JPH0132344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコイル用絶縁帯に関する。

（従来技術） 従来、コイルマージンを得るためのコイル絶縁
帯として、プラスチツク等からなる絶縁シートの
両側縁に連続した凸部を一体成形したもの等が
種々提供されている。しかし、これらの多くは使
用に際して作業性が悪く、あるいは加工々数が多
いためにコスト高になる等、スイツチングトラン
スの如き民生用の安価なトランスに使用するには
不向きな点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、容易かつ低コストにて製
造でき、しかも使用時の作業性のよいコイル用絶
縁帯を提供することにある。

（考案の構成） 以下、図に沿つて本考案を説明する。第１図は
本考案の第１実施例を示しており、図において１
は第３図に示す如くコイルボビンＢの巻部B₁に
ほぼ等しい幅を有する帯状の絶縁シートを示すも
ので、この絶縁シート１は例えば薄肉のプラスチ
ツクシートや紙を帯状に切断して形成され、巻部
B₁に巻装できるように十分な可撓性を備えてい
る。そして、この絶縁シート１の表面両側縁に
は、ポリアミドの如きナイロン系の速乾性接着剤
からなる凸部２がほぼ等間隔で多数付着されてい
る。

第２図は本考案の第２実施例を示すもので、こ
の実施例は第１実施例と同様に速乾性接着剤から
なる凸部２′を、絶縁シート１の表面両側縁に連
続的に形成して付着せしめたものである。

これら第１および第２実施例において、凸部
２，２′を形成する方法としては、例えば一定の
速度で送られる絶縁シート１の表面両側縁の上方
から、速乾性接着剤を間歇的（第１実施例）また
は連続的（第２実施例）に滴下することにより、
その接着力および速乾性を利用して極めて容易に
凸部２，２′を付着せしめることができるもので
ある。なお、速乾性接着剤の付着量を調節するこ
とで、コイルの巻数に応じた凸部２，２′の高さ
を任意に得ることができる。

これを使用するには、第３図に示す如く、コイ
ルボビンＢの巻部B₁の表面に本考案にかかるコ
イル用絶縁帯を巻装し、その凸部２，２′の相互
間に位置するように下巻線C₁を施すと共に、こ
れらの下巻線C₁の上に再びコイル用絶縁帯を巻
装して凸部２，２′の相互間に上巻線C₂を施す。

この際、第１実施例によれば、縦に並んだ凸部
２の相互間から下巻線C₁または上巻線C₂の引出
し線を引出すことができるため極めて便利であ
り、また、第２実施例によれば速乾性接着剤から
なる凸部２′自体がある程度の伸縮性を有するた
め、コイル用絶縁帯を巻部B₁に巻付けた際に凸
部２′が巻部B₁の外周面によく馴染み、凸部２′
が破断する等の不都合が全くない。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、コイルボビンの
巻部に巻付けられる絶縁シートの表面両側縁に、
速乾性接着剤からなる凸部を付着せしめたから、
速乾性接着剤の接着力および速乾性によつて絶縁
シート上に凸部を容易かつ迅速に付着形成するこ
とができ、加工々数が少なく製造も容易でコスト
の低減が図れ、しかも使用に際して作業性がよい
等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す斜視図、第
２図は同じく第２実施例を示す斜視図、第３図は
使用状態を示すコイルボビンの要部断面図であ
る。 １……絶縁シート、２，２′……凸部、Ｂ……
コイルボビン、B₁……巻部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルボビンの巻部に巻付けられる絶縁シート
   の表面両側縁に、速乾性接着剤からなる凸部を付
   着せしめたことを特徴とするコイル用絶縁帯。