JPH0138431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は自然対流式の暖房器を使用した暖房
装置に関するものである。

〔背景技術〕

従来の自然対流式暖房器に使用する放熱器は第
１図ＡおよびＢに示すように、作動液を封入した
主管１の上方に副管２を配置しこれらの両端をそ
れぞれ連管３で連通させて真空の閉回路を形成
し、主管１内に挿通した熱源パイプ４の熱によつ
て作動液を加熱蒸発させ、主管１および副管２内
で作動液が凝縮するときの潜熱を放熱フイン５に
より室内に放出させて暖房を行なうものであつ
た。

しかしながら、かかる自然対流式暖房器のみで
は、始動時の暖房の立上りが遅く、快適な暖房感
が得ないという問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、上記従来の問題を排除し
て、効率的でかつ快適な暖房感が得られるように
暖房装置を提供することである。

〔考案の開示〕

この考案の暖房装置は、作動液を封入した主管
と、この主管の上方に配置され連管を介して主管
に連通した副管と、前記主管内に貫通され前記作
動液を加熱蒸発する熱源パイプと、前記副管内を
貫通し作動液の凝縮熱を受熱する熱交換パイプ
と、この熱交換パイプに循環パイプを介して接続
され熱媒を循環する暖房パネルとを備えたもので
ある。

この考案の一実施例を第２図ないし第４図を参
照して説明する。なお、第１図に示したと同じ構
成部材については同一符号を付し説明を省略す
る。第２図はこの実施例に係る自然対流式暖房器
に使用する放熱器を示しており、この放熱器は主
管１と副管２とを主要構成部材とする。主管１は
略水平に配置され、内部に水、アンモニア、フロ
ン等の作動液が封入され、その作動液中に浸漬さ
れるように熱源パイプ４が内蔵されている。主管
１の上方には中空の副管２が配置され、両端が連
管３で主管１の両端に連通し、閉回路が形成され
ている。この閉回路は真空状態に保持される。ま
た、副管２には熱交換パイプ６が貫通するように
内蔵されている。主管１と副管２の外周面にはフ
イン５が多数設けられている。なお、第２図にお
いて、７，８はエンドキヤツプ、９はサーモスタ
ツト、１０はエジエクシヨンパイプである。

主管１と副管２とを備えた第２図に示す放熱器
は、第３図に示すように、下部に空気吸入口１
３、上部に吹出し口１４を有するケーシング１１
内に収納される。副管２内に挿通した熱源パイプ
６の両端にはそれぞれ循環パイプ１２が接続さ
れ、水等の熱媒を熱源パイプ６と床暖房パネル１
５との間を循環させる。

第４図はこの実施例に係る暖房装置の動作を説
明するための概略図であり、循環パイプ１２に循
環ポンプ１６および混合弁１７が取付けられる。
混合弁１７は床暖房パネル１５に送る熱媒の温度
調整用であつて、熱交換パイプ６から出た高温熱
媒にパネル１５から復帰した低温熱媒を混合して
適温に調整する。

次に、この実施例の動作を説明する。熱源パイ
プ４内のシーズヒータ等の熱源につて作動液が加
熱され、それによつて蒸発した作動液の一部が連
管３を経て副管２へ移動する。副管２へ移動した
作動液の蒸発気体は副管２で潜熱を放出して凝縮
し、重力によつて主管１まで落下する。この循環
を繰り返して主管１、副管２および熱交換パイプ
６は略均一な温度に加熱されフイン５より放熱さ
れる。そして、ケーシング１１の下部の吸入口１
３より入つた空気は、主管１、副管２および放熱
フイン５によつて温められ、吹出し口１４より室
内に放出され、対流暖房を行なう。

これと同時に、熱交換パイプ６内で作動液の潜
熱により加熱された熱媒は循環パイプ１２により
混合弁１７を経て循環ポンプ１６により床暖房パ
ネル１５に送られる。これによつて、伝導・輻射
暖房が可能となる。すなわち、床暖房パネル１５
上の人の身体の一部（足のうらなど）に、この床
暖房パネル１５からの熱を伝導させ、またこの床
暖房パネル１５上の人の身体で床暖房パネル１５
からの輻射熱を吸収させることができる。

身体の一部を暖めることにより身体全体が暖か
く感じることは良く知られており、この実施例で
は、このような原理を応用して、床暖房パネル１
５上の人の足のうらなどへの熱伝導により速やか
に快適な暖房感が得られるようにしているととも
に、併せて床暖房パネル１５からの輻射熱によ
り、床暖房パネル１５上の人に一層速やかに快適
な暖房感を得させるようにしている。

さらに床暖房パネル１５上の必要な空間が集中
的に暖められるようになるので、暖房効率が格段
に向上するとともに、部屋全体が暖まる前に必要
な空間が集中的に暖められるので、前述の熱伝導
および輻射熱による暖房と併せて、結果として極
めて速やかに暖房感が得られるようになり、これ
により暖房の立ち上がりが格段に向上される。

なお、混合弁１７および循環ポンプ１６の取付
け位置はとくに制限されるものではなく、たとえ
ば第５図に示すように熱交換パイプ６近傍のケー
シング内に設けるようにしてもよい。

〔考案の効果〕

この考案によれば、自然対流式暖房器の対流暖
房に加えて、この暖房器の熱源を利用した暖房パ
ネルからの熱をこの暖房パネル上の人の身体の一
部に伝導させ、またこの暖房パネルからの輻射熱
を暖房パネル上の人の身体で吸収させることがで
き、これら対流、伝導、輻射の各暖房形態の組合
せにより、暖房パネル上の人に速やかに快適な暖
房感を得させることができるようになり、この結
果、始動時の暖房の立ち上がりが極めて速くな
る。さらに、暖房パネル上の暖房が必要な空間に
暖房パネルからの熱を集中的に分布させることが
できるようになるので暖房効率が格段に向上され
るとともに、このように暖房パネル上の必要な空
間が集中的に暖められることにより、この必要な
空間の暖房の立ち上がりを一層速くすることがで
きる。さらに、暖房パネルへの熱供給に必要なボ
イラー設備や専用の温水器などがいらず、簡単な
施工で容易に暖房用の熱を得ることができるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは従来の自然対流式暖房器用
の放熱器の側面図および正面図、第２図Ａおよび
Ｂはこの考案の一実施例における放熱器の側面図
および正面図、第３図は暖房装置の概略を示す斜
視図、第４図および第５図はその動作を示す説明
図である。 １……主管、２……副管、３……連管、４……
熱源パイプ、５……放熱フイン、６……熱交換パ
イプ、１２……循環パイプ、１５……床暖房パネ
ル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 作動液を封入した主管と、この主管の上方に
   配置され連管を介して主管に連通した副管と、
   前記主管内に貫通され前記作動液を加熱蒸発す
   る熱源パイプと、前記副管内を貫通し作動液の
   凝縮熱を受熱する熱交換パイプと、この熱交換
   パイプに循環パイプを介して接続され熱媒を循
   環する暖房パネルとを備えた暖房装置。 (2) 前記主管および副管がその外周面に放熱フイ
   ンを有する実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の暖房装置。