JPH0130712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、一般にデイーゼル内燃機関における
高圧燃料噴射管、或いは各種機械、装置における
給油、給気等の供給路等としてそれぞれ配設され
る管径20ｍ／ｍ程度以下の、比較的細径からなる
金属配管端部の接続用スリーブワツシヤーに係る
構造の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の接続用スリーブワツシヤーとし
ては、第４図に示すように、スリーブワツシヤー
１１の先端部に相手配管端部側の接続頭部の背面
に係合する鍔状の押圧壁１２及びその背後に連設
した軸芯部を組付け嵌着孔とする円筒壁１３とを
切削又は塑性加工により形成した、単一体の厚肉
構造であり、しかも等肉からなる円筒壁１３をも
つて形成するか、或いは第５図に示すように、ス
リーブワツシヤー２１の先端部の押圧壁２２に連
設した円筒壁を、前記同様に単一体の構造として
設けて、その円筒壁２３側を後方への傾斜状から
なる薄肉として形成するかしていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の接続用スリー
ブワツシヤーにあつては、配設使用状態における
配管側の接続頭部首下附近での亀裂、折損に対す
る充分な機械的強度に関連した厚肉状態のもとで
の前記等肉状或いは傾斜状からなる単一体の構造
によつて、機関振動による加振に伴い配管側の接
続部附近に生ずる疲労応力の分散機能と、前記加
振に伴う撓みに対する補強機能とを同時に、しか
も効果的に発揮できない傾向にあり、しばしばス
リーブワツシヤーの後端周縁附近、或いは接続頭
部の首下附近のいずれも配管側に亀裂、折損を生
ぜしめる問題を有するものであつた。

本考案は、このような従来の前記問題を極めて
効果的に解決するために、特にスリーブワツシヤ
ーを、相互に重合した複数の薄肉体による断面積
層壁構造とし、且つ円筒壁側のそれぞれの後端周
縁部を、その重合した全体をもつて後方への階段
状として逐次薄肉に構成することにより、前記機
械的強度を損うことなく、充分な補強機能と前記
疲労応力の効果的な分散機能とを同時に満足せし
め、スリーブワツシヤーの後端周縁附近、或いは
接続頭部の首下附近のいずれも配管側での亀裂、
折損の軽減、防止を図つた金属配管端部の接続用
スリーブワツシヤーを提供することを目的とする
ものである。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、先端部に、配管端部側の接続頭部の
背面に係合する鍔状の押圧壁を有し、且つ該押圧
壁の背後に、軸芯部を前記配管への組付け嵌着孔
とする円筒壁を連設してなるスリーブワツシヤー
において、個々の押圧壁部と、該押圧壁部に連設
したそれぞれの円筒壁部とを、相互に重合した複
数の薄肉体による断面積層壁溝造によつて前記ス
リーブワツシヤーを形成すると共に、前記円筒壁
のそれぞれの後端周縁部を、その重合した全体を
もつて後方への階段状として逐次薄肉に構成した
金属配管端部の接続用スリーブワツシヤーを要旨
とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面について説明す
れば、第１図は本考案の金属配管端部の接続用ス
リーブワツシヤーの正面図、第２図は第１図Ａ−
Ａ線上の断面図、第３図は第１図の組付け使用状
態を示す一部断面図である。１はスリーブワツシ
ヤーで、先端部に、配管Ｐ端部側に設けた接続頭
部６の背面に係合する鍔状の押圧壁を有し、且つ
該押圧壁の背後に連設した軸芯部を前記配管Ｐへ
の組付け嵌着孔５とする円筒壁とからなり、その
全体構造を、その個々の押圧壁２，２′…部とそ
の背後のそれぞれの円筒壁３，３′…部とを、相
互に重合した複数の薄肉体による断面積層壁構造
とし、更に前記円筒壁３，３′…側のそれぞれの
後端周縁４，４′…部を、その重合した全体をも
つて後方への階段状として逐次薄肉に構成したも
のである。尚Ｎは締付けナツトである。

〔作用〕 本考案は、このようにしてスリーブワツシヤー
１全体を、相互に重合した複数の薄肉体による積
層壁構造として形成してなるため、各薄肉体を、
単に薄肉管材による輪切り状の切断と、一端での
プレス加工による押圧壁２，２′…の成型によつ
て、極めて簡易に構成することができるもので、
一方機関振動による加振状態下において、円筒壁
３，３′…側の相互の重合面間に、加振に際して
も、重ね板ばねの作用による摺擦調整機能を具備
せしめる結果となり、前記それぞれの後端周縁
４，４′…部を後方への階段状として逐次薄肉に
構成したことによつて、スリーブワツシヤー１の
後端周縁附近の配管側に集中する疲労応力を効果
的に分散させることとなるのである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、配設使用状態
における配管側の接続頭部首下附近での亀裂、折
損に対する機械的強度を損うことなく、充分な補
強機能と、前記相互の重合面間に加振に際しても
前記摺擦調整機能並びに階段状として逐次薄肉と
した全体の後端周縁附近での構造により、後端周
縁附近の配管側での疲労応力を効果的に分散する
ことなり、配管側での亀裂、折損を軽減、防止す
ることができる極めて有用な金属配管端部の接続
用スリーブワツシヤーのものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る金属配管端部
の接続用スリーブワツシヤーの正面図、第２図は
第１図Ａ−Ａ線の断面図、第３図は第１図の組付
け使用状態を示す一部断面図、第４図及び第５図
は従来例を示すそれぞれの縦断面図である。 １……スリーブワツシヤー、２，２′……押圧
壁、３，３′……円筒壁、４，４′……後端周縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部に、配管端部側の接続頭部の背面に係合
   する鍔状の押圧壁を有し、且つ該押圧壁の背後
   に、軸芯部を前記配管への組付け嵌着孔とする円
   筒壁を連設してなるスリーブワツシヤーにおい
   て、個個の押圧壁２，２′…部と、該押圧壁部に
   連設したそれぞれの円筒壁３，３′…とを、相互
   に重合した複数の薄肉体による断面積層壁構造に
   よつて前記スリーブワツシヤ１を形成すると共
   に、前記円筒壁のそれぞれの後端周縁４，４′…
   部を、その重合した全体をもつて後方への階段状
   として逐次薄肉に構成したことを特徴とする金属
   配管端部の接続用スリーブワツシヤー。