JPH0133265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は造型済の鋳枠の移動、反転、解枠など
の工程を適確容易に行うことができるようにした
鋳型取扱装置に関するものである。

造型済の鋳枠を所要位置に移動させたうえ反転
させて鋳枠にクランプされた模型板を抜き上げ、
この模型板を再反転して旧位置に戻す場合、従来
は天井走行クレーンのフツクに天秤棒をその中央
の懸吊部をもつて懸吊して該天秤棒の両端にワイ
ヤーを取付け、このワイヤーに鋳枠の天狗と通称
されている支持棒を係止させておき、反転時には
この支持棒を支点として造型済の鋳枠を模型板と
一体のまま入力により反転し、支持棒へのワイヤ
ーの係止を解くとともに模型板と鋳枠とのクラン
プを解いて該模型板を前記ワイヤーに係止させて
抜き上げ、次いで、この模型板を入力で反転させ
たうえ旧位置に戻すという手順をもつて行つてい
るため、重心の位置が少しでも狂うとバランスを
崩して作業者に危害を与えるおそれがあるうえに
模型板の抜き上げが天秤棒を介し行われるために
水平保持が困難で型崩れを起し易く、また、模型
板を抜き上げ後再反転しなければ旧状に復帰でき
ないので手数もかかる等の問題があつた。

本考案は前記のような問題点を解決する目的の
下に完成された鋳型取扱装置に関するもので、以
下、本考案を図示の実施例について詳細に説明す
る。

１は天井フレームに架設したＩ型鋼よりなる走
行レールで、この走行レール１には２台を１組と
して各巻上げ装置２が所要の間隔をおいて走行動
自在に懸吊されている。巻上げ装置２は懸吊用の
車輪３，３を頂部に備えた懸吊フレーム４の下面
に正逆回転自在な巻上げ電動機５，５′を並設す
るとともに一方の巻上げ電動機５の巻軸に一端を
連結したワイヤーロープなどのロープ６の他端を
他方の巻上げ電動機５′の巻軸に連結してなるも
のとし、各巻上げ装置２は前記懸吊用の車輪３を
もつて走行レール１に懸吊されて車輪軸に連結さ
れた走行モータ７の駆動により走行レール１に沿
つて走行動されるようになつており、また、前記
巻上げ電動機５，５′はその作動によりロープ６
を同時に或いは各別に巻上げ、巻下げできるうえ
に走行レール１に沿つて走行動自在なこの２台の
巻上げ装置２，２は連動されるように電気的に接
続されていて巻上げ装置２，２から垂下されるロ
ープ６，６を後記する鋳枠８の支持棒８ａ，８ａ
に引掛け、各巻上げ装置２，２を同時に巻上げ作
動すると、鋳枠８は水平状態を保つて上方に吊上
げられ、また、該巻上げ装置２，２のそれぞれの
巻上げ電動機５，５′のうち各一方の巻上げ電動
機５を巻上げ作動しながら他方の各巻上げ電動機
５′を巻下げ作動すると、鋳枠８は支持棒８ａ，
８ａを支点としてロープ６，６の移動方向に反転
されるようになつている。９は操作ボタンを備え
た操作ボツクスで、前記懸吊フレーム４の側面に
支持部材１０および電気配線が収納されたフレキ
シブルチユーブ１１を介して懸吊支持されてい
る。１２は中抜状のローラ１２ａを複数個軸支し
てなる搬送コンベアで、該搬送コンベア１２は走
行レール１の下方に設置されており、前記ローラ
１２ａ間の略中央部には電磁石１３がローラ１２
ａの上面と略同一高さになるように設けてあり、
また、搬送コンベア１２上には模型板１４が電磁
石１３に磁着保持されて載置され、さらに、模型
板１４上には前記鋳枠８が図示されない位置決め
ピンに嵌合位置決めされて載置されている。

このように構成されたものは、造型済の鋳枠８
が模型板１４に型合せされたまま搬送コンベア１
２上に該模型板１４が電磁石１３に磁着された状
態で置かれると、操作ボタンの操作により各巻上
げ装置２の一方の巻上げ電動機５もしくは他方の
巻上げ電動機５′を巻上げ或いは巻下げ作動して
ロープ６を上下調節し、このロープ６，６の下端
を鋳枠８の支持棒８ａ，８ａに引掛けて該両巻き
上げ装置２，２を同時に巻上げ作動すれば、鋳枠
８は第２図に示すように上方に水平状態を保つて
吊上げられて型抜きできるから、型抜き完了後に
操作ボタンを操作して両巻上げ装置２，２の巻上
げ作動を停止し、各巻上げ装置２，２の一方の巻
上げ電動機５，５を巻上げ作動すると同時に他方
の巻上げ電動機５′，５′を巻下げ作動させればロ
ープ６，６は反時計方向に移動して鋳枠８を支持
棒８ａ，８ａを支点として反転させる。そして、
反転後は両巻上げ装置２，２の作動を停止すると
ともに走行モータ７，７の同時作動により内部に
鋳型を保持した鋳枠８をロープ６，６で懸吊支持
しながら走行レール１に沿つて図示しない一側の
鋳型置場まで移動させ、ここで上鋳型に型合せす
ることにより１対の完成鋳型とする。その後、空
となつた両巻上げ装置２，２を再び旧位置まで戻
し、搬送コンベア１２上の模型板１４を電磁石１
３の励磁を解いて取外し、次の型抜き、反転操作
に備えればよいもので、鋳枠８を空中に懸吊しな
がらロープ６の巻上げ、巻下げ作動により自動的
に鋳枠８を反転するようにしているため、作業者
の安全が確保できるように型抜きに際しては重心
や型抜き抵抗に関係なく常に平行を保持できるの
で、造型鋳型と模型板の離型が適確に行われるこ
ととなつて型崩れのおそれがなく、また、従来の
ように型抜きのために模型板を上側とする必要が
ないので、模型板を旧状に戻す手数が省け良好な
鋳型が能率的にできるなどの種々の利点がある。

従つて、本考案は造型済の鋳枠の移動、反転、
解枠などの一連の工程を適確容易に行うことがで
きる鋳型取扱装置として実用的価値は極めて大な
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
型抜き前の状態における一部切欠正面図、第２図
は型抜き後の状態における一部切欠側面図であ
る。 １：走行レール、２：巻上げ装置、３：懸吊用
の車輪、４：懸吊フレーム、５，５′：巻上げ電
動機、６：ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 懸吊用の車輪３を頂部に備えた懸吊フレーム４
   に正逆回転自在な巻上げ電動機５，５′を並設す
   るとともに一方の巻上げ電動機５の巻軸に一端を
   連結したロープ６の他端を他方の巻上げ電動機
   ５′の巻軸に連結して同時に或いは各別に巻上げ、
   巻下げできるようにした巻上げ装置２の２台を１
   組として天井フレームに架設された走行レール１
   に前記懸吊用の車輪３をもつて走行動自在に懸吊
   させたことを特徴とする鋳型取扱装置。