，２６間に雄端子を嵌挿する
際、両者は互に拡開するが、折返し片２５が側壁
板部２２に当接するので過度の撓みが防止され
る。

このように、本考案の中継用端子は１個で３個
の板状の雄端子を同時に接続できる。したがつ
て、第６図に示す如く、弾性板部２１の部分には
ブレード型ヒユーズの刃型端子１を、第１の弾性
挾持板部２４の部分にはブスバー５のタブ端子１
２を、また第２の弾性挾持板部２６の部分には図
示しない電気回路ユニツトの接続端子２９の接続
が可能となる。

その結果、例えば第６図の配線板７において、
ユニツト用雄端子２９の接続のためにブスバー５
Ａに新たなタブ端子を設けたり、別のブスバーを
配設する必要がなく、さらに上記の新たなタブ端
子と雄端子２９との接続のために第９図の如き専
用の雌−雌端子を使用する必要もなくなるから、
配線板の回路構成が簡素化され、部品点数も減少
する。

〔実施態様〕

第１図の中継用端子は本考案の代表例を示し、
銅、黄銅、ベリリウム−銅…等の薄板金から打
抜、折曲加工により一体的に形成される。

第２の弾性挾持板部２６の上端自由縁部は、第
１図のように拡開して挿入ガイド２６ｂとするこ
とにより、雄端子を上方から嵌挿することができ
る。この場合には弾性湾曲板部２３の上端縁を側
壁板部２２より低くした逃げ２３ｂを設けること
が好ましい。

また、弾性板部２１、第１（第２）の弾性挾持
板部２４，２６の表面には、打出加工等によりビ
ード（図示せず）を設け、雄端子との接触をより
強めることができる。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案の中継用端子は３個の板
状の雄端子を接続することができるので、配線板
の回路構成の簡素化および部品点数の減少（従来
の雌−雌端子）によつて製造コストを低減するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は夫々本考案の一例を示し、
斜視図（第１図）、正面図（第２図）、側面図（第
３図）と平面図（第４図）である。第５図は同上
の作用状態を示す断面図、第６図は同上の使用方
法を示す斜視図である。第７図は従来のブレード
型ヒユーズを示す斜視図、第８図は従来の電気接
続箱を示す分離した状態の斜視図、第９図ａ，ｂ
は夫々従来の中継用端子を示す斜視図である。 ２０……背板部、２１……弾性板部、２２……
側壁板部、２３……弾性湾曲板部、２４，２６…
…第１（第２）の弾性挾持板部、２１ｂ，２１
b′……挿入ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板部の背面下端から湾曲部を介して上端にの
   びる弾性板部と、基板部前面の左右両側壁板部の
   先端からＵ字状に湾曲して基板部側にのびる弾性
   湾曲板部と、この弾性湾曲板部の先端から側壁板
   部側に折曲されて基板部と相対してのび、先端に
   折返し片を有する第１の弾性挾持板と、前記弾性
   湾曲板部の中央下端縁から湾曲部を介して上端縁
   にのびる相対する第２の弾性挾持板とを備えると
   共に、前記弾性板部と基板部、前記基板部と第１
   の弾性挾持板および相対する第２の弾性挾持板が
   それぞれ組となつてその間に挿入される板状雄端
   子を弾性的に挾持することを特徴とする中継用端
   子。