JPH0134521Y2 - - Google Patents

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JPH0134521Y2
JPH0134521Y2 JP1981056125U JP5612581U JPH0134521Y2 JP H0134521 Y2 JPH0134521 Y2 JP H0134521Y2 JP 1981056125 U JP1981056125 U JP 1981056125U JP 5612581 U JP5612581 U JP 5612581U JP H0134521 Y2 JPH0134521 Y2 JP H0134521Y2
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zero
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voltage
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、3相電線路の対地電圧および線路電
流を測定して地絡点の方向と地絡相とを検出でき
る装置に関するものである。
先に本考案者は、高圧配電線路の任意の箇所
に、各相の対地電圧および線路電流を測定する検
出器を取付けて、その取付け箇所で地絡点の方向
と地絡相とを判別できるようにした高圧配電線路
の地絡方向地絡相検出装置を提案した。
しかしながら、上述の装置では、以下に示すよ
うな問題があつた。
3相電線路において、1線例えばA相が比較的
低抵抗を通じて地絡したときの各相の対地電圧の
位相関係は第1図に示すとおりである。すなわち
地絡前の零相電圧が略零である健全時の対地電圧
は各相電圧Va,VbおよびVcに等しく同図の実
線で示すとおり略平衡しており、絶対値は略等し
く、各120゜の位相差を有している。しかし、例え
ばA相が低抵抗地絡したときは、V0なる零相電
圧が発生し、零相電圧のベクトルと対地電圧のベ
クトルとの交点をE1とし、各相の対地電圧を同
図の点線で示すとおりV′a,V′bおよびV′cとすれ
ば、各対地電圧相互の関係は、A相が地絡したと
きにはV′c>V′b>V′a>またはV′a<Va,V′b>
VbおよびV′c>Vcとなる。したがつて、先に出
願した地絡方向地絡相検出装置においては、地絡
時に測定した各相の対地電圧のうち最小電圧を示
す相を地絡相として判別するか、または地絡前後
に測定した同一相の対地電圧を比較して地絡後の
対地電圧が地絡前の対地電圧よりも小さくなる相
を地絡相として判別していた。
しかし、比較的高抵抗を通じて1線地絡を生じ
たとき、例えば第2図に示すようにA相が地絡し
たときには、V′0なる零相電圧が発生し、零相電
圧のベクトルと対地電圧のベクトルとの交点E2
とすれば、各相の対地電圧は同図の点線で示すよ
うにV″a,V″bおよびV″cとなる。
この場合、A相が無限大に近い高抵抗を通じて
地絡したときは各相の対地電圧Va∞,Vb∞およ
びVc∞はそれぞれ健全時の対地電圧Va,Vbお
よびVcに近くなる。またA相が高抵抗地絡を生
じたときの対地電圧V″aとこの地絡抵抗および対
地静電容量を通じて流れる零相電流による零相電
圧V0とは略90゜の位相差を有し、かつV″aとV0
の和が相電圧Vaに等しくなる。したがつて、地
絡事故点における地絡抵抗値によつて、対地電圧
および零相電圧は、それぞれ第1図または第2図
に示すように半円周上の任意の点(例えばE1
またはE2点)とA点とを結ぶ直線(例えばV′aま
たはV″a)および上記半円周上の点と0点とを結
ぶ直線(例えばV0またはV′0)となる。このこと
は、高抵抗地絡になるほど、地絡事故前後の各相
の対地電圧VaとV″a,VbとV″bおよびVcとV″c
の変化の差が小さくなり、これらの大小が前述し
た低抵抗地絡の場合のV′a<Va,V′b>Vbおよ
びV′c>Vcほど明確な差がなくなる。したがつ
て、高抵抗地絡を生じたときには、誤動作を生じ
やすくなる欠点があつた。
また、対地電圧および線路電流を測定する検出
器として、第3図に示すように線路lを挾んで上
下2つに分割されるモールド体M1およびM2の内
部に電極Q1およびQ2と図示しない鉄心に巻回し
た電流検出用コイルP1およびP2とを組み込んだ
ものを用いていた。しかし、電流測定には鉄心を
使用しているので2次側で残留磁気の影響を受け
たり、励磁電流による位相誤差が生じるために、
これらについて補償しようとすれば複雑な回路に
なり、調整も必要であつた。一方、対地電圧を測
定する際には、線路に取付けられた検出器と電線
路間に介在する雨水のために、電線路と検出器内
の電極間の静電容量が変化して、真の対地電圧が
得られなくなり、したがつて零相電圧だけのレベ
ルを検出していたのでは、誤つて地絡事故を検出
する恐れがあつた。
本考案は、従来の装置の欠点を解決して、対地
電圧から各々合成された線間電圧と零相電圧との
位相を比較することによつて、高抵抗地絡時にお
いても正確に地絡相を判別することができ、また
空心の電流検出用コイルにすることによつて、線
路電流に対しての補償回路がなくなり、さらに対
地電圧から合成された各々の線間電圧の平均値と
零相電圧とを比較することによつて、雨水の影響
を受けて真の対地電圧が得られなくても誤つて地
絡事故を検出することがない地絡方向地絡相判別
装置を提供したものである。
以下、本考案の装置について図面を参照して説
明する。
第4図は、高抵抗地絡時に誤動作を生じやすく
なる欠点を解決するための検討図であつて、地絡
抵抗値が略零から略無限大にまで変化したときの
零相電圧の変化と線間電圧との位相関係を示す図
である。同図において、A相が抵抗値略零で地絡
を生じたときは、零相電圧V0は同図上のA点と
0点とを結ぶ直線Va0となり、位相回転方向を反
時計方向とすれば、線間電圧VcaはV0に対して
30゜の位相遅れとなる。地絡抵抗値が次第に大に
なり、零相電圧V0と対地電圧V′aとの交点の軌跡
が同図の円周上のE1点に達したときにはVcaと
V0とは同相になる。さらに地絡抵抗値が大にな
つて対地電圧V″aと零相電圧V′0との交点の軌跡
が同図の円周上のE2点に達したときには、線間
電圧Vcaは零相電圧V′0よりも逆に30゜進む。地絡
抵抗値が無限大に近ずくと零相電圧と対地電圧と
の交点の軌跡は0点に近ずき、線間電圧Vcaは零
相電圧よりも60゜進む。したがつて、零相電圧の
位相を一定とした場合に、地絡抵抗値Rgが略零
から無限大まで変化することによつて線間電圧
Vcaの位相が変動する。範囲は第5図に示すとお
り零相電圧に対して−30゜から+60゜までとなる。
同様にして、零相電圧に対して線間電圧Vbcおよ
びVabの位相が変動する範囲は、同図に示すとお
り、Vcaの位相の変化よりもそれぞれ−120゜およ
び+120゜だけ移動した位相になる。すなわち、零
相電圧V0に対する線間電圧Vca,VbcおよびVab
の位相差は、Vcaが−30゜乃至+60゜であり、Vbc
が+180゜乃至+90゜であり、Vabが−150゜乃至−
60゜であつて、これらのうちVcaの位相差の絶対
値が最も小さい。
以上の理論に基づいて、A相が地絡したとき
に、各相の対地電圧から各線間電圧および零相電
圧を演算して、各線間電圧と零相電圧との位相差
を求め、これらの位相差のうちの最小値を示す線
間電圧を判別する。その判別した線間電圧はVca
であるので、その線間電圧Vcaに予め対応させた
相すなわちA相が地絡したことを知ることができ
る。この場合、A相が高抵抗地絡を生じても、他
の地絡を生じていない相B相またはC相に対応し
た線間電圧と零相電圧との位相差の絶対値60゜乃
至150゜または90゜乃至180゜は、地絡を生じた相に対
応した線間電圧と零相電圧との位相差の絶対値0゜
乃至60゜とは全く異なつた位相差であるために全
く誤動作を生じる恐れがない。
第6図は、本考案の地絡方向地絡相判別装置の
ブロツク図を示す。同図において、1a乃至1c
はA相、B相およびC相の対地電圧および線路電
流を測定するために高圧配電線路の任意の箇所に
取付けられる着脱自在な検出器である。この検出
器には、第3図に示したように空心の電流検出用
コイルP1およびP2が上下に分割された二つ割り
のモールド体M1およびM2に組み込まれ、また前
述したように雨水の影響を極力避けるために上側
のモールド体M1に対地電圧を測定する電極Q1
組み込まれている。2a乃至2cは対地電圧に対
応する信号Va,VbおよびVcの測定感度差を補
正するための利得調整回路、3a乃至3cは各々
の利得調整回路2a乃至2cの出力信号Va,Vb
およびVcを入力信号としこれらの信号を互に減
算して線間電圧に対応する信号Vca=Vc−Va,
Vab=Va−VbおよびVbc=Vb−Vcを演算する
線間電圧演算回路である。4は利得調整回路2a
乃至2cの出力信号Va,VbおよびVcを入力と
してこれらの信号を加算して零相電圧に対応する
信号V0=(Va+Vb+Vc)/3を出力する零相電
圧演算回路である。5a乃至5cは各々の線間電
圧演算回路3a乃至3cの出力信号Vca,Vabお
よびVbcを方形波化する線間電圧方形波化回路、
6は零相電圧演算回路4の出力信号V0の高調波
成分を除去するフイルタ回路、7はフイルタ回路
6の出力信号を方形波化する零相電圧方形波化回
路である。EXOR1乃至EXOR3は、各々の線間電
圧に対応する方形波化された線間電圧位相信号
φca,φabおよびφbcと零相電圧に対応する方形
波化された零相電圧位相信号φ0とを入力とする
第1乃至第3のイクスクルーシブOR回路であ
る。このOR回路の出力端子には、各々の線間電
圧に対応する信号と零相電圧に対応する信号との
位相差すなわち第1の位相差信号|φca−φ0|,
|φab−φ0|および|φbc−φ0|が出力される。
8a乃至8cはローパスフイルタ回路であつて、
各位相差に対応する信号の高調波成分が除去され
て、これに比例した平均値を示す第1乃至第3の
位相差平均値信号φ1乃至φ3が出力される。9a
は第1および第2の位相差平均値信号φ1,φ2
入力信号としてφ1>φ2のときにHレベルの信号
を、またφ1<φ2のときはLレベルの信号を出力
する第1の大小判別回路であり、9bは第2およ
び第3の位相差平均値信号φ2,φ3を入力信号と
しφ2>φ3のときにHレベルの信号を、またφ2
φ3のときはLレベルの信号を出力する第2の大
小判別回路であり、9cは第3および第1の位相
差平均値信号φ3,φ1を入力信号としφ3>φ1のと
きにHレベルの信号を、またφ3<φ1のときはL
レベルの信号を出力する第3の大小判別回路であ
る。NOT1乃至NOT3は、第1乃至第3の大小判
別回路9a乃至9cの各出力信号のレベルをHレ
ベルとLレベルとの間で反転する第1乃至第3の
NOT回路である。AND1はNOT1の出力信号と
第3の大小判別回路9cの出力信号とを入力信号
とする第1のAND回路であり、AND2はNOT2
の出力信号と第1の大小判別回路9aの出力信号
とを入力信号とする第2のAND回路であり、
AND3はNOT3の出力信号と第2の大小判別回路
9bの出力信号とを入力信号とする第3のAND
回路であつて、A相が地絡したときにはAND1
出力端子AにHレベルの信号が出力されてA相が
地絡したことを示し、B相が地絡したときには
AND2の出力端子BにHレベルの信号が出力され
てB相が地絡したことを示し、C相が地絡したと
きにはAND3の出力端子にHレベルの信号が出力
されてC相が地絡したことを示す。なお、AND1
乃至AND3にはもう1つの後述する零相電圧信号
が入力される。上記の線間電圧方形波化回路5a
乃至5c、フイルタ回路6、零相電圧方形波化回
路7、第1乃至第3のイクスクルーシブOR回路
EXOR1乃至EXOR3、ローパスフイルタ回路8a
乃至8c、第1乃至第3の大小判別回路9a乃至
9c、第1乃至第3NOT回路NOT1乃至NOT3
よび第1乃至第3のAND回路AND1乃至AND3
は地絡判別回路30を構成する。10は線間電圧
に対応する信号Vca,VabおよびVbcを加算する
ことにより平均値を算出する平均値演算回路、1
1は零相電圧演算回路4の出力信号に対応する信
号と平均値演算回路11の出力信号とを比較する
ことによつて地絡事故を判定する零相電圧判定回
路、12は瞬時も含めた短時間の地絡事故を検出
しないように一定時間後に零相電圧信号を出力す
る限時回路である。上記の平均値演算回路10、
零相電圧判定回路11および限時回路12は地絡
判別回路31を構成する。13a乃至13cは検
出器1a乃至1cの電流の比誤差を見かけ上零に
調整するための利得調整回路、14は各相の線路
電流に対応する信号Ia,IbおよびIcを入力して加
算した後、積分して零相電流に対応する信号I0
(Ia+Ib+Ic)/3を出力する零相電流演算回路
である。15は零相電流演算回路14の出力信号
I0の高調波成分を除去するフイルタ回路、16は
零相電流に対応する信号I0の位相を変える移相回
路、17は移相した信号I0を方形波化する零相電
流方形波化回路である。EXOR4は零相電圧方形
波化回路7の出力信号である零相電圧位相信号
φ0と零相電流方形波化回路17の出力信号であ
る零相電流位相信号λ0とを入力する第4のイクス
クルーシブOR回路であつて、零相電圧に対応す
る信号と零相電流に対応する信号との位相差信号
|φ0−λ0|が出力される。18はローパスフイ
ルタ回路であつて、位相差信号|φ0−λ0|の高
調波成分が除去されて、これに比例した位相差平
均値信号αが出力される。19および20は、そ
れぞれ第1および第2の位相比較回路であつて、
位相差平均値信号αと基準位相設定回路21の出
力信号である基準位相信号βとを比較して、例え
ばα<βのときに第1の位相比較回路19からH
レベル信号が出力され、またα>βのときに第2
の位相比較回路20からHレベル信号が出力され
る。22は零相電流に対応する信号のレベルによ
つて地絡方向を確実に判定する零相電流判定回路
である。AND4は第1の位相比較回路19、限時
回路12および零相電流判定回路22の各出力信
号を入力とする第4のAND回路であつて、これ
らの信号がすべてHレベルになれば、AND4の出
力端子SにHレベルの信号が出力されて電源側に
地絡事故が生じたことになる。AND5は第2の位
相比較回路20、限時回路12および零相電流判
定回路22の各出力信号を入力とする第5の
AND回路であつて、これらの信号がすべてHレ
ベルになれば、AND5の出力端子TにHレベルの
信号が出力されて負荷側に地絡事故が生じたこと
になる。上記のフイルタ回路15、移相回路1
6、零相電流方形波化回路17、第4のイクスク
ルーシブOR回路EXOR4、ローパスフイルタ回路
18、第1の位相比較回路19、第2の位相比較
回路20、基準位相設定回路21、零相電流判定
回路22、第4のAND回路AND4および第5の
AND回路AND5は地絡方向判別回路32を構成
する。
以下、第6図の地絡相判別動作について説明す
る。まず、地絡を生じていない各相平衡した対地
電圧を検出器1a乃至1cで測定すると各相の対
地電圧に対応した信号がそれぞれ利得調整回路2
a乃至2cを通り、その出力信号Va,Vbおよび
Vcが零相電圧演算回路4に入力されその出力端
子にはV0=(Va+Vb+Vc)/3の零相電圧に対
応した信号が出力される。この信号V0は、フイ
ルタ回路6を通して出力される値が零になるよう
に利得調整回路2a乃至2cの利得を調整するこ
とによつて検出器1a乃至1cの測定感度を補正
する。
ここで、例えばA相が第1図または第3図の半
円周上のE1点に相当する低抵抗地絡を生じた場
合の動作について説明する。この地絡時に検出器
1a乃至1cが対地電圧に対応する信号V′a,
V′bおよびV′cを測定し、利得調整回路2a乃至
2cを通つて零相電圧演算回路4に入力され、そ
の出力信号V′0=(V′a+V′b+V′c)/3はフイル
タ回路6を通して出力される。この零相電圧に対
応する信号V′0は、フイルタ回路6および零相電
圧方形波化回路7によつて方形波化され、その零
相電圧位相信号φ0は、上記各EXOR1乃至EXOR3
の一方の入力端子に供給される。一方、各相の利
得調整回路2a乃至2cの出力信号は線間電圧演
算回路3a乃至3cに入力され、それらの線間電
圧に対応する出力信号Vca=Vc−Va,Vab=Va
−VbおよびVbc=Vb−Vcは、それぞれ方形波化
回路5a乃至5cに入力され、それらの方形波化
された線間電圧位相信号φca,φabおよびφbcは
それぞれイクスクルーシブOR回路EXOR1
EXOR2およびEXOR3の入力端子の片方に供給さ
れる。この場合、第5図から明らかなように、
φcaとφ0とは同位相であるので、EXOR1の出力
端子の信号は常時、零である。同様にして
EXOR2の出力端子には位相差120゜に相当する期
間のみ信号を出力する。この信号を120Θとする。
EXOR3の出力端子には位相差120゜の位相差に相
当する期間のみ信号を出力する。この信号を
120Θとする。これらのEXOR1乃至EXOR3の出
力信号0,120Θおよび120Θは、フイルタ回路8
a乃至8cに入力され位相差に比例した位相差平
均値信号φ1=0,φ2=φ3=120Θ/360=4Θ/12
が出力される。第1の大小判別回路9aにはφ1
=0およびφ2=4Θ/12の位相差平均値信号が入
力されφ1<φ2なので、前述したようにLレベル
の信号を出力し、第2の大小判別回路9bには
φ2=4Θ/12およびφ3=4Θ/12の位相差平均値信
号が入力されφ2=φ3なので出力信号は不定であ
る。ただし、このように不定であつても、後述す
るように地絡相の判別には影響を及ぼさない。第
3の大小判別回路9cにはφ3=4Θ/12およびφ1
=0の位相差平均値信号が入力されφ3>φ1なの
でHレベルの信号が出力される。第1の大小判別
回路9aの出力信号であるLレベルの信号は
NOT1によつて反転されてHレベルの信号とな
り、この信号と第3の大小判別回路9cの出力信
号であるHレベルの信号とがAND1に入力されて
その出力端子AにはHレベルの信号が出力され
る。第2の大小判別回路9bの出力信号は前述し
たように不定であるのでその反転信号もHレベル
またはLレベルとなり定まらないが、この信号と
第1の大小判別回路9aの出力信号であるLレベ
ルの信号とが入力されるAND2の出力端子Bには
Lレベルの信号が出力される。第3の大小判別回
路9cの出力信号であるHレベルの信号はNOT3
によつて反転されてLレベルの信号となるので、
この信号と第2の大小判別回路9bの不定な出力
信号であるLレベルまたはHレベルの信号とが入
力されるAND3の出力端子CにはLレベルの信号
が出力される。このように、A相が低抵抗地絡を
生じた場合にはAND1の出力端子AにはHレベル
の信号、AND2の出力端子BにはLレベルの信号
およびAND3の出力端子CにはLレベルの信号が
出力されるのでA相が地絡したことが判別され
る。
つぎに、例えばA相が第2図または第4図の半
円周上のE2点に相当する高抵抗地絡を生じた場
合の動作について説明する。この地絡時に検出器
1a乃至1cが対地電圧に相当する信号V″a,
V″bおよびV″cを測定した後、前述した順序で発
生した線間電圧位相信号φca,φabおよびφbcは、
それぞれイクスクルーシブOR回路EXOR1
EXOR2およびEXOR3の一方の入力端子に供給さ
れ、零相電圧位相信号φ0は、他方の入力端子に
供給される。この場合、イクスクルーシブOR回
路EXOR1の出力端子には第5図から明らかなよ
うに位相差30゜に相当する期間のみ信号を出力す
る。この信号を例えば30Θとする。同様にして
EXOR2の出力端子には位相差90゜に相当する期間
のみ信号を出力する。この信号を90Θとする。
EXOR3の出力端子には位相差150゜に相当する期
間のみ信号を出力する。この信号を150Θとする。
これらのEXOR1乃至EXOR3の出力信号30Θ,
90Θおよび150Θは、フイルタ回路8a乃至8c
に入力され位相差に比例した位相差平均値信号
φ1=30Θ/360Θ/12,φ2=90Θ/360=3Θ/12お
よびφ3=150Θ/360=5Θ/12が出力される。第
1の大小判別回路9aにはφ1=Θ/12およびφ2
=3Θ/12の位相差平均値信号が入力されφ1<φ2
なので前述したようにLレベルの信号を出力し、
第2の大小判別回路9aにはφ2=3Θ/12および
φ3=5Θ/12の位相差平均値信号が入力されφ2
φ3なのでLレベルの信号を出力し、第3の大小
判別回路9cにはφ3=5Θ/12およびφ1=Θ/12
の位相差平均値信号が入力されφ3>φ1なのでH
レベルの信号が出力される。第1の大小判別回路
9aの出力信号であるLレベルの信号はNOT1
よつて反転されてHレベルの信号となり、この信
号と第3の大小判別回路9cの出力信号であるH
レベルの信号とがAND1に入力されてその出力端
子AにはHレベルの信号が出力される。第2の大
小判別回路9bの出力信号であるLレベルの信号
はNOT2によつて反転されてHレベルの信号とな
り、この信号と第1の大小判別回路9aの出力信
号であるLレベルの信号とがAND2に入力されて
その出力端子BにはLレベルの信号が出力され
る。第3の大小判別回路9cの出力信号であるH
レベルの信号はNOT3によつて反転されてLレベ
ルの信号となり、この信号と第2の大小判別回路
9bの出力信号であるLレベルの信号とがAND3
に入力されてその出力端子CにはLレベルの信号
が出力される。このようにA相が高抵抗地絡を生
じた場合であつても、AND1の出力端子AにはH
レベルの信号、AND2の出力端子BにはLレベル
の信号およびAND3の出力端子CにはLレベルの
信号が出力されるので、前述した低抵抗地絡の場
合と同様にA相が地絡したことが判別される。
なお、何れの場合であつても地絡相を確実に判
別するために、たとえ測定された対地電圧が大き
く変化しても、線間電圧に対応する信号Vca,
VabおよびVbcを平均値演算回路10に入力して
平均された信号を適当に分圧することによつて零
相電圧判定レベルを設定すればよい。この設定レ
ベルの出力信号とフイルタ回路6を通して出力さ
れる零相電圧に対応する信号とを零相電圧判定回
路11に入力して、零相電圧に対応する信号が大
であれば一定時間T1後に限時回路12から零相
電圧信号が出力されて、この信号がAND1乃至
AND3に入力される。
このように各線間電圧に対応する信号を平均し
て得られる信号と零相電圧に対応する信号とを相
対的に比較するために、測定された対地電圧が変
化しても誤つて地絡事故を検出することがない。
続いて、第6図の地絡方向判別動作について説
明する。検出器1a乃至1cによつて測定された
各相の線路電流に対応する信号が、各々の利得調
整回路13a乃至13cで比誤差を見かけ上零に
調整され、その出力信号Ia,IbおよびIcが零相電
流演算回路14に入力される。この出力端子には
I0=(Ia+Ib+Ic)/3の零相電流に対応する信
号が出力され、フイルタ回路15に入力される。
ここで、零相電流に対応する信号と零相電圧に対
応する信号との位相差を大にするために、零相電
流に対応する信号を移相回路16により例えば
90゜位相を進めた信号は、零相電流方形波化回路
17に入力され、方形波化された零相電流位相信
号λ0は零相電圧位相信号φ0とともにイクスクル
ーシブOR回路EXOR4に入力される。この
EXOR4の出力信号|φ0−λ0|は、ローパスフイ
ルタ回路18に入力され位相差に比例した位相差
平均値信号αが出力される。第1および第2の位
相比較回路19,20には、地絡点が電源側また
は負荷側であるかを判別するために設定する基準
位相設定回路21の出力である基準位相信号βと
位相差平均値信号αとがそれぞれ入力され、α<
βのときに第1の位相比較回路19からHレベル
信号が出力され、またα>βのときに第2の位相
比較回路20からHレベル信号が出力される。さ
らに、地絡方向を確実に判別するために零相電流
に対応する信号のレベルを判定する零相電流判定
回路22の出力信号と地絡判別回路31から出力
される零相電圧信号とのHレベル信号が、それぞ
れAND4およびAND5に入力されている。したが
つて、前述したようにα<βのときには第1の位
相比較回路19の出力信号がHレベルであるの
で、AND4の出力端子SにHレベルの信号が出力
されて電源側に地絡事故が生じたことを示す。ま
た、α>βのときには第2の位相比較回路20の
出力信号がHレベルであるので、AND5の出力端
子TにHレベルの信号が出力されて負荷側に地絡
事故が生じたことを示す。ところで、配電線路に
検出器を取付けた地点に対して、負荷側に地絡事
故が生じたときには零相電流は零相電圧よりも位
相が進み、電源側のときには位相が遅れることは
知られている。そこで、移相回路16を用いて零
相電流に対応する信号の位相を例えば90゜進める
ことによつて、地絡点が電源側または負荷側の何
れの側かとは無関係に、零相電流に対応する信号
は零相電圧に対応する信号に対して180゜の進み位
相までに存在することになる。したがつて、零相
電流に対応する信号が90゜の進み位相の時に、予
めEXOR4から出力される信号を基準位相信号β
とすれば、位相差平均値信号αが基準位相信号β
よりも大であれば、負荷側に地絡事故が生じたこ
とを示しており、逆にαがβよりも小であれば電
源側に地絡事故が生じたことを示している。上記
とは逆に、移相回路16により零相電流に対応す
る信号の位相を90゜遅らせた場合には、出力端子
TにHレベルの信号が出力された時は、電源側に
地絡事故が生じたことを示し、また逆に出力端子
SにHレベルの信号が出力された時は、負荷側に
地絡事故が生じたことを示している。
上記の第6図においては、回路構成はすべてア
ナログ信号を処理する実施例について説明した
が、クロツクパルス発生回路、A/DまたはD/
A変換器、カウンタ、記憶回路等を用いてデイジ
タル信号を処理する回路を用いてもよく、またマ
イコンを利用してプログラムによつて実行させて
もよい。さらに、AND1乃至AND5の出力信号を
計測器、表示灯、警報器、プリンタ、デイスプレ
イ、他の保護継電器等に供給して、任意の表示ま
たは動作をさせることができる。
以上のように、本考案の装置によれば、検出器
によつて測定された対地電圧から各線間電圧およ
び零相電圧を演算し、つぎにこれらの演算結果か
ら各線間電圧と零相電圧との位相差を比較し、ま
た各線間電圧の平均値と零相電圧とを比較するこ
とによつて低抵抗地絡から高抵抗地絡までの広い
範囲にわたつて容易にかつ確実に地絡相を判別す
ることができる。さらに、検出器内の電流検出用
コイルを空心にして調整回路の簡素化を図り、こ
れから得られる零相電流の位相を変えることによ
つて確実に地絡方向をも判別することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ低抵抗地絡お
よび高抵抗地絡を生じたときの対地電圧と零相電
圧との位相関係を示すベクトル図、第3図は本考
案で用いることができる検出器の一例を示す概略
断面図、第4図は低抵抗地絡および高抵抗地絡を
生じたときの線間電圧と零相電圧との位相関係を
示すベクトル図、第5図は地絡抵抗値が略零から
無限大にまで変化したときの零相電圧の位相と各
線間電圧の変動範囲との関係を示す線図、第6図
は本考案の装置の実施例のブロツク図である。 1a乃至1c……検出器、3a乃至3c……線
間電圧演算回路、4……零相電圧演算回路、5a
乃至5c……線間電圧方形波化回路、7……零相
電圧方形波化回路、9a乃至9c……第1乃至第
3の大小判別回路、10……平均値演算回路、1
1……零相電圧判定回路、12……限時回路、1
4……零相電流演算回路、16……移相回路、1
7……零相電流方形波化回路、19……第1の位
相比較回路、20……第2の位相比較回路、21
……基準位相設定回路、22……零相電流判定回
路、EXOR1乃至EXOR4……第1乃至第4のイク
スクルーシブOR回路、NOT1乃至NOT3……第
1乃至第3のNOT回路、AND1乃至AND5……
第1乃至第5のAND回路、30……地絡相判別
回路、31……地絡判別回路、32……地絡方向
判別回路。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 3相電線路の各相の対地電圧および線路電流を
    測定する検出器と、前記検出器によつて測定した
    各相の対地電圧に対応する信号から線間電圧に対
    応する信号を各々出力する線間電圧演算回路と、
    前記検出器によつて測定した各相の対地電圧に対
    応する信号から零相電圧に対応する信号を出力す
    る零相電圧演算回路と、前記線間電圧演算回路の
    各出力信号と零相電圧に対応する信号とを入力と
    して地絡が生じたときに信号を出力する地絡判別
    回路と、前記線間電圧演算回路の各出力信号と前
    記零相電圧に対応する信号と前記地絡判別回路の
    出力信号とを入力として地絡相を示す信号を出力
    する地絡相判別回路と、前記検出器によつて測定
    した各相の線路電流に対応する信号から零相電流
    に対応する信号を出力する零相電流演算回路と、
    前記零相電圧に対応する信号と前記地絡判別回路
    の出力信号と前記零相電流演算回路の出力信号と
    を入力とする地絡方向判別回路とを具備した3相
    電線路の地絡方向地絡相判別装置において、 前記検出器を、電線路への自在な着脱が可能な
    分割された二つ割りのモールド体と、各モールド
    体内に組込まれた電線路の電流を検出する空心コ
    イルと、電線路の上側に位置するモールド体内に
    組込まれた電線路の対地電圧を検出する電極とか
    ら構成し、かつ、 前記地絡相判別回路を、線間電圧演算回路の各
    出力信号をそれぞれ方形波化する線間電圧方形波
    化回路と、零相電圧演算回路の出力信号を方形波
    化する零相電圧方形波化回路と、前記線間電圧方
    形波化回路の各出力信号と前記零相電圧方形波化
    回路の出力信号とをそれぞれ入力とする第1乃至
    第3のイクスクルーシブOR回路と、前記第1お
    よび第2のイクスクルーシブOR回路の出力信号
    を入力とする第1の大小判別回路と、第2および
    第3のイクスクルーシブOR回路の出力信号を入
    力とする第2の大小判別回路と、第3および第1
    のイクスクルーシブOR回路の出力信号を入力と
    する第3の大小判別回路と、前記第1乃至第3の
    大小判別回路の各出力信号をそれぞれ反転する第
    1乃至第3のNOT回路と、前記第1のNOT回路
    の出力信号と第3の大小判別回路の出力信号と地
    絡判別回路の出力信号とを入力とする第1の
    AND回路と、前記第2のNOT回路の出力信号と
    第1の大小判別回路の出力信号と地絡判別回路の
    出力信号とを入力とする第2のAND回路と、前
    記第3のNOT回路の出力信号と第2の大小判別
    回路の出力信号と地絡判別回路の出力信号とを入
    力とする第3のAND回路とから構成し、かつ、 前記地絡判別回路を、線間電圧演算回路の各出
    力信号を入力とする平均値演算回路と、前記平均
    値演算回路の出力信号と零相電圧に対応する信号
    とを入力とする零相電圧判定回路と、前記零相電
    圧判定回路の出力信号によつて限時動作する限時
    回路とから構成し、かつ、 前記地絡方向判別回路を、零相電流に対応する
    信号の位相を変える移相回路と、前記移相回路の
    出力信号を方形波化する零相電流方形波化回路
    と、前記零相電流方形波化回路の出力信号と零相
    電圧方形波化回路の出力信号とを入力とする第4
    のイクスクルーシブOR回路と、前記イクスクル
    ーシブOR回路の出力信号と基準位相設定回路の
    出力信号とを比較する第1および第2の位相比較
    回路と、前記零相電流に対応する信号を入力とす
    る零相電流判定回路と、地絡判別回路の出力信号
    と前記第1の位相比較回路の出力信号と零相電流
    判定回路の出力信号とを入力とする第4のAND
    回路と、地絡判別回路の出力信号と前記第2の位
    相比較回路の出力信号と零相電流判定回路の出力
    信号とを入力とする第5のAND回路とから構成
    した3相電線路の地絡方向地絡相判別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54113044A (en) * 1978-02-22 1979-09-04 Kansai Electric Power Co Inc:The Ground faulted phase detecting relay

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JPS54113044A (en) * 1978-02-22 1979-09-04 Kansai Electric Power Co Inc:The Ground faulted phase detecting relay

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