JPH0130427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、荷、或いは部品を収納してなるケー
スなどの被搬送物を支持搬送し、そして搬送経路
中に出退自在なストツパを配設してなるローラ形
式のコンベヤ装置、詳しくは、機枠に多数の遊転
ローラを配設し、これら遊転ローラに下方から接
当する駆動ベルトを配設してなるコンベヤ装置に
関するものである。

従来例の構成とその問題点 上記のようなコンベヤ装置においては、部品を
収納可能なケースや荷などの被搬送物を支持搬送
し、そして搬送経路の適所に設けたストツパを出
退動させることにより該被搬送物のストレージと
送出しとを行なう。ところで、このようなコンベ
ヤ装置において問題になることは、ストツパの突
出により複数の被搬送物をストレージした状態か
ら、該ストツパの退入により先頭の被搬送物を送
出したのち、再びストツパを突出して二番目の被
搬送物を受止めるべく作動させるとき、送出した
先頭の被搬送物に接当した状態で二番目の被搬送
物も移動することから該二番目の被搬送物の受止
めを確実に行なえないことである。また搬送経路
中におけるストツパ作用位置を変更しようとした
場合、その変更を容易に行なえないことである。

考案の目的 本考案の目的とするところは、ストツパを退入
させて先頭の被搬送物を送出すとき、二番目の被
搬送物との間に確実に間隔が生ずるように該先頭
の被搬送物を強い駆動力で高速で送出し得、さら
にストツパ作用位置の変更を容易に行なえるコン
ベヤ装置を提供する点にある。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案におけるコン
ベヤ装置は、機枠に多数の遊転ローラを配設し、
これら遊転ローラに下方から接当する駆動ベルト
を配設してなるコンベヤ装置において、各遊転ロ
ーラを機枠に対して着脱自在に構成し、搬送経路
の下方に該搬送経路方向に移動自在な可動台を設
け、この可動台に昇降駆動装置を介して昇降体を
取付け、この昇降体に着脱自在な昇降部材に、そ
の昇降により搬送経路に対して出退自在なストツ
パと、前記遊転ローラよりも大径の搬送作用部を
左右に有し且つ中間に駆動ベルトに接当自在な小
径の受動部を有する高速遊転ローラとを設け、こ
の高速遊転ローラに対向して受けローラを設け、
この受けローラに、前記駆動ベルトの下面に接当
自在で且つ前記受動部の長さよりも短尺の大径押
付け部を形成している。

かかる構成によると、昇降駆動装置によつて昇
降部材などを介してストツパを上昇突出させるこ
とにより、このストツパで被搬送物を受止め得、
そしてストツパを下降退入させることによつて送
出される先頭の被搬送物は、駆動ベルトの動力を
受ける高速遊転ローラによつて他の遊転ローラ群
による搬送速度よりも高速で送出し得、これによ
り二番目の被搬送物との間に間隔が生じて、スト
ツパの再上昇による二番目の被搬送物の受止めは
前述した間隔を利用して行なえる。またストツパ
作用位置の変更は、先ず変更しようとする位置の
遊転ローラを離脱し、そして昇降体から分離した
ストツパや高速遊転ローラを有する昇降部材を上
方に取出し、次いで可動台を変更しようとする位
置にまで移動させたのち該位置に昇降部材を組込
んで昇降体に連結し、そして離脱した遊転ローラ
をストツパなどの前配設位置に取付けることによ
り行なえる。また受けローラは、その大径押付け
部が受動部の位置に嵌入することから高速遊転ロ
ーラに対して上下方向ならびに前後方向に充分に
近づけ得、これにより強いテンシヨン力（プレツ
シヤー力）を得られる。

実施例と作用 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。この実施例においては、コンベヤ装置をオ
ーダピツキング設備に使用している。すなわち１
は適当間隔を置いて並設した左右一対の棚で、
夫々上下方向ならびに水平方向に複数の区画収納
空間２を有し、内側ほど下位となるように傾斜し
た各区画収納空間２は部品収納ケース３を支持可
能である。両棚１間の中央に該棚１に沿つてコン
ベヤ装置４が配設され、このコンベヤ装置４は枠
組体５の中間部に設けてある。なお枠組体５の上
部には、空になつた部品収納ケース３を返送する
ための返送コンベヤ装置６が配設してある。また
枠組体５と両棚１との間が作業者空間７となる。
前記コンベヤ装置４は前記枠組体５側に取付けら
れる左右一対の機枠８を有し、これら機枠８間に
多数の遊転ローラ９を配設している。その際に遊
転ローラ９は、そのローラ軸に１０に取付けた軸
受１１を機枠８の上面側に形成した凹部１２に上
方から嵌合させ、そして軸受１１の上面に接当可
能な押え部材１３をボルトなどにより機枠８に取
付けることによつて、該機枠８側に着脱可能に配
設される。１４は遊転ローラ９群に対して下方か
ら接当する駆動ベルトで、駆動装置（図示せず）
により連続駆動される。前記機枠８の下方にブラ
ケツト１５を介して左右一対のレール１６が配設
され、これらレール１６に車輪１７を介して支持
案内される可動台１８を搬送経路方向に移動可能
に構成している。この可動台１８には上向きのシ
リンダ装置（昇降駆動装置の一例）１９が取付け
られ、そのピストンロツド２０には正面視〓形の
昇降体２１が取付けてある。この昇降体２１の両
側にはピン２２を介して左右一対の昇降部材２３
が連結され、その際にピン２２は抜出可能でその
抜出により分離し得る。両昇降部材２３の上端間
にはローラ軸２４を介して高速遊転ローラ２５が
取付けられる。この高速遊転ローラ２５は、前記
ローラ軸２４に外嵌固定され且つ遊転ローラ９よ
りも小径の芯筒体２６と、この芯筒体２６に左右
一対外嵌固定され且つ遊転ローラ９よりも大径の
ゴムローラ２７とからなり、これらゴムローラ２
７により搬送作用部を形成すると共に、中間に露
出する芯筒体２６が駆動ベルト１４の上面に接当
自在な受動部を形成する。なおゴムローラ２７が
駆動ベルト１４をさけるように、受動部の長さ
L₁は駆動ベルト１４の巾L₃よりも大にしてある。
両昇降部材２３の外面にはガイドローラ２８が取
付けられ、このガイドローラ２８を昇降案内する
ガイドレール２９が前記機枠８に取付けてある。
前記ローラ軸２４には、高速遊転ローラ２５の前
面前方に位置するストツパ３０が取付けられてい
る。３１は前記高速遊転ローラ２５に対向する受
けローラで、前記機枠８にローラ軸３２を介して
回転自在に支持されるローラ部３３と、このロー
ラ部３３の中央部に外嵌固着され且つ駆動ベルト
１４の下面に接当自在な大径押付け部３４とによ
り構成される。ここで大径押付け部３４の長さ
L₂は、前記受動部の長さL₁よりも短尺で且つ駆
動ベルト巾L₃よりも長尺に、すなわちL₁＞L₂＞
L₃に設定してある。３５はオーダピツキング用
のケース、第２図におけるＡはストツパ作用位置
を示す。

以下に作用を説明する。コンベヤ装置４によつ
て搬送されてきた空のケース３５は、第５図仮想
線に示すように上昇突出したストツパ３０に受止
められる。ケース３５の停止は、全ての作用位置
Ａあるいは必要な作用位置Ａにおいて、オーダピ
ツキング作業に応じて行なわれる。この状態で、
作業者空間７の作業者がオーダに応じてピツキン
グを行ない、ケース３５に投入する。１つのケー
ス３５に対する所定のオーダピツキングを終えた
のち、シリンダ装置１９の収縮により昇降体２１
ならびに昇降部材２３を介してストツパ３０と高
速遊転ローラ２５とを下降させる。ストツパ３０
の下降により前面が開放されたケース３５は遊転
ローラ９によつて送出し状に搬送され、そして高
速遊転ローラ２５に渡される。ここで高速遊転ロ
ーラ２５は芯筒体２６を介して駆動ベルト１４の
動力を受けているが、この芯筒体２６は遊転ロー
ラ９よりも小径であることから該遊転ローラ９よ
りも回転数が増加し、そして大径のゴムローラ２
７が該芯筒体２６と一体回転を行なうことから、
ケース３５は高速遊転ローラ２５によつて通常よ
りも高速で搬送されることになる。したがつて送
出し完了時点においては所定搬送される後続ケー
ス３５との間に間隔が生じ、この間隔を通してス
トツパ３０を再上昇させることによつて、後続
（二番目）ケース３５の受止めは確実に行なえる。
作業者によるオーダピツキング範囲の拡大、縮
小、あるいは変更などによつてストツパ作用位置
Ａを変更する場合がある。この場合、先ず例えば
第５図仮想線に示すように、変更しようとする位
置の押え部材１３を外し、遊転ローラ９を離脱さ
せる。次いでピン２２を抜出したのち、ストツパ
３０や高速遊転ローラ２５などを有する昇降部材
２３を第６図仮想線に示すように上方に取出す。
そして可動台１８を変更しようとする位置にまで
移動させたのち、該位置に前述の取出した昇降部
材２３などを下降により組込み、さらに昇降部材
２３と昇降体２１とをピン２２にて連結する。そ
の後、前述のように離脱した遊転ローラ９を、ス
トツパ３０などを除去した位置、すなわち前配設
位置に組込む。第５図実線で示すように芯筒体２
６を駆動ベルト１４の上面に接当させた高速送り
時において、受けローラ３１の大径押付け部３４
は上下方向ならびに前後方向において両ゴムロー
ラ２７間に喰い込み状に位置しており、これによ
り駆動ベルト１４にテンシヨン（プレツシヤー）
をかけて芯筒体２６に強く圧接させ得、以つて高
速遊転ローラ２５に強い駆動力を与え得る。なお
ストツパ３０などの位置変更相当部には同様の高
速遊転ローラ２５が配設されている。

考案の効果 上記構成の本考案における駆動コンベヤによる
と次のような効果を期待できる。すなわち、昇降
駆動装置によつて昇降部材などを介してストツパ
を上昇突出させることにより、このストツパで被
搬送物を受止めてストレージすることができ、そ
してストツパを下降退入させることによつて送出
される先頭の被搬送物は、駆動ベルトの動力を受
ける高速遊転ローラによつて他の遊転ローラ群に
よる搬送速度よりも高速で送出すことができ、こ
れにより二番目の被搬送物との間に間隔を生ずる
ことができて、ストツパの再上昇による二番目の
被搬送物の受止めは前述した間隔を利用して確実
に行なうことができる。またストツパ作用位置の
変更は、先ず変更しようとする位置の遊転ローラ
を離脱し、そして昇降体から分離したストツパや
高速遊転ローラを有する昇降部材を上方に取出
し、次いで可動台を変更しようとする位置にまで
移動させたのち該位置に昇降部材を組込んで昇降
体に連結し、そして離脱した遊転ローラをストツ
パなどの前配設位置に取付けることにより、容易
に且つ確実に行なうことができる。また受けロー
ラは、その大径押付け部が高速遊転ローラの受動
部の位置に嵌入することから、該高速遊転ローラ
に対して上下方向ならびに前後方向に充分に近づ
けることができ、これにより強いテンシヨン力
（プレツシヤー力）を得ることができて強い駆動
力伝達を行なえ、分離をより確実に行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は概略
側面図、第２図は概略平面図、第３図は概略正面
図、第４図は要部の平面図、第５図は要部の一部
切欠側面図、第６図は要部の一部切欠正面図であ
る。 １……棚、４……コンベヤ装置、８……機枠、
９……遊転ローラ、１１……軸受、１２……凹
部、１４……駆動ベルト、１８……可動台、１９
……シリンダ装置（昇降駆動装置）、２１……昇
降体、２２……ピン、２３……昇降部材、２５…
…高速遊転ローラ、２６……芯筒体、２７……ゴ
ムローラ、３０……ストツパ、３１……受けロー
ラ、３３……ローラ部、３４……大径押付け部、
３５……ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠に多数の遊転ローラを配設し、これら遊転
   ローラに下方から接当する駆動ベルトを配設して
   なるコンベヤ装置において、各遊転ローラを機枠
   に対して着脱自在に構成し、搬送経路の下方に該
   搬送経路方向に移動自在な可動台を設け、この可
   動台に昇降駆動装置を介して昇降体を取付け、こ
   の昇降体に着脱自在な昇降部材に、その昇降によ
   り搬送経路に対して出退自在なストツパと、前記
   遊転ローラよりも大径の搬送作用部を左右に有し
   且つ中間に駆動ベルトに接当自在な小径の受動部
   を有する高速遊転ローラとを設け、この高速遊転
   ローラに対向して受けローラを設け、この受けロ
   ーラに、前記駆動ベルトの下面に接当自在で且つ
   前記受動部の長さよりも短尺の大径押付け部を形
   成したことを特徴とするコンベヤ装置。