JPH0131099B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭において使用される慣性衝
突式油脂分除去機能と付着油脂分洗浄機能とを備
えた排煙装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 この種の排煙装置は、第１図に示すように排煙
装置本体１の内部に油煙の通過する風洞部２を形
成し、排煙装置本体１の上部に油煙を吸引する送
風機３と下部に油煙の流入する油煙吸気口４とを
備え、前記油煙吸気口４の上端より前方に伸びた
天板部５で加熱器具６の上方にて前後に移動出来
るよう煙誘導部７を支持しているものが提案され
ている。また、排煙装置本体１の内部には洗浄液
８を貯水しヒータ９により洗浄液８を昇温する洗
浄液溜め部１０と前記洗浄液８をポンプ（図示せ
ず）を介して風洞部２に噴出する洗浄ノズル１１
とが設けられており、風洞部２に配設された邪魔
板１２により油煙の流れ１３を強制的に曲げて邪
魔板１２や風洞部２の内壁に衝突付着させられた
油脂分を前記洗浄ノズル１１から噴出される洗浄
液で洗い落とすものである。ところで、こ排煙装
置は台所等の空間の有効利用をはかると同時に油
煙の集煙性能を向上させるため油煙吸気口４の位
置を下げ、収納棚１４をアイレベルの位置に設け
ている。このため調理作業の快適さを配慮して煙
誘導部７を加熱調理位置に応じて前後に移動出来
るようにしている。しかし、前述した構成では、
煙誘導部７が前方に出て来るに従い、煙誘導部７
の末端部１５における吸引風速が衰え、加熱調理
時に発生する油煙が矢印のように漏れやすい。一
般に熱源を問わず３口のコンロを有する加熱調理
器具は、３口のうち最も前方に強カロリーのコン
ロが位置しており、この位置において油煙の多量
に発生するような加熱調理を行なう機会が最も多
く、早急の改善策が求められていた。さらに、こ
の排煙装置は排煙装置本体内部については自動的
に洗浄するが、煙誘導部７の下面や天板部５調理
中に飛散した油脂分についてはユーザが適時拭取
ることを前提にしており、換気装置全般の洗浄に
対しユーザが持つている不満点と必ずしも一致し
ていないのが現状である。また、油脂分の洗浄に
ついては、温度依存性が非常に高く、このため洗
浄液を一定温度に昇温しているが、この時蒸気が
油煙吸気口４より外部に漏れユーザに非常な不快
感を与えるという問題があつた。

発明の目的 本発明はこのような問題を解消し、基本性能で
ある集煙性能を向上させ、煙誘導部の洗浄を実現
し、洗浄工程中における外部への蒸気漏れを防止
した排煙装置を提供するものである。

発明の構成 本発明は、油煙等を吸引する送風機と、加熱調
理器具の上方壁面に設置され、内部に油煙等が通
過する風洞部を形成する排煙装置本体と、前記風
洞部と連絡され油煙等が流入する油煙吸気口と、
前記加熱器具の上方にて前後に移動可能な煙誘導
部と、排煙装置本体内部等に付着した油脂分を洗
浄する洗浄装置とを備え、排煙装置本体が設置さ
れる壁面に対し前記油煙吸気口を前記風洞部より
前方へ突出させ煙誘導部を収納出来る空洞部を排
煙装置本体内部に形成し、また前記煙誘導部の一
部が前記油煙吸気口を遮るようにしたことによ
り、煙誘導部の自動洗浄と、洗浄工程中における
外部への蒸気漏れを防ぐこと、および集煙性能の
向上を実現できる排煙装置を提供したものであ
る。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を添付図面に基いて説
明する。第２図において、２０は内部に油煙等の
通過する風洞部２１を備え加熱調理器具２２の上
方の壁面Ａに設置される排煙装置本体、２３は排
煙装置本体２０の上部に設けられ油煙等を吸引す
る送風機、２４は排煙装置本体２０の底部に設け
られ洗浄液２５を加熱するためのヒータ２６を具
備する洗浄液溜め部で、天板部２９と同様、前方
へ突出している。２７は前記風洞部２１に対して
前方へ突出し加熱調理時に発生する油煙等の流入
口となる油煙吸気口で、天板部２９と洗浄液溜め
部２４との間に形成されている。２８は前方に油
煙吸気口２７を遮蔽する傾斜部２８ａを備え前後
に平行移動する煙誘導部であり、前記煙誘導部２
８は油煙吸気口２７から風洞部２１にかけて排煙
装置本体２０の内部に形成される空洞部３０に収
納される。そして、煙誘導部２８は収納時に送風
機２３の運転スイツチを開成し、引出し時には運
転スイツチを閉成するものである。３１は風洞部
２１に交互に配され通過する油煙の流れ３２を強
制的に屈曲させる邪魔板、３３は風洞部２１およ
び空洞部３０に配設され洗浄液吸込口３４から洗
浄液２５をポンプ（図示せず）を介して噴出する
洗浄ノズルで、油脂分を洗い落す洗浄装置を構成
している。３６は排煙装置３７を設置した際にち
ようどアイレベルに位置するよう設けられた空間
の有効利用をはかる棚部である。

以上の構成において動作を説明すると、加熱調
理器具２２にて調理する際には煙誘導部２８を前
方（実線位置）に引き出して送風機２３を運転し
発生する油煙等を室外へ排気するが、油煙吸気口
２７が突出しているため、煙誘導部２８の傾斜部
２８ａにおける吸引風速が速くなり、調理物から
上昇して来る油煙３７を煙誘導部２８より上方へ
漏らすことなく排煙装置３７内へ吸引出来る。排
煙装置本体２０内へ吸引された油煙は、風洞部２
１の邪魔板３１で強制的に屈曲させられ油煙中の
油脂粒子はその慣性力により直進しようとし壁面
に衝突付着する結果、室外に排気される油煙は油
脂分をほぼ除去された状態にあり、排気ダクト等
から室内装飾壁への油のにじみや室外壁の油によ
るよごれを完全に防止することが出来る。次に煙
誘導部２８を収納すれば、送風機２３への通電が
断たれ洗浄体制となる。ここで、排煙装置本体内
部に付着した油脂分は洗浄液溜め部２４において
ヒータ２６で昇温された洗浄液２５をポンプ（図
示せず）を介して洗浄ノズル３３から噴出するこ
とにより洗い落されるため、排煙装置本体２０の
内部は常に清掃された状態にあり、排気装置の清
掃という手間が省かれ非常に便利である。なお、
洗浄装置と送風機は同時に働かず、送風機能の方
が優先されるものである。また洗浄液は１回の洗
浄中には循環して使用され、一定期間毎に新しい
ものと自動的に取替えられる。ところで油脂分の
付着は排煙装置本体２０内部だけとは限らず煙誘
導部２８の下面にも生じるが、煙誘導部２８を空
洞部３０の位置（破線位置）に収納し油煙吸気口
２７を傾斜部２８ａで塞ぐため、油煙吸気口２７
から洗浄液が飛散せず煙誘導部２８の下面を洗浄
ノズル３３により自動的に洗うことが出来る。さ
らに、洗浄液は50℃程度にまで昇温されているた
め、排煙装置本体２０内部は蒸気で充満するが、
油煙吸気口２７が塞がれているため蒸気が漏れて
不快感を与えることがない。

なお、本実施例では風洞部２１に邪魔板３１を
配設した油煙除去方式を採つているが、この手段
について特に限定するものではなく、また、煙誘
導部２８については前部を傾斜させた板状のもの
を平行移動させた例を示したが、特にその形状、
移動手段を限定するものではなく、要は油煙吸気
口２７が排煙装置取付壁面に向つて前方に突出
し、煙誘導部２８は排煙装置本体内の油煙吸気口
２７が突出したことによつて生じる空洞部３０に
収納され、また煙誘導部２８の一部で油煙吸気口
２７を遮るものであればよい。

発明の効果 本発明の排煙装置は、上記実施例からも明らか
なように、排煙吸気口を排煙装置設置壁面に対し
前方に突出させ煙誘導部を収納出来る空洞部を排
煙装置本体内部に形成し、また、煙誘導部の一部
で油煙吸気口を遮ることにより、最も重要な基本
性能である集煙性能を著しく向上させ、また、煙
誘導部の自動洗浄を可能にし、さらに洗浄中にお
ける油煙吸気口からの蒸気の漏れを防止すること
が出来、非常に有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は説明用の排煙装置を示す断面図、第２
図は本発明の一実施例を示す排煙装置の断面図で
ある。 ２０……排煙装置本体、２１……風洞部、２７
……油煙吸気口、２８……煙誘導部、３０……空
洞部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 油煙等を吸引する送風機と、加熱調理器具の
   上方壁面に設置され内部に油煙等が通過する風洞
   部を形成する排煙装置本体と、前記風洞部と連絡
   され油煙等が流入する油煙吸気口と、前記加熱調
   理器具の上方にて前後に移動する煙誘導部と、排
   煙装置本体内部等に付着した油脂分をを洗い落す
   洗浄装置とを備え、排煙装置本体が設置される壁
   面に対し前記油煙吸気口を前記風洞部より前方へ
   突出させ前記煙誘導部を収納出来る空洞部を排煙
   装置本体内部に形成し、かつ、前記煙誘導部の収
   納時に煙誘導部の一部が前記油煙吸気口を遮蔽す
   るようにした排煙装置。 ２ 送風機は煙誘導部の移動に対応し、煙誘導部
   を排煙装置本体内部の空洞部に収納した際に送風
   機が停止し、煙誘導部を手前に引くと送風機が運
   転されるようにした特許請求の範囲第１項記載の
   排煙装置。