JPH0138194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、長尺方向に本実構造によつて係合さ
れる、長尺方向に多数の平行な貫通孔を有する長
尺の横張り中空外壁材の係合部の水侵入防止構造
に関する。

外壁材には、その断熱性をあげたり、軽量化す
るため、通常、多数の平行な貫通孔が穿設されて
いる。この中空外壁材をつくる場合、長尺のもの
が自由に得られる押出成形法が最も多く実施され
ている。また、上記外壁材の長手方向の両端縁係
合部は、押出し成形が可能でかつ施工後の防水機
能が優れていることから、本実構造或いは相決り
構造が用いられる。

一般に本実構造によつて係合される中空の横張
り外壁材は、第１図にそれらを係合した場合の斜
視図を示すように、中空外壁材１の上端縁雄実部
２の上部に他の外壁材１の下端縁雌実部３の凹部
を嵌込んで係合部４が構成されている。したがつ
て、この外壁材１の外方側にかかる雨水等は通常
雌実部３の上方より外方側１ａを伝わつて下方に
流れるので、内側１ｂに流入することはない。

しかし、風を伴なう雨のように、水が勢よく該
係合部に吹付けられる場合には、水が雌雄実部
３，２の間隙４ａを通つて吹上げられ、内側１ｂ
に侵入する不都合があつた。

本考案は上記の事情に鑑み、風を伴なう雨が外
壁材の外方側に吹付けても、内方側に侵入しない
中空外壁材の水侵入防止構造を提供することを目
的とするもので、その要旨は、長手方向に複数の
平行な貫通孔を有する長尺板材の長手一端縁部に
形成された雌実部を上に、他端縁部に形成された
雄実部を下にして本実構造として係合される中空
外壁材の水侵入防止構造において、外方側の雌実
部下端より雌実部溝底部に到る雌実部内面と、上
記平行な貫通孔との間に複数の連通孔を具備して
なる中空外壁材の水侵入防止構造にある。

以下本考案を図面を参照して説明する。

第２図および第３図は本考案に係る中空外壁材
の水侵入防止構造の一実施例を示すもので、第１
図と同一部分には同一符号を付してその説明を省
略する。

第２図は係合部４の斜視図、第３図は縦断面図
で中空外壁材１の外方側の雌実部３の下端３ａよ
り雌実部溝底部３ｂに到る雌実部３の内面３ｃ
と、中空外壁材１を長手方向に貫通する平行な多
数の貫通孔５のうち雌実部に最も近い孔５ａとの
間には、多数の連通孔６が穿設されている。

次に以上のように構成された中空外壁材の水侵
入防止構造の作用を説明する。

外壁材１の外方側１ａへ風雨が吹き付けると、
風は雨水を巻込んで係合部４の雌雄実部間隙４ａ
より上方に吹上げられるが、その相当部分は、連
通孔６……より貫通孔５ａに逃げることにより３
ｂ部分の圧が減圧され雨水を連行した空気が外壁
材の内方側１ｂに回わることが防止出来る。上記
貫通孔は完全気密状態でなく、風は通過するが、
これに巻込まれている若干の雨水は、分離されて
貫通孔５ａ内に残留し、風が弱まつた時連通孔６
を通つて外方側に流出する。そのため雨水は、係
合部４を通過して中空外壁材内方側１ｂに侵入す
ることがない。

また、第４図は本考案に係る水侵入防止構造の
他の実施例を示す第３図に相当する図である。図
中符号１１は、雌、雄実部間隙に設けられ、吹込
む風力を減殺し、これに巻込まれて侵入する雨水
を除去する拡大室、１２は、雌実部溝底部３ｂに
沿つて突設され、吹上げる雨水を、雄実部２の外
側に向つて傾斜している先端面１３に落すように
した水返し、１４は係合部４を越えてさらに侵入
する僅かの雨水を貯留し、内方側に流れるのを防
止する水受け溝である。これら、中空外壁材１の
押出成形時に同時に成形可能な水侵入防止構造
に、さらに本考案の連通孔６を設けることによ
り、水侵入防止効果を完壁なものとすることが出
来る。

なお、連通孔６は、第３図に示すように、一列
に設けてもよいが、第４図に示すように複数列と
してもよい。また、上記説明では、雌実部と最も
近い貫通孔５ａとの間に連通孔６を設けたが、さ
らに上部の貫通孔５……まで連通孔６を延長させ
ても差支えない。また、連通孔は相決りにも適用
出来る。

以上述べたように本考案に係る水侵入防止構造
は、中空外壁材押出成形後、簡単な加工によつて
優れた水侵入防止効果が得られ、特に押出成形時
に形成される種々な水侵入防止構造に追加して設
け、その効果を完全なものとすることが出来る等
の長所を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、雌雄実部を係合した外壁材の斜視
図、第２図および第３図は本考案に係る中空外壁
材の水侵入防止構造の一実施例を示すもので、第
２図は係合部の斜視図、第３図は第２図の−
矢視縦断面図、第４図は本考案の他の実施例を示
す縦断面図である。 １……中空外壁材、１ａ……外方側、１ｂ……
内方側、２……雄実部、３……雌実部、３ａ……
外方側下端、３ｂ……溝底部、３ｃ……外方側内
面、４……係合部、４ａ……雌、雄実部間隙、５
……貫通孔、５ａ……雌実部に最も近い貫通孔、
６……連通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長手方向に複数の平行な貫通孔を有する長尺板
   材の長手一端縁部に形成された雌実部を上に、他
   端縁部に形成された雄実部を下にして本実構造と
   して係合される中空外壁材の水侵入防止構造にお
   いて、外方側の雌実部下端より雌実部溝底部に到
   る雌実部内面と、上記平行な貫通孔との間に複数
   の連通孔を具備してなる中空外壁材の水侵入防止
   構造。