JPH0521413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、携帯しやすいようにしたカード式
判子に関する。

〔従来技術〕

従来のカード式判子としては、カードの裏面に
判子を嵌着し、判子をカバーで開閉可能にしたも
の、カバーを二つ折り合せにしてその一片の裏側
に判子を嵌着したもの等を挙げることができる。

ところで、従来の一般的な判子は、円柱状であ
つて、それをケースに納めるとさらに嵩ばり重く
もなるため、ポケツトに収納すると服装を乱す原
因ともなる等、何かと携帯に不便であつたが、こ
のようなカード式の判子であると、薄く軽量で嵩
ばらないために、携帯に非常に便利である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の判子付きのカードは、面が広が
るカードの一面に判子の刻印面が浮き出している
形態となつているため、書類に押印するときに、
カードが当たる面によつて書類が広く隠れ、殊
に、押印箇所の横が隠れる関係で、判子を感に頼
つて必要な位置に押すことになるため、正しく押
すために異常に神経を使うことは勿論、場所を間
違えて押印する当て外れが多かつた。

この考案は、上記のような事情に鑑みて、押印
時に書類の文面がほとんど隠れなく、殊に押印箇
所の両横は全く隠れないために、押印の当て外れ
が決して生じないカード式判子を提供することを
目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するためのこの考案の構成
は、カードの一側端部に突出片の収納部を設け、
収納部の一端部に突出片を出し入れ可能に軸支
し、突出片の先端部下面に判子を突設したカード
式判子をその要旨とする。

〔作用〕

上記の構成によれば、押印時には突出片をカー
ドから引き出すので、書類面において押印箇所の
周囲がカードによつて隠れることがなく、押印箇
所の少なくとも両横が見えるため、押印箇所から
外れて押印するおそれはない。また、カードより
も巾狭い突出片の先端部で押印するので、押印の
ための力が入りやすい。

〔実施例〕

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

図面は一実施例を示したもので、そのカード式
判子は、カード１と、判子２付きの突出片３と、
筆記具４とから構成される。

カード１は、合成樹脂で矩形に形成され、一側
端部に突出片３の収納部５を、他側端部に筆記具
４の止め孔６を、中央部に身廻品ａの保持部７を
それぞれ設けてある。また、収納部５の反対側端
縁には、物差しとして使用できるように目盛２９
を形成してある。

突出片３の収納部５は、カード１の一側前端部
において上面を低く欠除することにより形成さ
れ、その前端部に突出片３の軸支孔８を設け、後
端部には判子２の始末部９を設けてある。そし
て、収納部５は、カード１の前端と一側端におい
て突出片３が引き出され得るように開放されてい
るのであるが、後端縁と他側端縁とにおいては、
突出片３を剥離不能に引き止め得るように横へ入
り込む掛止溝１０を設け、掛止溝１０は収納部５
の端面を傾斜させることにより形成してある。

軸支孔８の周縁部には表裏両面において、浅い
凹部１２，１３を設け、そのうち、表凹部１２を
略菱形に形成してある。

判子２の始末部９の中央部には朱肉１６を入れ
る朱肉壺１５が形成されている。また、始末部９
の側端には突出片３を摘みやすいように切欠部１
７を設けてある。

突出片３は、基端部において、ピン２０の通し
孔２１が設けられ、上面にピン２０の鍔２２が嵌
まる浅い凹部２３を形成し、下面にはカード１の
上面凹部１２に嵌まる突部２５を設け、突部２５
も略菱形に形成してある。また、突出片３の周縁
部にはカード１の掛止溝１０に掛かる係合縁２６
を形成してある。

判子２は、コイン状に薄く形成され、突出片３
の先端部に設けられている嵌着孔２７に嵌め、突
出片３の先端方向へ印字の上が向くように設けて
ある。

次に、筆記具４の止め部６は、筆記具４が丁度
嵌まる長孔に形成すると共に、前後両端部にペン
先４ａ，４ｂの差し入れ用の切欠３０，３０を設
け、両側内面に突条３１，３１を形成してある。
筆記具４としてはこの場合はボールペンが用いら
れ、その一端に黒のペン先４ａが、他端に赤のペ
ン先４ｂが突出され、両側面には突条３１，３１
に掛かる溝条３２，３２が形成されている。

身廻品ａの保持部７は、カード１の中央部に身
廻品ａが収まる抜孔３５を設け、抜孔３５の前後
間の中間に横片３６を架設し、前後両端内面に横
片３６に向かつて舌片３７，３７を突設して構成
され、舌片３７を弾力的に曲がり得るように薄く
形成してある。

第４図および第５図は、身廻品ａとして自動車
のスペアキーを仕舞つた場合を示したもので、同
図に示すように、身廻品ａは、両舌片３７，３７
の上において横片３６の下にくぐらせることによ
り取り付ける。この状態においては、両舌片３
７，３７と横片３６との間に身廻品ａが弾力的に
挟まれて安定して保持される。

カード１にこのようにして仕舞うことのできる
身廻品ａとしては、スペアキーの他に、例えば、
化粧刷毛、カツターナイフ、ルーペ等を挙げるこ
とができる。

上記のカード式ハンコを携帯する場合には、収
納部５に突出片３を収めて仕舞つておく。このと
き、カード１の菱形凹部１２に突出片３の菱形凸
部２５が嵌まつており、また、掛止溝１０に係合
縁２６が掛かつているため、突出片３が収納部５
から決して外れることはなく、判子２が飛び出さ
ないように安全に携帯できる。

押印が必要なときには、突出片３を引き出して
180°回転させると、一旦菱形凹部１２と凸部２５
が外れて再度嵌まるので、突出片３がカード１か
ら突出した状態に保持されるから、突出片３の先
端部を書類ｐの押印箇所に位置させ、先端部を書
類ｐ面に指で押す。

この場合、押印箇所の両横はカード１で隠れな
く、氏名Ａが見えるため、押印箇所が突出片３で
隠れても、氏名Ａの位置から押印箇所を確実に判
断することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のカード式判子
によれば、カードの一側端部に突出片の収納部を
設け、収納部の一端部に突出片を出し入れ可能に
軸支し、突出片の先端部下面に判子を突設したの
で、判子をカードに仕舞つておくことによつて携
帯に便利であることは勿論、押印時には突出片を
引き出すため、カードによつて押印箇所が隠れる
ことがなく、所定の箇所に間違いなく正確に押印
できる。また、突出片の先端部には押さえる力が
入りやすいため、鮮明な押印が可能である等の優
れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は一実施例を示し、第１図は斜視図、第２
図は第１図Ｘ−Ｘ線矢視の拡大断面図、第３図は
突出片の軸支部の拡大横断面図、第４図は使用状
態を示す平面図、第５図は第４図Ｙ−Ｙ線矢視の
断面図である。 １……カード、２……判子、３……突出片、５
……収納部、８……軸支孔、１５……朱肉壺、１
６……朱肉。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成樹脂で矩形に形成されたカードの一側端
   部に突出片の収納部を設け、収納部の一端部に
   突出片を出し入れ可能に軸支し、この突出片の
   先端部下面に判子を突設すると共に、収納部に
   朱肉壺を判子の当たる箇所において設け、また
   カードの他側端部には筆記具の止め孔を、カー
   ドの中央部には身廻品の保持部をそれぞれ設け
   てあることを特徴とするカード式判子。 ２ 収納部の反対側端縁には、物差しとして使用
   できるように目盛が形成してあることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のカー
   ド式判子。