JPH0131500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、複数個の並列した小型印字リングを
有し、名刺に日付等を印字する名刺用印字装置に
関するものである。

［従来の技術］ 名刺を差出す際に日付の入つた名刺とすること
は、特に取引関係において強く要望されるところ
であるが、現在までにこの目的に適合した日付ス
タンプは見当らない。通常のゴム印等から成る日
付スタンプの字は大き過ぎ、かつ名刺を汚損する
問題点があり、コピー等の際に見苦しくなる。

本出願人は先に同様の名刺用印字装置を出願し
たが、若干その扱いに不便な点が存在していた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上述の問題点を解消し、印字
を行つても名刺の品位を保持し得る名刺用印字装
置を提供することにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
複数個の印字リングを有し名刺に日付等を印字す
る印字装置において、複数枚の名刺を収容する凹
部を有する受け部材と、該受け部材の一部に設け
複数個の並列した印字リングと、これら各印字リ
ングを調整位置に保持する手段と、前記受け部材
と一体に設け、前記印字リングの上部に前記印字
リングの並列方向に沿つて設けた開口部を有する
平蓋と、名刺を前記印字リングに押圧するために
前記平蓋の開口部に沿つて摺動する摺動部材とを
具備したことを特徴とする名刺用印字装置であ
る。

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図、第２図及び第３図は本考案に係る名刺
用印字装置を示すものであり、例えば合成樹脂製
の受け部材１の上面に凹部２が設けられ、凹部２
内には複数枚の名刺が収容可能となつている。凹
部２の長手方向右端部は斜面部３に形成され、印
字のための名刺の送り及び名刺の取出しが容易と
されており、斜面部３の更に右端の台部４内には
印字を実施するための複数個の印字リング５が設
けられている。受け部材１に支持された軸６に
は、第４図に示すように例えば直径10mmの例えば
鋼から成る金属製印字リング５が個々に回転自在
に軸支されている。

本考案に係る印字装置の主な用途は日付押印で
あるから、同形の印字リング５が６個並列に設置
されており、第５図に示すように各印字リング５
には、０〜９の数字の裏字を有する印字部７と、
この印字部７よりも小直径の見出し文字部８とが
一体に形成されている。印字部７には刻字９が突
出形成され、見出し文字１０が凹刻されている。
見出し文字部８には、Ｖ型溝１１が見出し文字１
０に形成され、このＶ型溝１１に受け部材１に固
定された板ばね１２の爪部１３が係合され、印字
リング５ごとに何れかの刻字９が正しく上方に向
いた位置に、印字リング５を停止できるようにさ
れている。そして各印字リング５は、受け部材１
の裏側から爪などで押すことにより一方向に回転
できるようになつている。

受け部材１の右端は平蓋１４により覆われてお
り、この平蓋１４の内面と印字リング５間は名刺
１枚を通過させるに足る間隙が設けられ、受け部
材１の端部の平蓋１４との間には、名刺を送出す
るためのスリツト１５が形成されている。また、
平蓋１４には印字リング５の軸６に沿つて短形状
の開口部１６が形成され、この開口部１６には摺
動部材１７が開口部１６の長手方向に沿つて摺動
自在に嵌合されており、摺動部材１７の内面は印
字リング５の刻字９とほぼ面一とされている。

なお、この印字装置は携帯用の名刺ケースも兼
ねており、例えば皮ケース内に収容し、ポケツト
等に入れて携行することができる大きさとされて
いる。

使用に際しては、自分の名刺又は他人から受け
た名刺を受け部材１の凹部２に入れ、受け部材１
の裏側から所要の印字リング５をばね１５の爪部
１３の係止力に抗して回転させ、所要の日付が見
出し文字部８の見出し文字１０に表れるようにす
ると、板ばね１２の爪部１３は印字リング５のＶ
型溝１１に入つて印字リング５を係止する。受け
部材１の凹部２内の最上部の１枚の名刺を指で送
ると、斜面部３は最上部の１枚のみを台部４に送
つて名刺の端部を印字リング５上に載置する。こ
のとき、摺動部材１７は印字リング５から外れた
軸６上に位置させておけば、名刺の送りには何ら
障害となることはない。そして、摺動部材１７を
名刺を介して印字リング５上を摺動させれば、名
刺の裏面に鮮明な日付が凹所として現われること
になる。摺動部材１７を軸６上の位置におけば、
スリツト１５から外部に送出することができる。
なお、名刺は比較的厚紙で作られているので、イ
ンキを使用しなくとも刻字９の押圧によつて凹印
となり十分に日付を確認し得る。

実施例では印字部７上の刻字９は０〜９の数字
であるが、必要に応じて点、ブランク等を設け、
例えば全周を10等分以上とすることもできる。ま
た、年を示す印字リング５を１個とし、例えば
「59」、或いは「84」などによつて始まる一連の２
桁の年数字としてもよい。更に、日付に限らず名
刺の番号やその他の記号を印字することにしても
よい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る名刺用印字装
置は、摺動部材を用いて簡便に任意の日付等を確
実に印字にすることができる。なお、インキやカ
ーボン紙を使用しないため、携行しても衣服等を
汚損することはなく、更に名刺の品位を低下させ
ることもなく、名刺を受けた人に奇異な感じを与
えることも少ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る名刺用印字装置の一実施例
を示すものであり、第１図は平面図、第２図は底
面図、第３図は第１図の−線に沿つた断面
図、第４図は第１図の−線に沿つた断面図、
第５図は印字リングの拡大斜視図である。 符号１は受け部材、２は凹部、５は印字リン
グ、７は印字部、９は刻字、１０は見出し文字、
１１はＶ型溝、１２は板ばね、１３は爪部、１４
は平蓋、１５はスリツト、１６は開口部、１７は
摺動部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個の印字リングを有し名刺に日付等を印字
   する印字装置において、複数枚の名刺を収容する
   凹部を有する受け部材と、該受け部材の一部に設
   け複数個の並列した印字リングと、これら各印字
   リングを調整位置に保持する手段と、前記受け部
   材と一体に設け、前記印字リングの上部に前記印
   字リングの並列方向に沿つて設けた開口部を有す
   る平蓋と、名刺を前記印字リングに押圧するため
   に前記平蓋の開口部に沿つて摺動する摺動部材と
   を具備したことを特徴とする名刺用印字装置。