JPH0132534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、走行装置を有する機台上に脱穀機を搭載
して自走脱穀機となし、脱穀作業時以外の時に脱
穀機を取外して走行車を運搬車に利用することは
既に知られている。

しかし、前記走行車は一般に機台の後部にエン
ジン及び操縦部を設け、前部は前端まで平面に構
成されていたので、稲束その他のものを運搬する
時、積み込み量が制約されると共に運搬中に積載
物が前部から落下することがあつた。

また、自走脱穀機の使用時期は収穫期という極
めて短い期間であり、運搬車として使用するにし
てもその利用効率は極めて低く、特に積雪期には
倉庫に格納しておくだけで使用されることがなか
つた。

本考案は自走脱穀機用の走行車を運搬車として
使用する時は積載量を増大することができると共
に落下を防止することができ、積雪期には雪除機
として利用することができる自走脱穀機用走行車
を提供せんとするものであつて、走行装置を有す
る機台上の後部に操縦部を設け、前部に自動脱穀
機を着脱するようにした走行車において、前記機
台の後部に袋受台を着脱可能に取付け、該袋受台
を上向凹状に湾曲した底板とその両端の側板とで
構成すると共に基部に取付部を設け、前記機台の
前部に、前記袋受台の基部をその底板の凹部が前
面になるようにして装着する取付受部を設けたこ
とを特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１はクローラーからなる走行装置２を有する機台
であつて、後部にはエンジンａ及び操縦部ｂを装
着し、その前部には自動脱穀機３を着脱可能に装
着してあり、前記機台１の後端には支持枠４が固
定してある。

そして、袋受台５は、前部と後部に上向き弯曲
部を有していて後部がやや高くなるように傾斜し
た底板５ａと、その両側縁に熔接した側板５ｂ，
５ｂとで構成されており、該側板５ｂ，５ｂの前
記支持枠４の上面と後面に合致するように逆Ｌ字
状に切欠してあり、これらの切欠部は断面逆Ｌ字
状をなす基部板５ｃの両端に熔接してある。

前記袋受台５の基部板５ｃは、横方向に間隔を
隔てて少なくとも２個の取付孔からなる取付部を
有しており、該袋受台５の基部は前記支持枠４に
載せて螺子により第１図に示すように螺着されて
いる。

この状態で前記袋受台５は袋掛杆６……の直下
に臨んでいて籾袋を受けるようになつている。

前述の自動脱穀機３を機台１から下すと、運搬
車になるが、その際は前記袋受台５を取外して第
２図に符号Ａで示すように、機台１の前端に上向
きとなして基部板５ｃを重合し、機台１の前面に
ボルトＣ……で螺着すると該袋受台５は荷受板に
なり、その際、裏面が受面になり、機台１上に藁
束を積み込む場合、藁束を袋受台５の上部まで積
み込むことができ、運搬中に藁束が落下するのを
防止することができる。

また、前記袋受台５を第２図に符号Ｂで示すよ
うに下向きにすると共に凹部が前方を向くように
してその基部板５ｃを機台１の前端に螺着し、側
板５ｂ，５ｂの中間部をそれぞれ連杆７，７で機
台１の側部に連結すると、板体５はスノーブレー
ドになるから、積雪時に雪掻き作業を行なうこと
ができる。

そして、袋受台５を機台１の後部に取付けて籾
袋を受ける場合、籾が地上にこぼれるのを防止す
ることができ、籾袋に穀粒が充填されるとその重
量が大になり、また、機台の後部に立設して荷受
にした場合や垂下姿勢にしてスノブレードにした
場合、荷受台に対して大きな負荷が掛かるが、そ
れらの負荷に前記側板５ｂ，５ｂが対抗する。

本考案は前述のように走行装置を有する機台上
の後部に操縦部を設け、前部に自動脱穀機を着脱
するようにした走行車において、前記機台の後部
に袋受台を着脱可能に取付け、該袋受台を上向凹
状に湾曲した底板とその両端の側板とで構成する
と共に基部に取付部を設け、前記機台の前部に、
前記袋受台の基部をその底板の凹部が前面になる
ようにして装着する取付受部を設けたので、脱穀
作業を行なつて袋交換するような場合、籾が袋か
ら洩れても、上向きに湾曲した底板と側板とから
なる籾受台がそれを受け止めて地上に流出するの
を防止することができると共に、大なる重量とな
つた籾袋を確実に支持することができる。

また、積雪期のように脱穀にも運搬にも使用し
ない時期に前記板体を機台の前部から垂下する姿
勢として機台の前部に装着すると、除雪機となす
ことができ、その際、濡れた雪はその重量がきわ
めて大であるが、側板により底板が強固に保持さ
れ、底板の凹面を略一定形状に保持した状態でス
ムーズに掬い上げながら掻き取ることができ、積
雪期には全く利用されていなかつた自走脱穀機用
走行車を有効に利用して高能率に除雪することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は自走脱穀機の側面図、第２図は脱穀機を
下し、板体を荷受板又は雪除板とした側面図であ
る。 １……機台、２……走行装置、５……袋受台、
５ａ……底板、５ｂ……側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行装置を有する機台上の後部に操縦部を設
   け、前部に自動脱穀機を着脱するようにした走行
   車において、前記機台の後部に袋受台を着脱可能
   に取付け、該袋受台を上向凹状に湾曲した底板と
   その両端の側板とで構成すると共に基部に取付部
   を設け、前記機台の前部に、前記袋受台の基部を
   その底板の凹部が前面になるようにして装着する
   取付受部を設けたことを特徴とする自走脱穀機用
   走行車。