JPH0130441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は片側支持の片持マンドレル型コイル材
保持装置に関する。

（従来の技術） 従来、片持ち支持のマンドレル型コイル材保持
装置はその第２図の側面図に示すように、取付基
礎１にアンカーボルト２によつて取着固定された
装置本体３と、装置本体３から水平に延設された
駆動軸たるマンドレル主軸４に片持的に取付けら
れたコイル材装着部５とから構成されており、こ
のコイル材装着部５にはコイル材Ｂが装着されて
いる。また、このコイル材装着部５の取付基礎１
における据付けに際しては、先ず、本装置と直列
に配列された図示しないレベラ、ロールフイー
ド、プレスとで組合わされ構成されたプレス加工
ラインの中心線Ａに対して同軸線上に本装置のコ
イル材装着部１５の中心Ｃを一致させるべく、コ
イル材Ｂ幅をＤとした場合、このコイル材装着部
１５の中心Ｃが、Ｃ＝（Ｄ／２）＋90となるようにし、 次いで上記プレス加工ラインの中心線Ａに対して
コイル材装着部５のマンドレル主軸４を直角Ｅに
合せ、装置本体３をアンカーボルト２によつて取
付基礎１に固定する。

そして、本装置の操作に際しては、コイル材装
着部５のマンドレルアーム６を縮径してプレス加
工材料たるコイル材Ｂをサイドガイド７に当たる
まで入れる。次いでマンドレルアーム６を拡径
し、一方のサイドガイド７にコイル材Ｂ側部に当
てて、コイル材Ｂを固定保持する。そして、コイ
ル材Ｂの繰出しに際して、マンドレル主軸４を回
転駆動し、次工程へコイル材Ｂを供給するのであ
る。ところが、コイル材装着部５のマンドレルア
ーム６にコイル材Ｂを挿入すると、マンドレル主
軸４、装着本体３及び基盤８の撓みによつて、コ
イル材装着部５の先端が図中符号θ゜傾く。その結
果、このような状態でコイル材装着部５を繰出し
或は巻き戻しなどの用途に用いると、回転運動な
どによつて誘発する振動によつて、コイル材Ｂの
移動が幅方向に発生し、マンドレルアーム６のサ
イドガイド７側に強大な力が働き、そのためにサ
イドガイド７はコイル材Ｂの幅方向の位置を保持
するために強大な圧力を必要とし、このサイドガ
イド７，７′の挟圧力によつて次工程へのコイル
材の供給が困難な場合があつた。

（目的） 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、プレス加工ラインにおけ
るコイル材保持装置において、プレス加工材たる
コイル材の繰出しおよび巻き戻しを容易且円滑に
し、次工程への供給を容易になしてプレス機にお
けるコイル材の加工効率を向上させることができ
る片持マンドレル型コイル材保持装置を提供しよ
うとするものである。

（構成） 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

図中１０は装置本体部を示し、この装置本体部
１０には上方に図示しない原動機によつて回転可
能な駆動軸たるマンドレル主軸１１が水平に装着
されている。また、この装置本体部１０から外部
に伸びるマンドレル主軸１１の延伸部には、コイ
ル材装着部１２が取付けられている。このコイル
材装着部１２は、そのマンドレル主軸１１に取付
けられたリンク機構１３と、そのリンク機構１３
に連結されコイル材Ｂを保持する保持機構１４と
から構成されている。このコイル材装着部１２に
おけるリンク機構１３は、マンドレル主軸１１に
固設されたスライドガイド１５と、マンドレル主
軸１１に沿つて摺動可能に外嵌されたスライド１
６とから構成されている。一方、保持機構１４
は、スライドガイド１５およびスライド１６に取
付けられた平行リンク１７，１７′によつて支持
されたマンドレルアーム１８と、そのマンドレル
アーム１８の両端に立設されたサイドガイド１
９，１９′とから構成され、これらリンク機構１
３および保持機構１４は、マンドレル主軸１１の
外周において３方向にそれぞれが均等な間隔をも
つて放射状に配設されている。そして、これらリ
ンク機構１３…は、装置本体部１０の後端に装着
されたエアー拡縮機構２０によつて拡縮され、マ
ンドレル主軸１１を中心に各保持機構１４を放射
状に半径方向に拡縮してコイル材Ｂを保持あるは
解放するように構成されている。なお、サイドガ
イド１９，１９′のうち、一方のサイドガイド１
９′はコイル材Ｂの幅方向に移動可能でコイル材
Ｂの幅に合せて位置決め固定される。

上述した装置本体部１０の下部には、装置本体
部１０を支持する基盤２１が、上記コイル材装着
部１２に沿つて延設された形状をなして固着され
ており、この基盤２１が設置固定される取付基礎
部２２との間には、安定機構２３が介装されてい
る。

この安定機構２３は、装置本体部１０が固設さ
れた後端側の基盤端下部２１ａと、その先端側の
基盤端下部２１ｂに設けられ、基盤端下部２１ａ
には、基盤２１と取付基礎部２２とを連結する連
結ボルト２４に貫通挿入されて基盤端下部２１ａ
に固着された当板２５と取付基礎部２２上に固着
された当板２６間に介装された弾性部材２７が装
備され、一方、基盤端下部２１ｂには、基盤２１
と取付基礎部２２とを連結固定する固定部材２８
が取着固定されている。

上記弾性部材２７は、取付基礎部２２下部から
当板２６を介して挿入された連結ボルト２４に、
基盤２１を常時上方に押圧する弾性復帰力をもた
せた例えば、複数重畳した皿ばねを挿入し、さら
に当板２５を介して基盤２１に挿入してダブルナ
ツト２９で基盤２１に締付け調整自在に締着固定
されている。連結ボルト２４はアンカーボルト３
０によつて取付基礎部２２に取着固定された当板
２６により取付基礎部２２の適宜位置に補強固定
されている。

上記固定部材２８は、基盤２１側に固着された
ブラケツト３１と取付基礎部２２側に固着された
ブラケツト３２を回動可能に連結した構造で接合
し、ブラケツト３２がアンカーボルト３３によつ
て取付基礎部２２に取着固定されている。

なお、取付基礎部２２は、固定設置床に限ら
ず、コイル材Ｂの芯合せ等のために移動可能な台
車上に設置されこともある。

このような構成を有するコイル材保持装置は、
コイル材装着部１２にコイル材Ｂを装着すると、
基盤端下部２１ｂ側と基盤端下部２１ａ側にその
コイル材Ｂの荷重が負荷されると同時に、コイル
材装着部Ｂを撓みθ゜をもつて傾斜する。この時、
基盤端下部２１ａ，２１ｂにかかるコイル材Ｂの
荷重は固定部材２８を支点Ｐの図中右下がりにモ
ーメントが働き、今、Ｗ１をコイル材荷重、Ｗ２
を被荷重、Ｌ１をコイル材幅方向の中心から固定
部材２８中心距離、Ｌ２を弾性部材２７中心から
固定部材２８中心とした場合、弾性部材２７には
被荷重Ｗ２がかかる。この時、弾性部材２７にか
かる被荷重Ｗ２は、弾性部材２７例えば皿ばねを
圧縮することによつて吸収され、同時に撓みθ゜を
もつて傾斜したマンドレル主軸１１は固定部材２
８を支点Ｐに図中左下がりに傾動し、水平状態に
自動的に補正される。従つて、この水平状態に補
正、保持されたコイル材装着部１２のコイル材Ｂ
は、マンドレルアーム１８上においてコイル材幅
方向に移動することがなく、サイドガイド１９，
１９′による強力な圧力を受けることがないので、
その次工程への供給に際してなんら抵抗を受ける
ことなく繰出され、円滑に供給できる。

また、被荷重Ｗ２は比例定数としてコイル材荷
重Ｗ１に比例し、弾性部材２７の例えば皿ばねの
弾性限界内の撓みは、コイル材荷重Ｗ１に比例す
るから、コイル材Ｂに応じて皿ばねを予め選定で
きる。

なお、本考案の実施例に示した弾性部材は皿ば
ねに限らず、他の状形のばね、例えば円形ばねに
よつても実施可能である。

以上述べたように本考案によれば、基盤の一方
端側に固設された装置本体部と、該装置本体部か
ら延伸された駆動軸に取付けられたコイル材装着
部と、該基盤が据付けられる取付基礎部とからな
る片持マンドレル型コイル材保持装置において、
上記装置本体部が固設された側の基盤端部と該取
付基礎部間に弾性部材が介装され且該基盤端部の
対向側の基盤端部と該取付基礎部間に固定部材が
介装された安定機構を具備し、該固定部材を支点
にコイル材装着部の荷重が負荷されて生じる荷重
による上記弾性部材の撓みを可変可能になし得る
ので、駆動軸を水平に補正し、コイル材の移動を
なくすことができ、よつて、プレス加工ラインに
おけるコイル材保持装置において、プレス加工材
たるコイル材の繰出し及び巻戻しを容易且円滑に
し、次工程への供給を容易になしてプレス機にお
けるコイル材の加工効率を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部断面正面
図、第２図は従来例を示す正面図である。 １０……装置本体、１１……駆動軸（マンドレ
ル主軸）、１２……コイル材装着部、２１……基
盤、２１ａ，２１ｂ……基盤端下部、２２……取
付基礎部、２７……弾性部材、２８……固定部
材、Ｂ……コイル材、Ｗ１……コイル材荷重、Ｗ
２……被荷重、Ｌ１……コイル材幅方向中心から
固定部材中心距離、Ｌ２……弾性部材中心から固
定部材中心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基盤の一方端側に固設された装置本体部と、該
   装置本体部から延伸された駆動軸に取付けられた
   コイル材装着部と、該基盤が据付けられる取付基
   礎部とからなる片持マンドレル型コイル材保持装
   置において、上記装置本体部が固設された側の基
   盤端部と該取付基礎部間に弾性部材が介装され且
   該基盤端部の対向側の基盤端部と該取付基礎部間
   に固定部材が介装された安定機構を具備し、該固
   定部材を支点にコイル材装着部の荷重が負荷され
   て生じる荷重による上記弾性部材の撓みを可変可
   能になすことを特徴とする片持マンドレル型コイ
   ル材保持装置。