JPH0140122B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、使い捨ておむつ、簡易おむつカバー
などの着用物品のウエスト部に取り付ける締結片
の製造方法に関する。

従来、この種の締結片は、その基材としてクラ
フト紙などを用い、これに離型剤および粘着剤を
塗布処理し、外端に非粘着摘持部を設けて構成し
てある。しかしながら、従来の締結片は、その基
材の性質上全体にわたつて剛性が比較的高く、そ
の離型剤および粘着剤を塗布した部位を除く一部
が着用者の肌に当接するような着用物品用として
は、肌を痛めたり不快感を与えたりするため、不
適当である。

したがつて、本発明は、一連の同一基材を用い
るにもかかわらず、離型部、粘着部および非粘着
摘持部の剛性を比較的高くする一方、着用者の肌
に当接するウエストバンド部を設けてこの部位の
剛性を比較的低くする、換言すれば、ウエストバ
ンド部を離型部、粘着部および非粘着摘持部に比
較して軟らかくすることができる締結片の製造方
法を提供することを目的とする。

以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明
する。

第１図において、締結片を取り付ける対象の一
例としての使い捨ておむつを示してある。このお
むつ本体１は、不織布などのトツプシート２、合
成樹脂フイルムなどのバツクシート３、該両シー
トの間に介在し粉砕バルブを主材とする吸収体４
およびサイドフラツプ５の縦方向に伸長下に取り
付けた弾性部材６からなる。吸収体４は、両側部
７を内方へ折曲した第１吸収部材８ａおよび該折
曲部よりも幅広く該部材の上面に積層した第２吸
収部材８ｂからなる。おむつ本体１の背側ウエス
ト部９の両側端には該両側端を前側ウエスト部１
０の両側端近傍に固着しておむつ本体１を組み立
てるための締結片１１を取り付けてある。

第２図に示すように、締結片１１は、基材の一
端部から他端部へウエストバンド部１２、離型部
１３、粘着部１４および非粘着摘持部１５を順次
設ける。

第３図において、締結片１１の基材である合成
樹脂フイルム１６および不織布状構造シート１７
を重ね合せ、この基材を加熱下に圧着処理すると
ともに離型部１３、粘着部１４および非粘着摘持
部１５にエンボス群１３ａ，１４ａ，１５ａを付
与したのち、離型部１３および粘着部１４には公
知の離型剤および粘着剤をそれぞれ塗布する。

合成樹脂フイルム１６の素材としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどを、不織布状構造シ
ート１７の素材としては、ポリエステル、ナイロ
ン、セルロースなどの繊維から不織布状に形成し
たものを用いる。これらフイルム１６およびシー
ト１７は、前記加熱圧着およびエンボス付与処理
により、ウエストバンド部１２においては、それ
ぞれの層形態を維持して複合一体化しており、一
方、離型部１３、粘着部１４および非粘着摘持部
１５においては、溶融したフイルム１６がシート
１７の繊維間に侵入して実質的にそれぞれの層形
態を失つて単一層形態になつて複合一体化してい
る。こうした複合一体化を高めるには、フイルム
１６として低温溶融性を有するもの、シート１７
として高温溶融性を有するものを用いることが好
ましい。

締結片１１の基材としては、前述の二層からな
るもののほか、第４図に示すように、両合成樹脂
フイルム１６の間に不織布状構造シート１７を介
在させてなるもの、第５図に示すように、合成樹
脂フイルム１６と不織布状構造シート１７を重ね
合せ、さらに、離型部１３、粘着部１４および非
粘着摘持部１５を設ける長さにその重ね合せたも
のの一部を折曲して重ね合せものを用いてもよ
い。こうすると、離型部１３、粘着部１４および
非粘着摘持部１５の剛性をさらに高くすることが
できる。

締結片１１の全体の長さは60〜120mm、幅は20
〜100mm、ウエストバンド部１２の長さは30〜70
mmにすることが好ましい。

本発明の製造方法によれば、締結片の基材とし
て合成樹脂フイルムおよび不織布状構造シートを
用い、これらを重ね合せた状態でウエストバンド
部が合成樹脂フイルムおよび不織布状構造シート
のそれぞれの層形態を維持する一方、離型部、粘
着部および非粘着摘持部が実質的に前記フイルム
およびシートのそれぞれの層形態を失つて単一層
になるように、加熱下に圧着処理して複合一体化
するから、ウエストバンド部の剛性が相対的に低
く、離型部、粘着部および非粘着摘持部の剛性が
相対的に高くなる締結片をその一連の同一基材か
ら製造することができる。しかも、前記合成樹脂
フイルムとして低温溶融性を有するものを、前記
不織布構造シートとして高温溶融性を有するもの
を用いるから、溶融させた該フイルムフを該シー
トの繊維間に侵入させてこれらを実質的に単一層
になるように容易に複合一体化することができ
る。

本発明の製造方法でえられた締結片は、ウエス
トバンド部の剛性が離型部、粘着部および非粘着
摘持部の剛性に比較して低い、すなわち、ウエス
トバンド部が離型部、粘着部および非粘着摘持部
よりも軟らかいから、このウエストバンド部が着
用者の肌に当接しても肌を痛めたり不快感を与え
たりすることがない。一方、離型部、粘着部およ
び非粘着摘持部はウエストバンド部よりも剛性が
高いから、非粘着摘持部を摘持して粘着部を離型
部に仮着するときや、着用物品の所定部位、たと
えば、使い捨ておむつの前側ウエスト部を両側端
近傍に固着するときに操作が容易であるとともに
安定的に固着することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法でえられた締結片を
用いた使い捨ておむつの一部切欠展開平面図、第
２図は締結片の平面図、第３図は締結片の長さ方
向に沿う断面図、第４図および第５図は他の実施
例の締結片の基材の長さ方向に沿う断面図。 １１：締結片、１２：ウエストバンド部、１
３：離型部、１４：粘着部、１５：非粘着摘持
部、１６：合成樹脂フイルム、１７：不織布構造
シート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基材の一端部から他端部へウエストバンド
   部、離型部、粘着部および非粘着摘持部を順次設
   けてなる締結片の製造方法において、前記基材と
   して低温溶融性を有する合成樹脂フイルムおよび
   高温溶融性を有する不織布状構造シートを用い、
   これらを重ね合せた状態で、前記ウエストバンド
   部が前記フイルムおよびシートのそれぞれの層形
   態を維持する一方、前記離型部、粘着部および非
   粘着摘持部が実質的に前記フイルムおよびシート
   のそれぞれの層形態を失つて単一層になるととも
   に、前記ウエストバンド部の剛性が相対的に低
   く、前記離型部、粘着部および非粘着摘持部の剛
   性が相対的に高くなるように、加熱下に圧着処理
   して複合一体化し、前記離型部および粘着部に離
   型剤および粘着剤をそれぞれ塗布処理したのち、
   前記離型部と前記粘着部との境界線上を折曲して
   両者を仮着することを特徴とする前記製造方法。