JPH0133857Y2

JPH0133857Y2 -

Info

Publication number: JPH0133857Y2
Application number: JP16366081U
Authority: JP
Priority date: 1981-10-31
Filing date: 1981-10-31
Publication date: 1989-10-16
Also published as: JPS5869123U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、自動二輪車の緩衝装置付多板クラツ
チに関する。

自動二輪車では、カムの回動によつて中間軸に
内挿したプツシユロツドを操作し、動力の伝達を
行なうクラツチプレートおよびクラツチデイスク
の係合を解除する、いわゆるカム式クラツチレリ
ーズのプツシユロツド方式のクラツチが広く採用
されている。このようなクラツチでは、クラツチ
ハウジングとクラツチスリーブハブとの間に配置
したクラツチプレートおよびクラツチデイスクを
クラツチプレツシヤーデイスクの移動によつて作
動し、両者間の係合および解除を行なわせてお
り、その係合操作にはコイル式のクラツチスプリ
ングの付勢力を利用し、その解除操作にはプツシ
ユロツドの押圧力を利用している。そして、従来
のこの種のクラツチではコイル式のクラツチスプ
リングをクラツチスリーブハブ内に取付けてい
る。したがつて、変速時の衝撃などが内熱機関ま
たは、動力伝達機構に伝わるのを防止するための
緩衝装置をクラツチスリーブハブに組込むことは
できなかつた。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、コイル式のクラツチス
プリングに代えて皿バネを用いることにより、ク
ラツチスリーブハブにナイトハルト緩衝装置を内
装し、変速時の衝撃などを防止するようにした自
動二輪車の緩衝装置付多板クラツチを提供するこ
とにある。

以下、図示の実施例を参照しながら本考案を詳
細に説明する。

第１図および第２図において、１は軸線上に挿
通孔１ａを設け、この挿通孔１ａにプツシユロツ
ド２を内挿した中間軸である。これは、該挿通孔
１ａの開口端部に、その先端がプツシユロツド２
に当接するプツシユピース３の一端部を摺動可能
に嵌挿している。該プツシユピース３の他端部に
はスラストベアリング４を介してクラツチプレツ
シヤーデイスク５が支持されている。６は上記中
間軸１にスラストベアリング７を介して支持され
たクラツチギヤであり、これは図示しないクラン
クシヤフトに設けられたクランクギヤに噛合して
動力が伝達される。８は、該クラツチギヤ６にネ
ジ９を介して装着されたクラツチハウジングであ
り、これはネジ９の周囲にダンパーラバー１０を
介在して振動を防止している。１１は上記クラツ
チプレツシヤーデイスク５とクラツチギヤ６との
間に配設されたクラツチスリーブハブであり、こ
れは外周部軸方向に形成したスプライン１１ｏに
多数のクラツチプレート１２をスプライン溝（図
示せず）を介して噛合してある。これらクラツチ
プレート１２はクラツチハウジング８に備えられ
た多数のクラツチデイスク１３と交互に配置さ
れ、互いの係合および解除によつてクラツチハウ
ジング８とクラツチスリーブハブ１１との間の動
力の伝達および解除を行なうようにしている。上
記クラツチスリーブハブ１１の軸線上には角孔部
１４が穿設されており、この角孔部１４には、上
記中間軸１にスプライン結合した角柱状のナイト
ハルトインナーハブ１５がその対角線の位置をず
らせて遊嵌してある。１６は上記角孔部１４の角
部、すなわちナイトハルトインナーハブ１５との
空隙部に介在されたダンパーラバーであり、これ
は角孔部１４およびナイトハルトインナーハブ１
５とともにいわゆるナイトハルト緩衝装置を形成
する。上記クラツチスリーブハブ１１は両開口端
周縁に凹部１１ａ，１１ｂを形成しており、その
凹部１１ａ，１１ｂにそれぞれ側板１７およびス
ラストワツシヤ１８を当ててダンパーラバー１６
を支持するとともに、その外側にナツト１９およ
びスリーブ２０を介して挟持している。２１は折
曲げワツシヤであり、これは爪の一方をナツト１
９側に、爪の他方を、側板１７に穿設した孔１７
ａを通してナイトハルトインナーハブ１５内に折
り曲げて、ナツト１９の緩みを防止している。上
記スラストワツシヤ１８を配設した凹部１１ｂは
二段に形成され、小径部１１b₁にスラストワツシ
ヤ１８が設けられ、かつ大径部１１b₂に摺動板２
２が配置されている。この摺動板２２は、上記ス
ラストワツシヤ１８との間に配置した皿バネ２３
により上記小径部１１b₁から離れる方向に付勢さ
れており、かつその後面を、一端部をクラツチプ
レツシヤーデイスク５にネジ止めしたスペーサ２
４の他端係止部２４ａにより係止されている。該
スペーサ２４は、側板１７、ナイトハルトインナ
ーハブ１５およびスラストワツシヤ１８を貫通し
て設けられている。

しかして、上記構成によるクラツチの動作を説
明すると、クランクシヤフトの動力は、クランク
ギヤを介してクラツチギヤ６に伝達される。クラ
ツチギヤ６はクラツチハウジング８とともに、中
間軸１に対してフリー回転する。一方、クラツチ
プレツシヤーデイスク５は、スラストワツシヤー
１８と摺動板２２との間に配置した皿バネ２３の
付勢力によつてクラツチスリーブハブ１１に接近
する。すなわち、スラストワツシヤー１８と摺動
板２２との間に配置された皿バネ２３の付勢力に
よつてクラツチプレツシヤーデイスク５はクラツ
チスリーブハブ１１側に押圧される。そして、ク
ラツチプレート１２およびクラツチデイスク１３
はクラツチプレツシヤーデイスク５とクラツチス
リーブハブ１１との間で挟持されて互いに係合
し、動力の伝達が成される。クラツチスリーブハ
ブ１１に伝達された動力は、ダンパーラバー１６
を介してナイトハルトインナーハブ１５に伝わ
り、中間軸１に伝達される。

また、クラツチ結合の解除を行なう場合には、
図示しないカムの動作により、プツシユロツド２
を図示右方に作動し、プツシユピース３を介して
クラツチプレツシヤーデイスク５を皿バネ２３の
付勢力に抗して図示右方に移動する。これによつ
て、クラツチプレツシヤーデイスク５は、クラツ
チスリーブハブ２２から離れ、クラツチプレート
１２およびクラツチデイスク１３は互いの係合を
解除される。一方、クラツチプレツシヤーデイス
ク５の移動に伴なつて摺動板２２もスペーサ２４
によつて移動し、皿バネ２３を圧縮する。皿バネ
２３は、摺動板２２が小径部１１b₁に当接して係
止されるので、必要以上に圧縮される虞れはな
い。

次に第３図は、第２図と同一部分には同符号を
付して示す本考案の他の実施例であり、これは、
皿バネ２３をクラツチプレツシヤーデイスク５と
クラツチスリーブハブ１１′との間に配設したも
のである。

すなわち、クラツチスリーブハブ１１′におけ
るクラツチプレツシヤーデイスク５との対向面、
外周部を突設して筒部２５を形成する。この筒部
２５の内側に、クラツチプレツシヤーデイスク５
にネジ止めしたホルダー２５を挿入し、かつ、該
筒部２５の開口部内周面に、溝２５ａを形成し、
該溝２５ａにサークリツプ２７を配設してある。
このホルダー２６は筒体の先端外周面にフランジ
部２６ａを突設したもので、このフランジ部２６
ａと上記サークリツプ２７との間に皿バネ２３を
配設してある。２８はフランジ部２６ａと皿バネ
２３との間に配設したスラストワツシヤである。
なお、ダンパーラバー１６はクラツチスリーブハ
ブ１１′の両側面に配設した一対の側板２９₁，２
９₂により挟持されており、側板２９₁は上記筒部
２５内に配設され、かつ側板２９₂はクラツチス
リーブハブ１１′に形成した凹部１１′ａに配設さ
れている。該凹部１１′ａはナイトハルトインナ
ーハブ１５の面位置より若干深く形成し、側板２
９₂の対向側に間隙３０を設けてある。

この実施例によるクラツチは次のように動作す
る。

クラツチの作動に際しては、皿バネ２３の付勢
力により、フランジ部２６ａが図示左方に押圧さ
れ、クラツチプレツシヤーデイスク５は左方に移
動する。これによつて、クラツチプレート１２お
よびクラツチデイスク１３は係合し、動力の伝達
が成される。

一方、カムの動作により、プツシユロツド２を
図示右方に移動すると、クラツチプレツシヤーデ
イスク５は皿バネ２３の付勢力に抗して、図示右
方に移動する。これによつて、クラツチプレート
１２およびクラツチデイスク１３は係合を解除さ
れ、動力の伝達が断たれる。

以上述べたように、本考案による自動二輪車の
緩衝装置付多板クラツチによれば、コイル式のク
ラツチスプリングに代えて皿バネを用いたので、
クラツチスリーブハブにナイトハルト緩衝装置を
内装でき、もつて変速時などに生ずる衝撃を吸収
することができる。また、ナイトハルト緩衝装置
の内装により、クラツチギヤにクラツチハウジン
グを直接固定することもできる。さらに、皿バネ
は回転してもスプリング効果は変わらないので、
従来のコイル式のスプリングの欠点を解消でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による自動二輪車
の緩衝装置付多板クラツチの一実施例を示し、第
１図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第２図は第１図
のＢ−Ｂ線断面図、第３図は本考案の他の実施例
を示す断面図である。１……中間軸、２……プツシユロツド、３……
プツシユピース、５……クラツチプレツシヤーデ
イスク、６……クラツチギヤ、８……クラツチハ
ウジング、１１，１１′……クラツチスリーブハ
ブ、１２……クラツチプレート、１３……クラツ
チデイスク、１４……角孔部、１５……ナイトハ
ルトインナーハブ、１６……ダンパーラバー、１
７，２９₁，２９₂……側板、１８……スラストワ
ツシヤ、２２……摺動板、２３……皿バネ、２４
……スペーサ、２５……筒部、２６……ホツダ
ー、２７……サークリツプ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

クラツチハウジングとクラツチスリーブハブと
の間に摩擦板を配置し、かつ該クラツチスリーブ
ハブに対して接離して上記摩擦板の係合および解
除を行なうクラツチプレツシヤーデイスクを、回
転軸に移動可能に支持した自動二輪車のクラツチ
において、上記クラツチスリーブハブの軸線上に
角孔部を設け、該角孔部に、上記回転軸を係合す
るナイトハルトインナーハブを設けるとともに、
これら角孔部とナイトハルトインナーハブとの空
隙部にダンパーラバーを配置し、かつ、上記クラ
ツチプレツシヤーデイスクに、上記ナイトハルト
インナーハブを貫通するスペーサを設け、このス
ペーサの先端にクラツチスリーブハブの端面に対
向する係止部を設け、この係止部とクラツチスリ
ーブハブの端面との間にクラツチプレツシヤーデ
イスクをクラツチスリーブハブ側に付勢する皿バ
ネを配置したことを特徴とする自動二輪車の緩衝
装置付多板クラツチ。