JPH0137635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えばトラクタやトレーラ等に使用
される「グラツドハンド」すなわちホース継手に
関し、詳細には、組込み式のほこり防止弁と遮断
弁とを有するホース継手の構成に関する。

［従来の技術］ よく知られているように、トレーラは荷物等を
搭載し、運転手が乗つているトラクタに牽引され
て移動するように構成されたものである。トレー
ラとトラクタは必要に応じて切り放すことができ
るので、トレーラが積載している荷物をトレーラ
ごと輸送先に置いてきたり、家畜もしくは石油と
いうように異なつた形状あるいは性状の物でも、
トラクタはそのままに、トレーラだけを変えるこ
とにより輸送したりすることができる。

トレーラはそれ自体も重いことと、また重量物
も積載する場合も考慮して、トレーラの車輪に働
くブレーキを備えているのが一般的である。この
ようなブレーキは大気圧よりも高圧である空気圧
で作動させられるように構成されており、一般的
にその作動空気は、トラクタのエンジンに取り付
けられたコンプレツサにより空気タンクに貯蔵さ
れ、更に運転者の必要に応じて該空気タンクから
送気用のホースを介してトラクタおよびトレーラ
のブレーキに送られて、そこでそのブレーキを作
動させるようになつている。

トレーラとトラクタとの切り放し時には、当然
送気用のホースの切り放しも必要となる。トレー
ラとトラクタとの切り放しおよび再連結は、しば
しば行なわれるものであるから、その切り放しま
たは連結操作は簡単であることが望ましい。同様
の理由により、送気用のホースの切り放しおよび
連結操作も簡単であることが望ましい。したがつ
て、切り放しおよび連結操作が簡単に行なえるホ
ース継手が開発されることとなり、そのようなホ
ース継手の一例が、米国特許第3245428号に開示
されている。

米国特許第3245428号は、代表的なホース継手
（グラツドハンド）構造について記載している。
ホース継手は中空の薄型の円板状部材からなり、
一端にホース取付部を有し、そこに取り付けられ
たホースと該円板状部材の内部とが連通する構成
となつている。また、該円板状部材は軸線方向一
方の面に開口を設け、該開口は該円板状部材の内
部と連通している。該開口周囲にはシール部材が
設けられ、該円板部材の外側には突起と突起受容
部とが設けられている。

トラクタおよびトレーラにおける送気用のホー
スの連結や切り放しは、同じような形状をしたホ
ース継手同士の連結および切り放し操作により、
以下のようにして行なうことができる。

一方のホース継手にはトラクタからの送気用の
ホース端部が取り付けられ、他方のホース継手に
はトレーラへの送気用のホース端部が取り付けら
れているものとする。どちらかのホース継手はト
ラクタもしくはトレーラに固定的に取り付けられ
ていても良いが、少なくとも１つのホース継手は
自由に動けることが必要である。

ホース継手同士は、その開口部を対面させ一方
のシール部材を他方のシール部材に対して強く押
しつけながら、それぞれ突起を同時に相手の突起
受容部へと係合させることにより連結を完了す
る。ホース継手連結後に、トラクタからの送気用
のホースからトレーラへの送気用のホースへ空気
が流入して空気圧が上がつたとしても、ホース継
手のシール部材同士が強く密着して気密構造とな
つているため、空気は外部へ流出することがな
い。ホース継手の切り放しは、それぞれ突起を同
時に相手の突起受容部から係合解除させることに
より行なわれる。

また、米国特許第3960365号には遮断弁付きの
ホース継手が開示されている。このホース継手
は、トラクタからの送気用のホースに接続され、
ホース継手同士が切り放されたときに、設けられ
た遮断弁を閉じ位置にすることにより、高圧空気
がホース継手から逃げることを防止するようにな
つている。

［解決しようとする課題］ ところで、従来のホース継手は切り放され、か
つ大気に対して開放されたとき、ほこり等がホー
ス継手内に侵入することがあつた。ホース継手内
に侵入したほこり等は、トレーラの空気作動式ブ
レーキ装置まで到達し、ブレーキ装置のバルブや
ダイヤフラム、あるいはピストン等に損傷を与え
て、ブレーキ装置の分解、手入れを招来せしめる
おそれがある。したがつて、ホース継手の連結前
にはその継手をよく掃除してやる必要があつた。

このような問題を解決するために、例えば前記
の米国特許第3245428号においては、開口を閉鎖
する膜状の閉鎖体を使用したり、また別の例では
スプリングを備えた閉鎖板等を使用したりして、
ほこり等の侵入を防ぐようにしていた。しかしな
がら、これらの従来の構造では、何れもその効果
や取扱上の問題があり、いまだ満足なものは出来
ていなかつた。

また、米国特許第3960365号においては、遮断
弁はシール部材よりもホース継手内側に設けられ
ており、したがつてこの遮断弁ではほこり等がホ
ース継手内に侵入するのを防止することは出来な
い。

本願発明は、空気圧力の遮断機能と防塵機能と
を兼ね備え、円滑な遮断動作の行なえるホース継
手を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明によるホース継手は、 ホース継手の取付結合に使用するほこり防止栓
組込み式ホース継手において、 空気入口と空気出口とを有するホース継手本体
と、前記空気出口に位置する出口シール部材と、
前記空気入口と前記空気出口とを連結する前記本
体内の室と、前記室内のほこり防止栓および該栓
を前記空気入口と空気出口間の連通を開く位置と
閉じる位置との間で動かす外部ハンドルとを包含
し、前記ほこり防止栓は閉じる位置において前記
出口シールを貫通しかつほこりおよび他の異物が
前記室に入ることを妨げるように該出口シールと
周囲で接触する突出部と、前記栓により支持され
かつ前記室の壁と漏れ止めするように係合する隔
置配置されたシールリングからなり、前記栓が閉
じ位置にあるときに、該シールリングが前記空気
入口の両側に配置されることにより、前記空気入
口と前記空気出口との連通を遮断する密閉の漏れ
止め手段と、該栓の移動の間に該栓にかかる圧力
を逃がすために該栓の両端部間を連通させている
排気通路手段と、を備えていることを特徴とす
る。

［作用］ 本発明のホース継手は、上述の構成を有してい
るので、前記栓が閉じる位置にあるときに、該シ
ールリングが前記空気入口の両側に配置されるこ
とにより、前記空気入口と前記空気出口との連通
を遮断するようになつており、該排気通路手段が
該栓の両端部間を連通させているので、該栓の移
動の間に該栓にかかる圧力を逃がすようになつて
いる。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明によるホース継手
に実施例を詳細に説明する。

本発明によるホース継手には、ホース継手本体
の室内に往復運動するようにとりつけられたほこ
り防止栓（プラグ）が設けられている。該ほこり
防止栓は、第１図に示すようなハンドル５４の回
転によつて、ホース継手シールに向いもしくは該
シールから離れるように往復運動するようになつ
ている。このハンドルの回転がハンドル駆動部５
２（第３図）を回し、これが次に偏心部６２の回
転移動をもたらす。該偏心部が回転移動すると、
それは次に弁栓（プラグ）３０の往復運動をもた
らす。又別の見方からすれば本発明によるホース
継手は、該ほこり防止栓がホース継手本体に入る
ほこり防止並びに入口と出口間の連通を遮断する
為の手段の両方を備えているものである。

さらに、本発明によるホース継手は、該ほこり
防止栓が該入口と出口間の連通を閉鎖する為にホ
ース継手本体の壁と漏れを止める様に係合する漏
れ止め手段を支えているものである。

又さらに、本発明によるホース継手は、ほこり
防止栓及びしや断弁で可動の弁部材が圧力が平衡
されているものである。

上述の空気の接続に於て、接続されていない時
に空気装置にほこり（ごみ）が入らないように防
止することが大切である。本発明によるホース継
手においてはほこり防止栓がその役目をする。該
ほこり防止栓は密封を形成しないが、ほこりがホ
ース継手本体にはいり込むのを防止する充分な閉
鎖を形成する様になつている。該ホース継手同士
の連結がなされているとき、入口から出口への空
気の自由に通過できる通路が存在するように、ハ
ンドル５４は、該ほこり防止栓を出口から離すよ
うに回される。

本発明はほこり防止栓と３４及び３８で示され
る該栓のシールに特に関係がある。この２個のシ
ールは、ほこり防止栓が第３図の閉じ位置にある
ときには、スロツト状の空気入口２４を挟んで両
側に配置される。該２個のシールの位置はほこり
防止栓にかかる空気の圧力を平衡させる。すなわ
ち閉じ位置においては、空気の入口圧力は栓（プ
ラグ）に対して等しく且つ反対の方向にかかるた
め、この入口圧力によりほこり防止栓が動くこと
がない。また、排気通路４２が設けられているの
で、ほこり防止栓がハンドルにより動かされると
き、もし排気通路４２がなければ該栓（プラグ）
の背後において生ずることになる。該栓の開き位
置と閉じ位置との間の容易な運動をさまたげるよ
うに作用するいかなる圧力も生じないようになつ
ている。

次に本発明を実施例とその図面によつて説明す
る。図示のホース継手は前述のような車輛用のホ
ース継手として利用されており、該ホース継手の
一部分のみが図解されているけれども、更に多く
の部材（取付部等）が完全なホース継手設置には
必要であることは該当業者等には良く知られてい
る。

第１，２及び３図において、ホース継手本体は
１０で示されてフランジ構造１４により規定され
る空気出口１２を包含する。通常のホース継手の
漏れ止め部材１６はホース継手の空気出口１２の
フランジ構造１４に依り支持されている。

第４図は、第２図のホース継手を面３−３に直
角方向に切断し、第２図と同方向に見る上部部分
断面拡大図である。第２図および第４図に示すよ
うに、該ホース継手は取付フランジ２０に終る外
方に延びるボス又はその種の他のものを包含す
る。ボス１８はホース継手本体１０と一体であり
且つホース継手本体１０内に形成される内室２６
に開口するスロツト状の空気入口すなわちみぞ穴
２４に終る内部通路２２を有する。周辺又は円周
のみぞ２８は空気入口２４と整列して室２６の壁
に形成することが出来る。

ほこり防止栓すなわち弁栓３０は、室２６内に
おける第３図の閉じた位置において漏れ止め１６
の穴を貫通する突出部３２を包含する。突出部３
２は、かかる位置にある時は空気の漏れ止めを形
成しないが、ほこりがホース継手本体に入るのを
十分に防ぐ閉止を形成するようになつている。要
するに、該突出部はほこり又は他の異物が該ホー
ス継手の室に入ることを妨げる様になつているわ
けである。ほこり防止用の弁栓３０は一対のシー
ルを支持している。第一のシール３４は弁栓３０
の外面に形成されるみぞ３６内に位置し、Ｔ形断
面を有する第二のシール３８は弁栓３０の外面の
みぞ４０内に位置している。第３図の閉じた位置
では、シール３４及び３８は円周のみぞ２８の両
側に位置するように設けられている。かくして、
入口の空気圧は等しく両シール３４，３８に適用
されて、各シールに釣合つた圧力を支え、それに
依り閉じ位置において、該弁栓を動かす様に作用
する不釣合力を創出しないようになつている。

弁栓３０は突出部３２の横断通路４４に終る軸
方向に延びた排気通路４２を設けている。該横断
通路４４はシール３８に対して端部寄りの外方で
該弁栓の外面において開口し、かくして弁栓３０
の下の室２６の内部を外部又は大気圧に連通さ
せ、之に依つて該弁栓が開放位置と閉止位置の間
で動くにつれて該弁栓の下に形成し得る如何る圧
力をも放出することとなる。加えて、弁栓３０は
中央の通路４２に開口してＴ形シール３８の背面
で終る小さな横断通路４６を設けており、かくし
て該弁栓の運動の間にシール３８にかかるいかな
る背圧をも逃すことが出来る。

ホース継手本体１０はハンドルを取付ける外方
に伸びる円筒部分５０を設けている。外側のハン
ドル部材５４は、ハンドル駆動部５２にピン５６
で止められる。ハンドル駆動部５２の円周方向の
みぞ６０内に位置するピン５８は円筒部分５０内
に該ハンドル駆動部を保持するのに使用される。

ほぼ円筒形断面を有する偏心部６２がハンドル
駆動部５２から内方に伸びており、弁栓３０に設
けられたスロツト状の横断小孔６４内に受容され
るようになつている。かくして、該ハンドルの回
転及びその結果生ずる室２６内の偏心部６２の回
転移動は、ほこり防止栓すなわち弁栓３０を第３
図の閉じた位置からＴ形シール３８が空気入口２
４の下になる開いた位置まで動かし、それに依り
該ホース継手の空気の入口と出口間の連通を効果
的に開くようになつている。

みぞ６８内に位置する漏れ止めリング６６はハ
ンドル駆動部５２とホース継手本体１０の円筒部
分５０との間の漏れ止めを形成し、それによりほ
こり又は異物が室２６内に入ることを防ぐと同時
にハンドル部からの漏れを止めることが出来るよ
うになつている。

第３図はホース継手の閉じた位置を図解する。
両シール３４及び３８にかかる入口からの空気圧
は釣合を保ち、該両方のシールは空気入口２４を
挟んで両側に位置する。該シールは入口及び出口
間の連通を有効に閉ざす。ハンドル駆動部５２の
回転により偏心部６２は、ほこり防止栓を室２６
内で下方に動かすことになる。該室の内部と上述
のシール構造外部との間の排気通路４４はほこり
防止栓が容易に動かされて該防止栓の背面に蓄積
される如何なる圧力をも防止するようにする。同
様に、該栓が動くにつれて排気通路４６に依りＴ
形シール３８には背圧がかからないようになつて
いる。

該ホース継手が加圧される時は、ハンドル駆動
部５２は不釣合な圧力を受ける。この不釣合に起
因する摩擦を最小にする為にテフロン（商標）製
の割リング６９がピン５８に当る様に設置されて
いる。

該ホース継手に入る異物に対する防止を備え且
つ空気の連通および閉止機構を行なう為に単一の
往復動する弁栓を使用することが本発明において
重要である。該ほこり防止栓のシールは該室壁に
当り該入口と出口間に確実且つ有効な漏れ止めを
備える。ほこり防止栓により支えられる該シール
は入口の空気圧が弁栓のいかなる望ましくない運
動をも起こさない様に釣合を保たせる。更に、開
放と閉止位置間の該弁の円滑且つ有効な操作を確
実にし又該シールが空気圧により吹出されないで
その必要な位置にしつかりと留まることを確実に
する為に適当な排気通路がある。

本発明の好適な型式はここに示されているけれ
どもそれに関する多くの修正、取替え及び交替が
あり得ることは了解すべきである。

［発明の効果］ 以上述べてきたように本発明のホース継手は、
上述の構成を有しているので、前記栓が閉じる位
置にあるときに、該シールリングが前記空気入口
の両側に配置されることにより、前記空気入口と
前記空気出口との連通を遮断するようになつてお
り、該排気通路手段が該栓の両端部間を連通させ
ているので、該栓の移動の間に該栓にかかる圧力
を逃がすようになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は組合せホース継手とほこり防止栓の１
つの実施例の上部平面図である；第２図は第１図
のホース継手構造の側面図である；第３図は第２
図の面３−３に沿つた軸方向断面図である；第４
図は、第２図のホース継手を面３−３に直角方向
に切断し、第２図と同方向に見る上部部分断面拡
大図である。 主要部分の符号の説明、１０；ホース継手、１
２；空気出口、２４；空気入口、２６；弁内室、
３０；ほこり防止栓、３２；突出部、３４，３
８；第一及び第二シール、４２；排気通路、４
４；横断通路、５２；ハンドル駆動部、５４；ハ
ンドル部材、６２；偏心部、６４；横断みぞ穴、
６９；割リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ホース継手の取付結合に使用するほこり防止
   栓組込み式ホース継手において、 空気入口と空気出口とを有するホース継手本体
   と、前記空気出口に位置する出口シール部材と、
   前記空気入口と前記空気出口とを連結する前記本
   体内の室と、前記室内のほこり防止栓および該栓
   を前記空気入口と空気出口間の連通を開く位置と
   閉じる位置との間で動かす外部ハンドルとを包含
   し、前記ほこり防止栓は閉じる位置において前記
   出口シールを貫通しかつほこりおよび他の異物が
   前記室に入ることを妨げるように該出口シールと
   周囲で接触する突出部と、前記栓により支持され
   かつ前記室の壁と漏れ止めするように係合する隔
   置配置されたシールリングからなり、前記栓が閉
   じ位置にあるときに、該シールリングが前記空気
   入口の両側に配置されることにより、前記空気入
   口と前記空気出口との連通を遮断する密閉の漏れ
   止め手段と、該栓の移動の間に該栓にかかる圧力
   を逃がすために該栓の両端部間を連通させている
   排気通路手段と、を備えていることを特徴とする
   ほこり防止栓組込み式ホース継手。 ２ 特許請求の範囲第１項のホース継手におい
   て、前記ハンドルは、前記ハンドルから内方に伸
   びかつ前記ほこり防止栓と駆動するように係合し
   て伸びる偏心部を包含し、前記ハンドルは前記栓
   に関して偏心して配置されることを更に特徴とす
   るほこり防止栓組込み式ホース継手。