JPH0132834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、肥料繰出用回転体を苗植付装置の往
復回動部材にリンク機構で連動した田植機に関す
る。

上記田植機において、肥料繰出用回転体とリン
ク機構とを連動連結するに、従来、それらの間に
ラチエツト式等の一方向クラツチを介装し、往復
回動部材の作動に伴ない回転体を一方向向きに間
欠に回転させていたのであるが、植付苗に対して
繰出肥料を適切位置に施肥できず、事実上空施肥
状態に近くなる場合があつた。

つまり、回動部材の往復動作のうち一方の動作
時には回転体が停止状態となるために、繰出肥料
の量が脈動的になり、また、繰出用回転体から肥
料放出口に至るまでの不確実な移送タイムラグ等
により苗植付タイミングと肥料放出タイミングと
を一致させることが難かしく、そのために、第５
図に示すように、植付苗Ｗに対する肥料Ｈの施肥
箇所が不適切になる欠点があつた。

本考案の目的は、上述従来の実情に鑑みて、簡
単かつ合理的な改良により、施肥タイミングのズ
レによる空施肥状態を確実に防止すると共に、回
転体駆動構造をも簡略化する点にある。

本考案の特徴構成は、冒記田植機において、前
記回転体が前記往復回動部材と同調して往復回転
するように、前記回転体とリンク機構を直結して
ある事にある。

つまり、回転体とリンク機構とを直結するだけ
の簡単な改良で、回転体を往復回動部材と同調さ
せて往復回転させることにより、回動部材の往動
作及び還り動作時の両方において肥料を繰出すこ
とができて、肥料放出状態を定量連続放出状態に
近づけることができ、その結果、第３図に示すよ
うに、植付苗Ｗに対して肥料Ｈが空施肥状態とな
ることを確実に防止し、施肥効果を大巾に向上し
得るに至つた。

しかも、従来構成のものに比して一方向クラツ
チを省略できて、駆動構造をも簡略化できるに至
り、全体として、施肥性能に優れた田植機を製作
面、経済面においても有利に提供し得るに至つ
た。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対の推進後車輪１
及び左右一対のステアリング操作用推進前車輪２
を備えた機体フレーム３に、前部原動部４、及び
搭乗運転部５を設けると共に、一定ストロークで
横往復移動する傾斜苗のせ台６、その傾斜苗のせ
台６から縦循環動作により順次一株分の苗を取出
し泥面に植付ける複数の苗植付爪７、及び、機体
左右方向に並置された複数の整地フロート８等諸
装置を備えた苗植付装置９を、機体フレーム３の
後部に、リンク機構１０を介して、駆動昇降操作
自在に連設し、更に、各苗植付爪７による苗植付
箇所に苗植付に伴ない粉粒状肥料を埋め込む施肥
装置１１を装備し、もつて、機体の走行に伴ない
施肥を施こしながら順次複数条の苗を植付ける乗
用型田植機を構成してある。

前記施肥装置１１を構成するに、第１図及び第
２図に示すように、機体フレーム３の前部に連結
支持した左右一対の支持フレーム１２を介して運
転座席５ａの上方に配設支持した一対の粉粒肥料
貯留用主タンク１３と、苗植付装置９に取付けた
２個の補助タンク１４とを、前記苗植付装置９の
上昇による主タンク１３と補助タンク１４との接
近をそれ自身の弾性撓みにより吸収する一対の可
撓性ホース１５により左右各別に接続すると共
に、各整地フロート８の底部に一体形成され、機
体の走行に伴ない苗植付箇所近くの泥面に溝を形
成してその溝内に肥料を埋め込む複数の作溝部１
６と、前記各補助タンク１４の下部に装備した複
数の肥料繰出し機構１７の吐出口とを各別にホー
ス１８を介して接続し、もつて、主タンク１３内
の粉粒肥料をホース１５内自重落下により補助タ
ンク１４に連続的に供給すると共に、肥料繰出し
機構１７により補助タンク１４から各作溝部１６
へ所定量づつ肥料を供給し、機体の走行に伴ない
各条ごとに所定量の肥料を施こすように構成して
ある。

前記繰出し機構１７を構成するに、補助タンク
１４に連設の下部ホツパー１９に、外周部に肥料
受用溝２０を並設したロータ２１を機体横向き軸
芯周りで回転自在に内装すると共に、苗植付爪７
縦循環動作用揺動アーム２６と一体揺動するよう
にその揺動アーム２６の支軸２７に一体連結した
アーム２８と、ローター回転軸２２とを、植付爪
７の一循環動作に伴なうアーム２８の一往復揺動
により回転軸２２が前後にθ＝90゜づつ往復回転
されるようにリンク機構２９を介して連動連結
し、かつ、ローター回転軸２２の回転方向切換わ
り時点において、ホツパー１９に装備した溝２０
内肥料すえ切り用ブラシ３１が隣り合う溝２０の
ローター２１外周面に接当位置するように設定
し、もつて、苗植付爪７の植付動作に同期したロ
ーター２１の往復回転作用により２つの溝２０分
づつの所定量の粉料肥料を各作溝部１６に連続的
に繰出し供給するようにし、第３図に示す如く、
機体の走行に伴ない植付苗Ｗに対してその近傍箇
所に定量の肥料Ｈを連続的に施こすように構成し
てある。

尚、ローター２１の具体的形状は、第４図に示
すように、その往復回転角θに応じた横断面視扇
形状に形成する等、各種の構成変更が可能であ
り、また、溝２０の個数及びその穿設ピツチ、並
びに、往復回転角θも各種の構成変更が可能であ
る。

本考案は、歩行型や乗用型等の各種型式の田植
機における施肥装置駆動部を対象とするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の施肥装置駆動部の
実施例及び従来例を例示し、第１図は全体側面
図、第２図は施肥装置を拡大した一部切欠き側面
図、第３図は施肥状態を示す概略平面図、第４図
は別実施例を示す一部切欠き側面図、第５図は従
来における施肥状態を示す第３図に相当する図で
ある。 ９……植付装置、２１……回転体、２６……往
復回動部材、２９……リンク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肥料繰出用回転体２１を苗植付装置９の往復回
   動部材２６にリンク機構２９で連動した田植機に
   おいて、前記回転体２１が前記往復回動部材２６
   と同調して往復回転するように、前記回転体２１
   とリンク機構２９を直結してある事を特徴とする
   田植機の施肥装置駆動部。