JPH0132048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、像担持体と、該像担持体上に情報に
応じた像を形成する像形成手段の一部又は全部を
一体に有して装置本体に着脱自在なプロセスキツ
トを、装置本体から取り外した際収納するキツト
収納ケースに関するものである。

前記プロセスキツトは、例えば複写機等を多機
能にすることができる、あるいはサービスマンに
よる部品交換や保守が軽減される等の利点を有す
るものである。

しかしながら、例えば異なつた機能を有するキ
ツトと交換した場合、複写機等から取り外された
キツトは、通常机の上やペデスタル内に放置され
ることが考えられる。この様な場合、感光体等の
像担持体に傷が付く、あるいは例えば感光体の場
合光の当たつた所と当たらなかつた所とで写真特
性が変化して不均一な画像となつてしまう。また
さらに、キツト内にほこり等が入り込むことも考
えられる。

そこでこのような不都合を解決するために、装
置から取り外し使用しないキツトを収納しておく
収納ケースを設けることが考えられる。即ち、キ
ツトをこの収納ケースに入れることにより、外光
やほこりや外傷に対する保護を行なうことができ
る。また、場合によつては、環境温度や湿度に対
する保護も行なうことが可能である。ここでこの
収納ケースは、その中にキツトを収納した状態で
持ち運びや、移動が行なわれる場合がある。その
際、収納ケースの置き方によつては不都合を生ず
る場合がある。例えば、キツトの中に現像装置が
含まれている場合、キツトがその長手方向に垂直
に立てられた場合には現像装置内のトナーが一方
側に片寄り、それは水平に戻しても戻らないこと
がある。そしてこのような場合には、画像幅に対
し、一部のみトナーが少なくなり、そこの部分の
み画像濃度がうすくなることがある。またキツト
内にクリーナが含まれる場合には、同様にクリー
ナ容器内のトナーが一方向に片寄つてしまい、ク
リーナからのトナーのあふれや、トナーの囲まり
を生ずるなどの不都合がおこる。

そこで本考案は、このような不都合を解決する
ため、キツト収納ケースを所定の方向にしか置け
ないような構造とすることにより、前記不都合を
起こすような置かれ方を防止し、常に良好な画像
を得ることができるとともに良好な作動状態を得
ることができるキツト収納ケースを提供するもの
である。

以下、図面を用いて本考案の一実施例を説明す
る。

まず、第１図を用いて、プロセスキツトを適用
した画像形成装置について説明する。第１図は、
その断面図である。

複写機等の画像形成装置１は、電子写真方式に
基づくもので、装置中央に感光体ドラム２が矢印
ａ方向に回動可能に支持される。感光ドラム２の
周沿にはコロナ放電器３、短焦点光学素子アレイ
４、現像装置５、転写コロナ放電器６、クリーニ
ング装置７等が配置される。ここで図示装置では
プロセスキツトＫとして感光体ドラム２と共にコ
ロナ放電器３、現像装置５、クリーニング装置７
が一体的に装置本体と脱着可能となつている。８
が、これ等を一体的に移動させるフレームの側板
である。また９は往復移動する原稿台、１０は原
稿台照明ランプである。１１は転写材供給トレ
ー、１２はレジストローラ、１３は搬送ローラ、
また１４・１４ａは転写材を転写コロナ放電器６
と感光体ドラム２間へ導くガイド部材である。さ
らに１５は転写終了後の転写材を移動させる移動
路、１６は定着装置、１７は排出ローラ、１８は
コピートレーである。なお２０は色補正用フイル
ターである。

第２図は上記構成装置の斜視図で、前述感光体
ドラム２とコロナ放電器３等を一体に有するキツ
トＫを、装着前扉１９を開けて引き出した状態を
示すものである。

上述構成装置の画像形成動作は、以下の通りで
ある。

コロナ放電器３にて感光体ドラム２は、所定極
性に帯電され、次いで原稿台９上の原稿を照明ラ
ンプ１０にて照明した反射光を短焦点光学素子ア
レイ４を介して照射され、感光体ドラム２表面に
は、静電潜像が形成される。形成された静電潜像
は、現像装置５にて現像され、その現像には転写
コロナ放電器６にて転写される。転写後の転写材
は、定着装置１６を通過してコピートレー１８へ
排出される。一方転写後の感光体ドラム２表面
は、クリーニング装置７にてクリーニングされ、
再使用に備えられる。

さて、このような画像形成装置１に着脱自在な
プロセスキツトＫを収納する収納ケースとして、
第３図に示すようなものが考えられる。第３図に
於て、キツト収納ケース２２は２分割になつてお
り、ヒンジ（図示せず）によつて開閉が自在であ
る。そして、ケース２２内に設けられた保持枠２
２ａ中にキツトＫを収納し、蓋２２ｂを閉じるこ
とにより、キツトＫを収納することができる。

このような収納ケースの場合、第３図に示す如
く、脚部２２ｃの設けられた下面Ｃを下にして平
面載置台Ｈ上に置かれた場合、キツトＫの置かれ
る方向は画像形成装置本体に装てんされている時
と同じ方向を向く、即ち、第１図に示す現像スリ
ーブ２１は水平方向になつており、従つて、現像
器５やクリーナ７の内部のトナーはどちらにも移
動せず漏れる等の不都合は起こらない。しかし、
第３図のＡ面を下にして置かれるような場合に
は、現像器やクリーナはその長手方向が垂直に立
てられることになり、そのため現像器やクリーナ
内のトナーはＡ面側（下側）に移動し、反対側に
はなくなつてしまい、トナーの漏れや片寄り等の
不都合をおこす。Ｂ面が下にして置かれる様な場
合も、同じ不都合が生ずる。

そこで第４図に、本考案による収納ケースの一
実施例を示す。

第４図ａは、収納ケース２３が閉じられている
状態の外形の側面図、そして第４図ｂはその正面
図、第４図ｃはキツトを収納した状態を示す断面
図である。図において、収納ケース２３はヒンジ
部２７を軸として、２６で示される所で上枠体２
３ａと下枠体２３ｂとに２分割される。そして、
上枠体２３ａがヒンジ２７を中心にして開らき、
キツト３１が収納された後に、上枠体２３ａが閉
じられ、ロツク部材２８により、上枠体２３ａは
下枠体２３ｂにロツクされる。ここで、収納ケー
ス２３は下面３４に脚２４が設けられ、この面以
外はすべて外側に凸となるような曲面４５から外
形が作られている。なお２５は把手で、収納ケー
ス２３を持運ぶ際に用いる。

そして第４図ｃに示す如く、収納ケース２３内
はプロセスキツト３１が占める空間以外は、収納
ケース２３内に余分な空間はない。即ち、第４図
ｃに示すように、収納ケース２３の上枠体２３ａ
と下枠体２３ｂの中にはプロセスキツト３１の外
形形状に沿つた空間をくりぬいた発泡スチロール
などから出来ているパツキング材３３が設けられ
ている。従つて、プロセスキツト３１が収納ケー
スの中に入れられた収納ケースが閉じられた時、
プロセスキツト３１は本体に装てんされている時
と同じ方向にほゞ収納ケース内で固定される。そ
こで収納ケース２３を仮に持ち運んだり動かした
りしても、収納ケース２３内ではプロセスキツト
３１は徒らに動くことはない。そのため、現像容
器やクリーナ容器のトナーを収容する容器内のト
ナーが片寄つたり漏れたりすることはない。また
発泡スチロール３３により、キツト３１への断熱
効果ももたらすことが出来る。そしてケース２３
を台Ｈ上に載置する際、ケースの形状をこのよう
な形にすることにより、収納ケース２２は常に脚
２４のついている面が下になるようにしか置け
ず、そのためキツト３１は常に装置に装填されて
いるのと同じ向きで置かれる。即ちケースの他の
面は凸曲面となつているので、安定して載置する
ことができない。そこで、トナーの片寄り・トナ
ーの漏れ等が生ずることを防止できる。

さらに第５図に他の実施例を示す。第５図に
は、収納ケース２９の外形のみ示してある。ケー
ス２９内部は、前記実施例と同様に、キツトを固
定収納できる。この収納ケース２９はカマボコ状
の形状をしており、周面２９ａ及び側面２９ｂ
は、下面２９ｃに対し、垂直ではなく斜めになつ
ている。即ち斜面３５，３６となつている。そこ
でこの場合も前記実施例と同様に必ず下面２９ｃ
が下になるようにしかケースを安定して置けない
ため、前記のような不都合を起こすことがない。
なお本実施例においても、下面２９ｃを下にして
ケース２９を台Ｈに載置すれば、キツトは装置に
装填されているのと同じ向きに固定されているこ
とは勿論である。

さらに、第６図に他の実施例を示す。

ここで、厳密には、トナーの画像幅に対する片
寄りを防止するためには、上記実施例のように必
ずしも１つの決められた面が必ず下になるように
する必要はなく、現像容器５やクリーナ７がその
長手方向が垂直に立てられないような構造であつ
てもよい。その実施例を第６図に示す。第６図に
於ては、脚３７のついた下面３８が下にされた
時、内部に収納されたキツト３９は本体に装てん
された場合と同じ方向に置かれる。そしてキツト
３９の長手方向の側面４０は外に凸の曲面を形成
しており、この側面４０を下にしてケース４１を
置くことは不可能であり、従つて本実施例によれ
ば、トナーの長手方向への片寄りを防止できる。
そして本実施例では、現像容器５やクリーナ７の
長手方向に沿つた側面４２は、下面３８に対して
垂直な平面で形成されており、この側面４２を下
にしてケース４１を載置することもできる。この
際、たとえトナーが片寄つたとしても、長手方向
には均一に片寄ることになり、画像形成にはあま
り影響はない。

なお前記実施例では、ケース内にキツトを固定
する例として、発泡スチロール内にキツトの形状
に沿つた空間を設ける例を示したが、本考案では
これに限定されず、例えば第３図に示したように
保持枠にロツクする方法、あるいはケースに直接
固定する方法等種々の方法が適用できる。

また前記実施例では、ケースを安定して載置す
ることのできない面を斜面あるいは曲面とする例
を示したが、本考案はこれに限定されず例えば上
記面に突起を設けても良く、さらには各々突出高
さの異なる複数の突起を設けても良い。また収納
ケースの材質としては、鉄等の金属・木材あるい
はプラスチツク等の樹脂等公知のもので良い。

以上述べた様に本考案は、例えば現像器等から
トナーが漏れたりあるいはトナーが片寄ることな
くキツトを収納することのできるトナー収納ケー
スを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、プロセスキツトを適用した複写機の
断面図、第２図はプロセスキツトを抜き出した状
態を示す斜視図、第３図はプロセスキツト収納ケ
ースの斜視図、第４図ａは本考案の一実施例を用
いたキツト収納ケースの側面図、第４図ｂはその
正面図、第４図ｃはその断面図、第５図及び第６
図は各々他の実施例の斜視図である。 図において、１…画像形成装置、２…感光体ド
ラム、５…現像装置、７…クリーニング装置、８
…フレームの側板、２２，２３…キツト収納ケー
ス、２３ａ…上枠体、２３ｂ…下枠体、２４…
脚、２５…把手、２７…ヒンジ、２８…ロツク部
材、２９…収納ケース、３１…プロセスキツト、
３３…パツキング材、３５，３６…斜面、３７…
脚、４１…ケース、４５…曲面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 装置本体に着脱自在であり、電子写真感光体と
   トナーを収容する容器とを一体的に支持する電子
   写真プロセスキツトを収納するキツト収納ケース
   において、 ケースを置いたとき上記キツトのトナー収容容
   器の長手方向を、このキツトを装置本体に装填し
   たときと同じ状態に保つ少なくとも１つの面と、
   上記キツトのトナー収容容器の長手方向が立てら
   れた状態にできない他の面とを有することを特徴
   とする電子写真プロセスキツト収納ケース。