JPH0140108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は密閉されたガス室と絶縁兼消弧媒体中
の気体状不純物用として当該ガス室内に設けられ
たろ過装置とを有し、しや断動作中この絶縁兼消
弧媒体が、導電支持片に固定的に設けられた少な
くとも１個の中空状の接触子の中を通つて流れる
ガス吹付しや断器に関する。

この種の公知のしや断器においては、導電支持
片が中空円錐体によつて形成されており、この中
空円錐体にはしや断ガスが通つて流れ、かつこの
中空円錐体は密閉されたガス室を区画するしや断
室の端面壁に取付けられている。しや断器のガス
室には気体状不純物を吸収するガス吸着装置が設
けられているが、この不純物はしや断過程中に発
生し、また避けられないガス室壁の漏れのために
ガス室へ侵入し、それによつて絶縁兼消弧媒体と
くに六ふつ化硫黄の特性を損なうものである。

本考案の目的は、前記の様式のガス吹付しや断
器に対し、しや断ガス流のすぐ近傍にガス吸着装
置が設けられており、ガス吸着装置がしや断ガス
流を妨げることなく、また高温のしや断ガスがガ
ス吸着装置に直接には作用するおそれのないよう
なコンパクトな構成を提供することである。

本考案によればこの目的は次のようにすること
により解決される。すなわち密閉されたガス室内
にしや断間隙をおいて対向配置された一対の固定
接触子と、該固定接触子の外周と摺動接触し接離
する可動接触子と、該可動接触子の外周に同軸に
配された可動シリンダとからなり、該可動接触子
と可動シリンダが軸方向の駆動により固定接触子
間に絶縁消弧媒体を吹付ける吹付装置を構成し、
かつ絶縁兼消弧媒体中の気体状不純物用としてガ
ス室内にガス吸着装置を有するものであつて、し
や断動作中にこの絶縁兼消弧媒体が導電支持片に
固定的に設けられた少なくとも１個の中空状の固
定接触子の中を通つて流れるガス吹付しや断器に
おいて、固定接触子３，４の軸線に延在する軸線
１４に平行で、かつガス流路となる間隔をおいて
設けられた前記軸線１４から遠い方の側に開口１
６と内部空間１５を有する複数の中空成形片８ａ
から支持片８が形成されており、該中空成形片８
ａの夫々の一方端がガス室１を密閉するしや断室
２の端板９ａに支持されており、他方端が前記固
定接触子３からのガス排出口となる前記夫々の中
空成形片８ａ間の間隔部に位置する開口１６ｃと
中空成形片８ａの内部空間１５に連通する開口１
６ｂを設けられた中空成形片８ａからなる支持片
８の壁面を構成する端面８ｂに固定され、この中
空成形片８ａの内部空間１５が前記絶縁兼消弧媒
体中の気体状不純物を吸収する吸着材を設置する
袋状部を形成し、かつ支持片８を構成する複数の
中空成形片８ａの外周が夫々開口１６と連通する
複数の開口１６ａを設けた円筒状のスリーブ１８
で覆われ、しや断時の絶縁兼消弧媒体の固定子接
触子３からのガス流を前記支持体８を構成してい
る複数の中空成形片８ａ間の間隔部から前記端面
８ｂの開口１６ｃへ導くそらせ板１７が軸線１４
上に中空成形片８ａにより支持され、前記中空成
形片８ａの内部空間１５に連通する端面８ｂの開
口１６ｂあるいは中空成形片８ａの開口１６を前
記開口１６ｃから排出された絶縁兼消弧媒体中の
気体状不純物を導入する導入口としたこととす
る。

中空成形片の開口は、前記のように固定接触子
の軸線から遠い方の側に設けてあるので、中空成
形片の内部に設けられたガス吸着材は、中空の固
定接触子から流出してくるしや断ガス流に直接に
はさらされない。中空成形片は互いに間隔をおい
て設けられているから、中空の固定接触子を通つ
て支持片へ導かれるしや断ガス流は大むね妨げら
れることなくすすむ。

比較的小さい密閉されたガス室で唯一つのしや
断室しか備えていないガス吹付しや断器の好まし
い構成例においては、支持片が、破断ダイヤフラ
ムにより密閉されておりかつ許容できない超過圧
力になるとガス室を解放する放出開口のフランジ
に取付けられている。中空の固定接触子を通つて
放出される高温のしや断ガスから破断ダイヤフラ
ムを保護するために、ガス流を導くそらせ板を中
空成形片が備えることができ、このそらせ板はガ
ス流を破断ダイヤフラムからそらせるのに役立
つ。中空成形片はＵ字状の断面を有し、あるいは
断面をＣ字状に構成することができる。これらの
中空片によつて形成されるガス吸着材用の袋状部
は、個々のガス吸着素子から構成されるガス吸着
装置を保護しや蔽物と同じように内蔵しており、
かつ開口側にガス透過性被覆を備えることができ
る。すべての成形片開口に共通なガス透過性被覆
スリーブを設けることも可能である。被覆スリー
ブならびに被覆を備えることにより、ガス透過性
の包装材に詰めて袋状部に収納することのできる
微粒子のろ過材の使用が可能になる。他の構成例
においては、中空成形片が、外周側に設けられた
円形開口として備えた偏平成形管から構成されて
いる。すべての中空成形片は、共通の取付フラン
ジと支持片の固定接触子支持端面とを介して１つ
の構成単位にまとめることができる。鋳造法で支
持片を一体部品に製作することもできる。

本考案によるガス吹付しや断器とその動作とを
図面により以下に説明する。

第１図の実施例に縦断面図を示されているガス
吹付しや断器は吹付ピストンしや断器であるが、
ここには支持がいしや大地電位に接続された駆動
装置のような本考案の理解に必要でない部材は示
していない。絶縁材料製の円筒形のしや断室２の
内部１には、消弧兼絶縁媒体としての六ふつ化硫
黄がたとえば5barの圧力を加えて満たされてい
る。このしや断器は、大気に対して密閉されたガ
ス室を備え、かつ２個の固定接触子３，４と可動
接触子５とから成る接触装置を備えており、ピス
トン６と可動シリンダ７とから成る消弧ガス流発
生用吹付装置がこの接触装置に付属している。固
定接触子３および４はしや断ガスを排出するため
中空状に構成されており、固定接触子の外周を橋
絡するように配された一端が連結桿１９を介して
図示しない駆動装置に連結された円筒状の可動接
触子５が摺動自在に設けられ、かつ可動接触子５
にはその外周に可動シリンダ７が一体化されてい
る。また可動接触子５の外周および可動シリンダ
７の内壁の摺動可能な前記ピストン６は支持ロツ
ド２０を介してフランジ２１に固定されている。
この構成においてしや断器にしや断指令が与えら
れると図示しない駆動装置により連結桿１９を介
して可動接触子５および可動シリンダ７は図の右
方向に駆動される。可動接触子５が固定接触子３
を離れるとアーク放電が発生し、開離がすすむと
固定接触子３と４にアークが橋絡する。そして可
動接触子５と同時に駆動された可動シリンダによ
つて高められたガス圧に基づく消弧兼絶縁媒体の
しや断ガスが固定接触子３，４内にアークを吹き
込みアークをしや断する。

第１図には、固定接触子の軸線１４の上側には
固定接触子３と４とが可動接触子５により導通さ
れているしや断器が投入状態にある場合を、軸線
の下側には固定接触子３と４とがしや断されてい
るしや断状態にある場合を同一図面上に別々に図
示してある。中空の固定接触子３は、中空成形片
８ａから構成されている支持片８の端面に沿つて
後述の開口１６ｂ，１６ｃが設けられた端板８ｂ
を介してねじＢにてねじ締めされ取付けられてお
り、この支持片８は導電材料製であり、かつ端板
９ａに他方の端面が結合されている。支持片８は
図から明らかなように前記端板９ａをしや断室を
区画している端面壁９ｂを介してフランジ部分１
０にねじＢにてねじ締めされており、このフラン
ジ部分の開口１１は破断ダイヤフラム１２によつ
てしや断器の運転に適合するガス圧を保持する様
式で密閉されている。しや断室２の内部１に許容
できないような高い超過圧力が生ずると破断ダイ
ヤフラム１２は破壊し開口１１を開放する。開口
を通つて漏出する高温のしや断ガスは保護カバー
１３により大気へ導かれる。第２図の第１図の断
面−₁で破断ダイヤフラム１２側から中空成
形片８ａをねじＢで取り付けている端板８ｂ側を
見た円筒形のしや断室２の壁面を除いた断面図に
示されるように、支持片８は、接触子軸線１４に
対して平行でかつ互いに間隔をいて設けられしか
も中空成形片８ａは開口１６にて開放されてい
る。内部空間１５はガス吸着材を設置する袋状部
を形成し、このガス吸着材は絶縁兼消弧媒体のガ
ス状の不純物を吸収するように意図されたもので
ある。但し、図面には前記ガス吸着材の図示は省
略してある。中空成形片８ａの開口１６は、固定
接触子の軸線１４から遠い方の側に設けられてい
る。中空成形片８ａは、接触子３を通るガス流が
破断ダイヤフラムに直接当らないようにするため
のそらせ板１７を備えている。それによつて破断
ダイヤフラムは高温のしや断ガスの荷重を受ける
ことはない。

図面に示された実施例においては中空成形片８
ａは、外周側に設けられた複数の円形開口を開口
１６として備えた偏平成形管から形成されてい
る。この実施例では、中空成形片８ａの外周を覆
う円筒状のスリーブ１８で囲まれており、前記中
空成形片８ａの開口１６と連通するように前記開
口１６に対応して開口１６ａを設けてある。また
端面８ｂには中空成形片８ａの内部空間１５の端
面部、および中空成形片８ａ間の間隔部に位置す
るように円周状に開口１６ｂおよび１６ｃが分置
されており、開口１６ｃは中空の固定接触子から
放出されるしや断ガスが中空成形片間の間隔を通
り、固定接触子３側のガス室空間へ排出する開口
部であり、前記開口１６ａおよび開口１６ｂは前
記排出したしや断ガス中の気体状不純物を吸収す
るためのガス導入口である。

第１図、第２図にしや断時のしや断ガス流の経
路を矢印で図示した。固定接触子３の中空部に放
出されたしや断ガスの流れＥは固定接触子３の軸
線１４の延長部である支持体８の中心を通り中空
成形片８ａの外壁に沿つて、破断ダイヤフラム１
２の方向に流れる。そらせ板１７は、しや断ガス
の流れを支持体８の半径方向に、それぞれ中空成
形片８ａの間を通り放射状に分流し、偏向する。
その後しや断ガスは対流しながら端板８ｂの開口
１６ｃを通り固定接触子３を取巻くガス室１の空
間部に移行し端板８ｂの周辺に対流する。前記の
空間部に達したしや断ガスの気体状不純物の流れ
Ｇは、対流しながら前記端板８ｂの中空成形片８
ａの内部空間１５に連通する開口１６ｂと、円筒
状スリーブ１８に設けられている開口１６ａを通
り、中空成形片８ａの開口１６を介して中空成形
片８ａの内部空間１５に設置されているガス吸着
材に接触し、前記しや断ガスの気体状の不純物を
清浄化させる。

図面に示された実施例においては中空成形片８
ａは、外周側に設けられた複数の円形開口を開口
１６として備えた偏平成形管から形成されてい
る。しかし偏平成形管の代わりに支持片の断面を
Ｕ字状にするかあるいはＣ字状に構成することも
可能である。この場合、図面の実施例の開口１６
が部分的に設けられているが、前記の断面がＵ字
状あるいはＣ字状の中空成形片は全長に亘つて開
口部があるので、中空成形の空間部に設置される
ガス吸着材が前記開口部からの脱落、あるいは飛
散を防止するために、ガス吸着材がしや断時の気
体状不純物を吸収するのを阻害しないガス透過性
の被覆で開口部に備えることが有利である。

さらに支持片を構成する、すべての中空成形品
の前記開口を共通に覆うガス透過性被スリーブを
設けることも可能である。別の実施例は、ガス透
過性容器にガス吸着材を詰めてこの容器を中空成
形片８ａの内部空間１５へ入れることである。

このように、ガス吸着材はしや断時の高温のし
や断ガスの直接の流れから保護されており、しや
断ガスの熱により分解されたり、しや断室２内に
飛散することがなく、長期間にわたつてその性能
を維持することができる。

また、本考案のようにしや断ガスの気体状不純
物を吸収するガス吸着材を、中空成形片８ａから
なる支持片８を固定接触子３としや断室２の端面
壁９ｂとの間のしや断間隙の近くに設置して収納
する構成としたことにより、ガス吸着材を収納す
るためのガス吸着装置を設置するためにしや断室
２内に特別の空間部を設ける構造とすることな
く、導電支持片の周辺部の空間部を有効利用し
た、かつしや断ガスの流れを阻害することのな
い、コンパクトな構成とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるガスしや断器の縦断面図
であり軸線より上半分はしや断器が投入状態を、
下半分はしや断状態を示す。第２図は支持片の横
断面図である。 １……ガス室、３……接触子、８……支持片、
８ａ……中空成形片、１０……フランジ、１１…
…放出開口、１２……破断ダイヤフラム、１４…
…接触子軸線、１５……袋状部、１６……開口、
１７……そらせ板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 密閉されたガス室内にしや断間隙をおいて対
   向配置された一対の固定接触子と、該固定接触
   子の外周と摺動接触し接離する可動接触子と、
   該可動接触子の外周に同軸に配された可動シリ
   ンダとからなり、該可動接触子と可動シリンダ
   が軸方向の駆動により前記固定接触子間に絶縁
   消弧媒体を吹付ける吹付装置を構成し、かつ絶
   縁兼消弧媒体中の気体状不純物用としてガス室
   内にガス吸着装置を有するものであつて、しや
   断動作中にこの絶縁兼消弧媒体が導電支持片に
   固定的に設けられた少なくとも１個の中空状の
   固定接触子の中を通つて流れるガス吹付しや断
   器において、固定接触子３，４の軸線に延在す
   る軸線１４に平行で、かつガス流路となる間隔
   をおいて設けられた前記軸線１４から遠い方の
   側に開口１６と内部空間１５を有する複数の中
   空成形片８ａから支持片８が形成されており、
   該中空成形片８ａの夫々の一方端がガス室１を
   密閉するしや断室２の端板９ａに支持されてお
   り、他方端が前記固定接触子３からのガス排出
   口となる前記夫々の中空成形片８ａ間の間隔部
   に位置する開口１６ｃと中空成形片８ａの内部
   空間１５に連通する開口１６ｂを設けられた中
   空成形片８ａからなる支持片８の壁面を構成す
   る端面８ｂに固定され、この中空成形片８ａの
   内部空間１５が前記絶縁兼消弧媒体中の気体状
   不純物を吸収する吸着材を設置する袋状部を形
   成し、かつ支持片８を構成する複数の中空成形
   片８ａの外周が夫々開口１６と連通する複数の
   開口１６ａを設けた円筒状のスリーブ１８で覆
   われ、しや断時の絶縁兼消弧媒体の固定接触子
   ３からのガス流を前記支持体８を構成している
   複数の中空成形片８ａ間の間隔部から前記端面
   ８ｂの開口１６ｃへ導くそらせ板１７が軸線１
   ４上に中空成形片８ａにより支持され、前記中
   空成形片８ａの内部空間１５に連通する端面８
   ｂの開口１６ｂあるいは中空成形片８ａの開口
   １６を前記開口１６ｃから排出された絶縁兼消
   弧媒体中の気体状不純物を導入する導入口とし
   たことを特徴とするガス吹付しや断器。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のものに
   おいて、円筒状のスリーブ１８で囲まれた中空
   成形片８ａからなる支持片８が、破断ダイヤフ
   ラム１２によつて密閉されており、かつ許容で
   きない超過圧力になるとガス室１を解放する開
   口１１を有するフランジ１０に取付けられてい
   ることを特徴とするガス吹付しや断器。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のもの
   において、中空成形片８ａの開口１６がガス透
   過性の被覆を備えていることを特徴とするガス
   吹付しや断器。