JPH0138864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、電線接続用の端子を絶縁保護する端
子カバーに関するものである。

〔考案の背景〕

従来のこの種の端子カバーの一種としては、例
えば第７図及び第８図に示すようなものがある。
この端子カバー１は非導電性ゴムからなり、かつ
略Ｌ字状に形成されているものであつて、その端
子カバー１の垂直部１ａには電線２を挿通するた
めの透孔１ｂを設けられている。またそのカバー
１の水平部１ｃ下面は開口させ、この開口部口縁
には、上記電線２に接続した端子３に係止される
鍔１ｄが形成されており、この端子カバー１を使
用するには、端子３をターミナル４に取付ける前
の電線２を、端子カバー１の透孔１ｂ内に挿通
し、しかる後その端子３をターミナル４に、ナツ
ト５により固定した後、その端子３の辺縁部に端
子カバー１の鍔１ｄを係止させて、端子カバー１
の取付けを完了しているものである。

しかしながら、このような従来の端子カバーに
あつては、端子３を電線２に接続する前に、その
電線２を端子カバー１の透孔１ｂに挿通しておか
ないと、その端子カバー１を使用することができ
ないため、作業性が悪いものであつた。また端子
カバー１の鍔１ｄを端子３の辺縁に係止せしめる
ことにより端子カバー１が端子３から外れないよ
うに構成しているがこの端子カバー１はゴム材に
より形成され、可撓性が大であるため、その鍔１
ｄによる端子カバーの係止作業に手間がかかり、
またその係止作業が不確実となりがちであつて、
使用時における振動等により、端子カバーが外れ
て、カバーとしての効用がなされていないことが
あるといつた問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、ゴムより可撓性が低い合成樹脂
で成形すると共に、電線の外側よりその電線に係
止せしめることができる電線挾持部と、端子及び
ターミナル上に被せられるカバー本体とを一体形
成せしめて、挿着着脱等の取扱いの容易性、確実
性に優れた端子カバーを提供することを目的とす
るものである。

〔考案の実施例〕 以下に本考案を第１図乃至第６図に示す実施例
に基いて詳細に説明する。

８は本実施例よりなる端子カバーであるが、こ
の端子カバー８は、略冠形状に形成されたカバー
本体９と、平面略渦巻き状に形成された電線挾持
部１０とが連結部１１によつて一体的に連結形成
されたものであり、さらにこの端子カバー８の材
質は合成樹脂材料により成形されているものであ
る。上記のカバー本体９の内側には、端子３を締
着するナツト５の側面に当接する円筒状のリブ１
２が設けられ、このリブ１２の内部中央部に可撓
弾性を有する舌片１３が突設されており、この舌
片１３は、上記ナツト５を螺合する雄ねじの上端
に弾圧的に当接するようになつている。また前記
電線挾持部１０は、電線２の外側軸方向を押圧す
る可撓弾性からなる押圧片に形成されている。ま
た上記連結部１１の外部両側には、断面Ｕ字状に
形成されたレバー１４が突設されており、これら
のレバー１４の下端部には、端子３に係止される
係止爪１５を有し、そのレバー１４の上端部は操
作部１６に形成されている。さらに連結部１１の
上面には、横方向に延びるリブ１７が一体形成さ
れており、このリブ１７の両端面には、上記レバ
ー１４の中間部が当接し得るように形成されてい
る。１８は上記レバー１４に、可撓弾性力を持た
せるために設けたスリツトを示す。

以上が本実施例よりなる端子カバーの構成であ
るが、次にその作用について述べると、予め電線
２が接続されている端子３を、ナツト５の締付け
によりターミナル４に固定した後、その端子３上
に端子カバー８を被着するが、この端子カバー８
の被着に際しては先ず、端子カバー８の電線挾持
部１０軸方向の間隙ａより電線２を挿入し、電線
挾持部１０内に電線２を送り込み、該電線挾持部
１０で電線２を挾持させる。次いでこの端子カバ
ー８をその電線２に沿つて押し下げて、両側の係
止爪１５が、ターミナル４に固定されている端子
３の両側辺縁に係止させると、カバー本体９は端
子３上に被せられると共に、このカバー本体９の
内側に設けられている円筒状のリブ１２がナツト
５に嵌合されて端子カバー８が左右方向に揺動さ
れることなく嵌合される。さらにカバー本体９内
に突設されている舌片１３で、ターミナル４の雄
ねじ端を押圧するために、その押圧反力で、前記
係止爪１５と端子３との係止力が高められ、該端
子カバー８が上下左右前後方向に揺動されること
なく端子３を被着するものである。

従つてこの端子カバー８によれば、端子３をタ
ーミナル４に締着した後に、該端子カバー８を端
子３上に被着することができるので、この端子カ
バー８の取着作業が容易となる。また端子３上に
被着された端子カバー８はガタツキを有すること
なく安定的に固定されカバーとしての効用が高め
られる。また端子上に被着された端子カバー８を
外したい場合は、双方の操作部１６を互に内方向
（第２図においてＣ方向）に寄せることにより、
リブ１７の両端を支点とする梃子作用により、係
止爪１５が端子３より外れるために、この端子カ
バー８を端子３より離脱せしめることが容易にな
される。さらに双方係止爪１５と端子３との係止
状態を目視することにより端子カバーの被着が完
全であるか不完全であるかを確認することが容易
にできる等の効果がある。

〔考案の概要〕

以上のように本考案は、電線２の先端部に接続
された端子３を覆う合成樹脂材料製の端子カバー
であつて、前記端子３に被せる椀状をしたカバー
本体９と、該カバー本体９に連なり、かつ前記電
線２の先端部を挾持する挾持部１０からなり、該
挾持部１０と前記カバー本体９との間に位置させ
て一対のレバー１４を設け、これらのレバー１４
の各下端に前記端子３に係止する係止爪１５を、
また各上端に該係止爪１５と前記端子３との係止
を解除する際に押圧する操作部１６を設け、さら
に前記カバー本体９内に前記端子３と係合して前
記カバー本体９を端子３から離間させるように常
時付勢する弾性舌片１３を設けたことを特徴とす
る端子カバーである。

〔考案の効果〕

従つてこの端子カバーによれば、端子３をター
ミナル４に締着した後に、該端子カバー８を端子
３上に被着することができるので、この端子カバ
ー８の取付け作業が容易となる。また端子３上に
被着された端子カバー８は、係止爪１５と弾性舌
片１３との作用によりガタツキを有すること、安
定的に固定されカバーとしての効用が高められ
る。また端子上に被着された端子カバー８を外し
たい場合は、双方の操作部１６を互に内方向に寄
せることにより、係止爪１５が端子３より外れて
係止力が解けるために、この端子カバー８を端子
３より離脱せしめることが容易になされる等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなる端子カバーの使用状態
を示した断面図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ
線断面図、第３図は第１図におけるＢ−Ｂ線断面
図、第４図は本実施カバーの平面図、第５図はそ
の正面図、第６図はその側面図、第７図は従来例
の断面図、第８図は従来例の斜視図である。 ８……端子カバー、９……カバー本体、１０…
…電線挾持部、１１……連結部、１２……円筒状
リブ、１３……舌片、１４……レバー、１５……
係止爪、１６……操作部、１７……リブ、１８…
…スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電線２の先端部に接続された端子３を覆う合成
   樹脂材料製の端子カバーであつて、前記端子３に
   被せる椀状をしたカバー本体９と、該カバー本体
   ９に連なり、かつ前記電線２の先端部を挾持する
   挾持部１０からなり、該挾持部１０と前記カバー
   本体９との間に位置させて一対のレバー１４を設
   け、これらのレバー１４の各下端に前記端子３に
   係止する係止爪１５を、また各上端に該係止爪１
   ５と前記端子３との係止を解除する際に押圧する
   操作部１６を設け、さらに前記カバー本体９内に
   前記端子３と係合して前記カバー本体９を端子３
   から離間させるように常時付勢する弾性舌片１３
   を設けたことを特徴とする端子カバー。