JPH0130985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、駆動輪の回転をチエーンケースに内
装された駆動用及び被動用の鎖歯車を介して繰出
しロール軸に伝達して種子を繰出すための繰出し
ロールを回転させる構成の播種機に於ける株間変
更装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、上記の形式の播種機において株間を変更
するには、繰出しロールを溝数の異なるものに変
更しており、これでは株間が変更される毎に繰出
しロールを装着し直さねばならず、繰出しロール
の交換に時間を要すると共に、溝数の異なる多種
類の繰出しロールを予め準備しておかねばならな
いという問題がある。

また、チエーンケースに内装された駆動用鎖歯
車と被動用鎖歯車との間に、歯数の異なる二種の
鎖歯車で構成された変速装置を設け、歯数の異な
る鎖歯車を互いに交換して取付けることにより株
間を変更するものは知られている。しかし、この
装置では２段階の変速しか行うことができないの
で、変更できる株間も自ずと限られる。

また、上記の変速装置において、歯数の異なる
鎖歯車と予め準備しておいて、これらの鎖歯車の
中から目的の株間に相当するものを２個選択する
ことにより、更に広い範囲の株間の変更を行うこ
とは理論的には可能である。しかし、圃場におい
てこのような目的の鎖歯車を選択して取付けると
いう作業は極めて面倒で、しかも間違いを生じ易
いと共に、変速装置には２個の鎖歯車が取付けら
れているのみで、他の鎖歯車は保管しておかねば
ならないので、鎖歯車の紛失の機会が多くなると
いう問題がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記したような問題点に鑑み、使用
せずに保管しておく鎖歯車を設けることなく、し
かも鎖歯車の取替えを簡単にして多段階に変速す
ることにより、広範囲にわたつて株間を変更でき
るようにすることを目的としてなされたものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、駆動輪の回転をチエーンケースに内
装された駆動用及び被動用の鎖歯車を介して繰出
しロール軸に伝達して種子を繰出すための繰出し
ロールを回転させる構成の播種機に於いて、歯数
の異なる３個の中間鎖歯車が互いに取替え自在に
中間回転軸に取付けられた変速装置を前記チエー
ンケースに設け、前記駆動用鎖歯車の回転をこの
変速装置を介して被動用鎖歯車に伝達するように
構成したことを要旨とするものである。

〔考案の作用〕

チエーンケースに設けた変速装置のカバーを取
外して３個の中間鎖歯車を適宜取替えて中間回転
軸に取付けることにより、６種類の株間の中から
目的のものを選択する。

〔実施例〕

第１図ないし第６図に本考案の実施例が示され
ている。

第１図において、駆動輪１の回転がチエーンケ
ース２内に設けられた鎖歯車装置を介して繰出し
ロール軸３に伝達され、種子タンク４の下部に設
けたケース５内に配設された繰出しロール（図示
せず）が前記繰出しロール軸３の回転により回転
されて種子が所定の株間で落下して播種される。

第２図に示されるように、駆動用鎖歯車６を取
付けた回転軸７に駆動輪１が取付けられ、この駆
動用鎖歯車６の回転がチエーンケース２に設けた
変速装置Ａを介して被動用鎖歯車８に伝達され、
この被動用鎖歯車８の回転により該被動用鎖歯車
８の回転軸９に挿通された角軸から成る繰出しロ
ール軸３が回転されるようになつている。

第２図ないし第４図に示されるように、チエー
ンケース２の側方には別のケース１０が取付けら
れ、チエーンケース２の中央部には２本の中間回
転軸１１，１２が所定の間隔をおいて取付けられ
ている。この各中間回転軸１１，１２の一端部は
ケース１０内に突出しており、第６図に示される
ように各中間回転軸１１，１２におけるケース１
０内に突出した部分は断面正六角形の角軸となつ
ている。ケース１０の下部には別の中間回転軸１
３が回転自在に取付けられ、この中間回転軸１３
におけるケース１０内に突出した部分は角軸とな
つている。

第３図に示されるように、３本の中間回転軸１
１，１２，１３には歯数の異なる３個の変速用の
中間鎖歯車１４，１５，１６が互いに取替え自在
に取付けられ、この３個の中間鎖歯車１４，１
５，１６に鎖１７が掛装されている。第５図に示
されるように、各中間鎖歯車１４，１５，１６の
中心には、各軸に対応した角穴１８が設けられて
いる。

中間回転軸１１，１２にはそれぞれ中間鎖歯車
１９，２０が固定して取付けられ、駆動用鎖歯車
６と中間鎖歯車１９との間に鎖２１が掛装されて
いると共に、被動用鎖歯車８と中間鎖歯車２０と
の間に鎖２２が掛装されている。これにより、駆
動用鎖歯車６の回転は、歯数の異なる３個の変速
用の中間鎖歯車１４，１５，１６で構成される変
速装置Ａを介して被動用鎖歯車８に伝達される。

ケース１０の中央部にはボルト２３が突設さ
れ、使用時においてはケース１０にカバー２４を
装着すると共に、前記ボルト２３に握り２５を螺
合しておく。

本考案に係わる株間変更装置は、上記したよう
な構成であるので、中間回転軸１１，１２に取付
けられる中間鎖歯車１４，１５の歯数の比によつ
て変速比が定められる。よつて、３個の各中間鎖
歯車１４，１５，１６を各中間回転軸１１，１
２，１３に適宜取替えて取付けることにより、６
段階の変速比を得ることができるので、播種機に
より播種される株間も６種類となる。尚、中間回
転軸１３に取付けられる鎖歯車はアイドル用であ
る。

そして、株間を変更するには、ケース１０に装
着されたカバー２４を取外し、３個の中間鎖歯車
１４，１５，１６の中から目的の２個の鎖歯車を
選択してそれぞれ中間回転軸１１，１２に取替え
て取付ければよい。この際、中間回転軸１１，１
２，１３の先端部が角軸となつているので、中間
鎖歯車１４，１５，１６をそれぞれ中間回転軸１
１，１２，１３の軸方向に沿つて移動させること
により、中間鎖歯車の着脱を簡単に行うことがで
きる。また、中間鎖歯車１４，１５，１６の抜出
しの防止は、ケース１０に装着したカバー２４で
行つている。

尚、第１図において、２６は鎮圧輪を示す。

本考案は、歯数の異なる３個の中間鎖歯車が互
いに取替え自在に中間回転軸に取付けられた変速
装置を前記チエーンケースに設け、前記駆動用鎖
歯車の回転をこの変速装置を介して被動用鎖歯車
に伝達するように構成してあるので、変速装置の
カバーを取外して３個の中間鎖歯車を適宜取替え
て中間回転軸に取付けることにより、６種類の株
間を簡単に得ることができる。このため、準備し
ておくでき繰出しロールの数を半減させることが
できる。

また、３個の中間鎖歯車は常時使用され他の場
所に保管されているものがないので、鎖歯車の紛
失の恐れがないと共に、中間鎖歯車の取替えが極
めて簡単であるので、圃場において短時間に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係わる株間変更装置を装着
した播種機の斜視図、第２図は、チエーンケース
２の断面図、第３図は、第２図のＢ矢視図、第４
図は、第３図の−線断面図、第５図は、中間
鎖歯車１４，１５，１６の正面図、第６図は、中
間回転軸１１，１２，１３の先端部の斜視図であ
る。 主要部分の符号の説明、Ａ：変速装置、１：駆
動輪、２：チエーンケース、３：繰出しロール
軸、６：駆動用鎖歯車、８：被動用鎖歯車、１
０：ケース、１１，１２，１３：中間回転軸、１
４，１５，１６：中間鎖歯車、２４：カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 駆動輪の回転をチエーンケースに内装された
   駆動用及び被動用の鎖歯車を介して繰出しロー
   ル軸に伝達して種子を繰出すための繰出しロー
   ルを回転させる構成の播種機に於いて、歯数の
   異なる３個の中間鎖歯車が互いに取替え自在に
   中間回転軸に取付けられた変速装置を前記チエ
   ーンケースに設け、前記駆動用鎖歯車の回転を
   この変速装置を介して被動用鎖歯車に伝達する
   ように構成したことを特徴とする播種機に於け
   る株間変更装置。 (2) 中間鎖歯車の先端部が角軸となつていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の播種機に於ける株間変更装置。