JPH09283318A - 回転電機のコイル - Google Patents

回転電機のコイル

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JPH09283318A
JPH09283318A JP9262396A JP9262396A JPH09283318A JP H09283318 A JPH09283318 A JP H09283318A JP 9262396 A JP9262396 A JP 9262396A JP 9262396 A JP9262396 A JP 9262396A JP H09283318 A JPH09283318 A JP H09283318A
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JP
Japan
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resin
coil
mica
mica tape
electric machine
Prior art date
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Pending
Application number
JP9262396A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Ogami
満 大神
Kenji Sakayanagi
健司 坂柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Nippon Rika Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Rika Kogyosho Co Ltd
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Publication date
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイカテープを巻付けた原形コイルにレジン
による含浸処理を施すものにおいて、レジンの流出を防
止する。 【解決手段】 コイルを、素線を巻回して構成される原
形コイルの周囲に、マイカテープ14を一部重ねながら
全体に渡って巻付け、さらにそのマイカテープ14を含
む全体にレジンによる含浸処理を施して構成する。マイ
カテープ14を、マイカペーパー15の表面側にガラス
クロス等の補強材16を接着剤17により貼合わせて構
成すると共に、マイカペーパー15の内面側に、レジン
の硬化反応を促進するための反応促進剤からなる塗布層
18を設ける。マイカペーパー15を、マイカ鱗片にア
ラミッドフィブリッドを混抄して構成された引張り強さ
の高いものとし、鱗片密度の高い側の面に補強材16を
貼合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素線を巻回して構
成される原形コイルにマイカテープを巻付けた上で、レ
ジンによる含浸処理を施す構成の回転電機のコイルに関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば高電圧回転機の
固定子コイルの絶縁方法として、真空加圧含浸処理が採
用されている。これは、まず、図5に示すように、素線
1を巻回して構成された原形コイル2の外周に、接着剤
の少ないドライマイカテープ3を巻付けて外層絶縁を施
す。そして、このものを図示しない固定子鉄心に装着し
た上で、タンク内に収容し、真空乾燥した後にエポキシ
樹脂等の無溶剤レジンを流し込み、圧力をかけてレジン
を含浸させる。この後、乾燥炉へ収容してレジンを加熱
硬化させるものである。尚、前記マイカテープ3は、図
6に示すような、マイカペーパー4の一方の面に、例え
ばガラスクロスからなる補強材5を接着剤6によって貼
合わせて構成されている。
【0003】ところで、上記したレジンは、一般に、良
好な含浸性を得るために、比較的低粘度(0.5〜5ポ
アズ程度)にて使用される。また、この種のレジンは、
加熱硬化の過程で、粘度が一旦低下した後硬化が進行す
るといった特性がある。このため、上記した含浸処理の
行程の途中(乾燥炉で加熱する行程)にて、一旦含浸さ
れたレジンがマイカテープ3の重なり部や原形コイル2
の口出し線部分から流れ出て、例えば素線1の角部とマ
イカテープ3との隙間S部分においてレジンの未充填部
分(ボイド)が生ずる虞があった。このようなボイドが
生ずると、部分放電が発生しやすくなり、絶縁性が悪化
してしまうことになる。
【0004】そこで、このような欠点を解消するため
に、従来より、例えば特公昭57−18419号公報に
示されるように、マイカテープ3の接着剤6の中に、加
熱硬化の過程で含浸レジンと反応する硬化促進剤を配合
する方法が考えられていた。また、例えば特開昭58−
39234号公報に示されるように、コイルの口出し線
分岐部に、ゴムコンパウンドやプリプレグシート等を充
填する方法も考えられていた。
【0005】しかしながら、上記のうち、コイルの口出
し線分岐部にゴムコンパウンドやプリプレグシート等を
充填する方法では、レジンを含浸させる際の経路が狭め
られて含浸時間が長くなる欠点があり、採用されるに至
らなかった。そして、マイカテープ3の接着剤6の中に
硬化促進剤を配合する方法では、硬化促進剤と接着剤6
自身とが反応してマイカテープ3自体が早期に硬化する
ようになり、マイカテープ3の巻付け作業ができなくな
る不具合があった。また、含浸処理時に、硬化促進剤が
レジン中に溶け出しにくいため、レジンの硬化の進行度
合が不均一になり、硬化が遅い部分ではやはりレジンの
流出を招いてしまう欠点もあった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、マイカテープを巻付けた原形コイルに
レジンによる含浸処理を施すものにおいて、レジンの流
出を極力防止することができ、ひいては絶縁性に優れる
回転電機のコイルを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の回転
電機のコイルは、マイカテープを巻付けた原形コイルに
レジンによる含浸処理を施すものにあって、前記マイカ
テープを、マイカペーパーの一面側に補強材を接着剤に
より貼合わせて構成すると共に、前記マイカペーパーの
他面に前記レジンの硬化反応を促進するための反応促進
剤を塗布したところに特徴を有する。
【0008】これによれば、マイカテープに反応促進剤
が塗布されているので、含浸処理時において、レジンの
硬化反応が促進されて含浸されたレジンの流出を防止す
ることができる。この場合、反応促進剤は、マイカテー
プを構成するマイカペーパーのうち接着剤が配置されて
いる部分とは反対側の面に塗布されるので、接着剤と反
応促進剤との反応が抑えられ、マイカテープの使用可能
時間を長くすることができる。そして、反応促進剤は、
マイカテープの表面に配置されているので、レジンと容
易に接触し、ひいては速やかにレジンの硬化反応を起こ
させることができる。
【0009】ところで、一般に、レジンの硬化促進用の
反応促進剤は吸湿性を有しており、この吸湿が過剰とな
ると、レジンの含浸処理時に水分除去の時間が長くかか
ることになる。この場合、マイカペーパーの他面に、反
応促進剤の上に、さらに当該反応促進剤との反応性の低
い樹脂を塗布するようにしても良く(請求項2の発
明)、これによれば、反応促進剤が樹脂により覆われて
空気と接触しないので、反応促進剤が空気中の水分を吸
湿してしまうことを防止することができる。
【0010】また、マイカテープを構成するマイカペー
パーは、一般に、厚み方向に鱗片密度が高密度から低密
度に変化している。そこで、マイカペーパーの補強材が
貼合わされる面を、鱗片密度の高い側の面とすれば(請
求項3の発明)、貼合わせ用の接着剤がマイカペーパー
内に浸透しにくくなり、接着剤が反応促進剤と反応する
ことを抑制することができる。
【0011】本発明の請求項4の回転電機のコイルは、
マイカテープを、マイカペーパーの一面側に、不織布と
フィルムとの二層構造を備える補強材を接着剤により貼
合わせて構成すると共に、前記不織布とフィルムとを、
前記レジンの硬化反応を促進するための反応促進剤を配
合したシリコーン接着剤にて接着するようにしたところ
に特徴を有する。
【0012】これによれば、不織布とフィルムとを接着
する接着剤中に、反応促進剤が配合されているので、含
浸処理時において、不織布を通して含浸されたレジンの
硬化反応が促進され、含浸されたレジンの流出を防止す
ることができる。この場合、シリコーン接着剤は、反応
促進剤と反応しにくいので、マイカテープが早期に硬化
することはなく、その使用可能時間を長くすることがで
きる。
【0013】また、上記したマイカテープにおいては、
マイカペーパーと補強材とを接着する接着剤として、反
応促進剤と反応しないシリコーン接着剤を採用すれば
(請求項5の発明)、マイカテープの硬化防止に一層好
ましいものとなる。さらには、マイカテープを構成する
マイカペーパーとして、マイカ鱗片にアラミッドフィブ
リッドを混抄したものを採用することもでき(請求項6
の発明)、これによれば、マイカテープの引張り強さを
高いものとすることができる。
【0014】そして、上記した反応促進剤として、イミ
ダゾールを採用すれば(請求項7の発明)、比較的低温
でレジンの硬化促進作用を発現させることができ、含浸
されたレジンの硬化反応が速やかに進行してそのレジン
の流出を防止することができる。さらには、原形コイル
の最外層を、フィルムテープで覆う構成としても良く
(請求項8の発明)、これによれば、マイカテープから
なる絶縁層の保護をフィルムテープにより図ることがで
きると共に、フィルムテープによるレジンの流出防止効
果が付加され、より一層効果的となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施例
について、図1ないし図4を参照しながら説明する。 (1)第1の実施例 まず、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施
例(請求項1,3,6に対応)について述べる。
【0016】図3は、本実施例に係る回転電機のコイル
(例えば6kV級の高電圧回転機の固定子コイル)11
の断面形状を示している。ここで、このコイル11は、
素線12を巻回して構成される原形コイル13の周囲
に、詳しくは後述するマイカテープ14を一部重ねなが
ら全体に渡って巻付け、さらにそのマイカテープ14を
含む全体に含浸レジン(例えばエポキシ樹脂)による対
地絶縁層を設けて構成されている。
【0017】前記レジンは、真空加圧含浸処理法により
含浸処理されるようになっており、具体的には、マイカ
テープ14を巻付けた原形コイル13を図示しない固定
子鉄心に装着した上で、タンク内に収容し、真空乾燥し
た後にエポキシ樹脂等の無溶剤レジンを流し込み、圧力
をかけてレジンを含浸させる。この後、乾燥炉へ収容し
てレジンを加熱硬化させることにより、コイル11に
は、原形コイル13の外周や素線12同士間、固定子鉄
心との間等に硬化したレジンによる対地絶縁層が形成さ
れるのである。
【0018】さて、前記マイカテープ14について述べ
る。図1はマイカテープ14の断面を示しており、この
マイカテープ14は、マイカペーパー15の一面側つま
り表面側に、例えばガラスクロス等の補強材16を、少
量の接着剤17により貼合わせて構成されている。この
とき、前記マイカペーパー15は、マイカ鱗片にアラミ
ッドフィブリッドを混抄して構成されており、引張り強
さの高いものとされている。また、マイカペーパー15
は、厚み方向に見れば、鱗片密度が高密度から低密度に
変化しているが、ここでは、鱗片密度の高い側の面を外
面として補強材16を貼合わせる構成とされている。
【0019】そして、このマイカテープ14は、マイカ
ペーパー15の他面側つまり内面側に、前記レジンの硬
化反応を促進するための反応促進剤が塗布されて塗布層
18が形成される。この反応促進剤としては、例えば三
フッ化ホウ素モノエチルアミンが用いられ、例えば2〜
8g/mが塗布されるようになっている。尚、反応促
進剤としては、他にもイミダゾールやオクチル酸亜鉛な
どを採用することもできる。
【0020】上記構成のマイカテープ14を原形コイル
13に巻付けた上でレジンの含浸処理を行うと、マイカ
テープ14に反応促進剤の塗布層18が設けられている
ので、、レジンの硬化反応が促進され、レジンの硬化反
応を速やかに進行させることができる。この場合、反応
促進剤は、マイカテープ14の表面に配置されているの
で、レジンと容易に接触し効果的にレジンの硬化反応を
起こさせることができるものである。
【0021】そして、反応促進剤(塗布層18)は、マ
イカテープ14を構成するマイカペーパー15のうち接
着剤17が存在する部分とは反対側の面に塗布されるの
で、接着剤17と反応促進剤との接触が抑えられ、接着
剤17が反応促進剤により硬化してしまうことを抑える
ことができる。この結果、マイカテープ14が早期に硬
化することを未然に防止することができ、マイカテープ
14の柔軟性を確保した状態で巻付け作業等を行うこと
ができる。このとき、マイカペーパー15の鱗片密度の
高い側の面に接着剤17が配置されるので、接着剤17
がマイカペーパー15内に浸透しにくくなり、接着剤1
7と反応促進剤との接触を一層効果的に防止することが
できる。
【0022】ところで、上記のマイカテープ14は、マ
イカペーパー15と補強材16とを引張り力を与えつつ
貼合わせて製造される。また、この貼合わせの際は、接
着剤17の使用量をできるだけ少なくすることが望まし
い。本実施例のマイカテープ14では、マイカペーパー
15として、マイカ鱗片にアラミッドフィブリッドを混
抄したものを採用したので、マイカペーパー15の引張
り強さが高くなり、貼合わせ時の接着剤17の量を少量
で済ませることができるようになり、また、マイカテー
プ14の引張り強さを高いものとすることができる。
【0023】このように本実施例によれば、マイカテー
プ14において、接着剤17と反応促進剤とが反応する
ことを防止することができるので、硬化促進剤と接着剤
6とが反応してマイカテープ3が早期に硬化してしまう
虞のあった従来のものと異なり、マイカテープ14が早
期に硬化することを未然に防止することができ、マイカ
テープ14の使用可能時間を長くすることができる。
【0024】そして、反応促進剤の塗布層18により、
レジンの硬化反応を速やかに進行させることができるの
で、一旦含浸したレジンが流出してしまう虞のあった従
来と異なり、レジンの流出を極力防止することができ、
この結果、ボイドの発生が少なく絶縁性に優れるコイル
11とすることができ、信頼性の向上を図ることができ
るものである。
【0025】ちなみに、図2は、tanδ−電圧特性を
調べたものであり、実線が本実施例品、破線が従来品を
示している。この図2から明らかなように、従来品で
は、高電圧下で部分放電が発生しやすく絶縁性に劣るの
に対し、上記マイカテープ14を採用した本実施例品で
は、それに比較して高電圧下での絶縁性に十分に優れる
ものとなっているのである。
【0026】(2)第2の実施例 次に、図示は省略するが、本発明の第2の実施例(請求
項2,7に対応)について述べる。この実施例は、上記
第1の実施例の変形例ともいうべきものであり、上記第
1の実施例と異なる点についてのみ以下述べる。
【0027】この実施例では、上記第1の実施例と同様
に、マイカテープ14のマイカペーパー15の内面側
に、レジンの硬化反応を促進するための反応促進剤から
なる塗布層18が形成されるのであるが、その反応促進
剤として、イミダゾールが採用されている。このイミダ
ゾールは比較的低温でレジンの硬化促進作用を発現させ
ることができるので、含浸されたレジンの硬化反応が速
やかに進行してレジンの流出を効果的に防止することが
できるものである。
【0028】ところが、このイミダゾールは、上記のよ
うなメリットがある反面、吸湿性が比較的高い事情があ
り、この吸湿が過剰となると、レジンの含浸処理時に水
分除去の時間が長くかかる不都合を招くことになる。そ
こで、本実施例では、マイカペーパー14の内面側に、
反応促進剤の塗布層18の上に、さらに当該反応促進剤
との反応性の低い樹脂例えば環状脂肪族エポキシレジン
を塗布するようにしたものである。この樹脂としては、
例えばチバ社製のCY175,CY177,CY17
9、UCC社製ではERL4234,ERL4299,
ERL4221等がある。
【0029】かかる構成によれば、反応促進剤(イミダ
ゾール)の塗布層18が樹脂により覆われて空気と接触
しないので、反応促進剤が空気中の水分を吸湿してしま
うことを防止することができる。従って、含浸処理時に
水分除去の余分な時間を要することがなくなり、比較的
低温でレジンの硬化反応を発現させることができるとい
う反応促進剤にイミダゾールを採用したメリットを、十
分に享受することができるのである。
【0030】(3)第3の実施例 次に、図4は本発明の第3の実施例(請求項4に対応)
に係るマイカテープ21の断面を示している。このマイ
カテープ21は、上記第1の実施例のマイカテープ14
と以下の点で異なっている。
【0031】即ち、マイカテープ21は、マイカペーパ
ー15の表面側に、補強材22を接着により貼合わせて
構成されるのであるが、ここでは、補強材22を、上面
側の不織布23と下面側のフィルム24(例えばポリエ
ステルフィルム)との二層構造としている。そして、前
記不織布23とフィルム24とは接着剤により接着され
ているのであるが、この接着剤にシリコーン接着剤25
を採用すると共に、そのシリコーン接着剤25内にレジ
ンの硬化反応を促進するための反応促進剤を配合するよ
うにしている。この反応促進剤としては、第1の実施例
で述べたような各種のものを採用することができる。
【0032】この場合、マイカテープ21を製造するに
あたっては、マイカペーパー15の表面に、フィルム2
4を接着剤17により接着し、その後、フィルム24の
表面に、反応促進剤を配合したシリコーン接着剤25に
より不織布23を接着するようにする。尚、この場合、
不織布23としては、厚みが0.01〜0.05mm程度
のものが好適し、例えば日本バイリーン製H−8101
5等を採用することができる。また、フィルム24と不
織布23とを先に接着するようにしても良いことは勿論
である。
【0033】かかる構成においては、不織布23とフィ
ルム24とを接着するシリコーン接着剤25中に、反応
促進剤が配合されているので、レジンの含浸処理時にお
いて、不織布23を通して含浸されたレジンの硬化反応
が促進され、含浸されたレジンの流出を防止することが
できる。この場合、シリコーン接着剤25は、反応促進
剤と反応しにくいので、マイカテープ21が早期に硬化
することはなく、その使用可能時間を長くすることがで
きる。従って、本実施例においても、上記第1の実施例
と同様に、ボイドの発生が少なく絶縁性に優れるコイル
を構成することができ、信頼性の向上を図ることができ
るものである。
【0034】(4)その他の実施例 最後に、図示は省略するが、本発明は次のように実施す
ることもできる。即ち、上記した各コイル11の最外周
つまりマイカテープ14,21の外周に、さらにフィル
ムテープを巻付ける構成とすることができる(請求項8
に対応)。この場合、前記フィルムテープとしては、ク
ロス状や不織布状、フィルム状のものを採用することが
できが、液体(低粘度のレジン)の透過性のないフィル
ム状のものが最も好ましい。
【0035】かかる構成によれば、マイカテープ14,
21からなる絶縁層の保護をフィルムテープにより図る
ことができると共に、一旦含浸されたレジンが流出する
ことがフィルムテープによって阻止されるようになり、
より一層レジンの流出防止効果に優れたものとなり、ボ
イドの発生を確実に防止することができる。
【0036】さらに、上記した各マイカテープ14,2
1において、マイカペーパー14と補強材16,22と
を接着するための接着剤17にも、反応促進剤との反応
性の低いシリコーン接着剤を採用することができる(請
求項5に対応)。これによれば、マイカテープ14,2
1が早期に硬化することを防止するに一層好ましいもの
となり、ひいては、マイカテープ14,21の柔軟性を
確保した状態で巻付け作業等を容易に行うことができ、
その使用可能時間を長くすることができるものである。
【0037】その他、本発明は上記した各実施例に限定
されるものではなく、例えばマイカペーパーや補強材の
材質としては各種のものを採用することができ、また、
反応促進剤や接着剤にも各種のものを採用できるなど、
要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るもの
である。
【0038】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の回転電機のコイルによれば、マイカテープを巻付けた
原形コイルにレジンによる含浸処理を施すものにおい
て、マイカテープの使用可能時間を長くすることができ
ると共に、レジンの流出を極力防止することができ、ひ
いては絶縁性に優れるという優れた実用的効果を奏する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、マイカテ
ープの断面図
【図2】tanδ−電圧特性を示す図
【図3】コイルの断面を概略的に示す図
【図4】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図5】従来例を示す図3相当図
【図6】図1相当図
【符号の説明】
図面中、11はコイル、12は素線、13は原形コイ
ル、14,21はマイカテープ、15はマイカペーパ
ー、16,22は補強材、17は接着剤、18は塗布
層、23は不織布、24はフィルム、25はシリコーン
接着剤を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素線を巻回して構成される原形コイルに
    マイカテープを巻付けた上で、レジンによる含浸処理を
    施す構成の回転電機のコイルにおいて、 前記マイカテープは、マイカペーパーの一面側に補強材
    を接着剤により貼合わせて構成されると共に、前記マイ
    カペーパーの他面に前記レジンの硬化反応を促進するた
    めの反応促進剤が塗布されることを特徴とする回転電機
    のコイル。
  2. 【請求項2】 マイカペーパーの他面には、反応促進剤
    の上に、さらに当該反応促進剤との反応性の低い樹脂が
    塗布されることを特徴とする請求項1記載の回転電機の
    コイル。
  3. 【請求項3】 マイカペーパーの補強材が貼合わされる
    面は、鱗片密度の高い側の面であることを特徴とする請
    求項1または2記載の回転電機のコイル。
  4. 【請求項4】 素線を巻回して構成される原形コイルに
    マイカテープを巻付けた上で、レジンによる含浸処理を
    施す構成の回転電機のコイルにおいて、 前記マイカテープは、マイカペーパーの一面側に、不織
    布とフィルムとの二層構造を備える補強材を接着剤によ
    り貼合わせて構成されると共に、前記不織布とフィルム
    とは、前記レジンの硬化反応を促進するための反応促進
    剤を配合したシリコーン接着剤にて接着されていること
    を特徴とする回転電機のコイル。
  5. 【請求項5】 マイカペーパーと補強材とを接着する接
    着剤は、反応促進剤と反応しないシリコーン接着剤から
    なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の回転電機のコイル。
  6. 【請求項6】 マイカペーパーは、マイカ鱗片にアラミ
    ッドフィブリッドを混抄して構成されていることを特徴
    とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機の
    コイル。
  7. 【請求項7】 反応促進剤は、イミダゾールからなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の回
    転電機のコイル。
  8. 【請求項8】 原形コイルの最外層は、フィルムテープ
    で覆われることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    かに記載の回転電機のコイル。
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