JPH0135832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、野菜調理器に関するものであり、
特に、レモン、胡瓜、馬鈴薯、玉ねぎ、蓮根等の
野菜等を輪切りする場合等に使用される野菜調理
器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、此種野菜調理器における調整受板は、両
側の枠片間に於て、その後端部を前記枠片の内側
面に枢着して上下回動自在とし、且つ、この調整
受台を、その下側面よりボルトによつて支承して
いたのである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来の野菜調理器の調整受板は、カツター
の刃面に対向している該調整受板の端面を、カツ
ターの刃面に対して調整自在に、その後端部を枢
着されていたのであるから、カツターの刃面との
水平方向の距離は全く調整できなかつた。然る
に、根野菜等を大きく輪切りするような場合は、
厚切と同時に、切られた根野菜を下方に落下させ
る為に必要なスペースが要求されるのである。そ
して、このスペースは、カツターの刃面に対向し
ている調整受板の前端面の上下動の調整のみでは
得られないのであり、従つて、該調整受板のカツ
ターの刃面に対する上下調整と同時に、該調整受
板の前端面とカツター刃面との距離をも調整可能
にするための解決せらるべき問題点が生じてくる
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、前記問題点に鑑み、之を解決せん
として提案せられたものであり、方形本体１の略
中央部の幅方向にカツター２を斜設して固定でき
るようにし、且つ、このカツター２の背面方向の
受板１ｂは固定されており、更に、該カツター２
の刃面方向の調整受板１ｂを上下調整自在に形成
した野菜調理器に於て、前記本体１の両側の枠片
１ｃ，１ｃの内側面であつて、前記カツター２の
刃面方向に、下端部より上方に向つて複数個の溝
３，３、３ａ，３ａを穿設し、且つ、之等の溝
３，３、３ａ，３ａは相互に相対峙しており、更
に、之等の各溝３，３、３ａ，３ａに嵌合して摺
動できる突片４，４、５，５を調整受板１ｂの両
側面に突設し、之等の突片４，４、５，５を夫々
相対向する前記溝３，３、３ａ，３ａに挿入し
て、前記調整受板１ｂを両側の枠片１ｃ，１ｃ間
に装着し、前記カツター２の刃面に対して上下方
向及び水平方向の距離を自在に調整することがで
きるようにしたことを特徴とする野菜調理器を提
供せんとするものである。

〔作用〕

この考案の調整受板の両側面に突設してある突
片４，４、５，５を、枠片１ｃ，１ｃの内側面
に、下端部より下方のカツター２の方向に向つて
斜めに穿設されている溝３，３、３ａ，３ａに
夫々下端部より挿入し、而も、この溝３，３、３
ａ，３ａに挿入された前記突片４，４、５，５は
該溝３，３、３ａ，３ａの斜方向上下摺動自在で
あり、依つて、カツター２の刃面に対しての上下
間隔を任意に調整でき、且つ、この間隔を大にす
ることにより根野菜等の厚切りが可能となると共
に、該カツター２の刃面と調整受板１ｂの前端面
との水平方向の距離をも任意に調整でき、依つ
て、薄切り、厚切りを問わず、その厚さに応じて
前記カツター２の刃面と調整受板１ｂの前端面と
の水平方向の距離も調整できるので、カツター２
による根野菜類の調理が容易円滑となつたのであ
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を別紙添付図面に従
つて詳述する。尚、説明の都合上、従来公知の構
成も同時に説明する。１は野菜調理器の方形本体
であり、その幅方向の略中央部にカツター２が斜
設して取付けてある。この取付けは、このカツタ
ー２の背面方向に固定して設けられている受板１
ａと、その上面が一致するように前記カツター２
が嵌着されている。即ち、両側の枠片１ｃ，１ｃ
に前記カツター２の挿入孔２ａ，２ａを貫設し、
この挿入孔２ａ，２ａにカツター２を挿通し、そ
して、前記枠片１ｃ，１ｃの上面よりビス２ｂ，
２ｂで夫々固定してある。而して、このカツター
２の刃面方向の枠片１ｃ，１ｃの内側面に、複数
の溝３，３、３ａ，３ａが穿設されている。而
も、この溝３，３、３ａ，３ａの下端面は前記枠
片１ｃ，１ｃの下端面より開穿せられ、そして、
その上端部は枠片１ｃ，１ｃの上端部近傍附近ま
で穿設されており、更に、該溝３，３、３ａ，３
ａは、前記カツター２の方向に向つて上方に斜設
して形成されている。又、調整受板１ｂの両側面
に、前記溝３，３、３ａ，３ａに挿入できる突片
４，４、５，５を夫々突設してある。そして、こ
の突片４，４、５，５のうち、前方の突片４，４
は斜めに、且つ、短冊状に形成されており、後方
の突片５，５は円筒状に形成されているが、之等
に限定せられるべきではない。そして、この突片
４，４、５，５は夫々相対向する前記溝３，３、
３ａ，３ａに下面より挿入される。従つて、調整
受板１ｂが枠片１ｃ，１ｃ間に丁度嵌装された状
態となる。そして、この調整受板１ｂを前記溝
３，３、３ａ，３ａに沿つて上下動させることに
より、カツター２の刃面に対する上下の間隔を調
整できることは当然であるが、更に、該溝３，
３、３ａ，３ａが複数に形成されているから、調
整受板１ｂは回動することなく、前後面が一様に
水平面上を上下動することになり、従つて、この
調整受板１ｂ上を摺動して調理される根野菜類は
カツター２の刃面に対して水平に移動して、その
カツト操作を容易にするものである。更に又、該
溝３，３、３ａ，３ａは下端面より上方のカツタ
ー２の方向に斜めに穿設されているので、調整受
板１ｂの上下動に伴い、この調整受板１ｂと前記
カツター２の刃面との水平方向の距離も任意に調
整できることになり、カツター２によつて切られ
た根野菜類は、このスペースを介して下方に自在
に落下でき、依つて刃面に詰るようなことがなく
なり、カツター２による調理操作をより容易にす
るものである。

又、前記のようにして、調整受板１ｂの位置が
決定されたときは、その位置を固定するために枠
片１ｃの外側面より内側面に向つて貫設された螺
子孔１ｄに、螺子１ｅを螺入して緊締してある。

更に又、この実施例に於ては、前記枠片１ｃ，
１ｃの長手方向側面を切欠１ｆ，１ｆし、この切
欠部１ｆ，１ｆに丁度嵌合する突出板６，６を把
体７に突設し、この突出板６，６を前記切欠部１
ｆ，１ｆに嵌合して、枠片１ｃ，１ｃの上面より
ビスで止着してある。斯くして前記の通り、枠片
１ｃ，１ｃ間に介装された調整受板１ｂは、たと
え、之を下方に引抜こうとしても、前記把体７の
前面に当接するので、不慮妄脱するようなことは
ない。又、前記調整受板１ｂの裏面には略中間部
に把手８を突設してあり、この把手８を把持する
ことによつて、調整受板１ｂを上下動させれば、
操作が便利となる。

〔考案の効果〕

この考案は、叙述せる実施例に於て詳述せる如
く、カツターの刃面に対して、調整受板は上下の
調整に加えて、水平方向の距離の調整も自在であ
るため、カツトされる根野菜類が刃面に詰まるよ
うなことがなく、極めて円滑に調理ができると共
に、当該調整受板の上下動も、従来のように後端
の枢着部を支点とする回動ではなく、常に水平状
態を維持し乍ら上下動自在になつている等、正
に、諸種の実用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示し、第１図はそ
の平面図、第２図は同側面図、第３図は調整受板
及び把体を外したときの斜面図、第４図は調整受
板の斜面図、第５図は把体の斜面図、第６図は調
整受板の裏面図である。 符号説明、１……方形本体、１ａ……受板、１
ｂ……調整受板、１ｃ……枠片、３，３ａ……
溝、４，５……突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形本体１の略中央部の幅方向にカツター２を
   斜設して固定できるようにし、且つ、このカツタ
   ー２の背面方向の受板１ａは固定されており、更
   に、該カツター２の刃面方向の調整受板１ｂを上
   下調整自在に形成した野菜調理器に於て、前記本
   体１の両側の枠片１ｃ，１ｃの内側面であつて、
   前記カツター２の刃面方向に、下端部より上方に
   向つて複数個の溝３，３、３ａ，３ａを穿設し、
   且つ、之等の溝３，３、３ａ，３ａは相互に相対
   峙しており、更に、之等の各溝３，３、３ａ，３
   ａに嵌合して摺動できる突片４，４、５，５を調
   整受板１ｂの両側面に突設し、之等の突片４，
   ４、５，５を夫々相対向する前記溝３，３、３
   ａ，３ａに挿入して、前記調整受板１ｂを両側の
   枠片１ｃ，１ｃ間に装着し、前記カツター２の刃
   面に対して上下方向及び水平方向の距離を自在に
   調整することができるようにしたことを特徴とす
   る野菜調理器。