JPH0134485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は主幹ブレーカ及び分岐ブレーカを収容
する分電盤用ボツクス、殊に大形分電盤用ボツク
スに関するものである。

［背景技術］ 分電盤は第３図及び第４図に示すように、筐体
の内部に主幹ブレーカ５と複数個の分岐ブレーカ
６とが設置されているとともに、これらブレーカ
５，６の操作ハンドル部を露出させるための窓４
０，４１を備えた中蓋４が設置されており、筐体
の前面周縁には扉枠２が固着され、また筐体の前
面開口を閉じる扉３が蝶番１３を介して扉枠２に
取り付けられているものである。そしてこの分電
盤の筐体は、板金加工によつて形成されたもので
あり、第５図に示すように、矩形枠状の側板１の
背面に背板７が溶接固着され、また前面周縁に配
されて側板１の縁を覆つている扉枠２は、筐体の
前面側の開口縁内面に溶接固着された取付金具１
０を介して取り付けられている。

ここにおいて、分電盤が小形のものであるなら
ば、このような構造のボツクスで別段問題はない
ものの、図示例のように分岐ブレーカが多数設置
される大形のものにあつては、上記の構造では筐
体の板厚をかなり厚くしないことには強度を確保
することができず、重量がかさむものとなつてい
る。

［考案の目的］ 本考案はこのような点に鑑み為されたものであ
り、その目的とするところは軽量で且つ強度の高
い分電盤用ボツクスを提供するにある。

［考案の開示］ しかして本考案に係る分電盤用ボツクスは、前
後が開口する矩形枠状の側板と、この側板の後面
側開口を閉じる背板とからなるものであつて、側
板はその後面開口縁から内方に突出する内向縁を
一体に具備するとともに、前面開口縁から内方に
突出する内向縁と内向縁の先端から前方側に突出
する前向縁と前向縁の先端から後方へと折り返さ
れるとともに上記内向縁の背方側で側板内面側に
向けて屈曲されて先端が側板の本体部内壁に接す
るＬ字形の補強片とを一体に具備して、補強片と
側板本体部と前面側の内向縁との間に袋状空間が
形成されており、背板はその周縁が側板の前記後
面側の内向縁に重ね固定されていることに特徴を
有して、袋状空間を形成するとともに前向縁と重
なる側板と一体の補強片で強度が確保されること
から、筐体の板厚を厚くしなくともすむようにし
たものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述する
と、第１図は一実施例を示すものであつて、前後
面が共に開口する矩形枠状の側板１の背面開口が
背板７で閉じることによつて形成されるととも
に、前面周縁に扉枠２が配設される筐体は、その
側板１の前面開口縁が、一旦内方へと折り曲げら
れた後、さらに前方へと折り曲げられ、そしてこ
の前方に向かう前向縁１２の先端から後方へと断
面Ｌ字形の補強片８が折り返されたものとなつて
おり、そしてこの補強片８は側板１の前面開口部
に重なつてこの部分を二重としているとともに、
先端から側板１の本体部内面と平行な方向に屈曲
された片が側板１に溶接固着されている。

この時、側板１と補強片８との間に袋状空間が
生じるように補強片８の形状を定めており、また
この袋状空間に面する部分の塗装及び水洗いの際
の水抜きのために、補強片８に長孔９を多数断続
的に設けている。閉じられた袋状空間があるため
に、この部分の強度が非常に高い上に、第３図に
示すように、扉枠２の取り付けのための取付金具
１０などの部材を溶接ではなく、ビスによつて行
なうことができる。更に前向縁１２の先端から補
強片８が折り返されていることから、この前向縁
１２の先端にエツジが生じず、施工時や使用時に
エツジで傷をおうようなことがないものであり、
また前向縁１２にこれを曲げようとする外力が加
わつても、先端が側板１内面に固着されている補
強片８がこの力に対抗するために、前向縁１２が
曲がつてしまうこともないものである。

背板７の取り付けも、側板１の後部を内方へと
折り曲げるとともに、この折曲片に形成してある
段部１１に背板７周縁を重ねて溶接固着するもの
としており、段部１１によつて筐体後部の強度を
上げている。

［考案の効果］ 以上のように本考案においては、筐体が側板と
背板と補強片との組み合わせで形成されており、
側板と背板との固着部が重ね合わされている上
に、側板の前面側は、内方に突出する内向縁と内
向縁の先端から前方側に突出する前向縁と前向縁
の先端から後方へと折り返されるとともに上記内
向縁の背方側で側板内面側に向けて屈曲されて先
端が側板の本体部内壁に接するＬ字形の補強片と
が一体に形成されて、補強片と側板本体部と前面
側の内向縁との間に袋状空間が形成されており、
袋状空間を形成するとともに前向縁と重なる側板
と一体の補強片によつて曲げ強度が大幅に高くな
つており、また補強片による補強によつて前向縁
が外力で変形することもなく、板厚が薄くとも、
十分な強度を発揮するものであつて、軽量化を図
ることができるものであり、更には前向縁の先端
は補強片が折り返されているために、施工者等に
対して傷を与えてしまうおそれのあるエツジがな
く、安全なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案一実施例の断面図、
第３図及び第４図は分電盤の斜視図、第５図は従
来例の断面図であり、１は側板、２は扉枠、７は
背板、８は補強片、１１は段部、１２は前向縁を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後が開口する矩形枠状の側板と、この側板の
   後面側開口を閉じる背板とからなるものであつ
   て、側板はその後面開口縁から内方に突出する内
   向縁を一体に具備するとともに、前面開口縁から
   内方に突出する内向縁と内向縁の先端から前方側
   に突出する前向縁と前向縁の先端から後方へと折
   り返されるとともに上記内向縁の背方側で側板内
   面側に向けて屈曲されて先端が側板の本体部内壁
   に接するＬ字形の補強片とを一体に具備して、補
   強片と側板本体部と前面側の内向縁との間に袋状
   空間が形成されており、背板はその周縁が側板の
   前記後面側の内向縁に重ね固定されている分電盤
   用ボツクス。