JPH0137002Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧シヨベル、クレーン車等油圧式の
走行車両の改良に関するものである。

第１図ないし第４図に従来技術による油圧式走
行車両としての装軌式油圧シヨベルを示す。

まず第１図および第２図において、１は下部走
行体、２は該下部走行体１上に旋回装置３を介し
て回動可能に設けた上部走行体、４は該上部走行
体に設置された作業機構としてのフロントを示
す。そして、下部走行体１には上部走行体２、フ
ロント４等を支持するための強度部材として、セ
ンタフレーム５とサイドフレーム６とからなるト
ラツクフレームが設けられている。そして、セン
タフレーム５は厚い鋼板で形成した上下の水平板
５Ａ，５Ｂと、該各水平板５Ａ，５Ｂ間に溶接等
の手段で一体的に固着して設けた垂直板５Ｃ，５
Ｄ（第２図参照）からなるボツクス形状をしてい
る。

次に、下部走行体１には左右の走行用履帯７，
７が設けられており、該各履帯７，７を駆動する
ためにスプロケツト８，８および走行用油圧モー
タ９，９が設けられている（第２図では一方のス
プロケツト８、油圧モータ９のみを示す）。そし
て、該各油圧モータ９は上部走行体２内に設けた
油圧ポンプ（図示せず）により駆動されるもの
で、このために該油圧ポンプと油圧モータ９との
間には複数本の油圧配管１０が設けられている。
該油圧配管１０は上部走行体２内から旋回装置３
内に設けたスイベルジヨイント１１を介して左右
に分岐せしめられ、センタフレーム５の垂直板５
Ｃを貫通し、該垂直板５Ｃの外側壁面からサイド
フレーム６の内側壁面に沿つて案内されて、油圧
モータ９に接続されている。

１２は油圧配管１０を破損しないように保護す
る保護カバーを示し、該保護カバー１２は上下の
水平壁１２Ａ，１２Ｂとその間の垂直壁１２Ｃと
からなる断面コ字状の鋼板で形成され、油圧配管
１０をその内側に収納し得るようになつている。
そして、保護カバー１２はその一端が垂直板５Ｃ
に突設した取付部材１３にボルト１４により締着
されて、油圧配管１０に沿つて延び、他端が油圧
モータ９のケーシングにボルト１５により締着さ
れている。このように保護カバー１２で油圧配管
１０を覆うことにより車両の走行中に油圧配管１
０が障害物１６と直接衝突しないように構成され
ている。

一般に、油圧シヨベル等のような建設、土工機
械は通常不整地を走行しながら作業を行なうもの
であつて、このために走行中に地面から突出する
岩石等の障害物１６に頻繁に衝突することにな
る。そして、センタフレーム５の前方は空間とな
つているから、直進走行時には第３図に示したよ
うにセンタフレーム５が障害物１６と衝突し、ま
た旋回走行時には第４図に示したように、サイド
フレーム６が障害物１６と衝突することになる。
このように、センタフレーム５やサイドフレーム
６と障害物１６との衝突時に油圧配管１０が損傷
することがないようにするために該油圧配管１０
は保護カバー１２に覆われ、それが損傷しないよ
うになつている。

ところが、前述の従来技術に示した構造の保護
カバー１２は内部に収容する油圧配管１０を十分
保護するに足るだけの強度を持たせる必要があ
り、このために該保護カバー１２を厚手の鋼板で
形成しなければならず、その製造コストが高くな
ると共に、重量が嵩むため取付時の作業性が劣る
等の欠点があつた。

本考案は叙上の点に鑑みなされたもので、保護
カバーを薄板で形成しても油圧配管を十分に保護
することができるようにした油圧式走行車両を提
供することをその目的とするものである。

前述の目的を達成するために本考案は保護カバ
ーの下部にトラツクフレームから突出する下部フ
ランジ部を該トラツクフレームと一体的に形成
し、該下部フランジ部の突出端を前記保護カバー
の垂直壁より外方に位置させたことを特徴とする
ものである。

このように構成することにより地面から突出す
る障害物はフランジ部と衝突し、保護カバーと直
接衝突するのを防止することができるから、該保
護カバーとして薄手でかつ簡単な構造のものとす
ることができ、また軽量化し得るからその組付け
も容易となる。

以下、本考案の実施例を第５図ないし第７図に
基づき説明する。

同図において、第１図ないし第４図と同一構成
要素については同一符号を付してその説明を省略
するものとする。然るに、本考案においては保護
カバー２１を上部水平壁２１Ａと垂直壁２１Ｂと
で断面Ｌ字状に形成し、下方が開口した状態にし
てその両端部をボルト１４，１５によりそれぞれ
取付部材１３および油圧モータ９のケーシングに
締着する。一方、センタフレーム５の下部水平板
５Ｂを垂直板５Ｃとの連結部から外方に延出させ
ることによつてフランジ部２２を形成し、該フラ
ンジ部２２の突出端を保護カバー２１の垂直壁２
１Ｂより外方に突出させている。そして、フラン
ジ部２２はセンタフレーム５のサイドフレーム６
との連結部までのセンタ部２２Ａと、当該連結部
からサイドフレーム６に沿つて油圧モータ９の取
付部まで延在したサイド部２２Ｂとを有し、保護
カバー２１の下部をそのほぼ全長に亘つて覆つて
いる。

本考案に係る油圧式走行車両は前述の構成を有
するもので、その走行中には障害物１６と衝突す
る場合がある。そして、履帯７，７間に該障害物
１６が位置したときにおいて車両が直進走行する
と第６図に示したように障害物１６にはまずセン
タフレーム５側に形成したフランジ部２２のセン
タ部２２Ａが衝突し、また旋回走行すると、第７
図に示したようにサイドフレーム６から突出する
フランジ部２２ののサイド部２２Ｂが障害物１６
に衝突することになる。従つて、障害物１６は保
護カバー２１には直接衝突することはない。

ここで、トラツクフレームの一部を構成する下
部水平板５Ｂは強度部材であるから厚手の鋼板に
より形成されている。そして、フランジ部２２は
該下部水平板５Ｂを外方に延出することにより形
成されているから、該フランジ部２２は十分な強
度を有している。このために、障害物１６がフラ
ンジ部２２に衝突してもその衝撃に耐え、該フラ
ンジ部２２が破損するおそれはない。また、保護
カバー２１は直接障害物１６に衝突することはな
いから、該保護カバー２１を薄手で軽量の部材で
形成してもそれが破損することはない。

なお、前述の実施例においては、本考案に係る
油圧式走行車両を装軌式の油圧シヨベルとして用
いる場合につき説明したが、油圧クレーン等他の
装軌式車両やホイール式油圧シヨベル等のホイー
ル式車両にも用いられるのは勿論である。また、
フランジ部２２はセンタフレーム５の下部水平板
５Ｂを外方に延出させることにより形成するもの
として説明したが、該フランジ部２２のセンタ部
２２Ａとサイド部２２Ｂとを別体に形成し、セン
タ部２２Ａを溶接手段により下部水平板５Ｂまた
は垂直板５Ｃに固着し、サイド部２２Ｂをサイド
フレーム６に溶接手段により固着し、該センタ部
２２Ａとサイド部２２Ｂとを相互に溶接すること
によつて一体的に形成してもよいものである。さ
らに、保護カバー２１としては従来技術のものと
同一形状のものを使用することもできる。

以上説明したように、本考案に係る油圧式走行
車両はトラツクフレームにフランジ部を形成する
ことにより保護カバーが直接障害物と衝突しない
構成としたから、保護カバーとして簡単な構造で
軽量の部材で形成することができ、安価に製造す
ることができると共に組付けも容易になる等の諸
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は従来技術を示すもので、
第１図は油圧式走行車両としての装軌式の油圧シ
ヨベルを示す外観図、第２図は第１図の−矢
示方向断面図、第３図は第２図の−線に沿う
切断部端面図、第４図は第２図の−矢示方向
断面図、第５図ないし第７図は本考案の一実施例
を示すもので、第５図は第２図と同様の断面図、
第６図は第５図の−線に沿う切断部端面図、
第７図は第５図の−矢示方向断面図である。 １…下部走行体、２…上部走行体、５…センタ
フレーム、５Ａ，５Ｂ…水平板、５Ｃ…垂直板、
６…サイドフレーム、２１…保護カバー、２２…
フランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラツクフレームを有する下部走行体と、該下
   部走行体のトラツクフレーム上に設置した上部走
   行体とを有し、前記トラツクフレームの壁面に沿
   つて前記上部走行体と下部走行体とを接続する油
   圧配管を配設し、該油圧配管を覆う保護カバーを
   前記トラツクフレームに固着して設けてなる油圧
   式走行車両において、前記保護カバーの下部には
   前記トラツクフレームから突出する下部フランジ
   部を該トラツクフレームと一体的に形成し、該下
   部フランジ部の突出端を前記保護カバーの垂直壁
   より外方に位置させたことを特徴とする油圧式走
   行車両。