JPH0139408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、VVF（ビニル絶縁ビニルシース平
形ケーブル）のプレ分岐配線方式に使用される
VVFのプレ分岐接続器に関するものである。

(ロ) 従来技術とこの考案が解決しようとする問題
点 VVFのプレ分岐方式の屋内配線は、マンシヨ
ン等の規格された間取に採用されており、これに
使用するプレ分岐接続器を第１図に基づいて説明
する。

第１図に示すように、屋外等から電力を導く入
力線１と、複数の出力線２，２…は、同じ方向か
ら導かれてスリーブ３，３により圧縮接続されて
いる。なお、ここで４はスイツチ回路の接続部で
ある。上記入力線１、出力線２…は、一端が開放
されたプレ分岐接続器本体５にスリーブ３，４を
挿入して反応硬化性樹脂混和物６によつて固定さ
れている。

このプレ分岐接続器は、入力線と出力線が同
じ方向から挿入されているため、それらを区別し
にくい、入力線と出力線をたこ足配線するた
め、結線が複雑になる、増設時等の分岐が考慮
されていない、１箇所から全ての部屋及び給電
部へ出力線が配線されているため、ケーブルの総
条長が長くなり無駄が多い、などの欠点を有し、
各々異なる建築構造であつたり、部屋数、電気配
線の増設変更があつたりする規格外のマンシヨン
や一戸建住宅に適用することは問題があつた。

この考案は、以上の問題を解決するもので、そ
の目的とするところは、プレ分岐方式の配線を
種々異なる構造の建物や部屋数、電気配線に増設
変更のある建物に適用できるVVFのプレ分岐接
続器を提供することにある。

(ハ) 問題点を解決するための手段 この考案は、一端が開口し他端に接続スリーブ
挿入孔を設けた有底筒状の保護ケースと、接続ス
リーブ挿入孔に貫通させた接続スリーブと、この
接続スリーブに保護ケース内で接続し導出させた
複数の出力線と、接続スリーブが保護ケースから
貫出している端に接続した入力線と、この接続部
を覆い且つ保護ケースに凹凸係止手段を介して着
脱自在に被冠する保護カバーとからなり、反応硬
化性樹脂混和物を、上記保護ケース内に充填し、
上記保護カバーには充填せず、かつ、上記複数の
出力線の一つを他に比べ導体径を太くした構成と
したのである。

このように構成されるプレ分岐接続器は、従来
と同様にして屋内配線に使用するが、入力線と出
力線が両側に分離されているため、作業がし易
い。

また、部屋の増設等により、出力線の増加が必
要となれば、同一構成のプレ分岐接続器の保護カ
バーを外して、その入力線を接続スリーブから外
し、その外した接続スリーブに、既に配線されて
いるプレ分岐接続器の太い出力線を接続する。こ
れにより、出力線の増加が図られ、新たに入力線
となつた出力線は導体を太くしているため、容量
的には支障がない。この出力線の接続は、保護カ
バーが、凹凸係止手段により着脱自在であるた
め、容易に取外すことができ、かつ、保護カバー
内は、反応硬化性樹脂混和物が充填されていない
ため、可能である。

一方、保護ケース内は、反応性樹脂混和物を充
填しているため、複数の出力線が出ていてもそれ
らが固定され、絶縁性に支障がなく、接続不良も
生じない。

(ニ) 実施例 第２図及び第３図に示すように、有底筒状の保
護ケース１０には、開口部１１の他端に第１接続
スリーブ１２の挿入孔１３，１３が設けてあり、
この接続スリーブ挿入孔１３に第１接続スリーブ
１２が貫通してその片端は保護ケース１０の内部
に突出し、他端は保護ケース１０の外側に貫出し
ている。保護ケース１０内に突出している第１接
続スリーブ１２の端には端末の絶縁体を剥ぎ取つ
た出力線１４の導体が複数本挿入され、第１接続
スリーブ１２内に挿入できない出力線１４の導体
は第１接続スリーブ１２と第２接続スリーブ１５
との間に挿入して圧着または圧縮等により接続さ
れ、それらの出力線１４…は保護ケース１０外に
導出される。なお、１６はスイツチ回路の接続部
である。また、１４′は他の出力線１４…より導
体径を大にして許容電流を大きくした出力線で、
この出力線１４′の先端には更に分岐接続器を設
け、増築・増設の場合に備えている。

保護ケース１０の外側に貫出した第１接続スリ
ーブ１２には、入力線１７の端部絶縁体を剥取つ
て露出した導体が接続されており、導体露出部に
は絶縁スリーブ１８が被せられ絶縁処理されてい
る。この第１接続スリーブ１２と入力線１７との
接続部を覆う保護カバー１９は、保護ケース１０
の段部２０に被冠される。なお、２１と２２は保
護カバー１９を保護ケース１０の段部２０に被冠
固定させるための突起とその係合孔であり、この
突起２１と係合孔２２の凹凸係止により、保護カ
バー１９は保護ケース１０に確実に取付け得て、
絶縁性を維持する。

２３はこの考案の分岐接続器を壁などに取付け
るための平板状の固定部で取付孔２４が穿設され
ている。２５は入力線１７の保持部で、保持部の
内側寸法は入力線１７の外形寸法より僅かに小さ
くして保護カバー１９の弾性によつて密接保持さ
れるようにしている。２６は接続スリーブの保持
部でその内側寸法は接続スリーブの外形寸法より
僅かに小さくして保護ケース１０の弾性により密
接保持されるようにしている。２７は保護ケース
１０内に充填された反応硬化性樹脂混和物で例え
ばエポキシ樹脂混和物などが用いられる。

上記出力線１４，１４′を全て第１スリーブ１
２に固着できる場合は、第２スリーブ１５を省く
ことができる。また、保護ケース１０と保護カバ
ー１９は図示の形状に限定されない。

上記のごとく構成される実施例は、従来と同様
にして屋内配線に使用する。このとき、入力線１
７と出力線１４，１４′が両側に分離されている
ため、作業がし易い。

部屋の増設等により、出力線の増加が必要とな
れば、実施例と同一構成のものの保護カバー１９
を外して、その入力線１７を接続スリーブ１２か
ら外し、その外した接続スリーブ１２に、既に配
線されているプレ分岐接続器の太い出力線１４′
を接続して、出力線１４の増加を図る。この接続
は分岐配線であるため、出力線１４の増加に限ら
ず、種々の分岐配線に採用できる。すなわち、１
箇所から全ての部屋及び給電部へ配線するのでは
なく、適宜個所で分岐し、その分岐個所に実施例
のものを採用する。

(ホ) 効果 この考案は、以上のように構成し、入力線と出
力線とを反対側から導いているから、それらの区
別を容易に行なえ、配線作業に手間取らないと共
に、たこ足配線とならず、入力線と出力線の結合
が容易となる。

また、出力線に導体の太いものを入れ、かつ、
保護カバーを着脱可能としたので、出力線の増加
及び分岐にも容易に対応できる。従つて、部屋の
増設や、コンセント、電燈等の増設や、位置変更
にも対拠できるから、規格外のマンシヨンや一戸
建住宅にも利用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図はこの考
案の一例を示す断面図、第３図は第２図の一部切
欠斜視図である。 １０……保護ケース、１２，１５……接続スリ
ーブ、１３……接続スリーブ挿入孔、１４，１
４′……出力線、１７……入力線、１９……保護
カバー、２７……反応硬化性樹脂混和物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が開口し他端に接続スリーブ挿入孔１３を
   設けた有底筒状の保護ケース１０と、接続スリー
   ブ挿入孔１３に貫通させた接続スリーブ１２と、
   この接続スリーブ１２に保護ケース１０内で接続
   し導出させた複数の出力線１４，１４′と、接続
   スリーブ１２が保護ケース１０から貫出している
   端に接続した入力線１７と、この接続部を覆い且
   つ保護ケース１０に凹凸係止手段を介して着脱自
   在に被冠する保護カバー１９とからなり、反応硬
   化性樹脂混和物２７を、上記保護ケース１０内に
   充填し、上記保護カバー１９には充填せず、か
   つ、上記複数の出力線の一つ１４′を他に比べ導
   体径を太くしたことを特徴とするVVFのプレ分
   岐接続器。