JPH0135807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダイヤモンド・カツテイング・ソー
（以下D.C.S.という）の改良に関するものである。

D.C.S.は金属製（鋼板）の円盤の周囲にダイヤ
モンドを混入した真鍮・銀・タングステン等から
成るボンドを取りつけたもので、金属の硬軟によ
り数種のものがある。

ところで、D.C.S.で石材等を切断するときはダ
イヤモンドの尖角で石材等を切断するため、常に
先の尖つたダイヤモンドが提供される必要があ
る。

ところが、上記したボンドが硬いD.C.S.はボン
ドがあまり摩耗しないので、混入している新しい
ダイヤモンドが表面に現われず、先が鈍くなつた
古いダイヤモンドで石材等を切断することにな
る。この古いダイヤモンドは切れ味が悪くなつて
いるにもかかわらず、D.C.S.には所定の押圧力が
かかつているので、D.C.S.の円盤は押圧力によつ
て押し曲げられ、石材等は曲がつて切断される。

これに対し、ボンドが軟らかいD.C.S.は、ボン
ドがよく摩耗するので、上述した硬いボンドがも
つ欠点は生じないが、消耗が激しい欠点がある。

本考案者は硬いボンドのD.C.S.を用いても古い
機械と新しい機械とでは切れ味が違うことを発見
し、その原因を追求したところ、古い機械はベア
リングが消耗しD.C.S.が偏心回転を行なつている
ことを見い出し、本考案をするに到つた。

すなわち、本考案は硬いボンドからなるD.C.S.
であつてもボンドが減摩し、常に新しいダイヤモ
ンドが提供できるD.C.S.を提供することを目的と
し、この目的達成のため、D.C.S.の回転の中心点
に関して、ほぼ対称位置にあるチツプを、他の位
置にあるチツプよりやや小さく形成したことをそ
の要旨とする。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中１はD.C.S.で、その周囲にはボンドにダイ
ヤモンドを混入したチツプ３群が突設している。
チツプ３間には割みぞ４が設けられている。

D.C.S.１はその回転の中心点に関して、ほぼ対
称の位置にあるチツプ３１を他のチツプ３よりや
や小さく形成する。小さく形成する方法には三角
形、半円形等いろいろあるが、製作の容易性から
は、チツプ３の幅を小さくするのが好ましい。

また、小さく形成するチツプ３１の数は一般的
には２個であるが、D.C.S.の大きさによつて異な
り、大きくなれば小さくするチツプ３１の数も増
加する。この場合は、小さく形成したチツプ３１
は連設する。

５は回転軸への取付穴である。

次に、本考案に係るD.C.S.を用いて石材等を切
断する場合、D.C.S.には一定の荷重がかけられて
おり、チツプ３が小さな部分は、チツプ３が大き
な部分と比べ単位面積当りの負荷が大となる。

従つて、まず小さなチツプ３１が先に摩耗し、
高さが低くなる。すると、回転方向の次のチツプ
３に衝撃と負荷がかかりボンドからダイヤモンド
が抜け出る。このためボンドが直接石材等に接触
し摩耗して新らしいダイヤモンドが現われてく
る。この場合はボンドの高さが摩耗によつて低く
なつており、更に、次のチツプ３に負荷がかかる
ことになり、前記した作用が順次行なわれ、常に
新しいダイヤモンドが表面に現われることにな
る。

なお、一番高いチツプと、一番低いチツプとの
差は0.3mm程度である。

このように、本考案ではD.C.S.の回転の中心点
に関して、ほぼ対象の位置にあるチツプ３１を他
の位置にあるチツプ３より小さくしたので、硬い
ボンドのD.C.S.でも石材等を切断しながらチツプ
３の、いわゆるドレツシングを行なうことがで
き、常時新しいダイヤモンドが表面に現われる。
この点は本考案の最も特長とする点である。

したがつて、切断対象物の硬軟によつてD.C.S.
を取替えることなく、硬目のD.C.S.一種ですべて
の対象物を切断でき、また、軟質のボンドのよう
に摩耗が激しくないので、頻繁に取替える必要が
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図はチツプの減
摩状態を示す状態図。 １……ダイヤモンド・カツテイング・ソー、
３，３１……チツプ、４……割ミゾ、５……回転
軸取付穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイヤモンド・カツテイング・ソーの回転の中
   心点に関して、ほぼ対称位置にあるチツプを他の
   チツプよりやや小さく形成したことを特徴とする
   ダイヤモンド・カツテイング・ソー。