JPH0139352B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は版盤固定装置を有する版胴であつて、
版盤の両端部が支持面上に載設されており、この
支持面が、該支持面と胴周面との交点における接
線に対して45゜よりも小さな角度で傾斜しており、
また前記の版盤の両端部が、該版盤の切欠き内に
係合すべき突起によつて摺動しないように確保さ
れておりかつ前記支持面上のカバー部によつて保
持されている形式のものに関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第2133890号明
細書に基づいて公知の上記形式の版胴には面取り
部分が設けられており、この面取り部分の両方の
縁範囲がそれぞれ版盤の端範囲のための支持面を
形成している。この支持面上に位置する版盤の端
範囲を引き離しから保護するために前記面取り部
分上にはカバー部が装着可能となつている。この
カバー部の中央には、胴軸線に対して平行に延び
る円筒状の緊締部材が配設されており、この緊締
部材が版盤の一方端部に作用している。このカバ
ー部の外面は版盤を張られた版胴の外周よりもへ
こんだ位置にある。

この公知構造は特にその緊締部材の配設によつ
て相対的に大きなスペースを必要とするものであ
る。巻取り紙印刷機にこのような版胴を用いた場
合、比較的に大きな印刷なし区分が生じ紙の浪費
度が高くなつてしまう。またカバー部の外面がへ
こんでいることによつて、版胴が隣接した胴又は
ローラの所を通過する際に不都合な衝突が生じ、
それによつてずれ防止リングや支承部材を損傷す
ることがある。特に２枚以上の版盤を隣接して保
持している幅広な版胴においては、前記の衝突に
よつて、印刷質を悪化させる胴振動なども生ぜし
められてしまう。この不利点は周方向で２枚以上
の版盤を保持している版胴の場合には、その胴回
転１回ごとにより多くの回数の衝突が生じ胴振動
をもたらすので一層強く現われる。

本発明の課題は、構造の簡単な版盤固定装置を
有する、新聞及び雑誌印刷のための枚葉紙オフセ
ツト印刷機用の版胴において、胴のへこみ部分の
通過によつて特にゴム胴に生ぜしめられる衝突及
び、版盤固定部材を受容するための胴の幅広な孔
による紙浪費などが回避され得るものを提供する
ことである。

上記の課題は本発明によれば、各支持面の幅が
印刷物のすみ余白部分と同じに設定されており、
カバー条片の外面がインキをはじく浸水性の表面
を有しており、更にこのカバー条片の外面が、取
り付けられた版盤の外面の曲率半径に相応する曲
率半径で曲げ形成されており、それによつてこの
カバー条片から成るカバー部が、印刷を行なう版
胴を補つて１つの完全な円筒体を形成しているこ
とによつて解決された。

本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２
項乃至第４項に記載したとうりである。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図示の実施例では全体を符号１で示した版胴内
に全体を符号２で示した版盤固定装置が装着され
ている。版盤固定装置２は２つの支持面３，４を
有しており、この支持面３，４は、該支持面と版
胴１の周面との交点における接線に対してそれぞ
れ45゜以下の角度αを以つて傾斜して配置されて
いる。この両支持面３，４はその間に、可能な限
り大きく設定されるべき鈍角を形成している。各
支持面３，４からは例えばピン状部材である突起
５，６が突出しており、この突起５，６は版盤７
が取り付けられた時にそれを正確に位置固定する
ための該版盤の切欠き内に係合する。２つの支持
面の間の接触線と版胴１の外周面との間の各支持
面３，４の幅は、印刷物のへり余白部分と同一寸
法に設定されている。従つて新聞及び雑誌の印刷
時には、巻き紙から走出して来る印刷用の紙が最
良に活用され得る。

支持面３，４のそれぞれにカバー条片８，９が
配属されており、この２つのカバー条片が協働し
て版盤固定装置２のための外部に対するカバー部
を形成している。このカバー部を版胴１に固定す
るために各カバー条片８，９が保持付加部１０，
１１を有し、この保持付加部１０，１１はそれぞ
れ固定装置２のスリツト１２，１３内に差し入れ
られる。この保持付加部１０，１１は歯部１４，
１５を保持し、この歯部１４，１５は押圧部材１
６，１７の、同形に形成された歯部とかみ合つて
いる。この場合押圧部材１６，１７は、版盤固定
装置２の不動部分に支持されており、また該押圧
部材１６，１７を保持付加部１０，１１の歯部１
４，１５に押しつけている圧縮ばね１８，１９の
作用下にある。これによつてカバー条片８，９は
押しボタン形式で版胴１に固定されることにな
る。しかし本発明によればこのカバー条片のため
の保持部材として、例えば当該のカバー条片を所
望の位置に保持するマグネツトが用いられてもよ
い。更にカバー条片８，９は切欠き２２，２３を
有し、版盤が固定される時に突起５，６がこの切
欠き２２，２３内に突入する。

カバー条片８，９の各外面２０，２１は、取り
付けられた時の版盤７の外面の曲率半径に相応す
る曲率半径を以つて曲げ形成されている。従つて
このカバー条片８，９が印刷を行なう版胴を補つ
て１つの完全な円筒を形成することになる。更に
カバー条片８，９の各外面が、インキをはじく浸
水性の外面を有している。これは例えば、鋼製の
カバー条片８，９の外面を粒面状に形成すること
によつて可能となる。この手段によつて、インキ
付けローラに沿つて版胴が回転する時にカバー条
片８，９の範囲にはインキがつかず、従つて印刷
物のへり余白部分が汚されずに済む。また版盤７
を張られた版胴１が完全な円筒として形成されて
いることによつて、従来のように版胴１の外面内
に凹部ができて該版胴の回転時に例えば隣接した
ゴム胴にこの凹部が衝突したり、更にそれ自体長
めの版胴においては延いては振動が生じてしまう
ということはなくなる。

本発明の主旨にとつては、カバー部が２つの分
離したカバー条片８，９から成つている必要は必
ずしもない。周面に沿つて唯１つの版盤を張られ
た版胴においては前記の両カバー条片８，９が１
つの部材にまとめられていてもよい。しかし版盤
を取付ける際の取り扱いにおいても、このカバー
部は２部分に形成されていた方がいずれにせよ有
利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
版胴の版盤固定装置の断面図である。 １……版胴、２……版盤固定装置、３，４……
支持面、５，６……突起、７……版盤、８，９…
…カバー条片、１０，１１……保持付加部、１
２，１３……スリツト、１４，１５……歯部、１
６，１７……押圧部材、１８，１９……圧縮ば
ね、２０，２１……外面、２２，２３……切欠
き。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 版盤固定装置を有する版胴であつて、版盤の
   両端部が支持面上に載設されており、この支持面
   が、該支持面と胴周面との交点における接線に対
   して45゜よりも小さな角度で傾斜しており、また
   前記の版盤の両端部が、該版盤の切欠き内に係合
   すべき突起によつて摺動しないように確保されて
   おりかつ前記支持面上のカバー部によつて保持さ
   れている形式のものにおいて、新聞紙や雑誌など
   の印刷用のオフセツト巻取り紙印刷機に版胴を使
   用するために、各支持面３，４の幅が印刷物のす
   み余白部分と同じに設定されており、カバー条片
   ８，９の外面２０，２１がインキをはじく浸水性
   の表面を有しており、更にこのカバー条片８，９
   の外面２０，２１が、取り付けられた版盤７の外
   面の曲率半径に相応する曲率半径で曲げ形成され
   ており、それによつてこのカバー条片８，９から
   成るカバー部が、印刷を行なう版胴１を補つて１
   つの完全な円筒体を形成していることを特徴とす
   る、版盤固定装置を有する版胴。 ２ 互いに突き合わせになつている両方の支持面
   ３，４が相互に鈍角を以つて傾斜している、特許
   請求の範囲第１項記載の版胴。 ３ カバー部が、版盤７の各端部を固定するため
   の２つのカバー条片８，９から成つている、特許
   請求の範囲第１項記載の版胴。 ４ 鋼製のカバー部８，９の表面が粒面状に形成
   されている、特許請求の範囲第１項記載の版胴。