JPH0134324Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本発明は酸化亜鉛を主体とした金属酸化物特性
要素を有する配電用避雷器に関する。

配電用避雷器は一般に避雷器の事故の際、配電
線より切離し配電系統に影響を与えないようにす
る事が望まれる。この種の避雷器は、従来炭化け
い素特性要素と直列ギヤツプとを組み合わせた方
式と酸化亜鉛を主体とした金属酸化物特性要素の
みによる方式とが知られている。しかし後者にお
いては、ギヤツプ付避雷器のような続流現象など
はないが、直列ギヤツプが使用されていないため
何らかの事由により特性要素が短絡した場合、配
電線よりの切離し装置がないので高圧側の配電線
の焼損、高圧ヒユーズの溶断等が発生する。

それ故本考案は酸化亜鉛を主体とする特性要素
を用い、サージ電圧電流保護性能が良く、高圧側
ヒユーズとの協調も取れしかも切離し性能の良い
低圧側の配電用避雷器を提供することを目的とす
る。

この目的は、避雷器が酸化亜鉛を主体とする金
属酸化物特性要素の一面に第１の端子を接続し、
他面に樹脂層を介して第２の端子を固定し、内部
にばねを収容した導電性のキヤツプの開口側に位
置するばね端部を該第２の端子に当接させ、該キ
ヤツプの頂部と前記特性要素の他面との間が特性
要素の温度上昇および避雷器を流れる過電流によ
りそれぞれ溶断分離する部分を有する連結体によ
りキヤツプの内部に収容されたばねの力に抗して
連結され、前記第２の端子と前記特性要素の他面
との間が連結体、ばねおよびキヤツプを介して電
気的に連結され、かつばねおよびキヤツプが前記
連結体の溶断分離と共に前記第２の端子より解放
されることにより達成される。

以下図を引用して本考案の実施例について説明
する。第１図において、酸化亜鉛を主体とする円
盤状特性要素１の一面には端子２、他面には集電
極３が取り付けられている。集電極３の中央には
ヒユーズ４の端部がはんだ５により固着され、ヒ
ユーズ４の他端は金属製のキヤツプ６の頂部を貫
通してつぶされ、さらにはんだ７によりキヤツプ
６に固定され、電気的に接続されている。ヒユー
ズ４はほぼ中央に肉薄部４１を有する。このヒユ
ーズ４の通る穴８を有する端子９はキヤツプ６の
内部に入れられたばね１０により広げられる短絡
片１１に接触することによつてキヤツプ６と電気
的に接続されている。特性要素１、端子２および
９、集電極３の大部分はヒユーズ４には接触しな
いように樹脂１２によりモールドされている。こ
の避雷器は端子２および９によつて線間あるいは
線対地間に接続する。

酸化亜鉛を主体とした特性要素の電圧、電流特
性は第２図に示すように常時200V印加時は
100μA程度のもれ電流であるが、何らかの理由で
特性要素に劣化、短絡が生じた場合、数Ａから最
大柱上変圧器の漏洩インピーダンスと線路抵抗お
よび避雷器の抵抗値できまる電流が流れる。この
電流により特性要素１が発熱し、その熱ではんだ
５が温度ヒユーズとして作用して溶融し、ばね１
０の力でヒユーズ４は集電極３より切離され、キ
ヤツプ６と共に落下する。切離し時間は電流の大
きさとはんだ５の材料、すなわち融点によつて決
まる。第３図の線３１が溶断特性の一例を示す。
特性要素１の劣化でなく過電流が流れて配電線路
より切離しを必要とする場合、ヒユーズ４の肉薄
部４１が溶断して配電線、柱上変圧器等を焼損よ
り保護する。柱上変圧器一次側高圧ヒユーズとの
協調は肉薄部４１の寸法、すなわち厚さおよび長
さを適度に選ぶことにより得られる。第３図の線
３２が溶断特性の一例を示す。ヒユーズ４の溶断
の際に肉薄部４１あるいはヒユーズ４の先端と集
電極３との間にアークが発生し、そのアークの圧
力がばね１０の力に加算されてキヤツプ６は急速
に落下することにより遮断能力が向上する。キヤ
ツプ６の落下によつて遮断が行われたことが表示
される。なおキヤツプ６の頂部に穴１３を設けて
雨水等が浸入しても溜らないようにすることが有
効である。

第４図はヒユーズ４の異なる実施例で、第１図
の肉薄部４１の代りに融点の低い別の金属片４２
を備えたものである。この方式は第１図の場合に
比較してヒユーズの溶断特性が選び易い利点が得
られる。

本考案は配電用避雷器の酸化亜鉛を主体とする
金属酸化物特性要素にヒユーズを直列に挿入し、
かつ特性要素の劣化破壊等に基づく暴走電流によ
る温度上昇により溶断分離する部分とともに事故
電流により溶断分離する部分を設けて配電線路、
柱上変圧器の保護を行うものである。さらにヒユ
ーズにキヤツプを設けて溶断表示と遮断能力の向
上を行う。これにより酸化亜鉛特性要素を用いて
避雷器の良好な保護性能が得られ、考案の効果は
極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による避雷器の断面
図、第２図は酸化亜鉛特性要素の劣化の状態を示
す電圧、電流特性線図、第３図は第１図の避雷器
のヒユーズ部の溶断特性線図、第４図は第１図の
ヒユーズの異なる実施例を示す正面図である。 １…特性要素、２，９…端子、３…集電極、４
…ヒユーズ、５，７…はんだ、６…キヤツプ、１
０…ばね、４１…肉薄部、４２…低融点金属片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 酸化亜鉛を主体とする金属酸化物特性要素の
   一面に第１の端子を接続し、他面に樹脂層を介
   して第２の端子を固定し、内部にばねを収容し
   た導電性のキヤツプの開口側に位置するばね端
   部を該第２の端子に当接させ、該キヤツプの頂
   部と前記特性要素の他面との間が特性要素の温
   度上昇および避雷器を流れる過電流によりそれ
   ぞれ溶断分離する部分を有する連結体によりキ
   ヤツプの内部に収容されたばねの力に抗して連
   結され、前記第２の端子と前記特性要素の他面
   との間が連結体、ばねおよびキヤツプを介して
   電気的に連結され、かつばねおよびキヤツプが
   前記連結体の溶断分離と共に前記第２の端子よ
   り解放されることを特徴とする配電用避雷器。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の避雷器
   において、連結体の特性要素の温度上昇によつ
   て溶断分離する部分が連結体の特性要素の他面
   に固着するはんだ層であることを特徴とする配
   電用避雷器。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載の避雷器において、特性要素の他面側の端
   子はキヤツプの内部に収容されたばねによつて
   広げられる短絡片を介してキヤツプと電気的に
   接続されたことを特徴とする配電用避雷器。