JPH0137953B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特に生体腔内の細胞を擦過して採取す
る擦過採取具に関する。

第１図は従来の擦過採取具を示すものである。
この擦過採取具は長尺のシース１内に操作ワイヤ
２を挿通し、この操作ワイヤ２の先端部に擦過用
のブラシ３を設けてなり、操作ワイヤ２の手元側
端に設けた操作つまみ４でその操作ワイヤ２を介
してシース１の先端からブラシ３を突き出した状
態で進退させることができるようになつている。
そして、この擦過採取具のシース１部分をたとえ
ば内視鏡等を利用して生体腔内に導入し、採取部
位に達したところで、上記ブラシ３を突き出して
生体腔壁にこすり付けることにより、細胞をブラ
シ３に採取するものである。

ところで、最近、生体腔内の細胞採取と同時に
その生体腔内の細菌類も採取し、これを培養して
検査したいという要望が生じた。

しかしながら、上記従来の擦過採取具では細菌
類を採取しようとしても細胞ごと採取されてしま
つて培養できる細菌類を純粋に採取することがで
きなかつた。

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは比較的簡単な構成であり
ながら生体腔内の細胞採取と同時に培養できる細
菌類も容易に採取できるようにした擦過採取具を
提供することにある。

以下、本発明の一実施例を第２図ないし第４図
にもとづいて説明する。

第２図はその擦過採取具１１の全体を示してい
る。この擦過採取具１１は湾曲自在なシース１２
内に操作ワイヤ１３を進退自在に挿通してなり、
操作ワイヤ１３の先端部途中には細胞採取用のブ
ラシ１４が設けられている。さらに、操作ワイヤ
１３の最先端には細菌類採取用の拭取部材として
弾性物質からなる球状のスポンジ体１５が取付け
固定されている。このスポンジ体１５は、たとえ
ば樹脂を発泡成形してなり、多数の気孔をもつて
いる。そして、このブラシ１４およびスポンジ体
１５は第２図で示すようにシース１２内に引き込
まれている。また、シース１２の先端開口には生
物系材料、たとえばコラーゲン、ゼラチンなどか
らなる詰物１６が嵌め込まれていて、その先端開
口を閉塞するようになつている。

また、上記操作ワイヤ１３の手元側基端はシー
ス１２の基端から外部に突き出しており、そし
て、この基端には操作つまみ１７が取り付けられ
ている。

さらに、上記シース１２の基端には操作ワイヤ
１３を貫通する貫通孔１８を有した釣鐘状の固定
用口金１９が取付け固定されている。この固定用
口金１９の開孔内周面は操作つまみ１７の外周面
と嵌合係着するテーパ状に形成されている。

なお、操作つまみ１７を固定用口金１８に嵌合
係着したときにはブラシ１４およびスポンジ体１
５を設けた操作ワイヤ１３の先端部がシース１２
の先端から突き出すようにその操作ワイヤ１３の
長さが設定されている。

次に、上記実施例の擦過採取具１１の使用方法
を説明する。

まず、第２図で示す状態の擦過採取具１１をあ
らかじめ生体腔２０内に導入した内視鏡２１の鉗
子チヤンネルを通じてその生体腔２０内にシース
１２を導入する。なお、このとき、シース１２の
先端開口は詰物１６によつて閉塞されているた
め、生体内のいろいろな不用物がそのシース１２
内に入るのを防止する。そして、内視鏡２１の機
能を利用してそのシース１２の先端を生体腔２０
の採取部位２２に向けたところで、操作つまみ１
７をもつて操作ワイヤ１３を押し込み、第４図で
示すようにその操作つまみ１７を固定用口金１９
に嵌着させる。これにより操作ワイヤ１３の先端
部は詰物１６を押外しあるいは破り、シース１２
の先端から生体腔２０内に突き出す。これにより
ブラシ１４とスポンジ体１５はシース１２から完
全に突き出した状態となり、採取部位２２の壁面
に接触する。この状態でシース１２の手元側端を
もち前後に移動させれば、上記ブラシ１４とスポ
ンジ体１５は採取部位２２の壁面を擦過するの
で、その壁面の細胞はブラシ１４により、細菌類
はスポンジ体１５によりそれぞれ同時に採取する
ことができる。

採取後は操作つまみ１７を軽くひねれば、その
操作つまみ１７を固定用口金１９から容易に外す
ことができる。そして、操作つまみ１７を引き操
作ワイヤ１３の先端のブラシ１４およびスポンジ
体１５をシース１２内に取り込み、ついで、シー
ス１２ごと生体腔２０の外部に引き出す。これに
より細胞と細菌類とを同時に容易に採取すること
ができる。

第５図は本発明の他の実施例を示すものであ
る。この実施例はブラシ１４のついた操作ワイヤ
１３の先端に結合具３１を介して２本の素線３
２，３３からなる撚線の短かいワイヤ３３を連結
し、その素線３２，３３間に線状に形成した多数
のスポンジ体３４…を挾み込んだものである。

以上説明したように本発明はシースの先端から
突き出せる操作ワイヤの先端部に細胞採取用のブ
ラシとは別に細菌類採取用の拭取部材を設けたか
ら、細胞とは別に細菌類を同時に採取できる。ま
た、細菌類を採取する際、余分な細胞が混ること
がなく、培養できる細菌類を高純度で採取でき
る。さらに、細胞の採取と同時に細菌類を同時に
採取できるため、その検査時間の短縮化が図れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の擦過採取具の側断面図、第２図
は本発明の一実施例を示す擦過採取具の側断面
図、第３図は同じくその実施例の使用状態を示す
説明図、第４図は第３図中Ａ部の拡大詳細図、第
５図は本発明の他の実施例の操作ワイヤの先端部
を示す側面図である。 １１……擦過採取具、１２……シース、１３…
…操作ワイヤ、１４……ブラシ、１５……スポン
ジ体、１６……詰物、１７……操作つまみ、１８
……貫通孔、１９……固定用口金、２０……生体
腔、２１……内視鏡、２２……採取部位、３２…
…素線、３３……ワイヤ、３４……スポンジ体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 生体腔内に挿入できるシースと、このシース
   内に進退自在に挿通された先端部に細胞採取用の
   ブラシを設けた操作ワイヤと、この操作ワイヤの
   先端部に上記ブラシとは別に設けられ弾性物質か
   らなる細菌類採取用の拭取部材とを具備してなる
   ことを特徴とする擦過採取具。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の擦過採取具に
   おいて、細菌採取用の拭取部材は発泡体からなる
   ことを特徴とする擦過採取具。