JPH0135453B2 - - Google Patents

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JPH0135453B2
JPH0135453B2 JP58168035A JP16803583A JPH0135453B2 JP H0135453 B2 JPH0135453 B2 JP H0135453B2 JP 58168035 A JP58168035 A JP 58168035A JP 16803583 A JP16803583 A JP 16803583A JP H0135453 B2 JPH0135453 B2 JP H0135453B2
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resin
insulating material
mica
powder
composite
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Juji Ishii
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は集成マイカ材料を含むシート状の未含
浸の絶縁素体を樹脂により複数層はり合わせた絶
縁材料たとえばテープであつて、電気機器ないし
はその部分たとえば発電のコイルに適用ないし巻
付けた後に含浸用樹脂が含浸されかつ硬化される
集成マイカ複合化絶縁材料の製造方法に関する。
〔従来技術とその問題点〕
上述のような未含浸の絶縁材料を電気機器ない
しはその部分の所定個所に通用した後に含浸用樹
脂を含浸、硬化させて特性の優れた絶縁体とする
技術は公知であるが、絶縁材料が集成マイカを含
む複合化絶縁材料の場合には、電気機器への適用
たとえばコイルへの巻付時の作業が困難であると
か、絶縁材料の使用可能期間が短いとかといつた
問題点があつた。
すなわち、複合化絶縁材料例えばテープを構成
するシート状の絶縁素体を相互にはり合わせる樹
脂量が過大であると、含浸作業が困難になり特性
の良い絶縁体が得られないので、いきおい接着樹
脂量には上限が存する。しかし、樹脂量を含浸に
有利なように絞ると、絶縁材料の強度が十分でな
くなりかつ集成マイカがはがれやすくなつて、巻
付作業等が非常に厄介になる。また絶縁材料を製
作後に機器に適用するまでの保存期間があまり長
くなると、接着樹脂が硬化してしまつて可撓性が
失なわれ、巻付作業等がさらに厄介になるほか、
最終的に得られる絶縁体の特性も悪化する。
集成マイカ材料を含む複合化絶縁材料は適正な
適用作業と十分な樹脂含浸を行なえば、機器の主
絶縁としてあるいは補助絶縁として優れた絶縁特
性を示しうるものであるが、前述のような構成上
あるいは作業上の問題点があり、この固有の特性
が十分生かされないうらみがあつた。
〔発明の目的〕
本発明は上述のような従来技術のもつ問題点を
解決して、含浸性がよく、保存期間が長く、かつ
作業性に富む未含浸の集成マイカ複合化絶縁材料
の製造技術を提供することにある。
〔発明の要点〕
本発明によれば、上記目的に合致する絶縁材料
は、接着樹脂として含浸用樹脂中に含まれる硬化
剤との硬化反応が可能でかつ硬化剤を含まず、し
かも室温ないしは保存温度では固体状の樹脂を用
い、集成マイカ材料と他のシート状の絶縁素体と
の接着に当つては、当該樹脂の粉末を相互接着す
べき絶縁素体の相互間に点状に分布させ、かつ該
樹脂粉末の溶融により絶縁素体相互が当該分布さ
れた点状の部位において接着されるようにするこ
とにより得られる。上述の接着樹脂としてはもち
ろん含浸用樹脂と同系統であつてこれよりも重合
度が高く室温で固体状のものを選定するのがよ
い。例えば、含浸用樹脂混合体が、エピクロール
ヒドリンとビスフエノールの共重合体としてなる
エボキシ樹脂と液状の酸無水物系の硬化剤との混
合物である場合は、接着樹脂として含浸樹脂と同
系統の高重合度のいわゆるエピビス系のエボキシ
樹脂の硬化剤を全く含まない形で用いる。複合化
絶縁材料中でかかる接着樹脂は点状に分布した粉
末接着樹脂として存在しているので、含浸された
含浸用樹脂混合物中の硬化剤との反応面積が大
で、加熱時に直ちにこれと硬化反応して含浸用樹
脂と完全に一体化された特性の良い樹脂硬化物と
なる。
またかかる絶縁材料中で接着樹脂は点状に分布
しているに過ぎないので、含浸作業時の障害とな
ることがなく、非常に樹脂含浸性のよい複合化絶
縁材料が得られる。また該複合化絶縁材料中にお
いて、樹脂粉末は絶縁素材との接触点が溶融して
素体相互を接着しているに過ぎず、素体の内部ま
で浸透しないので、比較的少量の樹脂量、例えば
接着面1平方メートルあたり5グラム程度の樹脂
量で十分な接着強度が得られる。なお樹脂粉末の
大きさとしては50メツシユ以下が好適であり、前
述の樹脂量としては接着面1平方メートルあたり
3〜8gが接着強度と含浸性の見地から実用的で
ある。
つぎに、上記目的に合致する集成マイカ複合化
絶縁材料の製造方法は、絶縁素体と接着すべき集
成マイカシートの上面に粉末散布法により樹脂粒
末を分散して散布させた後に、集成マイカシート
を加熱ローラに掛けて、粉末が散布された面とは
反対側の面から間接的に粉末を加熱して溶融させ
ると同時に、接着すべき他のシート状の絶縁素体
を集成マイカシートの外側から加熱ローラに掛け
て、当該絶縁素体中の張力を利用して集成マイカ
シートの方に押し付け、これによつて前記の溶融
された樹脂粉末によつて集成マイカシートと他の
絶縁素体とが相互に接着されるようにすることに
より得られる。この際当該接着は、分布ないしは
分散された点状の部位においてのみ行なうことが
必要であるから、樹脂粉末が溶融されるとほぼ同
時に他の絶縁素体を押し付けて接着を行なわせ、
溶融した樹脂をできるだけ絶縁素体とくに集成マ
イカシート内に浸透させない内に接着を完了させ
ることが大切である。かかる集成マイカシートと
接着すべき他の絶縁素体としては、薄手の不織布
であつてよく、また集成マイカシートであつても
よい。
また、集成マイカシートの表面上に樹脂粉末を
散布する方法としては、樹脂粉末を収納する粉末
タンク内で表面に微細な凹凸を有する散布ローラ
を回転させ、該散布ローラの凹凸面に付着した粉
末樹脂の量をドクタブレード法により規定量に調
節し、かつ静電的反発手段により散布ローラに付
着した樹脂粉末を引き出すないしは叩き出す方法
が、適量の樹脂粉末を広範囲に均一に散布する上
で良好である。
〔発明の実施例〕
以下図を参照しながら本発明の実施例を詳細に
説明する。
第1図は、第3図に示すような集成マイカシー
ト2と絶縁素体としての薄手の不織布3とが溶融
樹脂粒末4aによつて相互接着された複合化絶縁
シートないしはテープ1を製造する設備の配置を
示すもので、図の10,11はそれぞれ集成マイ
カシート2および不織布3を送り出す送り出しリ
ールであつて、該リールに公知の手段で適宜の制
動が掛けられており、これによつてこれらリール
から送出される集成マイカシートおよび不織布に
各素体に適合した張力が掛けられる。集成マイカ
シートとしては、例えば0.1mm厚さの1平方メー
トルあたり170グラムの重量を有する広幅シート
でよく、集成マイカ材料としては公知の未焼成の
集成マイカ材料が含浸性や絶縁特性の見地から有
利である。また、かかる集成マイカ材料に含浸樹
脂の硬化を促進する促進剤をあらかじめ含有させ
ておくことも有利である。また不織布としては例
えば0.04mm程度の厚さで1平方メートルあたり
18.5グラム程度の重量を有する広幅のポリエステ
ル系せんいからなる不織布が補強材として適当で
ある。もちろん、集成マイカシート2および不織
布3はいずれも未含浸であることが樹脂含浸を容
易にする上で有利である。
送出リール10から送り出された集成マイカシ
ート2はアイドルローラ12の上を通され、この
付近で後述の粉末散布機20によつて散布された
樹脂粉末4がその上面に散布される。樹脂材料と
しては、例えば前述のエピビス系の軟化点94度C
程度の高重合度エポキシ樹脂を用い、この50メツ
シユ程度あるいはそれ以下の粒度の粉末を用い
る。散布量としては、例えば1平方メートルあた
り5グラムの重量になるよう、粉散布機20のド
クタブレードを調整する。この散布量ははり合わ
せるべき絶縁素体の性状とくにその表面粗さによ
つて異なるが、一般的には接着の片面1平方メー
トルあたり3〜8グラムが適量である。
このように粉末樹脂4を散布された集成マイカ
シート2は加熱ローラ13に掛けられる。この加
熱ローラは蒸気加熱あるいは電気加熱により例え
ば表面温度130度Cに加熱された駆動ローラとし
て構成される。この表面温度はもちろん樹脂の軟
化点以上とする必要があり、その温度値は集成マ
イカシートの厚さや駆動速度により当然調節をす
べきものであるが、集成マイカシートの厚さが
0.1mm程度でローラの周速が3メートル/分程度
の場合、即ち本実施例での集成マイカと加熱ロー
ラ13との接触時間が約15秒の場合には130度C
程度が適当であり、その上下5度C程度が許容で
きる。マイカシートの厚さやローラの周速が異な
る場合は、加熱ローラの温度を当然変えなければ
ならないが、一般的には樹脂の軟化点よりも10〜
50度高く選ぶのが実用的である。この加熱ローラ
13には、前述の送出ローラ11から送り出され
た不織布3が掛けられており、粉末樹脂4の溶融
とほぼ同時に不織布3が張力によつてこれに押し
付けられるので、集成マイカシート2と不織布3
とは極く短時間内に相互接着される。この樹脂粉
末溶融と接着のタイミングの微細調節には図の矢
印A方向に送出ロール11の軸心支承点の位置を
可変としておき、不織布3が加熱ローラ13に掛
かる位置ないしは角度を調節しうるようにしてお
くのが便利である。
以上の接着によつて作られた複合化絶縁シート
1は駆動ローラないしは従動ローラとして構成さ
れたローラ14に掛かつて、ここで完全に冷却さ
れた後に、アイドラー15,16を介して巻取り
リール17に巻き取られる。該巻取りリールはも
ちろん駆動リールとして構成される。
以上のようにして製作された複合化絶縁シート
1ははり合わせた絶縁素体の厚さの和よりも僅か
に厚い、例えばこの実施例の場合は0.145mm程度
の厚さを持ち、15mm幅のテープに換算して1.35Kg
程度の引張り強度を有する。厚さの変動幅は±5
%程度で、引張り強度では±10%程度のばらつき
を有する。また接着剤の含有量を多数の小片のシ
ートに分割して測定した結果では±20%強の面内
ばらつきが見られた。
つぎに粉末散布の手段を第2図を参照して説明
する。図は本発明の実施例の標本を製作するに用
いた粉末散布機20の断面を示すもので、かかる
断面を有しその全長が集成マイカシートの幅にほ
ぼ等しいものが用いられる。この粉末散布機で
は、粉末槽21内に原料としての樹脂粉末4が収
納される。粉末槽21は左右の側壁21a,21
bと前後の側壁21dとによつて囲まれた箱状に
形成され、上部開口は開閉可能なカバー21cに
よつて蓋されている。槽内にはその長手方向に延
びる散布ローラ22が収められており、側壁21
dに担持されたモータ23と機械結合されて図の
矢印の方向にゆつくり回転される。この散布ロー
ラ22の周面には凹凸22aが設けられていて、
散布ローラ22の回転に伴つて槽内の粉末樹脂4
がその凹部に落ち込んで散布ローラに付着して順
次取り出されるようになつている。散布ローラ2
2の周面に凹凸をつけるためには、1mm程度の深
さのらせん状の交差溝を10メツシユ程度の粗さで
設けるのがよく、これによつて周面はいわば粗い
やすり状に形成される。
粉末槽21の下方開口の散布ローラ22との間
の図の左側の隙間はドクタブレード24により閉
鎖されており、このドクタブレード24により散
布ローラ22に付着された樹脂粉末4が規定量に
なるように規制された後に図の下方の粉末槽の外
に取り出される。このドクタブレード24として
は、0.2mm程度の厚さの可撓性のあるステンレス
鋼板製のものがよく、その取付部24aは調整可
能に構成される。散布ローラ22の下方には前後
の側壁21d間に張架された電線25が配されて
おり、数千ボルト例えば4000〜5000ボルト程度の
直流の正の高電圧がこれに印加される。電線25
としては例えば2mm径の撚り線を外径8mm径に絶
縁被覆したものでよい。散布ローラ22は粉末槽
21とともに接地されているので、電線25と散
布ローラ22の下周面との間には強い電場が働
き、樹脂粉末4はこの電場により帯電されて散布
ローラ22から反発されて取り出され、下方に散
布される。
粉末槽21の下方開口における散布ローラ22
との図の右方の間隙は、前と同様に0.2mm程度の
厚さのステンレス鋼板製のワイパーブレード26
により閉鎖されており、電線25による静電的取
り出しによつてもなお取り出されなかつた樹脂粉
末がこのワイパーブレード26によつて機械的に
さらに取出されて下方に散布される。さらに粉末
槽21内には別のワイパーブレード27が配され
ており、散布ローラ22の周面に固定に付着した
樹脂粉末をかき落とす役目を果す。この別のワイ
パーブレード27には0.5mm程度の厚さの弾性に
富みかつ散布ローラ22とは硬度差が大な有機樹
脂板、たとえばポリカーボネート板がよい。この
ワイパーブレード27は、散布ローラの周面に粉
末樹脂が固定的に付着ないしは凝着してその凹凸
部22aがいわゆる目詰まりを起こすのを防止す
る上で著効があり、粉末散布機を安定に長時間連
続運転することを可能にする。このワイパーブレ
ード27により散布ローラ22の周面からかき落
とされた樹脂粉末は、散布ローラの回転に伴つて
粉末槽21内の樹脂粉末4と自然に混合される。
以上のようにして製作された本発明による集成
マイカ複合化絶縁材料は、前述のような強度を有
し、外観検査においても集成マイカ層に起こり易
いしわや部分的なマイカ層の切断個所は全く観察
されず、良好な表面を有する。また接着強度は十
分であつて、上述のようにして製作されたシート
から数十mm幅のテープを切り出してコイルに巻付
ける作業を行なつても、接着面からはがれるよう
なことは全くない。さらに、接着面を強制的には
がして観察した結果では、溶融粉末樹脂のマイカ
層内への浸透はほとんど認められなかつた。
つぎに本発明による複合化絶縁材料の樹脂含浸
性の実験結果について説明する。まず、複合化絶
縁テープの厚さ方向における含浸性を試験するた
め、テープを25×50mmに切断したものを10枚重
ね、この上に20×45mmの金属枠を乗せ、該金属枠
にテープ間に圧力を掛けるため0.2Kgの荷重をか
けた。ついでそのままの状態でテープの切断面な
らびに金属枠外に露出したテープ面全体を覆うよ
うにマスキング樹脂を流して完全に閉塞した。こ
のように準備された試片を70度Cの恒温槽内で1
時間加熱した後、あらかじめ70度Cに加熱してお
いた着色されたエポキシ系含浸樹脂約20グラムを
金属枠内に注入し、上記恒温槽温度下で30分間保
持した後、試片を分解して積み重ねられたテープ
層への樹脂の含浸状況を着色状態によつて判定し
た。
本発明によるテープでは5層まで樹脂が含浸さ
れており、2層までしか含浸されていない従来の
テープより2倍以上樹脂含浸性がよいことがわか
つた。
つぎに絶縁シートの面に平行な方向への溶剤の
含浸性を試験するために、幅15mmのテープを150
mmの長さに切断し、この切断テープの端を赤色染
料で着色されたエチルセロソルブ溶剤中にひた
し、その端部浸漬時間とセロソルブの浸透吸い上
げ高さとの関係を着色状態によつて測定した。こ
の結果は第4図のグラフに示すとおりで、この試
験においても本発明によるテープAの方が明らか
に従来技術によるテープBよりも溶剤含浸性にお
いて優れていることが認められる。なお、このグ
ラフにおいて、横軸は溶剤中への端部浸漬時間
を、縦軸は溶剤の浸透高さを示す。
さらに本発明による絶縁材料を用いたテーピン
グ絶縁層の含浸性を実験するため、30mm径のアル
ミパイプの長さ2メートルの模擬コイルに1/2ラ
ツプでテーピングを2層施し、その外側をポリエ
ステル熱収縮チユーブにより密閉するとともにモ
デルコイルの一端をエポキシ樹脂で封止して、他
端を除いて完全に閉鎖された試験片を作つた。つ
いでこの試験片の他端側から含浸用エポキシ樹脂
を真空度0.2mmHg、温度75度Cの条件で真空含浸
させた後、10分間の加圧含浸処理を施し、試験片
への樹脂の含浸長を観察したが本発明による絶縁
材料を用いた試験片の方が従来の材料を用いた試
験片よりも樹脂含浸性が優れていることが確認さ
れた。
本発明による絶縁材料を用いた絶縁体の電気特
性を検証するため、モデルコイルとして10×50mm
の断面を有するアルミバーの1メートル長のもの
の上に前述のテープを5回ハーフラツプ巻きした
試片を製作した。この試片を絶縁厚さが1.5mmに
なるように寸法取りされた型に入れて、絶縁層が
若干プレスされた状態で含浸用エポキシ樹脂を前
記と同条件で真空加圧含浸した後、そのままで硬
化加熱処理した。このモデルコイルに所定の端部
放電防止処理を施した後その誘電正接(tanδ)を
測定した。第5図はこの結果の印加電圧Vとの関
連を示すグラフであつて、図からわかるように本
発明による絶縁材料Aを用いたモデルコイルは、
従来技術による材料Bを用いたモデルコイルと
10kVまでの電圧範囲ではその誘電正接において
大差がないが、10kV以上の高電圧においてはモ
デルコイルBよりも誘電正接が明らかに低く、含
浸性が良好なために絶縁層内にボイド等の欠陥が
少ないことを示している。なお同じモデルコイル
について誘電正接の温度に対する依存性を調べた
が、この方はモデルコイルA,Bの間に大差はな
いことがわかつた。この温度依存性において大差
がない事実は、本発明による複合化絶縁材料の接
着のために用いた硬化剤を全く含まない樹脂が、
含浸された樹脂中の硬化剤とよく反応して未硬化
樹脂が絶縁層内にほとんど残存していないことを
示すものである。
〔発明の効果〕
本発明による集成マイカ複合化絶縁材料におい
ては、前述のように絶縁素体の相互接着面内に接
着樹脂が点状に分布しているに過ぎないから、接
着樹脂が未含浸絶縁素体内への含浸樹脂の浸透に
対する障害になることが実質上なく、従つて非常
に樹脂含浸性に優れる。また該接着樹脂は溶融に
よつて絶縁素体相互を接着していて、素体内とく
に集成マイカ材料内にまで浸透されることがほと
んどないので、従来よりも少量の樹脂によつて絶
縁素体を十分な接着強度で複合化して、各機器へ
の適用に適した作業性のよい絶縁材料を得ること
ができる。さらに、接着樹脂には硬化剤が全く含
まれていないので室温または保存温度範囲で硬化
するおそれがなく、複合化絶縁材料の保存可能期
間を実際上問題がなくなるまで延長することがで
きる。しかも、この硬化剤を含まない接着樹脂は
粉末状なので、含浸樹脂中の硬化剤と速やかに硬
化反応をして、完全硬化をすることができる。
本発明による集成マイカ複合化絶縁材料の製造
方法においては、加熱ローラ上で集成マイカシー
ト上に散布された粉末樹脂が溶融されるとほぼ同
時に、該集成マイカシートに接着素体が溶融樹脂
粉末に押し付けられて直ちに接着されるので、樹
脂が絶縁素体内にとくに集成マイカ層内に浸透す
ることがほとんどなく、極小の樹脂量によつて作
業に十分な接着強度が得られ、機器に適用して前
述のように優れた作業性と性能とを兼備した絶縁
体を得ることができる。しかも本発明方法の実施
には、粉末散布機を除いては特殊な設備を要する
ことがなく、安価な設備で比較的高速で大量の複
合化絶縁材料を生産することができる。
以上説明のように、本発明による複合化絶縁材
料とその製造方法は、斬新な技術と優れた性能の
絶縁材料とを提供することにより、業界発展に多
大の貢献をなしうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による集成マイカ複合化絶縁材
料を製造するための設備の配置図、第2図は第1
図に示した設備中の樹脂粉末の散布機を断面で示
す断面図、第3図は本発明による集成マイカ複合
化絶縁材料の断面図、第4図は本発明の絶縁材料
への溶剤の浸透性試験結果を示すグラフ図、第5
図は本発明の絶縁材料を用いたモデルコイルの電
圧対誘電正接の関係を示すグラフ図である。図に
おいて、 1:集成マイカ複合化絶縁材料、2:集成マイ
カシート、3:絶縁素体としての不織布、4:樹
脂粉末、4a:溶融樹脂粉末、13:加熱ロー
ラ、20:粉末散布機、21:粉末槽、22:散
布ローラ、22a:散布ローラ周面の凹凸、2
4:ドクタブレード、25:静電反発手段として
の高圧が印加される電線、26,27:ワイパー
ブレード、である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 集成マイカ材料を含むシート状の未含浸の絶
    縁素体を樹脂により複数層はり合わせてなり、電
    気機器ないしはその部分の所定個所に適用された
    後に樹脂と硬化剤からなる含浸用樹脂を含浸され
    る複合化絶縁材料の製造方法において、該含浸用
    樹脂中の硬化剤との反応が可能でかつ硬化剤を含
    まない状態の室温では固体状の樹脂の粒末が前記
    絶縁素材の相互間に分布して介挿し、かつ該樹脂
    粉末の溶融により絶縁素体が該分布された点状の
    部位においてのみ相互に接着したことを特徴とす
    る集成マイカ複合化絶縁材料の製造方法。 2 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、接着樹脂がエポキシ樹脂であるこ
    とを特徴とする集成マイカ複合化絶縁材料の製造
    方法。 3 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、樹脂粉末が50メツシユ以下の粒度
    の粉末であることを特徴とする集成マイカ複合化
    絶縁材料の製造方法。 4 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、接着樹脂量が接着面1平方メート
    ルあたり3〜8グラムであることを特徴とする集
    成マイカ複合化絶縁材料の製造方法。 5 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、絶縁素体が薄手の不織布を含むこ
    とを特徴とする集成マイカ複合化絶縁材料の製造
    方法。 6 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、集成マイカ材料が未焼成の集成マ
    イカであることを特徴とする集成マイカ複合化絶
    縁材料の製造方法。 7 特許請求の範囲第1項記載の絶縁材料の製造
    方法において、複合化絶縁材料がテープとして形
    成されることを特徴とする集成マイカ複合化絶縁
    材料の製造方法。 8 集成マイカ材料を含むシート状の未含浸の複
    数層の絶縁素体間を溶融粉末樹脂により分布され
    た点状の部位において相互に接着してなる複合化
    絶縁材料の製造方法であつて、集成マイカシート
    の他の絶縁素体と接着すべき接着面に上方から粉
    末散布手段により樹脂粉末を散布する工程と、該
    散布工程後に集成マイカシートを樹脂の軟化点以
    上の温度を有する加熱ローラに巻付けて集成マイ
    カシートの接着面とは反対側の面から前記の散布
    された樹脂粉末を加熱して溶融させる工程と、該
    加熱工程と同時に前記他の絶縁素体を集成マイカ
    シートの接着面に接触するよう集成マイカの外側
    から加熱ローラに張力の存在下で巻付ける工程と
    を含み、樹脂粉末が加熱ローラからの温度により
    溶融されると同時に集成マイカシートと前記他の
    絶縁素体とが相互に接着されるようにしたことを
    特徴とする集成マイカ複合化絶縁材料の製造方
    法。 9 特許請求の範囲第8項記載の製造方法におい
    て、粉末散布手段による散布工程が粉末槽内で周
    面に微細な凹凸が設けられた散布ローラを回転さ
    せる工程と、該散布ローラの周面に付着した樹脂
    粉末の量をドクタブレードにより規定量に調節す
    る工程と、該調節工程後に静電的反発手段により
    散布ローラに付着した樹脂粉末を下方に引き出し
    て散布する静電的散布工程とを含むことを特徴と
    する集成マイカ複合化絶縁材料の製造方法。 10 特許請求の範囲第9項記載の製造方法にお
    いて、静電的散布工程後になお散布ローラに付着
    する樹脂粉末をワイパーブレードにより機械的に
    下方にかき落とすワイパー工程を含むことを特徴
    とする集成マイカ複合化絶縁材料の製造方法。 11 特許請求の範囲第10項記載の製造方法に
    おいて、散布ローラに付着した樹脂粉末を粉末タ
    ンク内においてワイパーブレードにより機械的に
    かき落とす目詰まり防止のためのワイパー工程を
    含むことを特徴とする集成マイカ複合化絶縁材料
    の製造方法。 12 特許請求の範囲第8項記載の製造方法にお
    いて、加熱ローラの温度が樹脂の軟化点よりも10
    〜50度C高く選ばれることを特徴とする集成マイ
    カ複合化絶縁材料の製造方法。
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