JPH0136965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、アスフアルト廃材再生装置におけ
るドライヤの加熱温度制御装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、アスフアルト廃材再生装置におけるドラ
イヤとしては、一端部から投入されるアスフアル
ト廃材（以下廃材という）を回転によつて他端部
へ移送して排出する単一のロータリキルン内にバ
ーナなどにより加熱した熱風を送り込み、この熱
風によつて廃材を直接加熱して細化する直接加熱
式と、上記廃材をロータリキルンを介して間接的
に加熱細化する間接加熱式とが知られており、一
般に直接加熱式より間接加熱式の方が有利である
とされている。そして、上記間接加熱式として
は、所要数のバーナを備えた加熱室内にロータリ
キルンを回転自在に配設し、該ロータリキルンの
一端部には投入口を、同他端部には排出口を各々
形成すると共に、上記加熱室よりロータリキルン
の投入口に連通する煙道を設けたものが知られて
いる。かかる間接加熱式における加熱温度の制御
は、単にロータリキルンの排出口縁にのみ骨材温
度計を設置して加熱廃材の温度を測定し、これに
基づいてバーナの火力を制御するものとされてい
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記間接加熱式における加熱温
度の制御は、加熱廃材がロータリキルンの通過
後、即ち、加熱完了後における温度測定を基準に
行うものであるから、レスポンスが非常に遅くな
り、ひいては廃材の加熱温度を常に適正に制御し
にくいものであつた。また、通常使用されている
接触形温度センサーは加熱廃材などが付着し、ま
た、非接触形温度センサーでは排ガス中の粉塵や
煙により感応度が低下しやすいものであつて、レ
スポンスの遅れとも相まつて適正な加熱温度の制
御は極めて困難なものとなつていた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、従来の間接加熱式における加熱温
度を常に適正に制御しようとするものであり、煙
道９の基端側には加熱室ガス温度計１３を、ロー
タリキルン４の排出口８側には排出ガス温度計１
４を各々設置し、加熱室ガス温度と排出ガス温度
を各々測定したのち加熱廃材温度を演算してバー
ナー３の火力を制御することを特徴とするアスフ
アルト廃材再生装置におけるドライヤの加熱温度
制御装置である。

〔実施例〕

以下に、この考案を図面に示す１実施例につい
て説明する。

１は断熱材２で被覆せられてなる加熱室、３は
該加熱室１の底壁内面上に所定間隔をおいて配設
された所要数のバーナ、４は同加熱室１内を挿通
して配設されたロータリキルンで、該ロータリキ
ルン４は両端部外周面に取付けられたキルンタイ
ヤ５を回転駆動するローラ６に圧接せしめること
により等速回転するものとされている。７は上記
ロータリキルン４の一端部に形成された投入口、
８は同他端部に形成された排出口、９は上記加熱
室１の頂壁より該投入口７に連通して配設された
煙道、１０は、該煙道９内の中間に配設された送
風機で、該送風機１０により加熱室１内の加熱室
ガスを投入口７よりロータリキルン４内に送り込
むものとされている。１１は上記投入口７に接続
された廃材投入用のコンベア、１２は前記排出口
８の頂壁に連通して立設された排出ガス用排出パ
イプである。１３は上記煙道９の基端側に配設さ
れ加熱室ガス温度計、１４は排出パイプ１２の基
端側に配置された排出ガス温度計である。その
他、Ａはアスフアルト廃材を示す。

次に、上記装置の作用について説明する。

まず、ロータリキルン４を等速回転せしめつ
つ、バーナ３でもつてロータリキルン４の外周面
を加熱する。しかるのち、コンベア１１でもつて
順次廃材Ａを投入口７よりロータリキルン４内に
投入する。投入された廃材Ａはロータリキルン４
の回転によつて次第に排出口８方向に移送されつ
つ、バーナ３により間接的に加熱されて細化す
る。他方、バーナ３により発生する加熱室ガスは
第１図に矢印で示すように煙道９に導かれ、送風
機１０によつて投入口７よりロータリキルン４内
に順次送りこまれる。そして、ロータリキルン４
内の廃材Ａはバーナ３による間接的加熱と共に、
加熱室ガスによつても加熱される。加熱されて細
化した廃材Ａは、排出口８を通つて落下し、別途
設置されたミキサ（図示略）でアスフアルト骨材
と共に混練りされ、使用に供せられる。他方、ロ
ータリキルン４内に送りこまれた加熱室ガスは排
出口８を通つて排出パイプ１２より外方へ排出さ
れる。そして、かかる排出時における排出ガス温
度は排出ガス温度計１４で測定され、また、加熱
室ガス温度は加熱室ガス温度計１３でもつて逐次
測定される。測定された排出ガス温度と加熱室ガ
ス温度は第３図に示すように、インターフエイス
を通つて中央処理装置に逐次入力される。中央処
理装置には、前もつて廃材Ａの投入量、温度、あ
るいは含水率などが入力装置を介して入力されて
おり、かかるデータに基いて適正な廃材加熱熱
量、水分蒸発熱量、廃材水分加温熱量、投入口側
熱量、排出口側熱量などが演算され、メモリーに
記憶せしめられている。なお、上記廃材Ａの投入
量、温度、含水量などのデータは手入力の外、公
知の入力手段を採用してもよい。そして、入力さ
れた排出ガス温度と加熱室ガス温度とより演算し
て廃材加熱熱量などを求め、これを上記適正な廃
材加熱熱量などのデータと比較せしめて加熱廃材
温度を求める。しかるのち、インターフエイスを
介してバーナ３の火力調整装置を適宜作動せし
め、バーナ３の火力を常に適正に制御せしめる。

〔考案の効果〕

この考案によれば以上の次第で、煙道９の基端
側には加熱室ガス温度計１３が、ロータリキルン
４の排出口８側には排出ガス温度計１４が各々設
置せられ、加熱室ガス温度と排出ガス温度とを逐
次測定したのち加熱廃材温度を演算してバーナ３
の火力を制御するものとされているから、もとも
と通過流速の速い加熱室ガスや排出ガスの温度を
測定することによつて加熱廃材温度の変化を迅
速、かつ、確実に検知し、バーナ３の火力を迅速
に制御することができるものであつて、常に加熱
廃材温度を一定に保持でき、ひいては、再生廃材
の品質のバラツキをなくし、均一で品質良好な再
生廃材を得ることができるのみならず、熱効率が
極めて良く、省エネルギー効果を有効に発揮でき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すもので、第１
図は縦断面図、第２図は第１図の−線に沿う
断面図、第３図は演算回路を示すブロツク図であ
る。 １……加熱室、３……バーナ、４……ロータリ
キリン、７……投入口、８……排出口、９……煙
道、１３……加熱室ガス温度計、１４……排出ガ
ス温度計、Ａ……アスフアルト廃材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所要数のバーナ３を備えた加熱室１内にロータ
   リキルン４が回転自在に配設せられ、該ロータリ
   キルン４の一端部には投入口７が、同他端部には
   排出口８が各々形成せられると共に、上記加熱室
   １よりロータリキルン４の投入口７に連通して煙
   道９が設けられてなるアスフアルト廃材再生装置
   におけるドライヤにおいて、上記煙道９の基端側
   には加熱室ガス温度計１３が、ロータリキルン４
   の排出口８側には排出ガス温度計１４が各々設置
   せられ、加熱室ガス温度と排出ガス温度を各々測
   定したのち加熱廃材温度を演算してバーナ３の火
   力を制御することを特徴とするアスフアルト廃材
   再生装置におけるドライヤの加熱温度制御装置。