JPH0134999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドラムブレーキ装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来のこの種のドラムブレーキ装置としては、
第３図に示すものがあり、このものはバツクプレ
ート１の内側に一対のブレーキシユー２，３が配
置されており、この一対のブレーキシユー２，３
は、そのシユーウエブ２ａ，３ａの対向する一方
の端部２ｂ，３ｂを前記バツクプレートに固設し
たアンカ４の両側にそれぞれ当接し、他方の端部
２ｃ，３ｃをバツクプレート１に同様に固設した
両口シリンダ型のホイールシリンダ５の両端から
嵌挿した２本のピストンのそれぞれの端部６，７
に当接させ、前記ホイールシリンダ５の両ピスト
ン間に画成された液圧室にマスタシリンダ（図示
せず）で発生した圧液を導入して前記両ピストン
を押動することにより、一対のブレーキシユー
２，３を前記アンカ４に当接した端部２ｂ，３ｂ
を支点しと拡開させて、両ブレーキシユー２，３
の外周側にそれぞれ設けられたブレーキライニン
グ２ｄ，３ｄを、車輪と一体に回転するブレーキ
ドラム（図示せず）内周面に摺擦させて制動を行
なうようになつている。

また、この両ブレーキシユー２，３の前記ホイ
ールシリンダ５側には、パーキングブレーキ等の
機械式作動機構のブレーキレバー８が一方のブレ
ーキシユー２ａの端部２ｃに設けた支軸９を支点
として回動可能に配設してあり、また該ブレーキ
レバー８の作用点８ａと他方のブレーキシユー３
の端部３ｃ間にはストラツト１０が掛渡してあ
り、このブレーキレバー８は一端をブレーキシユ
ウ２のシユーウエブ２ａに掛止し、他端を該スト
ラツト１０に掛止して設けた第１リターンスプリ
ング１１によりブレーキシユー２側に付勢される
と共に、前記ストラツト１０は一端を該ストラツ
ト１０に掛止し、他端をブレーキシユー３に掛止
した第２リターンスプリング１２によりブレーキ
シユー３側に付勢されており、前記両ブレーキシ
ユー２，３は、これら第１リターンスプリング１
１および第２リターンスプリング１２の弾発力に
より内周方向へ付勢されている。

そして、両ブレーキシユー２，３のアンカ４に
それぞれ当接した端部２ｂ，３ｂ間には、アンカ
スプリング１３が脹設してあり、前記両端部２
ｂ，３ｂはアンカ４に常時当接するように互いに
引張され、また前記アンカ４の反バツクプレート
側にはアンカプレート１４が取着されており、シ
ユーホールドダウンピン１５とシユーホールドス
プリング１６とによりバツクプレート１に弾持し
た両ブレーキシユー２，３の両端部２ｂ，３ｂが
制動作動時等に発生する浮上りによりアンカ４か
ら外れるのを防止している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

したがつて、上記した従来のドラムブレーキ装
置においては、一対のブレーキシユを２，３を第
１リターンスプリング１１、第２リターンスプリ
ング１２およびアンカスプリング１３を取付け
て、それぞれ所定の方向に付勢してバツクプレー
ト１の内側に配設しているため、組付作業に手間
が掛ると共に、アンカ４に取付けたアンカプレー
ト１４は、単にブレーキシユー２，３のそれぞれ
の端部２ｂ，３ｂが制動作動時等に浮上つた場合
の外れ止めの作用だけしか有していないため、制
動作動時に前記両端部２ｂ，３ｂが浮上り、ブレ
ーキシユウ２，３がそれぞれ傾動するのを防止す
ることができなかつた。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、組付
作業が容易であると共に、ブレーキシユーの浮上
りを抑制して制動作動時におけるブレーキシユー
の傾動を防止したドラムブレーキ装置の提供を目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための手段として本考案
は、一対のブレーキシユーを、それぞれの一端側
をバツクプレートに固設したアンカに当接して支
点とし、それぞれの他端側を流体圧式あるいは機
械式のアクチユエータにより拡開可能としてバツ
クプレートの内側に配設したドラムブレーキ装置
において、前記一対のブレーキシユーの一端側を
それぞれバツクプレート方向へ弾発付勢する浮上
り抑制部と、この両ブレーキシユーの一端側をそ
れぞれアンカ方向へ弾発付勢する離反防止部とを
備えたアンカプレートを、前記アンカに取着して
設けたことを特徴としている。

〔作用〕

このように構成することにより、一対のブレー
キシユーはアンカプレートの離反防止部によりそ
れぞれアンカ方向に常時付勢されると共に、浮上
り抑制部によりバツクプレート方向に常時付勢さ
れる。

〔実施例〕

以下、本考案をリーデイング・トレーリング型
ドラムブレーキ装置に適用した一実施例を第１図
及び第２図に基づいて説明する。

尚、第３図に示した従来のドラムブレーキ装置
と同一の構成部分には同一の符号を付してその詳
細な説明を省略する。

車体に固着されるバツクプレート１の内側に
は、左右一対のブレーキシユー２，３がそれぞれ
の下端をバツクプレート１に固設したアンカ４に
当接させて支点とし、それぞれの上端をホイール
シリンダ（図示せず）により拡開可能に配設され
ている。

そして、両ブレーキシユー２，３の端部２ｂ，
３ｂを当接した前記アンカ４の反バツクプレート
側の面には、アンカ４をバツクプレート１に固定
しているリベツト２０，２０によりアンカプレー
ト２１が取着されており、該アンカプレート２１
の略長方形の取着部２２のバツクプレート１中央
側（第１図において上側）には、パーキングブレ
ーキ等の機械式作動機構のブレーキレバーを引張
するブレーキワイヤ（図示せず）を案内する舌片
状のワイヤガイド部２３が形成され、また該アン
カプレート２１の両翼には、ループ状に湾曲形成
した浮上り抑制部２４，２４がそれぞれ延設さ
れ、また、このループ状の両浮上り抑制部２４，
２４の先端は、更にバツクプレート１側へそれぞ
れ折曲されて離反防止部２５，２５が形成してあ
る。

このアンカープレート２１の両翼に形成した両
浮上り抑制部２４，２４は、そのバツクプレート
１側の湾曲部分を両ブレーキシユー２，３の各シ
ユーウエブ２ａ，３ａの反バツクプレート側の面
へループ状部分の弾発力により圧接して両ブレー
キシユー２，３をバツクプレート１方向に付勢
し、また、両浮上り抑制部２４の先端に形成され
た離反防止部２５，２５は、前記両シユーウエブ
２ａ，３ａの各端部２ｂ，３ｂにそれぞれ穿設し
た係止孔２６，２６に先端側を挿通させ、前記浮
上り防止部２４のループ状部分および該離反防止
部２５の折曲部分の弾発力により、両ブレーキシ
ユー２，３をそれぞれ前記アンカ４の方向に付勢
している。

このように構成される本実施例に係るドラムブ
レーキ装置は、バツクプレート１の内側に配設し
た一対のブレーキシユー２，３がアンカプレート
２１の浮上り防止部２４の作用により浮上りが抑
制されて制動作動時にも傾動せず、また離反防止
部２５の作用によりアンカ４からの離反が防止さ
れ、適確で速やかな制動作用が確保される。

尚、本実施例はリーテイング・トレーリング型
ドラムブレーキ装置について説明したが、２リー
デイング型等の他の型式のドラムブレーキ装置に
も適用可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るドラムブレー
キ装置は、浮上り抑制部と離反防止部とを備えた
アンカプレートをアンカに取着して配設し、一端
側を該アンカに当接し他端側を拡開可能とした一
対のブレーキシユーの端部を、バツクプレート方
向およびアンカ方向への弾発付勢したので、ブレ
ーキシユーの浮上りを抑制できると共に、制動作
動時の傾動を効果的に防止でき、また従来、ブレ
ーキシユーのアンカからの離反を防止するために
設けていたアンカスプリングを不要とできるの
で、部品点数の削減が図れると共にバツクプレー
トへのブレーキシユーの組付作業が容易となる等
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図はリーデイング・トレーリング型ド
ラムブレーキ装置の要部を示す平面図、第２図は
第１図の−断面図、第３図は従来のドラムブ
レーキ装置を示す平面図である。 １……バツクプレート、２，３……ブレーキシ
ユー、２ａ，３ａ……シユーウエブ、２ｂ，３ｂ
……端部、４……アンカ、２１……アンカプレー
ト、２２……取着部、２３……ワイヤガイド部、
２４……浮上り抑制部、２５……離反防止部、２
６……係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のブレーキシユーを、それぞれの一端側を
   バツクプレートに固設したアンカに当接して支点
   とし、それぞれの他端側を流体圧式あるいは機械
   式のアクチユエータにより拡開可能としてバツク
   プレートの内側に配設したドラムブレーキ装置に
   おいて、前記一対のブレーキシユーの一端側をそ
   れぞれバツクプレート方向へ弾発付勢する浮上り
   抑制部と、この両ブレーキシユーの一端側をそれ
   ぞれアンカ方向へ弾発付勢する離反防止部とを備
   えたアンカプレートを、前記アンカに取着して設
   けたことを特徴とするドラムブレーキ装置。