JPH0134833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 利用分野 この考案は、複数の場所を同時に光学的に監視
するための広角型光電スイツチに関し、防犯用侵
入検知器、自動ドア、来客報知器などに有用であ
る。

(ロ) 従来技術 複数の場所を同時に光学的に監視する広角型光
電スイツチの従来例としては、第１図に示すもの
が公知である。この従来の広角型光電スイツチ１
において、異なる角度から集中的に入射される複
数の光束Ａ，Ｂ，Ｃは、それぞれに対応する光学
的に異なる凹面ミラー２ａ，２ｂ，２ｃによつて
１つの収束点に収束され、その収束点に設置され
た受光素子３で検知される。なお、受光素子３に
近接して発光素子が設けられており、その発光素
子の出射する変調光の反射成分を受光素子３の出
力信号から抽出して侵入者の有無を判定してい
る。図の両頭矢印はこの投光と受光を表してい
る。

しかし、この従来の広角型光電スイツチ１には
３つの欠点がある。

まず第１に、監視する光束Ａ，Ｂ，Ｃの光軸に
それぞれ対応した光学的に異なる凹面ミラー２
ａ，２ｂ，２ｃを必要とするために、これら凹面
ミラー２ａ，２ｂ，２ｃを構造的に一体の凹面ミ
ラー２として形成するにしても、凹面ミラーの構
成が複雑となる欠点がある。

また第２には、監視する光束数を増減したり、
方向を変更する場合、ケース５を開けて凹面ミラ
ーを取り換えなければならず、作業負担が大き
い。

さらに第３には、通常、光束Ａ，Ｂ，Ｃが窓面
４の近傍で交差することになるために、例えば光
束Ａをカツトしたい場合（テスト時には必ずこの
作業が必要になる）に、外部からではカツトでき
ず、ケース５を開けて凹面ミラー２ａをマスクし
なければならず、作業負担が大きいという欠点も
ある。

(ハ) 考案の目的 この考案は、構成が簡単であり、かつ監視する
光束の変更を容易に行うことができ、さらに光束
のカツトを外部から容易に行うことができる広角
型光電スイツチを提供することを目的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案の広角型光電スイツチは、異なる角度
から入射される複数の光束の各々に対応した個別
の入射領域を有すると共に各領域を通過する光束
を屈折させて各光束を略平行にして出射する複数
のプリズムの組み合せからなる複合プリズム手
段、その複合プリズム手段から出射される略平行
な光を１つの収束点に反射する放物面ミラー、そ
の放物面ミラーの収束点に配置された受光素子、
およびその受光素子の出力信号に基いてオン・オ
フの作動を行うスイツチ回路を具備して構成され
る。

上記複合プリズム手段におけるプリズムの組み
合せは、フレネルレンズのように構成してもよ
い。ただし、レンズのように連続的なものでは不
必要な方向からの光も入つてくるためＳ／Ｎ比が
悪くて監視の確実性が低下するので、所望の方向
の光束だけに対応させて入射領域を分け、各領域
にプリズムを形成するべきである。

上記放物面ミラー、受光素子、スイツチ回路は
特に限定されず、従来公知の構成を用いることが
できる。

(ホ) 実施例 第２図に示す１１は、この考案の光電スイツチ
の一実施例である。

異なる角度から窓面１４に入射される光束Ａ，
Ｂ，Ｃは、それぞれに対応するプリズム１６ａ，
１６ｂ，１６ｃで屈折されて平行な光束ａ，ｂ，
ｃとなる。

平行な光束ａ，ｂ，ｃは、放物面ミラー１２で
一つの収束点に収束され、その収束点に配置され
た受光素子１３で検知される。

受光素子１３に近接して発光素子が設けられて
おり、その発光素子は例えば断続変調光を出射し
ている。その断続変調光は、前記放物面ミラー１
２およびプリズム１６ａ，１６ｂ，１６ｃを入射
光と逆に通つて各監視場所へと出て行き、そこで
反射されて上記のように受光素子１３で検知され
る。

受光素子１３の出力信号はスイツチ回路１７に
入力され、スイツチ回路１７は受光素子１３から
の信号から変調光成分を抽出し、その変調光成分
が所定の大きさ以上の変動を示したときにリレー
コイル１８ａへの通電を停止してリレー接点１８
ｂをオフとする。

監視する方向を変更したいときには、前面のプ
リズムだけを交換すればよいから、作業は非常に
容易である。

監視する必要のない方向たとえばＡをカツトし
たいときには、ケース１５を開ける必要はなく、
その光束Ａに対応するプリズム１６ａの位置して
いる窓面部分に外部からマスキング板１９を貼着
するだけでよい。

(ヘ) 考案の効果 この考案の広角型光電スイツチによれば、複雑
な構成の特殊な凹面ミラーに代えて普通の放物面
ミラーを用いればよいから、仕上り精度やコスト
の点で製造性を向上することができる。

また、監視する光束数の増減や方向の変更は、
複合プリズム手段を取り換えればよく、その作業
は容易である。

さらに、監視が不要の光束をカツトするとき、
外部から窓面の一部をマスキングするだけでよい
から、作業負担が著しく軽減される。これは特に
広角型光電スイツチを設置して初期調整を行う際
に、多数の光束を一つ一つカツトしてテストを行
うのを容易にするから、大きな現実的メリツトと
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の広角型光電スイツチの一例の構
成説明図、第２図はこの考案の広角型光電スイツ
チの一実施例の構成説明図である。 １１……広角型光電スイツチ、１２……放物面
ミラー、１３……受光素子、１４……窓面、１５
……ケース、１６ａ，１６ｂ，１６ｃ……プリズ
ム、１７……スイツチ回路、Ａ，Ｂ，Ｃ，ａ，
ｂ，ｃ……光束。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 異なる角度から入射される複数の光束の各々に
   対応した個別の入射領域を有すると共に各領域を
   通過する光束を屈折させて各光束を略平行にして
   出射する複数のプリズムの組み合せからなる複合
   プリズム手段、その複合プリズム手段から出射さ
   れる略平行な光を１つの収束点に反射する放物面
   ミラー、その放物面ミラーの収束点に配置された
   受光素子、およびその受光素子の出力信号に基づ
   いてオン・オフの作動を行うスイツチ回路を具備
   してなる広角型光電スイツチ。